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【発明の名称】 二重操作タイプの鎖錠機構
【発明者】 【氏名】相原 俊久

【要約】 【課題】

【解決手段】シリンダ錠6の作動体7の運動により鎖解錠のための出没動作をするラッチ部材3を具備した鎖錠機構において、この鎖錠機構のケース1内に、前記ラッチ部材3に形成した係止部に係合しているときは当該ラッチ部材3を動作できないように拘束し、カード状をなすプレート鍵が挿込まれるとラッチ部材3の拘束を解除するラッチ制御部材8を具備し、前記プレート鍵の挿脱によって施解錠される平面錠を設けたこと。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シリンダ錠の作動体の運動により鎖解錠のための出没動作をするラッチ部材を具備した鎖錠機構において、この鎖錠機構のケース内に、前記ラッチ部材に形成した係止部に係合しているときは当該ラッチ部材を動作できないように拘束し、カード状をなすプレート鍵が挿込まれるとラッチ部材の拘束を解除するラッチ制御部材を具備し、前記プレート鍵の挿脱によって施解錠される平面錠を設けたことを特徴とする二重操作タイプの鎖錠機構。
【請求項2】 平面錠の施錠動作は、前記シリンダ錠の作動体が解錠側に運動するとき、当該作動体に連動されるようにした請求項1の二重操作タイプの鎖錠機構。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は貸ロッカーなどに適用して有用な二重操作タイプの鎖錠機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、スポーツジム施設やゴルフ場などのように、不特定多数の者が出入りする施設では、各入場者の私物等を収容しておくための貸ロッカーが配備されている。
【0003】上記のような施設の貸ロッカーでは、各ロッカーに個別に設けられた鎖錠機構を利用して各ロッカー使用の時に夫々のロッカー扉の施錠,解錠が出来るように、各ロッカーごとに前記鎖錠機構の施,解錠用の鍵を各入場者に貸出すようにしているが、多数のロッカー用の鍵の貸出しや返却を管理するには、そのための鍵収容スペースを不可欠とすると同時に、鍵同士の混同が生じないようにするために相当の注意を払う必要があり、それでもなお、貸出鍵の紛失や鍵同士の混同が後を断たない。特に、鍵が紛失されたり、盗まれたりすると、安全のためそのロッカーの鎖錠機構全体の取替えを要することとなって、きわめて高コストの補修を要するという問題がある。
【0004】上記のような点に鑑み、不使用時には鍵が鎖錠機構のシリンダ錠から外れないようにした鎖錠機構が提案されているが、この方式では悪戯によって鎖錠機構が施錠されて鍵が外部に持出されると、対応の仕様がない問題がある。
【0005】最近では、上記の点に鑑み、入場者に発行されるチケットを挿し込まなければ、鎖錠機構のシリンダ錠が施錠操作ができない、つまり、鍵が抜き取られることのない、いわば二重操作タイプの鎖錠機構が提案されているが、問題もある。
【0006】即ち、この二重操作タイプの鎖錠機構は、入場時に発行されるチケットを挿し込まなければ、シリンダ錠の操作ができない点で優れているが、チケットの仕様が一律であるため、どのロッカーの鎖錠機構にも適用でき、従って、完全な意味での二重操作タイプの鎖錠機構とはいえない面がある。即ち、前記チケットと同等の外形を持つ薄板などがあれば、それを挿込んでシリンダ錠の操作が可能になるため、依然として悪戯による鍵の持出しは根絶できないからである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上述した従来の二重操作タイプの鎖錠機構の問題点を解消した二重操作タイプの鎖錠機構を提供することを、その課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決することを目的としてなされた本発明鎖錠機構の構成は、シリンダ錠の作動体の運動により鎖解錠のための出没動作をするラッチ部材を具備した鎖錠機構において、この鎖錠機構のケース内に、前記ラッチ部材に形成した係止部に係合しているときは当該ラッチ部材を動作できないように拘束し、カード状をなすプレート鍵が挿込まれるとラッチ部材の拘束を解除するラッチ制御部材を具備し、前記プレート鍵の挿脱によって施解錠される平面錠を設けたことを特徴とするものである。
【0009】本発明は上記構成において、鍵穴(スリット)に挿し込まれたプレート鍵を抜去可能にする、つまり、平面錠を施錠する動作を、前記シリンダ錠の作動体が解除側に運動するとき、当該作動体に連動させるようにしている。
【0010】上記構成を採ることにより、本発明鎖錠機構では、まず、プレート鍵をその鍵穴(スリット)に挿し込むことにより、平面錠のラッチ制御部材を、シリンダ錠のラッチ部材の係合から解除してこのシリンダ錠を施錠動作可能の状態にすると共に、挿し込まれた前記プレート鍵を抜去不能に保持する。
【0011】上記状態において、シリンダ錠が施錠側に作動させられそのラッチ部材を鎖錠側に進出させると、シリンダ錠からその鍵が抜き取り可能になる。この段階でもプレート鍵の抜取りはできない。この状態で、例えばロッカーの扉は開閉不能に鎖錠状態に保持される。
【0012】上記の鎖錠状態を解除するには、シリンダ錠の鍵穴に鍵を挿込んで鎖錠時とは反対側に回転させると、ラッチ部材が後退して前記鎖錠が解かれる。このとき、前記ラッチ部材に後退動作をさせるシリンダ錠の作動体は、ラッチ制御部材を後退したラッチ部材の係止部に係合させるための作用をする。これらの詳細については、以下において図を参照しつつ説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】次に本発明鎖錠機構の実施形態の一例について、図を参照しつつ説明する。図1は本発明鎖錠機構の構造を説明するため本体内部を開蓋状態で表わした正面図、図2は図1の機構を左側から視た側面図、図3は本体から取外した蓋体の裏面側の要部を示す正面図である。
【0014】図1,図2において、1は本発明鎖錠機構の本体となる箱状のケース、2はこのケース1の内部に収設した平面錠のためのケーシングで、図では1点鎖線で表わしている。
【0015】3は、上記ケース1において下部に横向きに配設したラッチ部材で、ケース1のラッチ孔1aから水平方向で進退自在に設けられている。4はラッチ部材3の進退動作をガイドするガイドピンで、ラッチ部材3に設けたガイド溝3aに遊嵌されるように、ケース1の内面に立設されている。3bは、図3により後に説明するシリンダ錠6の作動体7に設けた作動ピン7aにゆるく係合していて、作動ピン7aの回転動作をラッチ部材3の水平進退動作に変換するための作動切欠である。なお、3cはラッチ部材3の下部辺略中央に形成した係合部としての切欠である。
【0016】前記ケース1の蓋体5には、図3の裏面図に例示するように、この蓋体5の表側(図の裏側)にシリンダ錠6が設けられており、この錠6の作動体7が、当該錠6の鍵(図示せず)を用いた施解錠操作により回転(図示の例では、90度回転タイプ)することにより、この作動体7に立設した作動ピン7aによって前記ラッチ部材3を進退動作させる、なお、シリンダ錠6の作動体7には、その外周上に後述する作動突部7bが設けられている。
【0017】上記のシリンダ錠6とラッチ部材3を主体に形成される鎖錠機構は、以下に説明する平面錠によってその作動が規制制御されるので、次にこの点について述べる。
【0018】8は、上記ケース1において、前記ラッチ部材3にクロスする向きで配設されたラッチ制御部材で、その下端に形成した舌片8aが前記ラッチ部材3における係合部としての切欠3cに係合,離脱することにより、このラッチ部材3の左右方向での進退動作を規制又は許容する制御作用をする。
【0019】このため上記制御部材8は、その上端部に、平面錠のケーシング2の内部において、常時上方へ引張力を作用させる引張バネ8bにより引上げ側へ付勢されていると共に、その上方への変位位置を規制するストッパ8eに支持されるストップ突起8cを具備して形成されている。また、この制御部材8は、その上部に後述するカード状のプレート鍵の下辺によって前記バネ8bに抗して押下げられるための押下げ用凸部8dが形成されている。
【0020】上記制御部材8は、プレート鍵PKによってバネ8bの撥力に抗して押下げられ、ラッチ部材3の切欠3cからその舌片8aが下方へ離脱したとき、その下方変位位置(図に鎖線で示す)に前記バネ8bの撥力に抗して保持するため、位置保持用のレバー部材9の作用を受ける。
【0021】このレバー部材9は、その上部が軸9aによりケーシング内で揺動可能に設けられていると共に、図の例では左側面にストップ突起8cを遊嵌して保持する保持切欠9bが形成されている。そして、下端部が引張りバネ9cにより、図の左方へ常時引張られているが、図の例における常態の姿勢は制御部材8の突起8cの側面に規制されて略垂直である。
【0022】上記レバー部材9の下端部には、軸10aとヒゲバネ10bを利用して、このレバー部材9の戻しレバー10が設けられている。戻しレバー10は、レバー部材9が時計回り方向に揺動したとき、つまり、前記制御部材8がプレート鍵PKによって押下げられたときストップ突起8cが下方へ変位し、このレバー部材9がバネ9cの作用で揺動してその保持切欠9bに前記突起8cが嵌入してその位置に保持されるので、レバー部材9を元の位置に戻し、これによりラッチ制御部材8をバネ8bにより元位置に復帰させるための作用をする。
【0023】この戻しレバー10の戻し力は、前述のシリンダ錠における作動体7に形成した凸部7bが時計方向(図3では裏面だから反時計方向)に回転するとき(シリンダ錠の解錠時)のみ、前記凸部7bの回転力を受けて生成されるが、錠6の施錠時には、空転するように形成されており、以上により、本発明鎖錠機構における平面錠の要部を形成する。
【0024】上記平面錠は、その鍵となるカード状のプレート鍵PKをこの鍵の上部に形成したスリット状の鍵穴に挿入して、この鍵PKの下端辺によってラッチ制御部材8における作動凸部8dを押下げることにより、解錠操作を行う。この鍵PKは、図示しないが、押下げ位置で平面錠のキーピン(図示せず)がこの鍵PKのピン穴に嵌入するので、この位置で抜き取ることはできない。なお、キーピンは、レバー部材9に設けられているものとする。
【0025】上記解錠操作によってラッチ制御部材8は下動してその下端の舌片8aがラッチ部材3の切欠3cから離脱するので、このラッチ部材3を進退させるシリンダ錠6は、この時点で初めて施錠可能状態になり、その鍵(図示せず)を、ここでは90度回転させて作動体7のピン7aがラッチ部材3を、図の左方へ進出させ鎖錠状態を形成する。このとき、ピン7aと一緒に回転する作動凸部7bは、戻しレバー10に当接するが、このレバー10は空転をする。
【0026】上記のようにしてラッチ部材3が進出して鎖錠状態にあるとき、ラッチ制御部材8は、そのストップ突起8cが、バネ9cにより回転して来たレバー部材9の保持切欠9bに入って拘束されているので、前記ラッチ部材3は、シリンダ錠6を上記とは逆方向に回転させ後退させることができる。つまり、鎖錠状態を解除できる。
【0027】鎖錠状態が解除されるとき、シリンダ錠6における作動体7の作動突起7bは戻しレバー10に当接して、当該レバー10を図1の反時計回りに付勢(押進)する。戻しレバー10がこの力を受けると、バネ9cの撥力に抗してレバー部材9も反時計回り側に回転させられ、その保持切欠9bが前記制御部材8のストップ突起8cから離れてしまうので、ラッチ制御部材8はそのバネ8bの作用で上動する。このとき、ラッチ部材3も後退してその切欠3cが上動して来る前記制御部材8の舌片8aの位置に対向して位置しているので、前記切欠3cと舌片8aは互に係合して、元の状態に戻るのである。
【0028】即ち、元の状態に戻ると、シリンダ錠6の鍵は該錠6から抜けず、プレート鍵PKは、そのピン穴からレバー部材9のキーピンが離脱し、同時にラッチ制御部材8の作動凸部8dの作用で抜取り可能な位置(上方)に変位させられるのである。
【0029】
【発明の効果】本発明鎖錠機構は以上の通りであって、貸ロッカーなどのように不特定多数の者が使用する設備用として、2種類の錠を一定の順序で操作しないと施解錠できないように構成すると共に、一方の錠をカード状のプレート鍵で施解錠する平面錠により形成し、かつ、この平面錠のラッチ部材を、他方のシリンダ錠のラッチ部材の作動を規制,制御する制御部材として構成したので、公知の二重操作タイプの鎖錠機構のように、単にカード状の物があれば、シリンダ錠の操作が可能になるものと異なって、悪戯操作がされ難い乃至は不能であり、従って、安全な運用を図ることが可能になる。
【出願人】 【識別番号】593019722
【氏名又は名称】株式会社ニッケンハードウエア
【出願日】 平成12年5月24日(2000.5.24)
【代理人】 【識別番号】100092679
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 盛之助 (外1名)
【公開番号】 特開2001−329727(P2001−329727A)
【公開日】 平成13年11月30日(2001.11.30)
【出願番号】 特願2000−153203(P2000−153203)