| 【発明の名称】 |
電子シリンダ錠の内筒制御機構 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤原 佐代
【氏名】石川 始
【氏名】杉本 敏範
【氏名】畠山 和久
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| 【要約】 |
【課題】電子シリンダ錠のクラッチ機構の電磁アクチュエータへの給電時間を確保するため、所定の角度位置において内筒を一時的に係止できる内筒制御機構を提供する。
【解決手段】案内筒11を内筒の外端部に回動可能に嵌合させた状態で外筒の開口端縁部内側に固定し、合鍵12を鍵孔に挿入するとき、その案内突部14を案内筒11の開口端縁を切り欠いて形成した円周案内溝16の底部中央に突き当てさせ、合鍵12を一定角度回動させて案内突部14が係止段部21に当接したとき、合鍵の回動を強制的に阻止し、内筒を一時的に係止すると共に、合鍵を手前に少し引いて案内突部14に係止段部を乗り越えさせることにより、合鍵を更に回動させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子シリンダ錠の外筒の外端部内側に、小径に成形され鍵孔の両側端が切り開かれた内筒の外端部と回動可能に嵌合する案内筒を同軸に固設すると共に、外筒の外端開口を飾り筒で覆い、この飾り筒の正面板中央に内筒の外端部と回動可能に嵌合する内筒開口を形成したものにおいて、この内筒開口の開口端縁部に、合鍵のステム部の側端縁に突設された案内突部との干渉を避けるための逃げ溝を形成し、一方、この逃げ溝と角度位置を同じくする部分を中心にして、案内筒の開口端縁部を一定の角度時計方向及び反時計方向に切り欠いて円周案内溝を形成し、他方、案内筒の開口端縁と飾り筒の正面板との間に合鍵の案内突部の内筒軸線方向の寸法より大きな間隙を形成し、また、合鍵を挿入したとき案内突部が案内筒の軸線方向において円周案内溝に整合するように、案内突部の合鍵における突設位置を設定したことを特徴とする電子シリンダ錠の内筒制御機構。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、電子シリンダ錠の内筒制御機構(以下単に内筒制御機構という)に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、電子シリンダ錠なる新規な錠前が提案され、実用されつつある。この電子シリンダ錠は所謂電気錠とは異なる。 【0003】すなわち、電気錠はテンキー装置等により入力された暗証番号を予め登録されている暗証番号と電気的に比較し、合致する場合解錠信号を発生させ、この解錠信号を受信した比較的大電力を要する電磁アクチュエータがデッドボルト或いはストライクを直接機械的に制御する。 【0004】一方、電子シリンダ錠は、合鍵自体に論理回路やメモリーを有する半導体集積回路(以下単にICという)及び電池を組込み、この合鍵をシリンダ錠に挿入することによりICに蓄積された暗証符号を錠前側の制御回路に無線で送給し、予め登録されている暗証符号と合致したとき解錠信号を発生させるまでは電気錠の作動と同様である。 【0005】しかしながら、電子シリンダ錠が電気錠と異なるのは、電子シリンダ錠が解錠信号発生時に通常のシリンダ錠の内筒に相当するものをテールピースに接続し、合鍵を手で回すことにより内筒を回動してデッドボルト或いはストライクを制御する点にある。 【0006】そのため、電子シリンダ錠は、通常のシリンダ錠では一体に結合されている内筒とテールピースとの間にクラッチ機構が介在している。合鍵がシリンダ錠に挿入されていないときには、このクラッチ機構が作動せず内筒が外筒内を空回りする。一方、合鍵がシリンダ錠に挿入され、解錠信号を発生すると、クラッチ機構が作動して内筒とテールピースとが連結されるので、クラッチ機構及びテールピースを介してデッドボルト等の錠止部材を制御することができる。 【0007】なお、ここで合鍵とは、所謂予備の鍵ではなく、電子シリンダ錠を解錠すべく構成された装置をいうものとする。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本出願人は、先に、特願平11−099910号を以て、電子シリンダ錠用の新規なクラッチ機構を提案した。 【0009】このクラッチ機構は、本発明の要旨ではないので簡単に説明すると、外筒の内端部にクラッチプレートを、このクラッチプレートの外側に、内端部外周に小径段部を形成した内筒を、夫々外筒の中心軸線の回りを回動自在に嵌装し、更に、内筒をその中心軸線に垂直な隔壁で区画して外側に合鍵を受入れる外方空間を、内側にクラッチ機構を収納する内方空間を夫々形成したものにおいて、クラッチプレートの内面にテールピースを突設すると共に外面周辺部にクラッチ孔を開口させ、一方、内筒の内方空間に、内端部をクラッチ孔に係入可能に臨ませ、内筒の中心軸線方向に延在する棒状のスライドラッチを長さ方向に移動可能に案内すると共に、これをクラッチプレートに近接する方向に付勢し、このスライドラッチに内筒の半径方向でかつ外方に突在する第1制御ピンと、反対方向に突在する第2制御ピンとを夫々突設し、第1制御ピンを、内筒の内端部にその母線方向に沿って開口したガイド溝に摺動可能に挿通させて、その先端を内筒の上記小径段部と外筒内周面との間の空間に臨ませ、他方、外筒内周面の内筒小径段部に臨む部分に固定され、薄肉円筒の一部をなすと共に、円周方向において傾斜するカム面を有するカムを設け、内筒を一方向に回転させたときこのカムと第1制御ピンの先端との間に生じる楔作用により第1制御ピンをその付勢力に抗して外方に押動できるようにすると共に、内筒を他方向に回転させたときその付勢力により第1制御ピンをクラッチプレートのクラッチ孔に係入させるようにし、更に、内筒の内方空間において、上記第2制御ピンに関しスライドラッチとは反対側に、第2制御ピンと平行な回転出力軸を有し、この回転出力軸をスライドラッチ側に向けた、ラッチング作動をする電磁アクチュエータを配設し、この電磁アクチュエータの回転出力軸に、施錠時第2制御ピンを係止する鈎部と、第2制御ピンが係入できる凹部と、傾斜端縁とを連設したフック体を装着し、施錠時第2制御ピンを凹部に係入させた状態で、第2制御ピンに関して鈎部が回転出力軸と反対側になるような角度位置にフック体を置き、解錠時鈎部が第2制御ピンの移動軌跡から外れるような角度位置にフック体を置き、施錠するとき、内筒を一方向に回して第2制御ピンを外方に移動させ、第2制御ピンとフック体の傾斜端縁との間に生じる楔作用により、フック体を施錠角度位置に戻すようにしたことを特徴とするものである。 【0010】このクラッチ機構は、その構造上の特性として、合鍵を電子シリンダ錠の内筒に挿入してから施解錠の為所定の方向に一定の角度、例えば約15〜6度回動させたときにフック体が電磁アクチュエータにより回転可能となるので、このタイミングにおいて合鍵に内蔵されたIC回路に通電するトリガー機構が必要である。 【0011】また、上記クラッチ機構を制御する電磁アクチュエータに給電するため、合鍵に内蔵された電池の電力を交番電流に変換し、これも合鍵に内蔵された第1コイルを介して、電子シリンダ錠の内筒に内蔵された第2コイルに電磁誘導を利用して無線で電力を供給する。 【0012】このとき、電池の容量の都合上、合鍵からの無線による給電を数回に分けて行わなければならず、例えば0.2〜0.3秒は内筒を固定する必要がある。 【0013】換言すれば、トリガー機構が作動して直に電磁アクチュエータへの給電が始るとして、トリガー機構作動後少なくとも0.3〜4秒内筒を固定しなければ電子シリンダ錠内のクラッチ機構が作動しない。 【0014】一方、シリンダ錠の内筒に合鍵を差込んだ状態で力一杯に合鍵を回すと、約0.2秒で施解錠操作が終了する、すなわち内筒が回ってしまう。 【0015】そこで、この発明は、電子シリンダ錠の施解錠操作の開始するための角度位置を適切に設定でき、しかもその開始角度位置を必要な時間固定して、内筒の電磁アクチュエータへの電力供給を確実に行うことができる回転制御装置を提供することを目的としている。 【0016】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、この発明は、電子シリンダ錠の外筒の外端部内側に、小径に成形され鍵孔の両側端が切り開かれた内筒の外端部と回動可能に嵌合する案内筒を同軸に固設すると共に、外筒の外端開口を飾り筒で覆い、この飾り筒の正面板中央に内筒の外端部と回動可能に嵌合する内筒開口を形成したものにおいて、この内筒開口の開口端縁部に、合鍵のステム部の側端縁に突設された案内突部との干渉を避けるための逃げ溝を形成し、一方、この逃げ溝と角度位置を同じくする部分を中心にして、案内筒の開口端縁部を一定の角度時計方向及び反時計方向に切り欠いて円周案内溝を形成し、他方、案内筒の開口端縁と飾り筒の正面板との間に合鍵の案内突部の内筒軸線方向の寸法より大きな間隙を形成し、また、合鍵を挿入したとき案内突部が案内筒の軸線方向において円周案内溝に整合するように、案内突部の合鍵における突設位置を設定したことを特徴とする。 【0017】 【実施例】以下、この発明の一実施例を図面を参照して説明する。図1及び図2において符号1は外筒を示し、この外筒1内には内筒2が回動可能に嵌装されている。 【0018】この内筒2の外端部は小径に成形されており、そのため、図1に示すように、鍵孔3の両側端が切り開かれて側端開口4、4が形成されている。 【0019】上記内筒2の先端部の外側には環状の永久磁石5のホルダー6が嵌装されており、図1に示すように、その外周面に突設された係止突起7、7と外筒1の開口端部内周面に形成された係止溝8との係合により回り止めが施されている。 【0020】このホルダー6が外方(図1及び図2で右方)に抜け出ることを防止するため、図示のように、飾り筒9を外筒1の開口を覆うように固定する。 【0021】上記ホルダー6は内外二重の筒体を蛇の目状の底板で一体に結合した形状であって、内側の短い筒体が内筒2の先端部と回動可能に嵌合する案内筒11となっている。 【0022】そして、上記永久磁石5は、図2に示すように、このホルダー6の外側の筒体と案内筒11との間の環状の空間に包持されている。 【0023】なお、上記永久磁石5は、その円周方向に沿って相互に異磁極となる二つの区域に区画され、施解錠操作時、鍵孔3に挿入された合鍵12(図4参照)を所定の方向に回すことにより、その摘みに内蔵された図示しないリードスイッチを駆動してこれから前記トリガー信号を得るのであるが、このトリガー機構は本発明の要旨ではないから、更に詳細な説明は省略する。 【0024】一方、前記飾り筒9の正面板の中央には、図1及び図3に示すように、内筒2の外端と回動可能に嵌合する(図2参照)内筒開口13が形成されている。 【0025】この内筒開口13の開口端縁部には、合鍵12のステム部の側端縁に突設された案内突部14、(図4参照)との干渉を避けるため、図3に示すように、逃げ溝15、15が内筒開口13に連接して形成されている。 【0026】図示の実施例では、合鍵挿入時ステム部を水平にして鍵孔3に挿入するように設計されているから、これら逃げ溝15、15は時計盤面に換算して3時と9時の角度位置に夫々形成されている。 【0027】一方、図1及び図3に示すように、上記逃げ溝15、15と角度位置を同じくする部分を中心にして、案内筒の開口端縁部が一定の角度(図示の実施例では約16度+案内突部14のステム部厚さ方向の寸法の半分)時計方向及び反時計方向に切り欠かれて円周案内溝16、16が形成されている。 【0028】他方、図2に示すように、案内筒11の開口端縁と飾り筒9の正面板との間に合鍵の案内突部14の内筒軸線方向の寸法より大きな間隙17が形成されるように、各部材の寸法を設定する。 【0029】また、合鍵挿入角度位置にある鍵孔に合鍵12を挿入したとき、その案内突部14、14が案内筒の軸線方向において円周案内溝16に整合するように、案内突部の合鍵における突設位置を設定しておくものとする。 【0030】なお、図1及び図2において符号18は化粧リングを、符号19はリングばねを夫々示す。 【0031】上記のように構成されたこの発明の一実施例による内筒制御機構は、図4に示すように合鍵12を矢印Aに沿って鍵孔に挿入すると、その案内突部14は飾り筒の前記逃げ溝15(図3参照)を潜り抜けて円周案内溝16の底部中央に当接し、このようにして合鍵の内筒軸線方向における挿入位置が設定される。 【0032】この操作は、通常のシリンダ錠において合鍵を鍵孔に挿入する操作と同じである。 【0033】この状態で、図5に示すように、例えば解錠のために合鍵を矢印Bに沿って反時計方向に回動すると、合鍵の案内突部14が約16度回動した角度位置で円周案内溝の一端をなす係止段部21(図3参照)に当接し、強制的にその回動を阻止されると共に、前記した図示しないトリガー機構が作動して合鍵に内蔵されたICに電池からの電力が供給される。 【0034】その結果、電子シリンダ錠の機能により、合鍵12と内筒2内のIC間で信号の遣り取りがあり、解錠信号が発生すると共に、合鍵12のステム先端部のコイルから内筒内のコイルに電磁誘導による電力の供給が始まる。 【0035】上記したように合鍵の案内突部14が係止段部21に当接したら、今度は合鍵12を図5の矢印C方向に、すなわち外方に少し引く。 【0036】すると、合鍵の案内突部14が飾り筒9の正面板の裏面に当接し、同時に案内突部14が案内筒11の開口端縁より外方に位置するようになる。 【0037】換言すれば、合鍵12を少し引き抜くことにより、その案内突部14が上記係止段部21を乗り越える。 【0038】また、案内突部14が係止段部21に当接する角度位置では案内突部14と飾り筒の逃げ溝15(図3参照)の角度位置が異なっているので、手前に引いても合鍵12が鍵孔から抜け出てしまうことはない。 【0039】このようにして合鍵12の係止段部21による係止が解かれ、案内突部14は案内筒11の開口端縁及び/又は飾り筒9の正面板の裏面と摺接しつつ回動できるので、これと一体の合鍵12も回動でき、この回動を利用して施錠操作を行う。 【0040】つまり、この電子シリンダ錠を解錠するための合鍵の操作は、合鍵挿入角度位置にある内筒の鍵孔に合鍵12を突き当たるまで挿入し、その後一定角度時計反方向に押動して合鍵12がそれ以上回動できなくなったら、今度は合鍵を外方に少し引いてから更に反時計方向に回動する、というものになる。 【0041】上記のように回動を阻止された時点で合鍵を少し手前に引く、という操作は通常円滑に行うことができず、どうしても0.4〜0.5秒位掛かってしまう。 【0042】この発明は、上記した合鍵操作におけるタイムラグを利用して、この間に合鍵から内筒の電磁アクチュエータへの電力の供給を済ませることを確実にする。 【0043】解錠操作を終了したら、今度は合鍵12の内筒軸線方向の位置をその侭にして時計方向に回し戻し、内筒2を合鍵挿入角度位置に戻した時点で合鍵を鍵孔から引き抜く。 【0044】このときには合鍵の案内突部14と飾り筒の逃げ溝15との角度位置が相互に整合するので、合鍵12を容易に鍵孔3から引き抜くことができる。 【0045】施錠のための合鍵の操作は、回動方向が時計方向になるだけであるから、更に詳細な説明は省略する。 【0046】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発明は、合鍵を鍵孔に挿入してから一定の角度回動させたところでその回動を強制的に阻止し、その阻止された角度位置で合鍵を外方に少し引いてから更に回動させるようにしたので、この操作によって合鍵の回動にタイムラグが生じ、このタイムラグを利用して内筒の電磁アクチュエータへの電力の供給を確実にする、という所期の効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390037028 【氏名又は名称】美和ロック株式会社 【識別番号】000108085 【氏名又は名称】セコム株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年5月23日(2000.5.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078097 【弁理士】 【氏名又は名称】飯田 岳雄
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| 【公開番号】 |
特開2001−329725(P2001−329725A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月30日(2001.11.30) |
| 【出願番号】 |
特願2000−151512(P2000−151512) |
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