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【発明の名称】 ドアロック操作装置
【発明者】 【氏名】中村 博

【要約】 【課題】手動解除ノブ9とラチェット駆動レバー5とを直結することで、組付け作業性を向上し、バックアップ操作手段の部品点数を減少することで、バックアップ操作手段の製品価格の上昇を抑えることのでき且つ、盗難防止性を向上することのできる車両用ドアロック操作装置を提供する。

【解決手段】事故や故障等の発生によりアンラッチ用アクチュエータが解除作動しなくなった場合にドアロックのラチェット3を解除操作させるためのバックアップ操作手段を、ラチェット駆動レバー5の回転中心部41に、アンラッチ用アクチュエータの出力軸7を介して直結される手動解除ノブ9により構成した。そして、非常時に室内側より解除操作が可能な摘まみ部55が形成されたロータ56を有する手動解除ノブ9を、その軸状部57がドアパネル1の室内側に張られたドアトリム14の開口部に回転自在に支持されるように取り付けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ラッチとストライカとの噛み合い状態を解除するラチェットを有するドアロックと、このドアロックのラチェットを動かすラチェット駆動レバーと、このラチェット駆動レバーを介して、前記ラッチと前記ストライカとの噛み合い状態を電気的に解除作動するアクチュエータと、前記ラチェット駆動レバーを介して、前記ラッチと前記ストライカとの噛み合い状態を機械的に解除操作するバックアップ操作手段とを備え、前記バックアップ操作手段は、前記ラチェット駆動レバーの回転中心部に直結される手動解除ノブにより構成されていることを特徴とするドアロック操作装置。
【請求項2】請求項1に記載のドアロック操作装置において、前記手動解除ノブは、ドアパネルの室内側に装着されるドアトリムに回転自在に取り付けられる軸状部を有し、前記ラチェット駆動レバーは、少なくとも前記ラチェットを収容するドアロックハウジング内に回転自在に収容されていることを特徴とするドアロック操作装置。
【請求項3】請求項2に記載のドアロック操作装置において、前記手動解除ノブの軸状部の端面には、前記ラチェット駆動レバーの回転中心部と一体的に回転するシャフトの先端部が嵌合する二面幅を持った凹状部が形成されていることを特徴とするドアロック操作装置。
【請求項4】請求項2または請求項3に記載のドアロック操作装置において、前記ラチェット駆動レバーの回転中心部の端面には、前記手動解除ノブの軸状部の先端部が嵌合する二面幅を持った凹状部が形成されていることを特徴とするドアロック操作装置。
【請求項5】請求項1ないし請求項4のうちいずれかに記載のドアロック操作装置において、前記アクチュエータは、室内または室外からのスイッチ操作により回転するモータ、およびこのモータの回転出力を前記ラチェット駆動レバーに伝達する出力軸を有することを特徴とするドアロック操作装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドアロックのラッチとストライカとの噛み合い状態を電気的に解除作動するアクチュエータと、ラッチとストライカとの噛み合い状態を機械的に解除操作する手動解除ノブとを備えたドアロック操作装置に関するものである。
【0002】
【先行の技術】例えば特願平11−367313号(平成11年12月24日出願)には、図6に示したように、事故や故障等の発生によりアンラッチ用アクチュエータのアンラッチ用モータが解除(アンラッチ)作動しなくなった場合に、ワイヤーケーブル101からなる手動解除レバー102を操作することにより、機械的にドアロック103のラチェットとラッチとの噛み合い状態を解除して、ラッチとストライカとの噛み合いを解放可能にする構造を備えた車両用ドアロック操作装置が記載されている。なお、手動解除レバー102は、ドアパネル104の車室内側に張られたドアトリム105に設けた窓(定常時は塞がれている)から手を入れて届く場所に配されて、ワイヤーケーブル101、リンクレバーを介してラチェットをアンラッチ方向に動かすように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の車両用ドアロック操作装置においては、手動解除レバー102、ワイヤーケーブル101が狭いスペースのドアパネル104内に取り回されてリンクレバーを介してドアロックのラチェットに連結されているため、組付け作業性が悪いという問題が生じている。また、手動解除レバー102、ワイヤーケーブル101をドアパネル104内で保持するためのブラケット等の部品が必要になるので、部品点数が多く、製品価格を上昇させるという問題が生じている。さらに、車両または車室内に置かれた物品を盗もうとする者は、ドアパネル104とサイドウインドガラスとの隙間から細い鉤棒などを挿入し、ワイヤーケーブル101を引っ張って、ドアロック103のラッチとストライカとの噛み合い状態を解除する手段を講じるのが一般的である。このため上述のような車両または車室内の物品の盗難を防止する盗難防止性を向上させる必要がある。
【0004】
【発明の目的】本発明の目的は、手動解除ノブとラチェット駆動レバーとを直結することで、組付け作業性を向上することのできるドアロック操作装置を提供することにある。また、バックアップ操作手段の部品点数を減少することで、バックアップ操作手段の製品価格の上昇を抑えることができ、且つ盗難防止性を向上することのできるドアロック操作装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明によれば、事故や故障等の発生によりアクチュエータが解除作動しなくなった場合にドアロックを解除操作させるためのバックアップ操作手段を、ラチェット駆動レバーの回転中心部に直結される手動解除ノブにより構成することにより、例えば狭いスペースのドアパネル内でワイヤーケーブル等を取り回す必要がなく、ラチェット駆動レバーを介して、ラッチとストライカとの噛み合い状態を機械的に解除操作することができる。これにより、バックアップ操作手段の組付け作業性を向上することができ、且つ連結部品や保持部品が不要となるので、バックアップ操作手段の製品価格を低減することができる。
【0006】請求項2に記載の発明によれば、手動解除ノブの軸状部をドアパネルの室内側に装着されるドアトリムに回転自在に取り付け、ラチェット駆動レバーおよびラチェットをドアロックハウジング内に回転自在に収容することにより、外部から手動解除ノブおよびラチェット駆動レバーを動かすことはできず、ラッチとストライカとの噛み合い状態が解除操作されてしまうことはない。これにより、盗難防止性を向上することができる。
【0007】請求項3に記載の発明によれば、手動解除ノブの軸状部の端面に、ラチェット駆動レバーの回転中心部と一体的に回転するシャフトの先端部が嵌合する二面幅を持った凹状部を形成している。それによって、シャフトの先端部に凹状部を差し込むだけで、手動解除ノブの軸状部がラチェット駆動レバーに対して空回りすることなく、取り付けることができる。これにより、手動解除ノブをラチェット駆動レバーに簡単に直結できる。
【0008】請求項4に記載の発明によれば、ラチェット駆動レバーの回転中心部の端面に、手動解除ノブの軸状部の先端部が嵌合する二面幅を持った凹状部を形成している。それによって、手動解除ノブの軸状部の先端部に凹状部を差し込むだけで、手動解除ノブの軸状部がラチェット駆動レバーに対して空回りすることはなく、取り付けることができる。これにより、手動解除ノブをラチェット駆動レバーに簡単に直結できる。また、請求項5に記載の発明によれば、アクチュエータに、室内または室外からのスイッチ操作により回転するモータ、およびこのモータの回転出力をラチェット駆動レバーに伝達する出力軸を設けている。
【0009】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
〔第1実施例の構成〕図1ないし図4は本発明の第1実施例を示したもので、図1は車両用ドアロック操作装置を装備したドアを示した図で、図2(a)はアンラッチ用アクチュエータの出力軸を介して手動解除ノブの軸状部とラチェット駆動レバーの軸状部を直結した状態を示した図である。
【0010】本実施例の車両用ドアロック操作装置は、自動車等の車両に装備されたドア毎のドアパネル1に組み付けられて、1台または各ドア毎に設けられたドアロック制御装置(以下ドアECUと呼ぶ)10により制御されている。そして、各ドア(例えばフロントドア、リヤドア、バックドア)のドアパネル1には、車両のドア受け部に固定されたストライカ2と係脱可能な噛合機構を有するドアロックと、このドアロックの噛合機構をアンラッチ方向に駆動する1個のラチェット駆動レバー5と、このラチェット駆動レバー5を介してドアロックの噛合機構を電気的に解除作動するアンラッチ用アクチュエータと、ラチェット駆動レバー5を介してドアロックの噛合機構を機械的に解除操作するバックアップ操作手段とが装着されている。
【0011】ドアパネル1は、風圧で開き難い前ヒンジ後開きのサッシドアで、鋼板を深絞り成形して作成されたインナパネル11と、ウエストライン12を除いた三辺をヘミングし、スポット溶接または接着を併用して組み付けられたアウタパネル13とから構成されている。このドアパネル1の車室内側には、インナパネル11の車室内側を覆うドアトリム(内張り)14が張り付けられている。なお、インナパネル11には、後記するアンラッチ用アクチュエータの出力軸を挿通させるための開口部(丸穴、長円形状穴または方形状穴)15が形成されている。また、ドアトリム14には、バックアップ操作手段を構成する手動解除ノブ9が回転自在に挿通する開口部(略長円形状穴)16が形成されている。
【0012】ドアロックの噛合機構は、ドアパネル1のドアヒンジ部(図示せず)側とは逆側端部に配設された略L字形状のラッチハウジング(本発明のドアロックハウジングに相当する)17、このラッチハウジング17内において回動自在に支持されたラチェット3、およびこのラチェット3の回動に応じてストライカ2との係合状態(噛み合い状態)を変更するラッチ4等から構成されている。なお、ラッチハウジング17およびドアパネル1には、図1に示したように、ストライカを受け入れることが可能な略U字形状の切欠き部19が形成されている。
【0013】ラチェット3は、図3および図4に示したように、ラッチハウジング17の内壁面上において支軸部21を中心にして回動可能に設けられている。そして、ラチェット3は、回転角度に応じて、ラッチ4と噛み合う係合位置(フルラッチ位置またはハーフラッチ位置)とラッチ4との噛み合い状態を解放する解放位置(アンラッチ位置)とに変更される。
【0014】そして、ラチェット3には、ラッチ4と噛み合うことが可能な爪形状の係合部(以下爪部と呼ぶ)22、およびラチェット駆動レバー5の出力部に係合することが可能な係合片23等が設けられている。また、ラチェット3の突出片24には、アンラッチ位置から噛み合い位置に戻す方向に付勢するラチェットスプリング25が装着されている。
【0015】なお、ラチェットスプリング25は、一端がラチェット3の突出片24に係止され、他端がラッチハウジング17の突起部26に係止されている。そして、ラチェット3は、ラチェット駆動レバー5の出力部に押されると、ラチェットスプリング25の付勢力に抗して、支軸部21を中心にして図示右回転方向に回転してラッチ4との噛み合いが解放される。
【0016】ラッチ4は、図3および図4に示したように、ラッチハウジング17の内壁面上において支軸部31を中心にして回動可能に設けられている。そして、ラッチ4は、回転角度に応じて、ストライカ2と完全に噛み合うことでドアを施錠(保持)するフルラッチ状態(ドア閉鎖状態)、ストライカ2と完全に噛み合っていないハーフラッチ状態(半ドア状態)、および後記する切欠き部32の開口部分が図示左方向に向く初期状態とに変更される。なお、ラッチ4は、ラチェット3の回転角度によって、ラチェット3と噛み合うフルラッチ状態(図3参照)とラチェット3との噛み合いが解除されるアンラッチ状態(図4参照)とに変更される。
【0017】そして、ラッチ4には、ストライカ2と噛み合うことが可能な略U字形状の切欠き部32、ドアを完全に閉じるドア閉鎖状態(フルラッチ状態)の時にラチェット3の爪部22に係合される爪形状の第1被係合部33、およびドアが完全に閉じていない半ドア状態(ハーフラッチ状態)の時にラチェット3の爪部22に係合される爪形状の第2被係合部34等が設けられている。
【0018】そして、ラッチ4の支軸部31の回りには、ラッチ4を初期状態(切欠き部32の開口部分を図示左方向に向ける位置)に戻すためのラッチスプリング35を収容する凹状部(開口部)36が形成されている。なお、ラッチスプリング35は、一端がラッチハウジング17に設けられた円柱形状の突起部37に係止され、他端が凹状部36の溝壁面に係止されている。
【0019】アンラッチ用アクチュエータは、インナパネル11とドアトリム14との間に組み付けられて、ラチェット駆動レバー5を介してラチェット3を回転させることにより、ラッチ4とストライカ2との噛み合い状態を電気的に解除するアンラッチ操作を行うドアロック駆動手段である。
【0020】そして、アンラッチ用アクチュエータは、ワイヤーハーネス等の電気配線61を介してドアECU10からの制御信号により作動または作動停止するアンラッチ用モータとこのアンラッチ用モータの回転速度を減速する歯車減速機構を内蔵するハウジング6を有している。なお、ハウジング6は、容器形状のケースとこのケースの開口部分を塞ぐカバーとを張り合わせた分割ケースで、締結具(図示せず)を用いてドアパネル1のインナパネル11に締め付け固定されている。このハウジング6の側壁面には、ワイヤーハーネス等の電気配線61を接続するためのコネクタ(図示せず)が設けられている。
【0021】ここで、アンラッチ用モータおよび歯車減速機構は、アクチュエータ本体を構成するもので、その出力軸7の一端部は、ハウジング6の室内側端面より突出し、また、その出力軸7の他端部は、ハウジング6の室外側端面より突出してインナパネル11の開口部15を余裕を持って貫通し、ドアパネル1内(インナパネル11とアウタパネル13との間)に取り出され、ラチェット駆動レバー5の入力部に連結されている。なお、出力軸7の両端部は、断面形状が円形状の部分に二面幅を有している。また、出力軸7の突出部分を回転自在に支持するハウジング6の軸受部には、アンラッチ用アクチュエータの防水性を高めるためにシール材(図示せず)が施されている。
【0022】そして、アンラッチ用アクチュエータのハウジング6の端面とインナパネル11の車室内側端面との間には、アンラッチ用アクチュエータの出力軸7と非接触で環状のシール用弾性体39が介装されている。このシール用弾性体39は、インナパネル11の開口部15を液密的に封止すると共に、アンラッチ用アクチュエータの出力軸7を余裕を持って挿通させる。そして、シール用弾性体39は、ハウジング6の端面に接着剤(図示せず)を用いて貼り付けられている。なお、シール用弾性体39をインナパネル11の車室内側端面に貼り付けても良い。
【0023】ラチェット駆動レバー5は、金属材料または樹脂材料により所定の形状に形成されており、ラッチハウジング17内にラチェット3、ラッチ4と共に一体的に収容されている。このラチェット駆動レバー5は、ラッチハウジング17に回転自在に支持される回転中心部(入力部)41、およびドアロックのラチェット3を直接的に駆動するドアロック駆動部(出力部)42等を有している。
【0024】回転中心部41は、図2(a)に示したように、アンラッチ用アクチュエータの出力軸7と同軸上に設けられて、一端部がラッチハウジング17の開口部43に回転自在に支持され、他端部がラッチハウジング17の軸受部44に回転自在に支持されている。そして、回転中心部41の一端部には、図2(a)、(b)に示したように、出力軸7の他端部が嵌合する二面幅を持った凹状部45を有する軸状部46が形成されている。
【0025】ドアロック駆動部42は、回転中心部41の径方向外方(ラチェット3側、図2において図示下方)に延長されて、ラチェット3の係合片23に係合する。ここで、ラチェット駆動レバー5は、回転中心部41を中心にして回転することで、ラチェット3の係合片23を支軸部21を中心にして図3において図示右回転方向(アンラッチ方向)に動かすアンラッチ操作を行うアンラッチ用出力レバーを構成する。
【0026】本実施例のバックアップ操作手段は、図2(a)に示したように、ドアパネル1のインナパネル11の車室内側を覆うドアトリム14に回転自在に支持された手動解除ノブ9であり、事故や故障等の発生によりアンラッチ用モータが解除作動しなくなった場合に、ラチェット駆動レバー5をアンラッチ方向に回すことでラチェット3を動かし、ラチェット3とラッチ4との噛み合いを解除してラッチ4とストライカ2との噛み合い状態を解放可能にする。
【0027】手動解除ノブ9は、金属材料または樹脂材料により所定の形状に成形されており、図2(a)、(c)に示したように、操作者が摘む略一文字状の摘まみ部55が形成された円板状のロータ56と、このロータ56からドアトリム14の開口部16を貫通する略円筒状の軸状部57とから構成されている。なお、軸状部57は、アンラッチ用アクチュエータの出力軸7と同軸上に設けられている。その軸状部57の端面には、アンラッチ用アクチュエータの出力軸7の一端部が嵌合する二面幅を持った凹状部58が形成されている。また、軸状部57の外周には、ロータ56と共に、開口部16の回りのドアトリム14を挟み込むためのフランジ部59が一体成形されている。
【0028】ドアECU10は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート等の機能から構成されたマイクロコンピュータで、それ自体は周知の構造のものである。このドアECU10のI/Oポートには、各ドア毎にドア開信号(アンラッチ信号)を出力するアウタハンドルスイッチ51およびインナハンドルスイッチ52と、アンラッチ用アクチュエータのアンラッチ用モータとがワイヤーハーネス等の電気配線61〜63を介して接続されている。
【0029】そして、ドアECU10は、図示しないキースイッチやタッチスイッチ等によって解錠操作が行われている時に、アウタハンドルスイッチ51またはインナハンドルスイッチ52のいずれかのスイッチからドア開信号を受けると、ドア開信号を出力したスイッチを備えたドアに設置されたアンラッチ用モータにドア開信号(ON信号)を出力する。
【0030】アウタハンドルスイッチ51は、アウトサイドハンドル53を操作者が引いたことを検出する車室外操作検出手段である。そのアウトサイドハンドル53は、車室外からの手動操作が可能な車室外解除操作手段である。また、インナハンドルスイッチ52は、インサイドハンドル54を操作者が引いたことを検出する車室内操作検出手段である。そのインサイドハンドル54は、車室内からの手動操作が可能な車室内解除操作手段である。
【0031】〔実施例の作用〕次に、本実施例の車両用ドアロック操作装置の作用を図1ないし図4に基づいて簡単に説明する。ここで、図3はドアロックの噛合機構のフルラッチ(ドア開扉不能な)状態を示した図で、図4はドアロックの噛合機構のアンラッチ(ドア開扉可能な)状態を示した図である。
【0032】イ)アンラッチ作動時図3に示したような、ラチェット3の爪部22がラッチ4の第1被係合部33に係合して、ラッチ4の切欠き部32とストライカ2とが正規の位置で噛み合うドア閉鎖状態(フルラッチ状態)において、ドアECU10からのドア開信号を受けてアンラッチ用モータが車載電源により給電されると、アンラッチ用モータのシャフトが回転動作する。
【0033】そして、アンラッチ用モータのシャフトが回転することで、歯車減速機構を介して出力軸7が回転動作する。これにより、回転中心部41の軸状部46が出力軸7の他端部に直結されたラチェット駆動レバー5が出力軸7と共に回転中心部41を中心にして回転する。このラチェット駆動レバー5の回転に伴い、ラチェット駆動レバー5のドアロック駆動部42に係合片23が係合されているラチェット3が回転する。すなわち、ラチェット3は、図4に示したように、ラチェットスプリング25を撓めながら支軸部21を中心にして図示右回転方向(アンラッチ方向)に回転する。これにより、ラチェット3の爪部22とラッチ4の第1被係合部33との噛み合いが外れる。
【0034】そして、ラッチスプリング35の付勢力が作用するラッチ4が、図4において図示右回転方向に回転可能となる(アンラッチ状態)。この結果、車両乗員等の操作者がドアのドアトリム14のアームレスト等を押すことで、ラッチ4が支軸部31を中心にして回転しラッチ4の切欠き部32と開口部分が図示左方向を向き、切欠き部32とストライカ2との噛み合いが外れることで、ドアが開扉されるので、車両乗員が車両の車室外に出ることができる。
【0035】ロ)アンラッチ操作時ここで、事故や故障等の発生によりアンラッチ用モータが解除作動しなくなった場合には、ドアのドアパネル1の車室内側に張られたドアトリム14の車室内側に突出するように取り付けられた手動解除ノブ9の摘まみ部55をアンラッチ方向に回す。なお、ドアトリム14の開口部16の内壁面によってアンラッチ方向に対して逆方向の回転は規制されている。
【0036】そして、本実施例の手動解除ノブ9の軸状部57は、アンラッチ用アクチュエータの出力軸7を介してラチェット駆動レバー5の回転中心部41の軸状部46に直結されている。これにより、手動解除ノブ9の軸状部57がアンラッチ方向に回転することによって、出力軸7が同方向に回転しラチェット駆動レバー5が回転中心部41を中心にして回転する。このラチェット駆動レバー5の回転に伴ってラチェット3が、ラチェットスプリング25を撓めながら支軸部21を中心にしてアンラッチ方向に回転する。
【0037】これにより、ラチェット3の爪部22とラッチ4の第1被係合部33との噛み合いが外れる。このため、ラッチ4の噛み合い状態が図4において図示右回転方向に回転可能となる(アンラッチ状態)となる。この結果、車両乗員等の操作者がドアのドアトリム14のアームレスト等を押すことで、ラッチ4が支軸部21を中心にして回転しラッチ4の切欠き部32と開口部分が図示左方向を向き、切欠き部32とストライカ2との噛み合いが外れることで、ドアが開扉されるので、車両乗員が非常時でも車両の車室外に出ることができる。
【0038】〔実施例の効果〕以上のように、本実施例の車両用ドアロック操作装置においては、バックアップ操作手段を、ラチェット駆動レバー5の回転中心部41に直結される一体部品よりなる手動解除ノブ9により構成することにより、例えば狭いスペースのドアパネル1内でワイヤーケーブル等を取り回す必要がなく、非常時には、ラチェット駆動レバー5を介して、ラッチ4とストライカ2との噛み合い状態を機械的に解除操作することができる。これにより、バックアップ操作手段の組付け作業性を向上することができる。また、ワイヤーケーブルをドアパネル1内に取り付けたり、保持したりするための連結部品や保持部品が不要となるので、バックアップ操作手段の製品価格を低減でき、車両用ドアロック操作装置全体の製品価格を低減することができる。
【0039】そして、ラッチハウジング17内に、ラチェット駆動レバー5とドアロックの噛合機構(ラチェット3、ラッチ4)とが一体的に収容されており、且つアンラッチ用アクチュエータの出力軸7とラチェット駆動レバー5の回転中心部41を直結しているので、外部、つまりドアパネル1とサイドウインドガラスとの隙間から手動解除ノブ9の軸状部57、ラチェット駆動レバー5およびラチェット3のいずれかを動かすことができず、ラッチ4とストライカ2との噛み合い状態を解除操作されてしまうことはないので、盗難防止性を向上することができる。
【0040】そして、ラッチハウジング17の開口部43および軸受部44に回転自在に支持されたラチェット駆動レバー5の回転中心部41の軸状部46の端面に、アンラッチ用アクチュエータの出力軸7の他端部が嵌合する二面幅を持った凹状部45を設けている。そして、アンラッチ用アクチュエータの出力軸7の他端部を凹状部45に差し込むだけで、出力軸7がラチェット駆動レバー5に対して空回りすることなく、アンラッチ用アクチュエータの出力軸7をラチェット駆動レバー5の軸状部46に直結することができる。これにより、アンラッチ用モータの回転出力を、ラチェット駆動レバー5を介してドアロックのラチェット3に確実に伝達することができる。
【0041】また、ドアパネル1のドアトリム14に回転自在に支持された手動解除ノブ9の軸状部57の端面に、アンラッチ用アクチュエータの出力軸7の一端部が嵌合する二面幅を持った凹状部58を設けている。そして、車室内側よりドアトリム14の開口部16を貫通して、アンラッチ用アクチュエータの出力軸7の一端部に手動解除ノブ9の凹状部58を差し込むだけで、手動解除ノブ9の軸状部57がアンラッチ用アクチュエータの出力軸7およびラチェット駆動レバー5に対して空回りすることなく、手動解除ノブ9を出力軸7を介してラチェット駆動レバー5の回転中心部41に簡単に取り付けることができる。
【0042】〔第2実施例〕図5は本発明の第2実施例を示したもので、手動解除ノブの軸状部とラチェット駆動レバーの軸状部を直結した状態を示した図である。
【0043】本実施例では、図5に示したように、アンラッチ用アクチュエータを手動解除ノブ9と別に構成し、手動解除ノブ9をラチェット駆動レバー5に直結している。そのラチェット駆動レバー5には、ラチェット駆動レバー5の回転中心部41の軸状部46の端面に、手動解除ノブ9のシャフト73の先端部が嵌合する二面幅を持った凹状部45が設けられている。このラチェット駆動レバー5の回転中心部41は、ラッチハウジング17の開口部43および軸受部44に回転自在に支持されている。
【0044】本実施例の手動解除ノブ9は、金属材料または樹脂材料により所定の形状に成形されており、操作者が摘む略一文字状の摘まみ部71が形成された円板状のロータ72と、このロータ72からドアトリム14の開口部16を貫通する略円筒状のシャフト73とから構成されている。なお、シャフト73は、ラチェット駆動レバー5の回転中心部41の軸状部46と同軸上に設けられ、断面形状が円形状の部分に二面幅を有している。そのシャフト73の外周には、ロータ72と共に、開口部16の回りのドアトリム14を挟み込むためのフランジ部74が一体成形されている。また、シャフト73の外周には、ラッチハウジング17の室内側端面との間にシール部品75を装着するフランジ部76が一体成形されている。
【0045】〔変形例〕本実施例では、本発明を、自動車等の車両に装備されたドアのドアロックの噛合機構を作動させるための車両用ドアロック操作装置に適用したが、本発明を、乗用車や商用車等の小型車両または鉄道車両、バスやトラック等の大型車両に装備されたドアのドアロックの噛合機構を作動させるための車両用ドアロック操作装置に適用しても良い。また、本発明を、車両だけでなく、住宅や店舗等の建築物に配置したドアのドアロックの噛合機構を作動させるための建築物用ドアロック操作装置に適用しても良い。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成12年4月27日(2000.4.27)
【代理人】 【識別番号】100080045
【弁理士】
【氏名又は名称】石黒 健二
【公開番号】 特開2001−311337(P2001−311337A)
【公開日】 平成13年11月9日(2001.11.9)
【出願番号】 特願2000−126877(P2000−126877)