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【発明の名称】 ドアロック操作装置
【発明者】 【氏名】中村 博

【氏名】天野 均

【要約】 【課題】部品点数を少なくして構造を簡素化することで、製品コストを低減することのできるアンラッチ用アクチュエータを備えた車両用ドアロック操作装置を提供する。

【解決手段】車室内側からのドア解除操作が可能なインサイドハンドルをアンラッチ操作した際にアンラッチ操作信号を出力するインサイドハンドルスイッチと、車室外側からのドア解除操作が可能なアウトサイドハンドルをアンラッチ操作した際にアンラッチ操作信号を出力するアウトサイドハンドルスイッチとを一体化したスイッチユニット9を、アンラッチ用アクチュエータのハウジング8内に内蔵することで、防水構造を簡素化し、スイッチユニット9とECUとを結線するワイヤーハーネスの本数やコネクタの個数を減らした。さらに、ワイヤーハーネスの本数を減らすことにより、接続箇所が減り、接触信頼性を向上した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】(a)ラッチとストライカとの噛み合いによりドアを閉鎖状態に保つと共に、前記ラッチと係脱自在に噛み合う係止爪部材を有するドアロックと、(b)内部に内蔵されたモータの回転出力によって係止爪部材を動かして、前記ラッチと前記ストライカとの噛み合い状態を解除するアクチュエータと、(c)このアクチュエータ内に内蔵されて、室内側からの手動操作が可能なインサイドハンドルを手動操作した際に操作信号を出力する室内側操作スイッチ、および室外側からの手動操作が可能なアウトサイドハンドルを手動操作した際に操作信号を出力する室外側操作スイッチを一体化したスイッチユニットと、(d)このスイッチユニットと電気配線を介して電気的に接続され、前記スイッチユニットから出力された操作信号に基づいて、前記アクチュエータのモータへの給電状態を制御するドアロック制御装置とを備えたドアロック操作装置。
【請求項2】請求項1に記載のドアロック操作装置において、前記アクチュエータは、一端部がハウジングの端面より突出した状態で、前記ハウジングに回転自在に支持されるスイッチ軸を有し、前記スイッチ軸の一端部には、前記インサイドハンドルおよび前記アウトサイドハンドルに連結ロッドを介して連結されるスイッチレバーが固定されていることを特徴とするドアロック操作装置。
【請求項3】請求項2に記載のドアロック操作装置において、前記スイッチ軸は、円筒形状に形成されて、前記アクチュエータの出力軸の外周に摺動自在に嵌め合わされていることを特徴とするドアロック操作装置。
【請求項4】請求項2または請求項3に記載のドアロック操作装置において、前記スイッチユニットは、前記スイッチ軸と連動して回動する可動接点、前記アクチュエータのハウジングに固定された固定接点、および前記可動接点と前記固定接点とが所定の位置で接触した際に、前記室内側操作スイッチまたは前記室外側操作スイッチのいずれかの操作スイッチからの操作信号を前記ドアロック制御装置に出力する外部接続端子を有することを特徴とするドアロック操作装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部に内蔵されたモータの回転出力によってドアロックの噛合機構とストライカとの噛み合い状態を変更するアクチュエータを備えたドアロック操作装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、図8に示したように、ドアパネル101内に取り付けられて、ラッチとストライカとの噛み合いによりドアを閉鎖状態に保つドアロック102と、アンラッチ用モータの回転出力をリンク機構を介して係止爪部材(ラチェット)に伝達して、ラチェットを動かすことで、ラッチとストライカとの噛み合い状態を解除可能にするアンラッチ用アクチュエータ104と、このアンラッチ用アクチュエータ104内に内蔵されたアンラッチ用モータを通電制御するドアロック制御装置(ECU)105とを備えた車両用ドアロック操作装置(従来の技術)が提案されている。
【0003】ここで、アンラッチ用モータには、ワイヤーハーネス111を介して車載電源より作動電圧が供給される。また、ECU105は、インサイドハンドルスイッチ106またはアウトサイドハンドルスイッチ107のいずれかのドア解除操作スイッチからのドア解錠信号を入力した際に、アンラッチ用モータへの給電を行う。そして、インサイドハンドルスイッチ106は、インサイドハンドル108を解除操作した際にドア解除信号をワイヤーハーネス112を介してECU105へ出力する。また、アウトサイドハンドルスイッチ107は、アウトサイドハンドル109を解除操作した際にドア解除信号をワイヤーハーネス113を介してECU105へ出力する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の車両用ドアロック操作装置においては、車両乗員等の使用者によるドア解除操作を検出するドア解除操作スイッチを、各ドアパネル101にそれぞれ1個ずつ設置されたインサイドハンドルスイッチ106およびアウトサイドハンドルスイッチ107によって構成している。これにより、車両に装備されたドアの枚数分だけ、インサイドハンドルスイッチ106およびアウトサイドハンドルスイッチ107を設ける必要がある。そして、各ハンドルスイッチには、それぞれ固定接点、可動接点等の構成部品が必要となるので、ドアパネル内の電気部品の部品点数が多く構造が複雑となることから、製品コストが高くなるという問題が生じる。
【0005】また、上記の車両用ドアロック操作装置においては、インサイドハンドルスイッチ106およびアウトサイドハンドルスイッチ107は、一般的にはアクチュエータ内部には設けられず、別の部位に配設されるため、各スイッチ単体自体に防水構造を施す必要がある。さらに、インサイドハンドルスイッチ106およびアウトサイドハンドルスイッチ107とECU105等の電気部品とを結線するために、複数本のワイヤーハーネス112、113や複数個のコネクタ等の電気部品が必要となるので、部品点数が多く構造が複雑となることから、製品コストが更に高くなるという問題が生じる。さらに、ワイヤーハーネス112、113をドアパネル101内に取り回す際に、ワイヤーハーネス112同士およびワイヤーハーネス113同士を接続する接続箇所が増えることから、接触信頼性も劣る。
【0006】
【発明の目的】本発明の目的は、部品点数を少なくして構造を簡素化することで、製品コストを低減することのできるドアロック操作装置を提供することにある。また、ワイヤーハーネス等の電気配線同士を接続する接続箇所を減らすことで、接触信頼性を向上することのできるドアロック操作装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明によれば、アクチュエータ内に、室内側に配設されたインサイドハンドルを手動操作した際に操作信号を出力する室内側操作スイッチ、および室外側に配設されたアウトサイドハンドルを手動操作した際に操作信号を出力する室外側操作スイッチを一体化したスイッチユニットを内蔵することにより、アクチュエータに防水構造を施すことで、スイッチ単体自体に防水構造を施す必要はない。これにより、部品点数が少なくなり構造が簡素化することで、製品コストを低減することができる。
【0008】また、室内側操作スイッチと室外側操作スイッチとを一体化することにより、スイッチユニットとドアロック制御装置とを結線する電気配線の本数やコネクタの個数を減らすことができるので、ドアパネル内の電気部品の部品点数が少なくなり構造が簡素化することで、製品コストを更に低減することができる。さらに、電気配線の本数を減らすことができるので、電気配線同士を接続する接続箇所が減り、接触信頼性を向上することができる。
【0009】請求項2に記載の発明によれば、アクチュエータのハウジングに回転自在に支持されるスイッチ軸の一端部に、インサイドハンドルおよびアウトサイドハンドルに連結ロッドを介して連結されるスイッチレバーを固定することにより、室内側操作スイッチと室外側操作スイッチとを一体化することができる。また、請求項3に記載の発明によれば、円筒形状に形成されたスイッチ軸を、アクチュエータの出力軸の外周に摺動自在に嵌め合わすようにしても良い。
【0010】請求項4に記載の発明によれば、スイッチユニットを、スイッチ軸と連動して回動する可動接点、アクチュエータのハウジングに固定された固定接点、および可動接点と固定接点とが所定の位置で接触した際に、室内側操作スイッチまたは室外側操作スイッチのいずれかの操作スイッチからの操作信号をドアロック制御装置に出力する外部接続端子により構成しても良い。
【0011】
【発明の実施の形態】〔実施例の構成〕発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。ここで、図1は車両用ドアロック操作装置を装備したドアを示した図で、図2および図3はアンラッチ用アクチュエータの全体構造を示した図で、図4はアンラッチ用アクチュエータの主要構造を示した図で、図5はECUとスイッチ回路とモータ回路を示した図である。
【0012】本実施例の車両用ドアロック操作装置は、自動車等の車両に装備されたドア毎のドアパネル1に組み付けられて、1台またはドア毎に設けられたドアロック制御装置(以下ECUと呼ぶ)10により制御されている。そして、各ドア(例えばフロントドア、リヤドア、バックドア)のドアパネル1には、車両のドア受け部に固定されたストライカ15と係脱可能な噛合機構を有するドアロックと、車室外または車室内からのスイッチ操作によって回転するアンラッチ用モータ2を有し、ドアロックの噛合機構を電気的に解除作動するアンラッチ用アクチュエータと、このアンラッチ用アクチュエータのハウジング8内に内蔵されたスイッチユニット(スイッチ回路)9とが装着されている。
【0013】ドアパネル1は、風圧で開き難い前ヒンジ後開きのサッシドアで、鋼板を深絞り成形して作成されたインナパネルと、ウエストラインを除いた三辺をヘミングし、スポット溶接または接着を併用して組み付けられたアウタパネルとから構成されている。このドアパネル1の車室内側には、インナパネルの車室内側を覆うドアトリム(内張り)11が張り付けられている。
【0014】ドアロックの噛合機構は、ドアパネル1のドアヒンジ部(図示せず)側とは逆側端部に配設された略L字形状のラッチハウジング12、このラッチハウジング12内において回動自在に支持されたラチェット13、およびこのラチェット13の回動に応じてストライカ15との係合状態(噛み合い状態)を変更するラッチ14等から構成されている。なお、ラッチハウジング12およびドアパネル1には、図1に示したように、ストライカを受け入れることが可能な略U字形状の切欠き部16が形成されている。
【0015】ラチェット13は、本発明の係止爪部材に相当するもので、図6および図7に示したように、ラッチハウジング12の内壁面上において支軸部21を中心にして回動可能に設けられている。そして、ラチェット13は、回転角度に応じて、ラッチ14と噛み合う係合位置(フルラッチ位置またはハーフラッチ位置)とラッチ14との噛み合い状態を解放する解放位置(アンラッチ位置)とに変更される。そして、ラチェット13には、ラッチ14と噛み合うことが可能な爪形状の係合部(以下爪部と呼ぶ)22、および出力レバー3の出力部に係合することが可能な係合片23等が設けられている。また、ラチェット13の突出片24には、アンラッチ位置から噛み合い位置に戻す方向に付勢するラチェットスプリング25が装着されている。
【0016】なお、ラチェットスプリング25は、一端がラチェット13の突出片24に係止され、他端がラッチハウジング12の突起部26に係止されている。そして、ラチェット13は、後記するリンクレバー60等のリンク機構を介して出力レバー3によって動かされると、ラチェットスプリング25の付勢力に抗して、支軸部21を中心にして図示右回転方向に回転してラッチ14との噛み合いが解放される。
【0017】ラッチ14は、図6および図7に示したように、ラッチハウジング12の内壁面上において支軸部31を中心にして回動可能に設けられている。そして、ラッチ14は、回転角度に応じて、ストライカ15と完全に噛み合うことでドアを保持するフルラッチ状態(ドア閉鎖状態)、ストライカ15と完全に噛み合っていないハーフラッチ状態(半ドア状態)、および後記する切欠き部32の開口部分が図示左方向に向く初期状態とに変更される。なお、ラッチ14は、ラチェット13の回転角度によって、ラチェット13と噛み合うフルラッチ状態(図6参照)とラチェット13との噛み合いが解除されるアンラッチ状態(図7参照)とに変更される。
【0018】そして、ラッチ14には、ストライカ15と噛み合うことが可能な略U字形状の切欠き部32、ドアを完全に閉じるドア閉鎖状態(フルラッチ状態)の時にラチェット13の爪部22に係合される爪形状の第1被係合部33、およびドアが完全に閉じていない半ドア状態(ハーフラッチ状態)の時にラチェット13の爪部22に係合される爪形状の第2被係合部34等が設けられている。そして、ラッチ14の支軸部31の回りには、ラッチ14を初期状態(切欠き部32の開口部分を図示左方向に向ける位置)に戻すためのラッチスプリング35を収容する凹状部(開口部)36が形成されている。なお、ラッチスプリング35は、一端がラッチハウジング12に設けられた円柱形状の突起部37に係止され、他端が凹状部36の溝壁面に係止されている。
【0019】アンラッチ用アクチュエータは、ドアパネル1とドアトリム11との間に組み付けられて、ラチェット13を回転させることにより、ラッチ14とストライカ15との噛み合いを電気的に解除するアンラッチ操作を行うドアロック駆動手段である。
【0020】本実施例のアンラッチ用アクチュエータのハウジング8内には、駆動源としてのアンラッチ用モータ2、このアンラッチ用モータ2により回転駆動されるピニオンギヤ42、このピニオンギヤ42と噛み合って回転する中間減速ギヤ43、この中間減速ギヤ43に装着されたコイルスプリング44、このコイルスプリング44を介して中間減速ギヤ43の回転力が伝達されるカムプレート45、このカムプレート45の回転トルクを受けて作動する作動レバー46、この作動レバー46と一体的に回転する出力軸47およびスイッチユニット9が内蔵されている。
【0021】アンラッチ用モータ2は、ワイヤーハーネス61a、62aを介してECU10からの制御信号により作動または作動停止する。このアンラッチ用モータ2は、モータ接続端子である外部接続端子41a、42a、ワイヤーハーネス61a、62aを介してECU10および車載電源(バッテリー)に電気的に接続されている。図5において38はモータ回路を示す。ピニオンギヤ42は、アンラッチ用モータ2のシャフト48に着脱自在に固定されている。中間減速ギヤ43は、回転軸50に回転自在に嵌合すると共に、ピニオンギヤ42と噛み合う大径ギヤ部51、およびこの大径ギヤ部51の内周で軸方向に沿って円弧状に突設された係止壁52等を有している。なお、ピニオンギヤ42と中間減速ギヤ43とからアンラッチ用モータ2の回転速度を減速する減速歯車機構を構成する。
【0022】コイルスプリング44は、中間減速ギヤ43の大径ギヤ部51と係止壁52との間を通って大径ギヤ部51の内周面に沿って配置されると共に、両端部が内周側(中心方向)へ折り曲げられて、その両端部の間に中間減速ギヤ43の係止壁52が挿入された状態で中間減速ギヤ43に装着されている。このコイルスプリング44は、アンラッチ用モータ2への給電が終了した際に、中間減速ギヤ43を初期位置に戻す方向に付勢する。
【0023】カムプレート45は、トルク伝達手段であって、樹脂により一体成形され、中間減速ギヤ43の大径ギヤ部51の開口部分に嵌め込まれ、回転軸50に回転自在に嵌め合わされている。カムプレート45の中央部には、回転軸50より径方向に延びる所定の形状のカム53が一体成形されている。カム53は、作動レバー46に当接することにより作動レバー46をアンラッチ方向へ移動させる。
【0024】作動レバー46は、その一端部にインサート成形された出力軸47を備え、この出力軸47を回動中心として、2個のストッパクッション54、55によって規制される所定の回動範囲内で回動可能に設けられている。なお、作動レバー46には、カム53によりアンラッチ方向(図2において図示右回転方向)に回転する回転トルクを受けるドア解除側トルク受け部、およびカム53によりフルラッチ方向(図2において図示左回転方向)に回転する回転トルクを受けるドア保持側トルク受け部を有している。また、ドア解除側トルク受け部には、アンラッチ作動時にストッパクッション55に当接する被係止部(係合溝)が設けられ、ドア保持側トルク受け部には、アンラッチ用モータ2への給電が終了した後にコイルスプリング44等により初期位置に戻される時にストッパクッション54に当接する被係止部(係合溝)が設けられている。
【0025】出力軸47は、アンラッチ用モータ2のシャフト48と直交した状態で、且つ回転軸50と同一方向に延ばされ、両端部がハウジング8にそれぞれ回転自在に支持されている。この出力軸47は、一端部がハウジング8の端面より突出した状態で、ハウジング8の軸受部56、57に回転自在に支持されている。そして、出力軸47の一端部には、出力レバー3が歯付きワッシャ59によって固定されている。その出力レバー3は、一端部が出力軸47に係止されて、作動レバー46と一体的に回転する。この出力レバー3の他端部はリンクレバー60を介してドアロックのラチェット13に連結されている。そして、出力軸47の外周には、円筒形状のスイッチ軸4が出力軸47に対して摺動自在に嵌め合わされている。
【0026】なお、ハウジング8は、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)等の電気絶縁性樹脂により一体成形されている。そのハウジング8の側壁面には、ワイヤーハーネス61a、62aを接続するためのコネクタ64が設けられている。そして、スイッチ軸4は、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)等の電気絶縁性樹脂により一体成形されて、出力軸47の外周に嵌め合わされた円筒状部分、およびこの円筒状部分より側方に延長されたレバー部分等から構成されている。
【0027】このスイッチ軸4は、一端部がハウジング8の端面より突出した状態で、ハウジング8の軸受部56に回転自在に支持されている。また、スイッチ軸4の外周とハウジング8の軸受部56の内周との間には、ハウジング8内への水の浸入を防止する弾性ゴム等のシール材(防水部品)65が装着されている。スイッチ軸4の一端部には、車室内側からのドア解除操作(手動操作)が可能なインサイドハンドル5、および車室外側からのドア解除操作(手動操作)が可能なアウトサイドハンドル6に連結ロッド66、67を介して連結されるスイッチレバー7が固定されている。
【0028】スイッチレバー7は、略L字形状に形成されており、スイッチ軸4の軸心を中心にして初期位置とアンラッチ位置との間を回動する。スイッチレバー7には、スナップ68を介して連結ロッド66の先端部が摺動自在に係合する係合穴73、およびスナップ69を介して連結ロッド67の先端部が摺動自在に係合する係合穴74が形成されている。なお、スイッチレバー7には、アンラッチ位置から初期位置へ戻すためのリターンスプリング75が装着されている。スイッチレバー7の係合穴73、74は、スイッチ軸4の作動パターンに対応した形状に形成されたガイド穴である。
【0029】スイッチユニット9は、スイッチ軸4と連動して回動する可動接点76と、ハウジング8の底壁面に固定された固定接点77〜79と、可動接点76と固定接点77〜79とが所定の位置で接触した際に、アンラッチ操作信号(ドア解錠信号)をECU10に出力する外部接続端子77a〜79aとから構成されている。
【0030】可動接点76および固定接点77〜79は、車室内側に配設されたインサイドハンドル5を手動操作した際にアンラッチ操作信号を出力するインサイドハンドルスイッチ(室内側操作スイッチ)、および車室外側に配設されたアウトサイドハンドル6を手動操作した際にアンラッチ操作信号を出力するアウトサイドハンドルスイッチ(室外側操作スイッチ)を一体化したスイッチ回路を構成する。そして、スイッチ軸4のレバー部分の裏面に固定された可動接点76は、常に固定接点77に摺接する接触子76a、および固定接点78または固定接点79に摺接する接触子76b等から構成されている。また、固定接点77〜79の各々は、外部接続端子77a〜79aに接続されている。
【0031】なお、可動接点76の接触子76a、76bと固定接点77、78とが導通している場合には、スイッチ軸4のレバー部分が初期位置(中立位置)に位置することを検出し、可動接点76の接触子76a、76bと固定接点77、79とが導通している場合には、スイッチ軸4のレバー部分がアンラッチ位置に位置することを検出する。このとき、ECU10にドア解除信号(アンラッチ操作信号)が出力される。また、スイッチユニット9の外部接続端子77a〜79a、およびアンラッチ用モータ2の外部接続端子41a、42aは、ハウジング8のコネクタ64にて、ワイヤーハーネス(本発明の電気配線に相当する)71a〜73a、およびワイヤーハーネス61a、62aに接続されている。
【0032】ECU10は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート等の機能から構成されたマイクロコンピュータで、それ自体は周知の構造のものである。このECU10のI/Oポートには、アンラッチ用アクチュエータのアンラッチ用モータ2と、ドア毎にドア解除信号(アンラッチ操作信号)を出力するスイッチユニット9とがワイヤーハーネス61a、62a、71a〜73aを介して接続されている。
【0033】ワイヤーハーネス71a〜73a、61a、62aのアクチュエータ側端部は、ハウジング8のコネクタ64において外部接続端子77a〜79aの先端部と電気的に接続される。そして、ECU10は、図示しないキースイッチやタッチスイッチ等によって解錠操作が行われている時に、スイッチユニット9からアンラッチ操作信号を受けると、ドア開信号を出力したスイッチを備えたドアに設置されたアンラッチ用モータ2を所定時間通電する。
【0034】〔実施例の作用〕次に、本実施例の車両用ドアロック操作装置の作用を図1ないし図7に基づいて簡単に説明する。ここで、図6はドアロックの噛合機構のフルラッチ(ドア開扉不能な)状態を示した図で、図7はドアロックの噛合機構のアンラッチ(ドア開扉可能な)状態を示した図である。
【0035】キースイッチやタッチスイッチ等によって解錠操作が行われている時に、車両乗員等の操作者がアウトサイドハンドル6を引くと、アウトサイドハンドル6に連動して連結ロッド66が図4において図示下方に引き下げられる。これにより、スイッチレバー7がスイッチ軸4の軸心を中心にして図示右回転方向に回転して初期位置からアンラッチ位置に移動する。あるいは、キースイッチやタッチスイッチ等によって解錠操作が行われている時に、車両乗員等の操作者がインサイドハンドル5を引くと、インサイドハンドル5に連動して連結ロッド67が図4において図示右方に移動する。
【0036】これにより、スイッチレバー7がスイッチ軸4の軸心を中心にして図示右回転方向に回転して初期位置からアンラッチ位置に移動する。このため、スイッチレバー7に連動してスイッチ軸4がアンラッチ方向に移動するので、可動接点76の接触子76a、76bが固定接点77、79に接触する。これにより、外部接続端子77a、79a、ワイヤーハーネス71a、73aを経てアンラッチ操作信号がECU10に出力される。
【0037】ここで、図6に示したような、ラチェット13の爪部22がラッチ14の第1被係合部33に係合して、ラッチ14の切欠き部32とストライカ15とが正規の位置で噛み合うドア閉鎖状態(フルラッチ状態)において、アンラッチ用モータ2がワイヤーハーネス61a、62a、外部接続端子41a、42aを介してECU10からの制御信号により給電されると、アンラッチ用モータ2のシャフト48が回転動作する。
【0038】そして、アンラッチ用モータ2のシャフト48が回転することで、アンラッチ用モータ2の回転出力がピニオンギヤ42→中間減速ギヤ43→コイルスプリング44→カムプレート45に伝達される。これにより、カムプレート45の表面上に一体成形されたカム53に、回転軸50を中心にして図示左回転方向の回転トルクが伝達されることにより、カム53から作動レバー46のドア解錠側トルク受け部に回転トルクが伝達される。これにより、作動レバー46が出力軸47を中心にして図示右方向に回転し、ストッパクッション55に作動レバー46の被係止部の壁面が当接する。
【0039】これにより、出力軸47も作動レバー46と一体的に回転することで、出力軸47の先端部に固定された出力レバー3も出力軸47の軸心を中心にして図示右回転方向に回転する。この出力レバー3の回転に伴い、出力レバー3にリンクレバー60を介して連結されているラチェット13が回転する。すなわち、ラチェット13は、図7に示したように、ラチェットスプリング25を撓めながら支軸部21を中心にして図示右回転方向(アンラッチ方向)に回転する。これにより、ラチェット13の爪部22とラッチ14の第1被係合部33との噛み合いが外れる。
【0040】そして、ラッチスプリング35の付勢力が作用するラッチ14が、図7において図示右回転方向に回転可能となる(アンラッチ状態)。この結果、車両乗員等の操作者がドアのドアトリム11のアームレスト等を押すことで、ラッチ14が支軸部31を中心にして回転しラッチ14の切欠き部32と開口部分が図示左方向を向き、切欠き部32とストライカ15との噛み合いが外れることで、ドアが開扉されるので、車両乗員が車両の車室内に入ることができる。あるいは、車両乗員が車両の車室外に出ることができる。
【0041】〔実施例の効果〕以上のように、本実施例の車両用ドアロック操作装置においては、インサイドハンドル5をアンラッチ操作した際にアンラッチ操作信号をECU10へ出力するインサイドハンドルスイッチ、およびアウトサイドハンドル6をアンラッチ操作した際にアンラッチ操作信号をECU10へ出力するアウトサイドハンドルスイッチを一体化したスイッチユニット9(可動接点76と固定接点77〜79と外部接続端子77a〜79a)をアンラッチ用アクチュエータのハウジング8にアンラッチ用モータ2と共に内蔵している。
【0042】それによって、アンラッチ用モータ2およびその外部接続端子41a、42aの防水のために実施されるアンラッチ用アクチュエータのハウジング8の軸受部56の内周とスイッチ軸4の外周との間にシール材65を装着するだけで、スイッチユニット9の防水も成されることになるので、従来の技術のようにスイッチユニット9自体に防水構造を施す必要はなく、更に、操作スイッチが一体化されているので、従来の技術のように複数箇所に設けられた操作スイッチ単体の各々に防水構造を施す必要もない。これにより、ドアパネル1毎のスイッチユニット9の防水構造を簡素化できるので、製品コストを低減することができる。
【0043】また、室内側操作スイッチと室外側操作スイッチとを一体化することにより、スイッチユニット9の外部接続端子77a〜79aとECU10とを結線するワイヤーハーネス71a〜73aの本数やコネクタの個数を減らすことができるので、ドアパネル1内の電気部品の部品点数が少なくなり構造が簡素化する。これにより、車両全体の部品点数を少なくできるので、製品コストが更に低減することができる。さらに、ワイヤーハーネス71a〜73aの本数を減らすことができるので、ワイヤーハーネス71a〜73a同士を接続する接続箇所が減る。これにより、接触信頼性を向上することができる。
【0044】〔変形例〕本実施例では、本発明を、自動車等の車両に装備されたドアのドアロックの噛合機構を作動させるための車両用ドアロック操作装置に適用したが、本発明を、乗用車や商用車等の小型車両または鉄道車両、バスやトラック等の大型車両に装備されたドアのドアロックの噛合機構を作動させるための車両用ドアロック操作装置に適用しても良い。また、本発明を、車両だけでなく、住宅や店舗等の建築物に配置したドアのドアロックの噛合機構を作動させるための建築物用ドアロック操作装置に適用しても良い。
【0045】本実施例では、アクチュエータとして、ドアロックのラチェット13をラッチ14との噛み合い状態を解除してラッチ14とストライカ15との噛み合い状態を解除可能にするアンラッチ操作を行うアンラッチ用モータ2を有するアンラッチ用アクチュエータを適用した例を説明したが、アクチュエータとして、ラッチ14がハーフラッチ状態にあることをセンサ等で検出した際にラッチ14をハーフラッチ状態からフルラッチ状態まで駆動するクローザ操作を行うモータを有するクローザ用アクチュエータを適用しても良い。この場合には、リンクレバー等のリンク機構を介して出力レバー3がラッチ14を動かす。また、アクチュエータとして、盗難防止用のデッドロック位置を持つアクチュエータを採用しても良い。
【0046】本実施例では、室外または室内からのアンラッチ操作によりアンラッチ用モータ2を所定時間が経過するまで正転方向に回転するように給電(通電)することで、ラチェット13とラッチ14との噛み合い状態を解除(解放)するように作動レバー46、出力軸47、出力レバー3およびリンクレバー60をアンラッチ方向に動かしたが、アンラッチ用モータ2を逆転方向に回転するように給電(通電)することで、ラチェット13とラッチ14とが噛み合う(フルラッチ状態)ように作動レバー46、出力軸47、出力レバー3およびリンクレバー60をフルラッチ方向(初期位置方向)に動かしても良い。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【代理人】 【識別番号】100080045
【弁理士】
【氏名又は名称】石黒 健二
【公開番号】 特開2001−311339(P2001−311339A)
【公開日】 平成13年11月9日(2001.11.9)
【出願番号】 特願2000−131040(P2000−131040)