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【発明の名称】 自動車用防犯装置
【発明者】 【氏名】斉藤 利孝

【要約】 【課題】自動車のドア(1)を所有者以外の者が、合い鍵、針金、ドライバー等を用いて開けようとしても、施錠装置(2)を施錠状態に固定するロック機構(9)が作動している場合、鍵本体(8)を空転させ、開操作が施錠装置(2)の操作機構及びロック機構(9)に伝えられず、ロック機構(9)がロック状態に確実に保持され、施錠装置(2)が施錠状態に確実に固定保持され、結果ドア(1)が開かないようにする。

【解決手段】自動車のドア(1)に設ける施錠装置(2)を施錠状態に固定するロック機構(9)を前記ドア(1)内部に備えると共に、前記施錠装置(2)の鍵本体(8)をロック機構(9)が作動しているとき空転させる空転装置(9)を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自動車のドアに設ける施錠装置を施錠状態に固定するロック機構を前記ドア内部に備えると共に、前記施錠装置の鍵本体をロック機構が作動しているとき空転させる空転装置を設けたことを特徴とする自動車用防犯装置。
【請求項2】 空転装置をトルクリミッターで構成し、そのトルクリミッタを介して鍵本体とドア開閉用ロッドを連結した請求項1記載の自動車用防犯装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車や車内の物品等の盗難を防ぐための自動車用防犯装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来の自動車用防犯装置は、施錠状態のドアを所有者以外の者が開けたときに、警報を発したりエンジンをかからなくするものであった。そのため、従来の自動車用防犯装置はドアが所有者以外の者に開けられてから、即ち車内に乗り込むことができるようになってから作動するもので、防犯性能に欠ける点があった。そこで、本願出願人は特願平10−319776号に示すように、自動車のドアを所有者以外の者が、従来のように合い鍵、針金、ドライバー等を用いて開けようとしても開かないようにし、高い防犯性能を得ることができる新規な自動車用防犯装置を発明し、出願した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の新規な自動車用防犯装置を改良し、さらに高い防犯性能を得ることを主たる目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明の自動車用防犯装置は、自動車のドアに設ける施錠装置を施錠状態に固定するロック機構を前記ドア内部に備えると共に、前記施錠装置の鍵本体をロック機構が作動しているとき空転させる空転装置を設けたことを特徴とするものである。
【0005】
【作用】本発明の自動車用防犯装置は、自動車のドアを所有者以外の者が、従来のように合い鍵、針金、ドライバー等を用いて開けようとしても、ロック機構が作動している場合、空転装置が働いて施錠装置の鍵本体が空転し、開操作が施錠装置の操作機構及びロック機構に伝えられず、ロック機構がロック状態に確実に保持され、施錠装置が施錠状態に確実に固定保持され、結果ドアは開かない。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1において、符号(1)は乗用車、トラック、バス等の自動車の車内に出入りするためのドア、(2)は自動車のドア(1)の施錠装置であり、該施錠装置(2)は現在各自動車メーカーが使用している周知のもので、その仕組みを簡単に説明すると、ドア(1)の内側に設けられたロック用ノブ(3)に第1操作ロッド(4)の一端が連結され、その第1操作ロッド(4)の中間部に第2操作ロッド(5)が連結され、第1操作ロッド(4)の他端に電気式の施錠操作機構(6)が連結され、第2操作ロッド(5)の他端に機械式の施錠操作機構(7)が連結され、その機械式の施錠操作機構(7)がドア(1)の機械式の錠本体(8)に連動連結されている。
【0007】そして、機械式の前記錠本体(8)の鍵と、電気式の施錠操作機構(6)の遠隔操作用のリモートコントローラ(発信器)とを自動車の所有者が携帯するもので、ドア(1)の外面に設けられた鍵穴に前記鍵を差し込み、錠本体(8)を直接操作することによって、車外からのドア(1)の施錠及び解錠を行い、この時、錠本体(8)の施錠及び解錠動作に連動する機械式の施錠操作機構(7)が第2操作ロッド(5)及び第1操作ロッド(4)を介して、施錠時は前記ロック用ノブ(3)と電気式の施錠操作機構(6)とを施錠状態に切換操作し、解錠時には前記ロック用ノブ(3)と電気式の施錠操作機構(6)とを解錠状態に切換操作する。
【0008】また、車内の所定位置に設けられる受信器に向けて車外からリモートコントローラによって特定の信号を発信することによって、電気式の前記施錠操作機構(6)に駆動信号が出され、電気式の施錠操作機構(6)が駆動され、この電気式の施錠操作機構(6)が第1操作ロッド(4)及び第2操作ロッド(5)を介して、ドア(1)が施錠状態の時は前記ロック用ノブ(3)と機械式の前記施錠操作機構(7)とを解錠状態に切換操作し、前記錠本体(8)を解錠操作し、ドア(1)が解錠状態の時は前記ロック用ノブ(3)と機械式の前記施錠操作機構(7)とを施錠状態に切換操作し、前記錠本体(8)を施錠操作し、車外からのドア(1)の施錠及び解錠を行う。
【0009】一方、前記ロック用ノブ(3)を直接操作することによって、車内からのドア(1)の施錠及び解錠を行うもので、ドア(1)が施錠状態の時はロック用ノブ(3)を解錠状態に切換操作することによって、このノブ(3)が第1操作ロッド(4)及び第2操作ロッド(5)を介して、電気式の前記施錠操作機構(6)と機械式の前記施錠操作機構(7)とを解錠状態に切換操作し、前記錠本体(8)を解錠操作し、ドア(1)が解錠状態の時はロック用ノブ(3)を施錠状態に切換操作することによって、このノブ(3)が第1操作ロッド(4)及び第2操作ロッド(5)を介して、電気式の前記施錠操作機構(6)と機械式の前記施錠操作機構(7)とを施錠状態に切換操作し、前記錠本体(8)を施錠操作する。
【0010】また、車内の所定位置に設けられるドア(1)の施錠及び解錠操作釦を操作することによって、電気式の前記施錠操作機構(6)に駆動信号が出され、電気式の施錠操作機構(6)が駆動され、この電気式の施錠操作機構(6)が第1操作ロッド(4)及び第2操作ロッド(5)を介して、ドア(1)が施錠状態の時は前記ロック用ノブ(3)と機械式の前記施錠操作機構(7)とを解錠状態に切換操作し、前記錠本体(8)を解錠操作し、ドア(1)が解錠状態の時は前記ロック用ノブ(3)と機械式の前記施錠操作機構(7)とを施錠状態に切換操作し、前記錠本体(8)を施錠操作する。
【0011】尚、周知のようにドア(1)の集中ロックシステムを採用するものにあっては、殆どの場合、運転席側のドア(1)にのみ機械式の前記錠本体(8)の鍵穴が設けられ、この運転席側のドア(1)を機械式の前記錠本体(8)の鍵によって施錠及び解錠することによって、他の全てのドア(1)が運転席側のドア(1)の施錠及び解錠に連動してそれぞれ電気式の前記施錠操作機構(6)によって施錠及び解錠されるようになっている。またリモートコントローラと施錠及び解錠操作釦の操作時には全てのドア(1)の電気式の前記施錠操作機構(6)に駆動信号が出され、全てのドア(1)の一括施錠及び一括解錠を行い、前記ロック用ノブ(3)の操作によって各ドア(1)を個別に施錠及び解錠できるようになっている。
【0012】自動車のドア(1)に設けられる施錠装置(2)は上記のように構成され、その施錠装置(2)を施錠状態に固定するロック機構(9)を前記ドア(1)内部に備えるもので、該ロック機構(9)は図2示すように、ドア(1)の内部に固定するシリンダ(10)に係合ピン(11)が摺動自在に嵌合され、その係合ピン(11)が前記第1操作ロッド(4)及び第2操作ロッド(5)の連結部(12)にワイヤ(13)を介して連結されている。前記係合ピン(11)にはコイルバネ(13)力が常時付勢され、ドア(1)が施錠時にワイヤ(13)が緩むことによって係合ピン(11)がコイルバネ(13)力によってロック位置に移動保持される一方、ドア(1)が解錠時にワイヤ(13)が引っ張られることによって係合ピン(11)がコイルバネ(13)力に抗して非ロック位置に移動保持される。そして、ドア(1)の内部にシリンダ(10)と共に固定されているソレノイド(14)をドア(1)の施錠時に駆動し、そのソレノイド(14)の可動鉄心(14a)先端部をシリンダ(10)の内部に突出させ、ロック位置の係合ピン(11)に可動鉄心(14a)先端部を係合させ、係合ピン(11)をロック位置でシリンダ(10)に位置固定することによって、ドア(1)の施錠装置(2)全体を施錠状態にロック(固定)する。ソレノイド(14)を駆動停止し、ソレノイド(14)の可動鉄心(14a)先端部をシリンダ(10)の内部から退出させ、ロック位置の係合ピン(11)と可動鉄心(14a)先端部との係合を解除させ、係合ピン(11)のロック位置でのシリンダ(10)に対する位置固定を解除することによって、ドア(1)の施錠装置(2)全体が解錠操作可能となる。
【0013】また、ロック機構(9)の操作、即ちソレノイド(14)の操作は遠隔操作によって行うもので、電気式の前記施錠操作機構(6)の遠隔操作用のリモートコントローラ(発信器)を兼用しても、専用の遠隔操作用のリモートコントローラ(発信器)を備えても、何れでもよい。何れにしても車内の所定位置に設けられる受信器に向かって車外からリモートコントローラによって特定の信号を発信することによって、ソレノイド(14)は駆動及び駆動停止、即ちロック機構(9)はロック及びロック解除される。
【0014】尚、周知のようにドア(1)の集中ロックシステムを用いて自動車が走行を開始し、所定速度に達すると自動的に全てのドア(1)の電気式の前記施錠操作機構(6)に駆動信号を出し、全てのドア(1)の一括施錠を行うものもあるが、本願発明のロック機構(9)は、逆に、少なくとも走行中はドア(1)の施錠装置(2)全体を施錠状態にロックしないようにするもので、そのため、例えば前記リモートコントローラから発信される特定信号でのみソレノイド(14)を駆動及び駆動停止させるようにしている。また前記ソレノイド(14)に代えて他の電動式のアクチュエータ、例えば電動モータや電動シリンダを用いてもよく、これらアクチュエータの電源は電気式の前記施錠操作機構(6)の電動のアクチュエータと同じく自動車に搭載しているバッテリを用いることは言うまでもない。
【0015】また、上記したように自動車のドア(1)に設けられる施錠装置(2)を施錠状態に固定するロック機構(9)を前記ドア(1)内部に備えると共に、前記施錠装置(2)の鍵本体(8)をロック機構(9)が作動しているとき空転させる空転装置(15)を前記ドア(1)内部に備えるもので、該空転装置(15)は図3乃至図5に示すように、鍵本体(8)の裏側から一体に延出させるアーム(16)と、そのアーム(16)の先端に一体に固着するブラケット(17)と、そのブラケット(17)に支点軸(18)を介して回転自在に連結するリンク(19)と、ブラケット(19)に取付けられ、そのブラケット(19)に所定以下のトルクでリンク(19)を係合連結させるボールプランジャー(20)と、リンク(19)の戻しスプリング(21)とからなり、リンク(19)の端部に形成する穴(22)に施錠操作機構(7)のドア開閉用ロッドが連結されている。
【0016】そして、通常空転装置(15)は図3に示すように、ブラケット(19)に取付けたボールプランジャー(20)とリンク(19)に開設した係合穴(23)とが一致し、ボールプランジャー(20)の鋼球(24)が係合穴(23)に係合し、リンク(19)がブラケット(19)に対し係合連結された状態となっている。その状態で、ドア(1)の外面に設けられた鍵穴に鍵を差し込み、錠本体(8)を回転操作すると、前記ロック機構(9)が作動していない場合には、施錠装置(2)が施錠状態に固定されておらず、リンク(19)の端部に連結される施錠操作機構(7)のドア開閉用ロッドも固定されていないから、図4に示すように、錠本体(8)、アーム(16)、ブラケット(17)並びにそのブラケット(17)とボールプランジャー(20)で係合連結されているリンク(19)が一体的に鍵本体(8)を中心に時計方向に回動変位し、施錠装置(2)が解錠状態に切換操作される一方、前記ロック機構(9)が作動している場合には、施錠装置(2)が施錠状態に固定されていて、リンク(19)の端部に連結される施錠操作機構(7)のドア開閉用ロッドが固定されているから、図5に示すように、錠本体(8)、アーム(16)、ブラケット(17)は一体的に鍵本体(8)を中心に反時計方向に回動変位するが、リンク(19)はボールプランジャー(20)によるブラケット(17)との係合連結が解かれて、その先端部の穴(22)側を支点に反時計方向に回動変位し、施錠操作機構(7)のドア開閉用ロッドを連結するリンク(19)先端部の穴(22)位置が殆ど変位せず、錠本体(8)、アーム(16)、ブラケット(17)の鍵本体(8)を中心とする反時計方向の一体的な回動変位動作、即ち施錠装置(2)の開操作を施錠操作機構(7)に伝えない、即ち鍵本体(8)を空転させ、ロック機構(9)をロック状態に確実に保持し、施錠装置(2)を施錠状態に確実に固定保持するものである。
【0017】上記から明らかなように、空転装置(15)はトルクリミッターと同様に作用し、鍵本体(8)と施錠操作機構(7)のドア開閉用ロッドの間に介在させてそれらを所定のトルク以下で連動連結するもので、既存の施錠装置(2)ではアーム(16)の先端に施錠操作機構(7)のドア開閉用ロッドが直接連結されているところ、アーム(16)の先端と施錠操作機構(7)のドア開閉用ロッドとの間に組込む前記空転装置(15)は後付けタイプのもので、最初から施錠装置(2)に組込む場合には鍵本体(8)の裏側に直接トルクリミッターそのものを組込み、そのトルクリミッター介してを鍵本体(8)にアーム(16)取付けることでも、空転装置(15)と同様の作用を得ることができるものである。
【0018】
【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明は、自動車のドア(1)に設ける施錠装置(2)を施錠状態に固定するロック機構(9)を前記ドア(1)内部に備えると共に、前記施錠装置(2)の鍵本体(8)をロック機構(9)が作動しているとき空転させる空転装置(15)を設けたもので、自動車のドア(1)を所有者以外の者が、従来のように合い鍵、針金、ドライバー等を用いて開けようとしても、ロック機構(9)が作動している場合、空転装置(15)が働いて施錠装置(2)の鍵本体(8)が空転し、開操作が施錠装置(2)の操作機構及びロック機構(9)に伝えられず、ロック機構(9)がロック状態に確実に保持され、施錠装置(2)が施錠状態に確実に固定保持され、結果ドア(2)は開かないから、自動車用防犯装置にさらに高い防犯性能を与えることができる効果を奏するものである。
【出願人】 【識別番号】598159746
【氏名又は名称】斉藤 利孝
【出願日】 平成12年6月12日(2000.6.12)
【代理人】 【識別番号】100062270
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 忠治
【公開番号】 特開2001−349115(P2001−349115A)
【公開日】 平成13年12月21日(2001.12.21)
【出願番号】 特願2000−174619(P2000−174619)