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【発明の名称】 貨物車両の貨物室扉用施錠装置のストライカ取付構造
【発明者】 【氏名】藤原 和嘉

【要約】 【課題】貨物車両の貨物室扉の施錠装置において、キーを紛失した場合に施錠装置を壊さずにシャッターを開放できるようにする。

【解決手段】シャッター1(貨物室扉)の施錠装置Sが係合するストライカ5を、下枠3に嵌設した錠受箱6にボルト、ナットで固定するにあたり、ボルト8のネジ先部8bにスリ割8cを設け、ネジ先部8bおよびナット9を錠受箱の外側に配置した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】貨物車両の貨物室開口部の下枠に設けられ、貨物室の扉に設けられた施錠装置が係合するストライカであって、該ストライカを貨物室開口部の下枠に嵌設される錠受箱の内側にボルトとナットで固定するにあたり、該ボルトのネジ先部には連れ回りを規制するための工具係止部を設け、かつ前記ネジ先部およびナットを前記錠受箱の外側に配置したことを特徴とする貨物車両の貨物室扉用施錠装置のストライカ取付構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンテナやバン型車両等の貨物車両の貨物室扉の施錠装置に関し、詳しくは施錠装置が係合するストライカの取付構造の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、宅配便などに使用される貨物車両の貨物室の扉には、盗難防止のため、例えば実開平4−41092号公報に記載されるような施錠装置が設けられており、運転手がキーを使って解錠するようになっている。ところが緊急に配達すべき荷物があるにも拘わらず運転手がキーを紛失したような場合には、扉を開放するために、しばしば施錠装置を壊さなければならない事態が生じ問題となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる不具合を解決するべく創作されたものであって、簡単な構成でありながら、緊急時には施錠装置に係合するストライカを貨物室開口部の下枠から切り離すことで、施錠装置を壊すことなく扉を開放することのできるストライカ取付構造を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解決するために創作されたものであって、貨物車両の貨物室開口部の下枠に設けられ、貨物室の扉に設けられた施錠装置が係合するストライカであって、該ストライカを貨物室開口部の下枠に嵌設される錠受箱の内側にボルトとナットで固定するにあたり、該ボルトのネジ先部には連れ回りを規制するための工具係止部を設け、かつ前記ネジ先部およびナットを前記錠受箱の外側に配置したことを特徴とするものである。このようにすることにより、緊急時には、錠受箱から突出するボルトのネジ先部の工具係止部にドライバーあてがい、ボルトの連れ回りを防止しながら、スパナ等を用いてナットを取り外すことで、ストライカを下枠から切り離すことができるので、施錠装置を壊すことなくシャッターを開放することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。図面において、1は、コンテナ型車両の貨物室開口部に設けられたシャッター1(本発明の扉に相当。)であって、該シャッター1は、複数のパネルを連結し下端にシールゴム2bを有するシャッターカーテン2が、開口部及び天井面の左右に設けられたガイドレールに沿って、開口部上方に設けられた図示しないバランススプリングにより軽い力で開閉できるようになっている。尚、このようなシャッターの基本構成は公知のものであり、詳細な説明は省略する。
【0006】シャッターカーテン2の最下段パネル2aの幅方向中央には施錠装置Sが、(施錠装置Sと対向する位置の)下枠3にはストライカ5が設けられており、シャッター全閉時にはそれらが係合するようになっている。施錠装置Sは、実開平4−41092号公報に記載されたものが採用されており、以下、その構造と機能について簡単に説明する。シャッターカーテン2を閉じると、ストライカ5が施錠装置Sの図示しない作動ピースを押し上げ、フック13をストライカ5と係合する位置(図2に点線で示す位置。)に回動させる。この状態において、開閉レバー14を90°回動操作すると、施錠装置に内蔵された図示しないバネフック開放機構等を介してフック13が回動し、ストライカ5との係合が解除されてシャッター1を開放することができる状態になる。しかし、フック13がストライカ5に係合した状態において、シリンダー錠18に図示しないキーを挿入して施錠操作を行うと、図示しない施錠機構が作動して開閉レバー14はロックされ、シャッター1を開放することができない状態になる。この状態においてキーを紛失した場合に前述の施錠装置を壊さなければならない事態となる。
【0007】次にストライカ5の取付構造について説明する。下枠3の上面3aには角穴3bが穿設されており、該角穴3bには、上面が開放された箱状の錠受箱6が嵌設されている。該錠受箱6の底面6aにはストライカ5が2本のボルト8により固定されている。該ボルト8は、ネジ先部8bにスリ割8c(本発明の工具係止部に相当。)が設けられており、ネジ先部8bが錠受箱6の外側に突出するように配置され、突出した部位にナット9が螺着されている。該ボルト8のストライカ5と錠受箱底面6aとの間の部位には、複数の平座金10が装着されており、装着枚数によりストライカ5の取付位置(高さ)の調整が行われている。車両用の施錠装置においては、施錠装置とストライカとを遊び(緩み)が無い状態で係合させることが、走行時の振動による施錠装置の破損を防止する意味で重要である。尚、シャッターカーテン2の下端に設けられたシールゴム2bも、施錠装置Sとストライカ5と係合時の遊びを防ぐ点で有益である。
【0008】7は、錠受箱6の底面6aの反対面(外側)に取付けられ、ナット9の緩みを防止するための鋼板製のナット押え板7である。該ナット押え板7は、ナット9を嵌入するための2個の六角穴7bと長手方向の中央部位に細幅部7dを有する平板状の本体部7aと、該本体部7aの両端に設けられた幅狭の取付片部7cとから構成されている。該ナット押え板7は、細幅部7dの部位で所定角度に折り曲げた状態(図5(a)に示すように側面視くの字状。)に製作されており、取付時には、折り曲げ部を押し広げながら、取付片部7cを錠受箱6に穿設された取付角穴6dに差込み、同時に六角穴7bにナット9が嵌め込まれるように取付けられている。該ナット押え板7は、側面視くの字状の鋼板を押し曲げて平板状に(塑性)変形させるだけで簡単にセットすることが出来て、振動によるナットの緩みを効果的に防止することができる。
【0009】以上、説明したようなストライカ5の取付構造を採用したことにより、運転者がキーを紛失したような場合には、先ず、錠受箱6とナット押え板7との間にドライバー等を差し込んでナット押え板7をくの字状に押し曲げて取り外した上で、錠受箱6の外側に突出したボルト8のネジ先部8bのスリ割8cにドライバーをあてがい、ボルト8の連れ回りを防止しながらスパナ等を用いてナット9取りを外すことで、ストライカ5を下枠3(車体)から切り離すことが出来るので、施錠装置を壊すこと無くシャッターを開放することができる。尚、ボルト8のネジ先部8bに設ける工具係止部としては、本実施の形態のスリ割に限定されるものではなく、ネジ端面に六角の凹部を設ける、あるいは先端に(ネジ部より小径の)角柱部を設けるなどの種々の形状のものを採用することができる。また、施錠装置は、キーにより施錠解錠を行うタイプに限定されるものではなく、自動施錠タイプのものにも適用できることは言うまでもない。また、ストライカを下枠(錠受箱)に固定しているボルト、ナットを取り外す手段としては、錠受箱の一部に切欠穴を設け、そこからスパナ等を差し入れてボルトの連れ回りを防ぐことも考えられるが、その場合は該切欠穴を通じて外気が入り込むと言う問題があり好適ではない。
【出願人】 【識別番号】000177302
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
【出願日】 平成12年5月31日(2000.5.31)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−336318(P2001−336318A)
【公開日】 平成13年12月7日(2001.12.7)
【出願番号】 特願2000−162240(P2000−162240)