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【発明の名称】 引戸の取手
【発明者】 【氏名】久力 一男

【要約】 【課題】手指の滑りが防止されると共に、ワンタッチで引戸に固定できる安価な取手にする。

【解決手段】引戸10の取手取付孔11に取り付けられる取手1において、手掛け用凹部4を形成している周壁3の内側壁3aに滑り止め用の縦溝6を凹設するとともに、前記縦溝6の外側壁3bを突出させて前記取手取付孔11に係止する係止突起7を形設した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 引戸の取手取付孔に取り付けられる取手において、手掛け用凹部を形成している周壁の内側壁に滑り止め用の縦溝を凹設するとともに、前記縦溝の外側壁を突出させて前記取手取付孔に係止する係止突起を形設したことを特徴とする引戸の取手。
【請求項2】 縦溝および係止突起を手掛け用凹部の奥行き方向へ複数設けたことを特徴とする請求項1記載の引戸の取手。
【請求項3】 縦溝の断面形状を、手掛け用凹部の奥行き方向へ向かう楔形に形成するとともに、係止突起の断面形状も楔形にしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の引戸の取手。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、引戸の取手取付孔に嵌め込まれて固定される引戸の取手に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、引戸を開閉するとき、取手の手掛け用凹所から手指が滑って外れないように工夫したものが種々提案されている。図4に示すものは、特開平10−115129号に開示された引戸の取手である。
【0003】この従来の引戸51における取手取付孔52に嵌め込まれた取手50は、手掛け用凹部53を形成する両側壁54、54の開口縁部を内向き傾斜状態に突出させて滑り止めとなる指止め部56、56が形成されている。図示した構造とすることにより、引戸の開閉時、指止め部56により指掛かりが良くなって手指の滑りが防止されるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こり引戸の取手50における指止め部56は、手掛け用凹部53の開口縁部を内向きに突出させて形成するものであるので、指止め部56によって手掛け用凹部53の開口幅が減少する構造となっている。従って、引戸51の構造やデザインによる制約から、より幅の狭い形状の取手が求められるとき、この従来の取手50の構造では、手掛け用凹部53の開口幅の狭い取手となる。従って、幅の狭い取手では、手指の挿入のし難いものとなり、引戸を引くときの挿入した手指を傾けるうえでも使い勝手が悪くなる欠点を有している。
【0005】また、この取手50を引戸51の取手取付孔52に固定するには、釘孔を設けて釘止めにするか、ワンタッチで固定されるようにするには、何らかの別部材から成る固定用部材を付設しなければならず、取付作業の手間や、ワンタッチ固定式にした場合の製造コストの点で、経済的なメリットがなかった。
【0006】本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、手掛け用凹部の開口幅を狭ばめることなく手指の滑りが防止されると共に、ワンタッチで引戸に固定できる安価な取手を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を解決する為に、引戸の取手取付孔に取り付けられる取手において、手掛け用凹部を形成している周壁の内側壁に滑り止め用の縦溝を凹設するとともに、前記縦溝の外側壁を突出させて前記取手取付孔に係止する係止突起を形設した。
【0008】上記の構成としたことにより、引戸の開閉時には、指掛け用凹所に挿入した指先が縦溝に食い込んで引掛かることにより手指の滑りが防止される。また、取手を引戸の取手取付孔に押し込むだけで、取手取付孔に係止突起が係合してワンタッチで固定される。また、従来例のように、指止め部を設けた為に手掛け用凹部の開口幅が狭くなるようなこともないので、幅の狭い形状の取手とすることができる。
【0009】また、縦溝および係止突起を手掛け用凹部の奥行き方向へ複数設けることにより、引戸を引く手指の挿入深度にかかわらず指先の縦溝への掛かりが迅速確実になされると共に、複数の係止突起が取手取付孔に係止して、取手の固定をより確実にする。
【0010】また、縦溝の断面形状を、手掛け用凹部の奥行き方向へ向かう楔形に形成するとともに、係止突起の断面形状も楔形にしたことにより、引戸を引くときの指先が縦溝に食い込んで手掛け用凹部の掛かりが良くなり、良好な滑り止め効果を奏する。また、突起の楔効果で取手の取手取付孔からの抜け出しを防止する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】図1乃至図3は、本発明の引戸の取手を示すもので、取手1は、上下が半円形に形成された縦長の底壁2の外縁に周壁3が立設されて成る手掛け用凹部4と、手掛け用凹部4の開口縁から外側に延設されたフランジ5とから構成されており、本実施の形態においては、所定の厚みの金属板を使用してプレス加工により一体形成されている。
【0013】手掛け用凹部4を形成している周壁3の対向する内側壁3a、3aには、滑り止め用の縦溝6が、手掛け用凹部4の奥行き方向へ二条且つ縦方向へも二条凹設されている。この各縦溝6の断面形状は、鋭角に設けた溝底6bから手掛け用凹部4の奥行き方向への登り傾斜面6aとなる楔形に形成されている。また、周壁3の前記縦溝6を設けた外側壁4bの部分は突出されて、断面形状が楔形の係止突起7に形成されており、縦溝と係止突起とは、同一プレス工程で形成されるものである。
【0014】図2に示すように、本実施の形態の取手1は、指掛け用凹所4を引戸10の取手取付孔11に嵌め込んでフランジ5の裏面が引戸10の表面に当接する迄押し込むことにより取り付けられるものであり、引戸10にワンタッチの操作で固定することができる。従って、取り付け作業が極めて簡単で大きな経済的メリットがある。
【0015】取手1の係止突起7は、楔形をしていることから取手取付孔11に入り易く、取り付けられた取手1は、楔形の係止突起7が取手取付孔11の両側壁に圧接状態に食い込んで係合するので、係止突起7の楔効果により取手取付孔11から抜け出すことがない。そして、この取手1の係止突起7は、取手1を固定する為の別部材を用いることなく一体形成されてなるものであるので、価格を高騰させることがない。
【0016】また、固定された取手1の指掛け用凹所4に手指を挿入して引戸10を引く際には、滑り止め用の縦溝6の断面形状が、鋭角に設けた溝底6bから手掛け用凹部4の奥行き方向へ登り傾斜面6aとなる楔形に形成されていることから、指先の縦溝6における接触面積が大きくなるうえに、指先が縦溝6に食い込んで指掛け用凹所4に良く引掛かり、強力な滑り止め効果が得られる。
【0017】従って、重い引戸でも容易に開閉することができる。また、厚みの薄い引戸に使用できるように指掛け用凹所4の奥行きを浅くした取手1の場合でも、縦溝6に指先が食い込んで滑り止め効果を得ることができる。
【0018】また、本実施の形態では、滑り止め用の縦溝6を、手掛け用凹部4の奥行き方向に二条設けたので、手掛け用凹部4への手指の挿入深度にかかわらず、指先を縦溝6へ迅速確実に引掛けることができる。
【0019】また、楔状の係止突起7も、取手取付孔11の深み方向へ二条設けてあるので、係止箇所が多いことから取手1の固定がより確実になされる。
【0020】本発明の取手1は、従来例の取手のように、指止め部によって手掛け用凹部53の開口幅を減少させてしまうような構造ではないので、使い勝手を低下させることなく幅の狭い形状の取手にすることが可能であり、図示の形状の物に限定されることなく、多様なデザインの取手に対応することができる。
【0021】また、本発明の取手1は、金属板によるプレス成形に限るものではなく、硬質の合成樹脂材料を用いて成形してもよいことは言う迄もない。
【0022】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0023】請求項1記載の引戸の取手によれば、手掛け用凹部を形成する周壁の内側壁に滑り止め用の縦溝を凹設するとともに、縦溝の外側壁を突出させて取付孔に係止する係止突起を形設した構成としたので、手指の滑り止め機能を有する取手をワンタッチで固定することが可能となり、しかも一体成形されたものであるので、指掛かりの良い取手を安価に提供することができる。
【0024】また、手指の滑り止めの形成により手掛け用凹部の開口幅を狭めることがないので、使い勝手を損なうことなく従来例よりも幅の狭い形状の取手にすることができる。
【0025】請求項2記載の引戸の取手では、上記の効果に加えて、縦溝および係止突起を手掛け用凹部の奥行き方向へ複数設けたので、引戸を引く手指の挿入深度にかかわらず指先が掛かり易くなると共に、引戸への取手の固定をより確実にすることができる。
【0026】請求項3記載の引戸の取手では、上記の効果に加えて、縦溝の断面形状を、手掛け用凹部の奥行き方向へ向かう楔形に形成するとともに、係止突起の断面形状も楔形にしたので、引戸の開閉時に縦溝に食い込んだ指先が良く掛かって引戸の作動を容易にすると共に、取手の組み付けが容易で且つ取手を強固に固定することができる。
【出願人】 【識別番号】000141727
【氏名又は名称】株式会社久力製作所
【出願日】 平成12年4月5日(2000.4.5)
【代理人】 【識別番号】100098154
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 克彦 (外1名)
【公開番号】 特開2001−288936(P2001−288936A)
【公開日】 平成13年10月19日(2001.10.19)
【出願番号】 特願2000−103110(P2000−103110)