| 【発明の名称】 |
施解錠装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】大東 弘幸
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| 【要約】 |
【課題】不正な回動操作を防止することの可能な屋内側の施解錠構造を備えた防犯性を有する施解錠装置を提供する。
【解決手段】扉3の屋内面に設けられ操作孔60を有するカバー板59と、扉3の屋内側に位置し、シリンダ錠5に連動連結され錠箱7内にてロック部材を進退させる作動部材8に嵌合し連動連結されるとともに、嵌合孔15が形成される連結軸部13と、カバー板59の操作孔60を貫通し嵌合孔15と嵌合し連動連結する連結凸部71が形成されるサムターン65と、カバー板59と嵌合孔15との間に位置し、扉3の屋内面に沿ってスライド移動自在とされるとともに、付勢バネ53により一方のスライド方向に付勢され、カバー板59の操作孔60を塞ぎ嵌合孔15を遮蔽する遮蔽部47を備えるとともに、カバー板59の操作孔60と嵌合孔15とを連通させサムターン65の連結部71を貫通状態とする貫通穴部37を備える操作板31とを具備する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 扉の屋外側にキーにて施解錠が行われるシリンダ錠を備え、屋内側に前記シリンダ錠と連動し施解錠操作を行える回転操作部材を備える施解錠装置において、前記扉の屋内面に設けられ、操作孔が穿設されたカバー板と、前記扉の屋内側に位置し、前記シリンダ錠に連動連結され前記錠箱内にてロック部材を前記扉端面より進退させる作動部材に嵌合し回動自在で連動連結されるとともに、屋内側端面に被連結部が形成される連結軸部と、前記カバー板の操作孔を貫通し、前記連結軸部の被連結部と嵌合し連動連結する所定形状の連結部が形成される回転操作部材と、前記カバー板と前記連結軸部の被連結部との間に位置し、前記扉の屋内面に沿ってスライド移動自在に配設されるとともに、付勢部材により一方のスライド方向に付勢され、前記カバー板の操作孔を塞ぎ前記連結軸部の被連結部を遮蔽する遮蔽部を備えるとともに、前記カバー板の操作孔と前記被連結部とを連通させ前記回転操作部材の連結部を貫通状態とする貫通穴部を備える操作板と、を具備することを特徴とする施解錠装置。 【請求項2】 扉の屋外側にキーにて施解錠が行われるシリンダ錠を備え、屋内側に前記シリンダ錠と連動し施解錠操作を行える回転操作部材を備える施解錠装置において、前記扉の屋内面に設けられ、操作孔が穿設されたカバー板と、前記扉の屋内側に位置し、前記シリンダ錠に連動連結され前記錠箱内にてロック部材を前記扉端面より進退させる作動部材に嵌合し回動自在で連動連結されるとともに、屋内側端面に被連結部が形成される連結軸部と、前記カバー板の操作孔を貫通する軸部を備えるとともに、該軸部の先端に、前記連結軸部の被連結部と嵌合し連動連結する所定形状の連結部が形成され、基端に把持部が設けられる回転操作部材と、前記カバー板と前記連結軸部の被連結部との間に位置し、前記扉の屋内面に沿い前記回転操作部材の軸線に対し直交する方向にスライド移動自在に配設されるとともに、付勢部材により一方のスライド方向に付勢され、前記カバー板の操作孔を塞ぎ前記連結軸部の被連結部を遮蔽する遮蔽部を備えるとともに、前記カバー板の操作孔と前記被連結部とを連通させ前記回転操作部材の軸部を貫通状態とする貫通穴部を備える操作板と、を具備することを特徴とする施解錠装置。 【請求項3】 扉の屋外側にキーにて施解錠が行われるシリンダ錠を備え、屋内側に前記シリンダ錠と連動し施解錠操作を行える回転操作部材を備える施解錠装置において、前記扉の屋内面に設けられ、操作孔が穿設されたカバー板と、該カバー板の操作孔を貫通し、前記扉内の錠箱内に突出する軸部を備えるとともに、該軸部の先端に、前記シリンダ錠に連動連結され前記錠箱内にてロック部材を前記扉端面より進退させる作動部材に嵌合し連動連結する所定形状の連結部が形成され、基端に把持部が設けられる回転操作部材と、前記カバー板と前記扉の屋内面との間に位置し、該屋内面に沿い前記回転操作部材の軸線に対し直交する方向にスライド移動自在に配設されるとともに、付勢部材により一方のスライド方向に付勢され、前記カバー板の操作孔を塞ぐ遮蔽部を備えるとともに、前記カバー板の操作孔と前記作動部材とを連通させ前記回転操作部材の軸部を貫通状態とする貫通穴部を備える操作板と、を具備することを特徴とする施解錠装置。 【請求項4】 前記回転操作部材の軸部の中途部外周面に、軸線方向と直交する周方向となって凹溝が形成されるとともに、前記操作板の貫通穴部の周縁の一部に、前記凹溝と係合する係合部が形成され、前記付勢部材の付勢力にて、前記凹溝と前記係合部との係合状態を保持させることを特徴とする請求項2又は3記載の施解錠装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、玄関ドアなどの開閉体に設けられ、このドアに対して施解錠を行う施解錠装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】玄関ドアなどには、通常、シリンダ錠が配設されており、屋外側からは鍵を用いて、このシリンダ錠を回動操作し、デッドボルトの進退を行って施錠及び解錠を行うようになっており、また、屋内側からはシリンダ錠に連動連結されているサムターンを回動操作することでデッドボルトの進退を行い施錠及び解錠を行うようになっている。 【0003】そして、通常、このサムターンの回動は、約90°の回動範囲内とされ、その範囲で施錠又は解錠となるよう構成されており、このサムターンの略平板状に形成されているつまみ部を略垂直な状態と略水平な状態との間で回動させることで、例えば垂直な状態の際に解錠状態となり、また水平な状態の際に施錠状態となるようになっている。 【0004】一般に、上述したサムターンの構造は、錠箱内にてデッドボルトの進退を連動させる軸状の部材であり、ドアの屋内側面や座金,エスカチオンより突出するこの軸部材の端部に、つまみ部が一体に形成されている。そして、このつまみ部は、容易につまみ易いように軸部材に対して外側に延出するよう形成され、この軸部材とつまみ部とで略T字状に形成されており、容易に損壊しないように鋳造品など剛体よりなる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上述したサムターンの構造では、通常の使用方法は、サムターンの設けられている側、すなわち屋内側に設けられている場合には、その屋内側より操作することとなり、サムターンに対し対向状態でこのサムターンのつまみ部をつまみ回動操作を行う使用方法であるが、上記したようにこのサムターンが剛体であることから、つまみ部をつままずに回動させることが可能である。すなわち、軸部材に対して外方向に延出して形成されるつまみ部の一対となる翼状部分の一方側のみに回転力を加えることで、このサムターンの軸部材を回動させる通常の使用方法以外の操作が可能である。 【0006】このことから、サムターンを備えた施錠装置の設けられるドアに、ガラス窓部分を有しているドアである場合や、ドアに隣接して屋内への採光を行うためのガラス窓部がある場合に、屋外側からガラス窓の一部を割り、手を屋内側へ入れ、手探りでサムターンのつまみ部の翼状部分の一方に回転力を加えることで、サムターンを回動操作されてしまうおそれがあり、すなわち、施錠状態が解除され侵入されてしまうという防犯上の問題がある。 【0007】そこで本発明は、上記問題点を解消するために、不正な回動操作を防止することの可能な屋内側の施解錠構造を備えた防犯性を有する施解錠装置を提供することを目的としている。 【0008】 【課題を解決するための手段】次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。この発明の施解錠装置は、扉3の屋外側にキーにて施解錠が行われるシリンダ錠5を備え、屋内側に前記シリンダ錠5と連動し施解錠操作を行える回転操作部材を備える施解錠装置において、前記扉3の屋内面に設けられ、操作孔60が穿設されたカバー板59と、前記扉3の屋内側に位置し、前記シリンダ錠5に連動連結され前記錠箱7内にてロック部材を前記扉端面より進退させる作動部材8に嵌合し回動自在で連動連結されるとともに、屋内側端面に被連結部15が形成される連結軸部13と、前記カバー板59の操作孔60を貫通し、前記連結軸部13の被連結部15と嵌合し連動連結する所定形状の連結部71が形成される回転操作部材65と、前記カバー板59と前記連結軸部13の被連結部15との間に位置し、前記扉3の屋内面に沿ってスライド移動自在に配設されるとともに、付勢部材53により一方のスライド方向に付勢され、前記カバー板59の操作孔60を塞ぎ前記連結軸部13の被連結部15を遮蔽する遮蔽部47を備えるとともに、前記カバー板59の操作孔60と前記被連結部15とを連通させ前記回転操作部材65の連結部71を貫通状態とする貫通穴部37を備える操作板31と、を具備することを特徴としている。 【0009】また、この発明の施解錠装置は、扉3の屋外側にキーにて施解錠が行われるシリンダ錠5を備え、屋内側に前記シリンダ錠5と連動し施解錠操作を行える回転操作部材を備える施解錠装置において、前記扉3の屋内面に設けられ、操作孔60が穿設されたカバー板59と、前記扉3の屋内側に位置し、前記シリンダ錠5に連動連結され前記錠箱7内にてロック部材を前記扉端面より進退させる作動部材8に嵌合し回動自在で連動連結されるとともに、屋内側端面に被連結部15が形成される連結軸部13と、該カバー板59の操作孔60を貫通する軸部67を備えるとともに、該軸部67の先端に、前記連結軸部13の被連結部15と嵌合し連動連結する所定形状の連結部71が形成され、基端に把持部69が設けられる回転操作部材65と、前記カバー板59と前記連結軸部13の被連結部15との間に位置し、前記扉3の屋内面に沿い前記回転操作部材65の軸線に対し直交する方向にスライド移動自在に配設されるとともに、付勢部材53により一方のスライド方向に付勢され、前記カバー板59の操作孔60を塞ぎ前記連結軸部13の被連結部15を遮蔽する遮蔽部47を備えるとともに、前記カバー板59の操作孔60と前記被連結部15とを連通させ前記回転操作部材65の軸部67を貫通状態とする貫通穴部37を備える操作板31と、を具備することを特徴としている。 【0010】さらに、この発明の施解錠装置は、扉3の屋外側にキーにて施解錠が行われるシリンダ錠5を備え、屋内側に前記シリンダ錠5と連動し施解錠操作を行える回転操作部材を備える施解錠装置において、前記扉3の屋内面に設けられ、操作孔60が穿設されたカバー板59と、該カバー板59の操作孔60を貫通し、前記扉3内の錠箱7内に突出する軸部68を備えるとともに、該軸部68の先端に、前記シリンダ錠5に連動連結され前記錠箱7内にてロック部材を前記扉端面より進退させる作動部材8に嵌合し連動連結する所定形状の連結部71が形成され、基端に把持部69が設けられる回転操作部材66と、前記カバー板59と前記扉3の屋内面との間に位置し、該屋内面に沿い前記回転操作部材66の軸線に対し直交する方向にスライド移動自在に配設されるとともに、付勢部材53により一方のスライド方向に付勢され、前記カバー板59の操作孔60を塞ぐ遮蔽部47を備えるとともに、前記カバー板59の操作孔60と前記作動部材8とを連通させ前記回転操作部材66の軸部68を貫通状態とする貫通穴部37を備える操作板31と、を具備することを特徴としている。 【0011】なお、前記回転操作部材65,66の軸部の中途部外周面に、軸線方向と直交する周方向となって凹溝73が形成されるとともに、前記操作板31の貫通穴部37の周縁の一部に、前記凹溝73と係合する係合部41が形成され、前記付勢部材53の付勢力にて、前記凹溝73と前記係合部41との係合状態を保持させる構成としてもよい。 【0012】このような構成により、施解錠装置1は、通常の使用時においては、回転操作部材65,66の回転操作にて、施錠及び解錠が行われる。そして、回転操作部材65,66を抜き去ることにより、屋内側からは解錠等の操作が不可能となる。これにより、屋外側からガラスを破壊されるなどして不正に手を伸ばしての解錠操作は不可能となり、侵入者の侵入を防止することが可能となる。 【0013】特に、回転操作部材65,66による操作を行うためには、操作板31を一方の手でスライド操作し、他方の手で回転操作部材65,66を取り付けるという、両手を必要とする操作が必要になることから、侵入者が屋外からの片手での操作にて回転操作を行おうとも、屋内側から、錠部分に対して正面から操作を行うようにしなければ、錠箱7内に配設されている連結軸部13及び又は作動部材8に対しては回動操作を行うことは不可能であり、さらに操作板31の遮蔽部47が、操作孔60の遮蔽及び連結軸部13の被連結部15を遮蔽していることから、容易に操作することは不可能であり、回転操作を行うためには、遮蔽部47を移動させるという他の操作が必要となり、このようなことからも不正な解錠を不可能とする防犯効果を得られる。 【0014】 【発明の実施の形態】図1は本発明による施解錠装置の実施の形態を示す概略分解斜視図、図2は同施解錠装置の側断面図である。 【0015】本実施の形態の施解錠装置1は、例えば開閉体としての玄関ドアなどの扉3に配設され、扉3の屋外側にキーにて施解錠が行われるシリンダ錠5を備え、屋内側にシリンダ錠5と連動し施解錠操作を行える回転操作部材としてのサムターン65を備えるものである。本発明の施解錠装置1は、錠箱7と、シリンダ錠5と、連結軸部13と、操作板31と、カバー板59と、サムターン65とで大略構成されている。 【0016】錠箱7は、例えば扉3の端部に内蔵され、錠箱7に固定されたフロント板(図示せず)が扉3の小口(前端面)に露出して取り付けられる。この錠箱7内には、図示しないロック部材が内蔵される。このロック部材は、錠箱7内に回動自在に配設される作動部材8に連動連結されており、この作動部材8の屋外側にシリンダ錠5が連動連結され、また屋内側に後述するサムターン65が連動連結され、これらシリンダ錠5,サムターン65の操作によって、錠箱7に対しスライドし、扉3のフロント板から進退されるようになっている。つまり、扉枠に対しての施解錠を可能とする。なお、ここでは、錠箱7内の具体的な機構の説明は省略する。 【0017】なお、このロック部材としては、扉枠側に取り付けられたガードアームに係止してドアチェーンと同様の働きをするガードボルト、主施錠手段となるデッドボルト、円弧状の可動軌跡を描いて突出されるカマデット、扉の上端面或いは下端面から進退して扉枠に係合するロック手段等が含まれる。 【0018】シリンダ錠5は、扉端部における屋外面に配設される台座ユニット9に設けられ、キーの挿入口が屋外側に露出し、キー操作により回転する回転軸11が台座ユニット9内部に突出する。そして、この回転軸11が錠箱7内の作動部材8に連動連結される。なお、図1に示す施解錠装置1は、シリンダ錠5が上下に2カ所配設されるダブルロック錠とされるが、このシリンダ錠が1つで構成される施解錠装置とされてもよい。 【0019】連結軸部13は、図3に示すように、略軸状の部材で、中途から一端側が略円柱状に形成され、他端側が略十字状に形成されている。一端の円柱状部分13aは、先端外周縁にフランジ部14が形成され、端面に被連結部としての嵌合孔15が形成されている。本実施の形態での嵌合孔15は、図3に示すように、略十字形状に形成されている。また、他端13b側は軸線方向に畦状突起が形成されて断面略十字形状に連続する連結部17が形成されている。なお、この実施の形態の連結軸部13は、一端側となっている円柱状部分13aが軸線方向に断面略十字状の貫通孔が形成されて、この貫通孔の他端側に、断面略十字状の部材を嵌め込み円柱状部材に対して固定して得られる。そして、この連結軸部13は、ベース板19に回動自在に取り付けられる。 【0020】ベース板19は、台座ユニット9に対応する略板状部材で、扉3の屋内面に配設される。このベース板19は、図4に示すように、屋内側の面となる表面の略中央に凹部21が形成される。凹部21の略中央には、取付孔23が板面を貫通して形成されているとともに、ベース板19裏面に筒状の支持部24が突設されている。そしてこの取付孔23に、上記した連結軸部13が取り付けられる。なお、連結軸部13は、取付孔23に対して一端側の円柱状部分13aが支持されて回動自在とされ、他端の連結部17が、ベース板19の裏面側に突出するようになっており、一端の嵌合孔15が、ベース板凹部21に表出するようになる。 【0021】そして、ベース板19が扉の屋内面に取り付けられた状態で、図2に示すように、取付孔23がシリンダ錠5の軸線と同軸線となり、ベース板19裏面に突出する連結軸部13の連結部17が、前述した錠箱7内に延び、この錠箱7内の作動部材8に嵌合し連動連結される。 【0022】また、このベース板19には、凹部21中央に、下端へ連続して延びる溝部25が形成されるとともに、この溝部25中央には、さらに細幅で上下に所定長さに形成されるガイド溝27が形成されている。そして、この溝部25には、後述する操作板31が取り付けられる。なお、ベース板19の裏面には、上下に取付脚部19a,19bがそれぞれ突設され、このベース板19の表面から扉3を貫通し台座ユニット9に螺着されるネジなどの固定部材20が貫通する。 【0023】操作板31は、図5に示すように、上下に長尺な略短冊板状に形成され、本実施の形態では、スライド部33と、操作つまみ35とで構成される。スライド部33は、左右両側縁が折曲形成され略コ字状に形成され、ベース部19の溝部25と略同幅長に形成されている。また、上方中途部分に貫通穴部37が穿設され、下方には係合穴部39が穿設されている。 【0024】上方の貫通穴部37は、小径な穴と大径な穴とが、それぞれの中心点を上下に所定長さずらした所謂ダルマ穴形状とされるとともに、左右側部を略矩形に切除した形状とされている。上半部の小径部分は後述するサムターン65の軸部67に形成される凹溝73の外径と略同径な円弧状とされ、下半部の大径部分は後述するサムターン65の軸部67の外径と略同径若しくはやや大径な円弧状に形成されている。なお、本実施の形態では、この貫通穴部37は、中心点の上下のずれは、上側の小径穴の半径長と略同等とされており、この小径穴部分は半円弧状の周縁部を有し、この周縁部を係合部41とされている。 【0025】また、下側の大径穴部分の半円状縁部の下部中央には下方に延びるスリット状穴部43が連続形成されている。このスリット状穴部43の下端には、スライド部33の裏面方向に突出するバネ支持片45が設けられ、また、このバネ支持片45の下方にはガイド凸部46が同裏面に突出形成されている。これらバネ支持片45とガイド凸部46とは、ベース板19に形成されるガイド溝27に挿入される。 【0026】貫通穴部37の上方となるスライド部33の上端部分は、その板面を遮蔽部47とされ、前述したベース板19の取付穴23が十分に隠れる面積を備えた大きさとされている。 【0027】スライド部33の下方に穿設される係合穴部39は、略矩形状に形成され、操作つまみ35の一対の係合爪49が嵌入する。また、スライド部33の下端には、係合段部50が両側に対となって形成される。 【0028】操作つまみ35は、裏面が開放した略方形箱状で、下縁表面側に凸部51が形成されており、上端縁に一対の係合爪49が突設されるとともに、裏面の両側部に内向きに突出する係合片52が形成されている(図8参照)。そして、この操作つまみ35は、スライド部33の下端に、各係合爪49を係合穴部39に裏面から係合させるとともに、各係合片52を係合段部50に当接させて取り付けられる。 【0029】そして、この操作板31は、ベース板19の溝部25に装着され、ベース板19に対し溝部25に沿って上下方向にスライド移動自在とされる。この操作板31のベース板19に対する装着状態では、操作板31のバネ支持片45とガイド凸部46のそれぞれが、ベース板19のガイド溝27内に位置し、このガイド溝27内でのベース板19の取付穴23を形成する縁部下縁23aと、操作板31のバネ支持片45との間に、付勢部材としての圧縮コイルバネよりなる付勢バネ53が装着される。すなわち、操作板31はベース板19に対して、常に下方向へ付勢される。なお、操作板31は、下端の操作つまみ35が、ベース板19より下方に突出して取り付けられる。 【0030】そして、操作板31が装着されたベース板19には、押さえ板55が凹部21に嵌められ、ネジなどの固定部材によって取り付けられる。すなわち、この押さえ板55とベース板19との間に操作板31が位置し、上下に摺動自在とされる。なお、この上下スライドの操作は、下端の操作つまみ35により行われ、そのスライド移動のストロークは、ベース板19のガイド溝27の長さで設定され、このガイド溝27を摺動移動する操作板31のバネ支持片45の移動範囲であり、ベース板19の取付穴23に対し、この取付穴23を遮蔽部47にて遮蔽する位置から、取付穴23と貫通穴部37の下側大径部分とが一致する位置までの間に設定される。 【0031】押さえ板55は、図1に示すように、矩形板状で、中央上方よりに貫通孔57が穿設されている。この貫通孔57は、ベース部19の取付穴23に対応し、この取付穴23と略同径の内径に形成されるとともに同軸線上に配置される。 【0032】カバー板59は、扉3の屋内面側に表出する化粧板材で、いわゆるエスカチオンとされる。このカバー板59は、ベース板19に対し、その表面側に嵌め込むことで取り付けられ、ベース板19の表面側を覆うように取り付けられる。図6に示すように、カバー板59の略中央には操作孔60が穿設されている。この操作孔60は、押さえ板55の貫通孔57よりやや大径に形成され、この貫通孔57に対応してベース板19に取り付けられる。また、カバー板59の下縁には、左右一対の略方形状の支持凸部61が一体に突出形成されている。これら支持凸部61は、図8(b)に示すように、操作板31の操作つまみ35の左右に位置するようになっている。 【0033】次に、サムターン65は、図7に示すように、軸部67と、この軸部67の基端に設けられる把持部としてのつまみ部69とで構成される。軸部67は、略円柱状に形成されているとともに、先端に所定形状の連結部としての連結凸部71が突出形成されている。本実施の形態の連結凸部71は、略矩形平板状に形成されており、前述した連結軸部13の嵌合孔15に嵌入自在とされている。また、軸部67の中途部外周面には、軸線方向と直交する周方向となって凹溝73が形成されており、すなわち軸部の外径より細径に形成されている。 【0034】そして、このサムターン65の軸部67は、カバー板59の操作孔60を貫通するとともに、押さえ板55の貫通孔57、操作板33の貫通穴部37を貫通し、ベース板19の取付穴23に取り付けられている連結軸部13の嵌合孔15に先端の連結凸部71が嵌合する。 【0035】次に、上記のように構成された施解錠装置1の作用を説明する。通常の使用状態は、図8(a)(b)に示すように、サムターン65は扉3の屋内側に取り付けられた状態であり、このサムターン65の回転操作にて、施錠及び解錠が屋内にて行われる。 【0036】すなわち、このサムターン65を一方の方向に所定角度、例えば90°回転させることで、サムターン65とともに連結軸部13が回転し、錠箱7内の作動部材8を回動させてロック部材を錠箱7に対してスライド移動させ、扉3のフロント板から進出させて扉枠に対して施錠を行い、また、逆の方向にサムターン65を所定角度(90°)回転させることで、ロック部材を後退させて解錠が行われる。 【0037】この通常の状態では、サムターン65は、軸部67の先端の連結凸部71が連結軸部13の嵌合孔15に嵌合し、連動連結状態となり、軸部67の中途部の凹溝73が操作板31の貫通穴部37における係合部41と係合状態となる。このときの操作板31は、付勢バネ53の付勢力により、その係合状態が保たれ、サムターン65は軸方向への抜脱は不可能となり、回転のみが行える。 【0038】次に、防犯状態とする場合には、まず、一方の手で操作板31の操作つまみ35を、付勢バネ53の付勢力に抗して上方向にスライド移動させ(図9(a)参照)、サムターン軸部67の凹溝73と係合部41との係合状態を解く。スライドした操作板31は、貫通穴部37の下側大径部分が上昇し、すなわち図9(b)に示すようにサムターン65の軸部67が通過可能な穴部となる。これにより、サムターン65は抜脱可能となり、他方の手で軸方向に引き抜くことで、連結軸部13との嵌合状態を解き、取り外される。 【0039】サムターン65が取り外された後、操作つまみ35を持つ一方の手を放すと、操作板31は、付勢バネ53の付勢力により、下方にスライド移動する。操作板31は、バネ支持片45がガイド溝27の下端まで下降し停止する。そして、操作板31が停止すると、この操作板31の遮蔽部47が、カバー板59の操作孔60に位置し、すなわち、図10(a)(b)に示すように、サムターン65の軸部67を嵌入させる穴部分を塞ぎ、連結軸部13の嵌合孔15を遮蔽する。これにより、屋内側からは、サムターン65が扉に取り付けられていない状態となり、施解錠の操作が不可能となる。 【0040】また、サムターン65を取り付けるには、まず、一方の手で操作板31の操作つまみ35を上方にスライド移動させ、操作板31の貫通穴部37をカバー板59の操作孔60に対応させる。このとき貫通穴部37の下側大径部分を操作孔60に位置させる。次に、他方の手でサムターン65の軸部67を操作孔60へ挿入する。そして、軸部先端の連結凸部71を連結軸部13の嵌合孔15に嵌合させる。操作つまみ35から一方の手を放せば、操作板31は付勢バネ53の付勢力により下方に付勢移動し、貫通穴部37の係合部41が、サムターン軸部67の凹溝73に係合し、サムターン65は抜脱不能となる(図8参照)。 【0041】従って、このような構成の施解錠装置1によれば、通常の使用時においては、サムターン64は扉3の屋内面に回動可能に取り付けられ、その回転操作にて、施錠及び解錠が行われる。そして、操作板31の係合部41との係合状態を解除してサムターン65を抜き去れば、屋内側からは解錠等の操作が不可能となる。これにより、屋外側からガラスを破壊されるなどして不正に手を伸ばしての解錠操作は不可能となり、侵入者の侵入を防止することが可能となる。 【0042】特に、サムターン65による操作を行うためには、操作板31を一方の手でスライド操作し、他方の手でサムターン65を取り付けるという、両手を必要とする操作が必要になることから、侵入者が屋外からの片手での操作にてサムターンと同様の回転操作を行おうとも、屋内側から、錠部分に対して正面から操作を行うようにしなければ、錠箱7内に配設されている連結軸部13及び作動部材8に対しては回動操作を行うことは不可能であり、さらに操作板31の遮蔽部47が、連結軸部13の嵌合孔15を遮蔽していることから、容易に連結軸部13を操作することは不可能であり、連結軸部13に対しての操作を行うためには、遮蔽部47を移動させるという他の操作が必要となり、このようなことからも不正な解錠を不可能とする防犯効果を得られる。 【0043】なお、上述した実施の形態では、サムターン65と、このサムターン65の連結凸部71に嵌合し錠箱7内の作動部材8に連結される連結軸部13とを備える構成とした例について説明したが、図11に示すように、サムターン66の軸部68を長尺に形成し、先端に形成される連結凸部71を、図12に示すように、錠箱7内に突出させる構成とし、この連結凸部71を、ロック部材を進退動作させる作動部材8に直接嵌合させる構成としてもよい。この場合、錠箱7内の作動部材8に十分に届く長さの軸部68を備えたサムターン66、若しくは軸部を備えるその他の構造の回転操作部材でなければ、回転操作を行うことが不可能となり、容易に解錠操作を行うことができないという防犯性を向上させる効果を得られる。 【0044】また、上述した実施の形態では、連結軸部13に形成される被連結部を嵌合孔15とし、回転操作部材としてのサムターン65の連結部を連結凸部71として、互いを嵌合させる例について示したが、これら被連結部と連結部との形状は、これに限定されることはなく、互いが軸方向にて脱着自在とされるとともに、回動を伝達する構造であれば、その他の形状にて構成されることとしてもよく、例えば、被連結部を凸形状とし、連結部を凹溝形状としてもよい。 【0045】さらに、上述した実施の形態では、回転操作部材をサムターン65として構成し、このサムターン65を取り付けることで施解錠を行うこととして説明したが、このサムターン以外に、軸状部材の先端に連結部を備える構成のものであれば、その他の構成としてもよく、例えば、このサムターン65を紛失した場合や、サムターンを用いることができない場合などには、回転操作部材として図13(a)に示すようなドライバーなど把持部を有し先端が所定の形状に形成される工具81や、図13(b)に示すような屋外側にて用いるシリンダ錠5に使用するキー83などを用いて、連結軸部13に対し、これら工具81やキー83の先端を嵌合孔15に差し込み、回転操作を行うこととしてもよく、このような工具81を使用する例としては前述した連結軸部13を具備しない構成に対しても図14に示すように回転操作を行える。さらには、この回転操作部材としては、例えばコインなどを使用することとしてもよい。これらの回転操作部材を用いる場合にも、操作板31をスライド移動させ、嵌合孔(被連結部)15を表出させ、操作を行うこととなる。 【0046】 【発明の効果】以上説明したように本発明による施解錠装置では、通常の使用時においては、回転操作部材は扉の屋内面に回動可能に取り付けられ、その回転操作にて、施錠及び解錠が行われる。そして、この回転操作部材を抜き去れば、扉の屋内側からの解錠等の操作が不可能となる。これにより、屋外側からガラスを破壊されるなどして不正に手を伸ばしての解錠操作は不可能となり、侵入者の侵入を防止することが可能となる。 【0047】特に、回転操作部材による操作を行うためには、操作板を一方の手でスライド操作し、他方の手で回転操作部材を取り付けるという、両手を必要とする操作が必要になることから、侵入者が屋外からの片手での操作にて同様の操作を行おうとも、屋内側から、錠部分に対して正面から操作を行うようにしなければ、錠箱内に配設されている連結軸部若しくは作動部材に対しては回動操作を行うことは不可能であり、さらに操作板の遮蔽部が、これら連結軸部の被連結部若しくは作動部材を遮蔽していることから、容易にこれらを操作することは不可能であり、これら連結軸部若しくは作動部材に対しての操作を行うためには、遮蔽部を移動させるという他の操作が必要となり、このようなことからも不正な解錠を不可能とする防犯効果を得られる。 【0048】また、操作板に係合部を設け、回転操作部材の軸部に凹溝を設ける構成とすることにより、この回転操作部材が取り付けられた状態では、軸方向の抜脱を不可能とし、回動方向のみの状態とすることができ、通常の使用時において、この回転操作部材による屋内側からの施錠及び解錠操作を支障なく行うことが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390037028 【氏名又は名称】美和ロック株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年4月6日(2000.4.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067323 【弁理士】 【氏名又は名称】西村 教光 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−288937(P2001−288937A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月19日(2001.10.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−105047(P2000−105047) |
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