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【発明の名称】 ドアロック操作装置
【発明者】 【氏名】中村 博

【要約】 【課題】アンラッチ用アクチュエータの製品コストの上昇を抑えることができ、且つアンラッチ用アクチュエータの故障時のサービス性を向上する。

【解決手段】ラチェット駆動レバー5を介してドアロックのラチェット3を回転させてラッチとストライカとの噛み合い状態を解除するアンラッチ操作を行うアンラッチ用アクチュエータのハウジング6を、ラチェット3と分離してドアパネル1よりも室内側に取り付けた。そして、アンラッチ用アクチュエータの出力軸7を、ハウジング6の端面より突出してドアパネル1の開口部15を貫通し、ドアパネル1内に取り出してラチェット駆動レバー5の回転中心部41に直結した。そして、ハウジング6の端面とドアパネル1の室内側端面との間にシール用弾性体39を装着することで、アンラッチ用アクチュエータの防水構造を簡素化できるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ドアパネル内に取り付けられて、ストライカと係脱可能な噛合機構を有するドアロックと、前記ドアパネル内に取り付けられて、前記ドアロックの噛合機構を作動させる1個のリンクレバーと、室内または室外からのスイッチ操作により回転するモータを有し、このモータの回転出力を前記リンクレバーを介して前記ドアロックの噛合機構に伝達するアクチュエータとを備えたドアロック操作装置であって、前記アクチュエータは、前記ドアロックの噛合機構と分離して前記ドアパネルよりも室内側に取り付けられて、前記モータを収容するハウジング、このハウジングと前記ドアパネルの室内側端面との間に設けられて、前記ドアパネルの開口部を液密的に封止するシール材、および前記ハウジングの端面より突出して前記ドアパネルの開口部を貫通し、前記ドアパネル内に取り出されて前記リンクレバーに直結する出力軸を有することを特徴とするドアロック操作装置。
【請求項2】請求項1に記載のドアロック操作装置において、前記リンクレバーは、ドアロックハウジング内に前記ドアロックの噛合機構と共に一体的に収容されていることを特徴とするドアロック操作装置。
【請求項3】請求項1または請求項2に記載のドアロック操作装置において、前記リンクレバーは、ドアロックハウジングに回転自在に支持される回転中心部を有し、前記回転中心部は、前記アクチュエータの出力軸と同軸上に設けられて、前記アクチュエータの出力軸の先端部が嵌合する二面幅を持った凹状部を有することを特徴とするドアロック操作装置。
【請求項4】請求項1ないし請求項3のうちいずれかに記載のドアロック操作装置において、前記ドアロックの噛合機構は、前記ストライカと噛み合うラッチ、およびこのラッチと噛み合わされて回転することで前記ラッチを動かすラチェットを有し、前記アクチュエータは、前記リンクレバーを介して前記ラチェットを回転させることにより、前記ラッチと前記ストライカとの噛み合い状態を解除するアンラッチ操作を行うアンラッチ用アクチュエータであることを特徴とするドアロック操作装置。
【請求項5】請求項4に記載のドアロック操作装置において、前記モータは、室内側に配設されたインサイドハンドル、あるいは室外側に配設されたアウトサイドハンドルを手動操作したことを検出するハンドルスイッチのスイッチ操作が行われると給電されることを特徴とするドアロック操作装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばドアロックの噛合機構を解除するアンラッチ操作を行うアクチュエータおよびドアパネルの防水構造を簡素化することが可能なドアロック操作装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、特許第2630896号公報においては、ドアの後端に固着されたドアロックと、このドアロックの噛合機構の一部を成すロッキングプレートの解除端部に直接係合する解除レバーを有するアクチュエータとを一体化してドアパネル内に取り付けたドアロック操作装置(従来の技術)が提案されている。
【0003】そして、ドアロックの箱状のボディ本体の内部には、車体側に固着されたストライカと係脱可能なラッチ、およびこのラッチと係脱可能なロッキングプレート等から構成される噛合機構が収納されている。そして、アクチュエータは、モータおよび減速機構を収納して構成され、モータの回転を減速し解除レバーを移動させることにより、ロッキングプレートを解除方向に移動させて、ラッチとストライカとの係合を外して、ドアの開扉を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のドアロック操作装置においてモータ等の電気部品を内蔵するアクチュエータは、ドアパネル内に装着されるため、防水構造が必要になることから、アクチュエータのハウジングの合わせ面にシール部品が必要である。また、モータへ車載電源から給電するためにアクチュエータに付設されたコネクタも防水構造が必要になるので、アクチュエータの製品コストが高くなり、ドアロック操作装置全体の価格が上昇するという問題が生じている。
【0005】そして、アクチュエータが故障した場合には、アクチュエータとドアロックが一体化されているので、ドアロックも取り外す必要があり、サービス性が悪い。さらに、ドアパネル内に装着されるドアロックとアクチュエータとが一体化されているため、アクチュエータのモジュール化も困難である。ここで、車両または車室内に置かれた物品を盗もうとする者は、ドアパネルとサイドウインドガラスとの隙間から細い鉤棒などを挿入し、解除レバーまたはロッキングプレートを解除方向に動かすなどして、ドアロックの噛合機構を解除する手段を講じるのが一般的である。このため、上述のような車両または車室内の物品の盗難を防止する盗難防止性を向上させる必要がある。
【0006】
【発明の目的】本発明の目的は、アクチュエータの製品コストの上昇を抑えることができ、且つアクチュエータの故障時のサービス性を向上することのできるドアロック操作装置を提供することにある。また、アクチュエータのモジュール化を簡単に実施することのできるドアロック操作装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明によれば、アクチュエータのハウジングを、ドアロックの噛合機構と分離してドアパネルよりも室内側に取り付け、アクチュエータの出力軸を、ハウジングの端面より突出してドアパネルの開口部を貫通し、ドアパネル内に取り出されてリンクレバーに直結し、アクチュエータのハウジングとドアパネルの室内側端面との間に、ドアパネルの開口部を液密的に封止するシール材を設けることにより、アクチュエータのハウジングの合わせ面にシール部品を施す必要がないので、アクチュエータの製品コストを低減できるので、ドアロック操作装置全体の価格を低減することができる。
【0008】また、ドアパネル内に取り付けられたドアロックの噛合機構とアクチュエータとを分離して、アクチュエータをドアパネルよりも室内側に取り付けることにより、アクチュエータが故障した場合でも、ドアロックを取り外す必要はなく、アクチュエータのみ取り外してアクチュエータの修理または交換を実施できるので、サービス性を向上することができ、アクチュエータのモジュール化も簡単に実施することができる。
【0009】請求項2に記載の発明によれば、ドアロックハウジング内に、リンクレバーとドアロックの噛合機構とが一体的に収容されており、且つアクチュエータの出力軸とリンクレバーを直結しているので、ドアパネルとサイドウインドガラスとの隙間からリンクレバーを動かすことができず、ドアロックの噛合機構を解除されてしまうことはなく、盗難防止性を向上することができる。
【0010】請求項3に記載の発明によれば、リンクレバーの回転中心部に、アクチュエータの出力軸の先端部が嵌合する二面幅を持った凹状部を設けることで、アクチュエータの出力軸の先端部を凹状部に差し込むだけで、出力軸がリンクレバーに対して空回りすることなく、アクチュエータの出力軸をリンクレバーに簡単に直結できる。
【0011】請求項4に記載の発明によれば、室内または室外からのスイッチ操作により回転するモータの回転出力をリンクレバーを介してドアロックのラチェットに伝達することにより、ラチェットが回転してそのラチェットに噛み合うラッチがストライカとの噛み合い状態を解除されて、ドアを開けることが可能となる。
【0012】請求項5に記載の発明によれば、室内側に配設されたインサイドハンドル、あるいは室外側に配設されたアウトサイドハンドルを手動操作したことを検出するハンドルスイッチのスイッチ操作が行われると、アンラッチ用アクチュエータのモータが給電されることにより、モータの回転出力がリンクレバーを介してラチェットに伝達される。
【0013】
【発明の実施の形態】〔実施例の構成〕発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。ここで、図1は車両用ドアロック操作装置を装備したドアを示した図で、図2(a)はアンラッチ用アクチュエータの出力軸とラチェット駆動レバーの軸状部を直結した状態を示した図である。
【0014】本実施例の車両用ドアロック操作装置は、自動車等の車両に装備されたドア毎のドアパネル1に組み付けられて、1台または各ドア毎に設けられたドアロック制御装置(以下ドアECUと呼ぶ)10により制御されている。そして、各ドア(例えばフロントドア、リヤドア、バックドア)のドアパネル1には、車両のドア受け部に固定されたストライカ2と係脱可能な噛合機構を有するドアロックと、このドアロックの噛合機構をアンラッチ方向に駆動する1個のラチェット駆動レバー5と、このラチェット駆動レバー5を介してドアロックの噛合機構を電気的に解除作動するアンラッチ用アクチュエータとが装着されている。
【0015】ドアパネル1は、風圧で開き難い前ヒンジ後開きのサッシドアで、鋼板を深絞り成形して作成されたインナパネル11と、ウエストライン12を除いた三辺をヘミングし、スポット溶接または接着を併用して組み付けられたアウタパネル13とから構成されている。このドアパネル1の車室内側には、インナパネル11の車室内側を覆うドアトリム(内張り)14が張り付けられている。なお、インナパネル11には、後記するアンラッチ用アクチュエータの出力軸を挿通させるための開口部(丸穴、長円形状穴または方形状穴)15が形成されている。
【0016】ドアロックの噛合機構は、ドアパネル1のドアヒンジ部(図示せず)側とは逆側端部に配設された略L字形状のラッチハウジング(本発明のドアロックハウジングに相当する)17、このラッチハウジング17内において回動自在に支持されたラチェット3、およびこのラチェット3の回動に応じてストライカ2との係合状態(噛み合い状態)を変更するラッチ4等から構成されている。なお、ラッチハウジング17およびドアパネル1には、図1に示したように、ストライカを受け入れることが可能な略U字形状の切欠き部19が形成されている。
【0017】ラチェット3は、図3および図4に示したように、ラッチハウジング17の内壁面上において支軸部21を中心にして回動可能に設けられている。そして、ラチェット3は、回転角度に応じて、ラッチ4と噛み合う係合位置(フルラッチ位置またはハーフラッチ位置)とラッチ4との噛み合い状態を解放する解放位置(アンラッチ位置)とに変更される。
【0018】そして、ラチェット3には、ラッチ4と噛み合うことが可能な爪形状の係合部(以下爪部と呼ぶ)22、およびラチェット駆動レバー5の出力部に係合することが可能な係合片23等が設けられている。また、ラチェット3の突出片24には、アンラッチ位置から噛み合い位置に戻す方向に付勢するラチェットスプリング25が装着されている。
【0019】なお、ラチェットスプリング25は、一端がラチェット3の突出片24に係止され、他端がラッチハウジング17の突起部26に係止されている。そして、ラチェット3は、ラチェット駆動レバー5の出力部に押されると、ラチェットスプリング25の付勢力に抗して、支軸部21を中心にして図示右回転方向に回転してラッチ4との噛み合いが解放される。
【0020】ラッチ4は、図3および図4に示したように、ラッチハウジング17の内壁面上において支軸部31を中心にして回動可能に設けられている。そして、ラッチ4は、回転角度に応じて、ストライカ2と完全に噛み合うことでドアを施錠(保持)するフルラッチ状態(ドア閉鎖状態)、ストライカ2と完全に噛み合っていないハーフラッチ状態(半ドア状態)、および後記する切欠き部32の開口部分が図示左方向に向く初期状態とに変更される。なお、ラッチ4は、ラチェット3の回転角度によって、ラチェット3と噛み合うフルラッチ状態(図3参照)とラチェット3との噛み合いが解除されるアンラッチ状態(図4参照)とに変更される。
【0021】そして、ラッチ4には、ストライカ2と噛み合うことが可能な略U字形状の切欠き部32、ドアを完全に閉じるドア閉鎖状態(フルラッチ状態)の時にラチェット3の爪部22に係合される爪形状の第1被係合部33、およびドアが完全に閉じていない半ドア状態(ハーフラッチ状態)の時にラチェット3の爪部22に係合される爪形状の第2被係合部34等が設けられている。
【0022】そして、ラッチ4の支軸部31の回りには、ラッチ4を初期状態(切欠き部32の開口部分を図示左方向に向ける位置)に戻すためのラッチスプリング35を収容する凹状部(開口部)36が形成されている。なお、ラッチスプリング35は、一端がラッチハウジング17に設けられた円柱形状の突起部37に係止され、他端が凹状部36の溝壁面に係止されている。
【0023】アンラッチ用アクチュエータは、インナパネル11とドアトリム14との間に組み付けられて、ラチェット駆動レバー5を介してラチェット3を回転させることにより、ラッチ4とストライカ2との噛み合いを電気的に解除するアンラッチ操作を行うドアロック駆動手段である。
【0024】そして、アンラッチ用アクチュエータは、ワイヤーハーネス等の電気配線61を介してドアECU10からの制御信号により作動または作動停止するアンラッチ用モータとこのアンラッチ用モータの回転速度を減速する歯車減速機構を内蔵するハウジング6を有している。なお、ハウジング6は、容器形状のケースとこのケースの開口部分を塞ぐカバーとを張り合わせた分割ケースで、締結具(図示せず)を用いてドアパネル1のインナパネル11に締め付け固定されている。このハウジング6の側壁面には、ワイヤーハーネス等の電気配線61を接続するためのコネクタ(図示せず)が設けられている。
【0025】ここで、アンラッチ用モータおよび歯車減速機構は、アクチュエータ本体を構成するもので、その出力軸7は、ハウジング6の端面より突出してインナパネル11の開口部15を余裕を持って貫通し、ドアパネル1内(インナパネル11とアウタパネル13との間)に取り出され、ラチェット駆動レバー5の入力部に連結されている。なお、出力軸7は、断面形状が円形状の部分に二面幅を有している。また、出力軸7の突出部分を回転自在に支持するハウジング6の軸受部には、アンラッチ用アクチュエータの防水性を高めるためにシール材(図示せず)が施されている。
【0026】そして、アンラッチ用アクチュエータのハウジング6の端面とインナパネル11の車室内側端面との間には、アンラッチ用アクチュエータの出力軸7と非接触で環状のシール用弾性体39が介装されている。このシール用弾性体39は、本発明のシール材に相当するもので、インナパネル11の開口部15を液密的に封止すると共に、アンラッチ用アクチュエータの出力軸7を余裕を持って挿通させる。そして、シール用弾性体39は、ハウジング6の端面に接着剤(図示せず)を用いて貼り付けられている。なお、シール用弾性体39をインナパネル11の車室内側端面に貼り付けても良い。
【0027】ラチェット駆動レバー5は、本発明のリンクレバーに相当するもので、金属材料または樹脂材料により所定の形状に形成されており、ラッチハウジング17内にラチェット3、ラッチ4と共に一体的に収容されている。このラチェット駆動レバー5は、ラッチハウジング17に回転自在に支持される回転中心部(入力部)41、およびドアロックのラチェット3を直接的に駆動するドアロック駆動部(出力部)42等を有している。
【0028】回転中心部41は、図2(a)に示したように、アンラッチ用アクチュエータの出力軸7と同軸上に設けられて、一端部がラッチハウジング17の開口部43に回転自在に支持され、他端部がラッチハウジング17の軸受部44に回転自在に支持されている。そして、回転中心部41の一端部には、図2(a)、(b)に示したように、出力軸7の先端部が嵌合する二面幅を持った凹状部45を有する軸状部46が形成されている。
【0029】ドアロック駆動部42は、回転中心部41の径方向外方(ラチェット3側、図2において図示下方)に延長されて、ラチェット3の係合片23に係合する。ここで、ラチェット駆動レバー5は、回転中心部41を中心にして回転することで、ラチェット3の係合片23を支軸部21を中心にして図3において図示右回転方向(アンラッチ方向)に動かすアンラッチ操作を行うアンラッチ用出力レバーを構成する。
【0030】ドアECU10は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート等の機能から構成されたマイクロコンピュータで、それ自体は周知の構造のものである。このドアECU10のI/Oポートには、各ドア毎にドア開信号(アンラッチ信号)を出力するアウタハンドルスイッチ51およびインナハンドルスイッチ52と、アンラッチ用アクチュエータのアンラッチ用モータとがワイヤーハーネス等の電気配線61〜63を介して接続されている。
【0031】そして、ドアECU10は、図示しないキースイッチやタッチスイッチ等によって解錠操作が行われている時に、アウタハンドルスイッチ51またはインナハンドルスイッチ52のいずれかのスイッチからドア開信号を受けると、ドア開信号を出力したスイッチを備えたドアに設置されたアンラッチ用モータにドア開信号(ON信号)を出力する。
【0032】アウタハンドルスイッチ51は、アウトサイドハンドル53を操作者が引いたことを検出する車室外操作検出手段である。そのアウトサイドハンドル53は、車室外からの手動操作が可能な車室外解除操作手段である。また、インナハンドルスイッチ52は、インサイドハンドル54を操作者が引いたことを検出する車室内操作検出手段である。そのインサイドハンドル54は、車室内からの手動操作が可能な車室内解除操作手段である。
【0033】〔実施例の作用〕次に、本実施例の車両用ドアロック操作装置の作用を図1ないし図4に基づいて簡単に説明する。ここで、図3はドアロックの噛合機構のフルラッチ(ドア開扉不能な)状態を示した図で、図4はドアロックの噛合機構のアンラッチ(ドア開扉可能な)状態を示した図である。
【0034】図3に示したような、ラチェット3の爪部22がラッチ4の第1被係合部33に係合して、ラッチ4の切欠き部32とストライカ2とが正規の位置で噛み合うドア閉鎖状態(フルラッチ状態)において、ドアECU10からのドア開信号を受けてアンラッチ用モータが車載電源により給電されると、アンラッチ用モータのシャフトが回転動作する。
【0035】そして、アンラッチ用モータのシャフトが回転することで、歯車減速機構を介して出力軸7が回転動作する。これにより、回転中心部41の軸状部46が出力軸7の先端部に直結されたラチェット駆動レバー5が出力軸7と共に回転中心部41を中心にして回転する。このラチェット駆動レバー5の回転に伴い、ラチェット駆動レバー5のドアロック駆動部42に係合片23が係合されているラチェット3が回転する。すなわち、ラチェット3は、図4に示したように、ラチェットスプリング25を撓めながら支軸部21を中心にして図示右回転方向(アンラッチ方向)に回転する。これにより、ラチェット3の爪部22とラッチ4の第1被係合部33との噛み合いが外れる。
【0036】そして、ラッチスプリング35の付勢力が作用するラッチ4が、図4において図示右回転方向に回転可能となる(アンラッチ状態)。この結果、車両乗員等の操作者がドアのドアトリム14のアームレスト等を押すことで、ラッチ4が支軸部31を中心にして回転しラッチ4の切欠き部32と開口部分が図示左方向を向き、切欠き部32とストライカ2との噛み合いが外れることで、ドアが開扉されるので、車両乗員が車両の車室外に出ることができる。
【0037】〔実施例の効果〕以上のように、本実施例の車両用ドアロック操作装置においては、アンラッチ用アクチュエータを、インナパネル11とドアトリム14との間に取り付けている。すなわち、アンラッチ用アクチュエータをドアパネル1よりも車室内側に取り付けることにより、アンラッチ用アクチュエータのハウジング6やコネクタ等の防水構造を簡素化することができる。これにより、アンラッチ用アクチュエータの製品コストを低減できるので、車両用ドアロック操作装置全体の価格を低減することができる。
【0038】また、アンラッチ用アクチュエータの出力軸7と非接触で環状のシール用弾性体39およびドアパネル1の開口部15を設けることにより、シール用弾性体39と出力軸7との摺動抵抗がなくなる。これにより、アンラッチ操作を行うアンラッチ用アクチュエータの作動性を大幅に向上することができる。
【0039】ここで、本実施例では、ラチェット駆動レバー5の回転中心部41の軸状部46の端面に、アンラッチ用アクチュエータの出力軸7の先端部が嵌合する二面幅を持った凹状部45を設けている。そして、アンラッチ用アクチュエータの出力軸7の先端部を凹状部45に差し込むだけで、出力軸7がラチェット駆動レバー5に対して空回りすることなく、アンラッチ用アクチュエータの出力軸7をラチェット駆動レバー5の軸状部46に直結することができる。これにより、アンラッチ用モータの回転出力を、ラチェット駆動レバー5を介してドアロックのラチェット3に確実に伝達することができる。
【0040】また、ドアパネル1内に取り付けられたドアロックの噛合機構とアンラッチ用アクチュエータとを分離して、アンラッチ用アクチュエータをドアパネル1よりも車室内側に取り付けることにより、アンラッチ用アクチュエータが故障した場合でも、ドアロックを取り外す必要はなく、アンラッチ用アクチュエータのみ取り外してアンラッチ用アクチュエータの修理または交換を実施できる。これにより、メンテナンス性やサービス性を向上することができる。
【0041】また、アンラッチ用アクチュエータのモジュール化も簡単に実施することができる。例えばドアパネル1のインナパネル11に組み付け可能なプレートとシール用弾性体39とアンラッチ用アクチュエータとの一体部品(アクチュエータモジュール)を作り、そのアクチュエータモジュールをインナパネル11に取り付けるだけで、アンラッチ用アクチュエータに防水構造を施すことができる。
【0042】そして、ラッチハウジング17内に、ラチェット駆動レバー5とドアロックの噛合機構(ラチェット3、ラッチ4)とが一体的に収容されており、且つアンラッチ用アクチュエータの出力軸7とラチェット駆動レバー5の回転中心部41を直結しているので、ドアパネル1とサイドウインドガラスとの隙間からラチェット駆動レバー5やラチェット3を動かすことができず、ラッチ4とストライカ2との噛み合い状態を解除されてしまうことはなく、盗難防止性を向上することができる。
【0043】〔変形例〕本実施例では、本発明を、自動車等の車両に装備されたドアのドアロックの噛合機構を作動させるための車両用ドアロック操作装置に適用したが、本発明を、乗用車や商用車等の小型車両または鉄道車両、バスやトラック等の大型車両に装備されたドアのドアロックの噛合機構を作動させるための車両用ドアロック操作装置に適用しても良い。また、本発明を、車両だけでなく、住宅や店舗等の建築物に配置したドアのドアロックの噛合機構を作動させるための建築物用ドアロック操作装置に適用しても良い。
【0044】本実施例では、アクチュエータとして、ドアロックのラチェット3をラッチ4との噛み合い状態を解放するアンラッチ操作を行うアンラッチ用アクチュエータを適用した例を説明したが、アクチュエータとして、ラッチ4がハーフラッチ状態にあることをセンサ等で検出した際にラッチ4をハーフラッチ状態からフルラッチ状態まで駆動するクローザ用アクチュエータを適用しても良い。この場合には、リンクレバーがラッチ駆動レバーとなる。また、アクチュエータとして、盗難防止用のデッドロック位置を持つアクチュエータを採用しても良い。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成12年4月27日(2000.4.27)
【代理人】 【識別番号】100080045
【弁理士】
【氏名又は名称】石黒 健二
【公開番号】 特開2001−311338(P2001−311338A)
【公開日】 平成13年11月9日(2001.11.9)
【出願番号】 特願2000−126974(P2000−126974)