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【発明の名称】 車輌用ドアロック装置
【発明者】 【氏名】後工田 悟

【氏名】湯山 良夫

【要約】 【課題】組み付け時に簡単な部品を交換するだけでキ−レスロック機構のものと、また、キ−レスロック機構のないものに変更することができる車輌用ドアロック装置を提供すること。

【解決手段】キ−レスロック機構のないタイプのものを構成するときにオ−プンレバ−30、ロックプレ−ト31及びフォ−ク32を交換する。交換したドアロック装置は、ドアの開状態でキ−レスロックを行なおうとして、インナ−ロックノブをロック操作すると、ロックプレ−ト31の突出部31aがオ−プンレバ−30に当接するので、ドアが開いているときにはインナ−ロックノブをロック操作することができない。したがって、ドアのアウタ−ハンドルをオ−プン操作しながらドアを閉めても、ドアの係止保持がアンロック状態となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ドアを閉めることにより車輌側のストライカを係止するフォ−クと、このフォ−クのストライカ係止を保持するクロ−レバ−と、インナ−ハンドルまたはアウタ−ハンドルのオ−プン操作に連動するリンク部材と、このリンク部材に押動されて上記フォ−クとクロ−レバ−によるストライカ係止保持を解放させるオ−プンレバ−と、キ−シリンダまたはインナ−ロックノブのロック操作またはアンロック操作に連動して上記リンク部材をロック位置またはアンロック位置に移動させるロックプレ−トとを備え、上記のロックプレ−トには、インナ−ロックノブの操作に応動してオ−プンレバ−に当接させる突出部を設け、上記フォ−クには、ドア開時の動作でクロ−レバ−を付勢し、オ−プンレバ−とロックプレ−トの突出部とを接近させて上記ロックプレ−トの動作を阻止する動作突形部を設けてなることを特徴とする車輌用ドアロック装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車等の車輌のドアをロックまたはアンロックする車輌用ドアロック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車に備えられている従来のドアロック装置として、例えば、図7及び図8に示すように、インナ−レバ−10、プッシュレバ−11、アウタ−ロッド12、リンクレバ−13、オ−プンレバ−14、ロックプレ−ト15、キ−ロッド16、インナ−ロッド17などを備えたものがある。
【0003】このドアロック装置においては、ドアを閉めることにより、車体側に設けられているストライカをドア閉保持機構で係止保持し、また、電動アクチュエ−タまたはキ−シリンダに応動するロック機構によってドア閉保持をロックし、アンロックするようになっている。なお、オ−プンレバ−14のクロ−連動ピン18がドア閉保持機構に連結されている。
【0004】ドア閉保持機構は、図9に示すように、フォ−ク19とクロ−レバ−20とをフェンスブロック27内に備えて構成されており、フォ−ク19は、図9(a)に示すように、クロ−レバ−20の係止爪20aがその外周面に当接した状態にあり、ドア閉時には、車体側のストライカ21がフォ−ク19の凹部19aに突き当たることによって、フォ−ク19がフォ−クスプリングのばね勢力に抗して回動し、図9(b)に示すように、ストライカ21を係止するようになっている。
【0005】クロ−レバ−20はフォ−クスプリングによって反時計方向のばね勢力を受けており、フォ−ク19の回動によってその係止爪20aがフォ−ク19の係止溝部19bに係合し、フォ−ク19によるストライカ係止状態を保持するようになっている。
【0006】オ−プンレバ−14は、クロ−連動ピン18によってクロ−レバ−20に連結されており、このレバ−14には押動受け部14aと押動腕部14bとが設けられている。このオ−プンレバ−14は、クロ−レバ−20を連動してフォ−ク19の係止溝部19bからクロ−レバ−20の係止爪20aを脱係させる。
【0007】リンクレバ−13は、その上方部が支軸28に軸支されているプッシュレバ−11の一端部に軸部24によって回転自在に連結されている。このリンクレバ−13は、押動部13aと押し回し部13bとを有し、アウタ−ハンドルまたはインナ−ハンドルのオ−プン操作にしたがって下降し、オ−プンレバ−14を連動する。なお、インナ−レバ−10はインナ−ハンドルにロッド連結され、アウタ−ロッド12はアウタ−ハンドルに連結されている。
【0008】ロックプレ−ト15は、軸25によってベ−ス22に軸支されており、インナ−ロッド17を介して連結されたインナ−ロックノブのロック操作に連動して図示するアンロック位置から右旋回しロック位置に回動されるようになっている。
【0009】このロックプレ−ト15は、リンクレバ−13の長孔13cに突入したピン26を有し、リンクレバ−13をアンロック位置からロック位置に旋回させる。また、ロックプレ−ト15は、キ−ロッド16を介して連結されたキ−シリンダのロック操作に連動してリンクレバ−13をアンロック位置からロック位置に旋回させるようになっている。
【0010】上記した従来のドアロック装置は、ドアの開状態からドアを閉じると、車体側のストライカ21がフォ−ク19に当接し、フォ−ク19が回動されてストライカ21を係止する。このときフォ−ク19の回動に連動してクロ−レバ−20が回動し、クロ−レバ−20の係止爪20aがフォ−ク19の係止溝部19bに係合してドア閉を係止保持する。
【0011】また、ドアの閉状態でアウタ−ハンドルまたはインナ−ハンドルをオ−プン操作すると、アンロック位置(図示位置)にあるリンクレバ−13が下降し、その押動部13aがオ−プンレバ−14の押動受け部14aを押動し、これより、オ−プンレバ−14が左旋回する。したがって、クロ−連動ピン18を介してクロ−レバ−20を図9(b)において右回動してフォ−ク19によるストライカ21の係止を解除させる。クロ−レバ−20の係止が解除すると、ドアの開き動作に伴ってフォ−ク19がフォ−クスプリングのばね勢力で右回動し、ストライカ21を解放するから、ドアを開くことができる。
【0012】一方、ドアの閉状態でキ−シリンダまたはインナ−ロックノブをロック操作すると、キ−ロッド16またはインナ−ロッド17を介してロックプレ−ト15がアンロック位置からロック位置に回動(右旋回)し、ピン26を介してリンクレバ−13が図示するアンロック位置から左旋回しロック位置に移動する。
【0013】このロック動作状態で、アウタ−ハンドルまたはインナ−ハンドルをオ−プン操作すると、リンクレバ−13が下方に移動するが、リンクレバ−13の押動部13aがオ−プンレバ−14の押動受け部14aを押動せず、空振り動作となる。これより、ドア閉の係止保持がロックされる。
【0014】上記ドアロック装置には、車外からドアをロックするキ−レスロック機構が設けられている。つまり、ドアの開状態において、インナ−ロックノブをロック操作し、アウタ−ハンドルをオ−プン操作しながらドアを閉じると、キ−を使わずにドアをロックすることができる。
【0015】具体的には、ドアの開状態においてインナ−ロックノブをロック操作すると、ロックプレ−ト15がアンロック位置からロック位置に回動する。ロックプレ−ト15が回動すると、ピン26を介してリンクレバ−13がアンロック位置からロック位置に旋回する。この動作状態で、アウタ−ハンドルをオ−プン操作しながらドアを閉める。
【0016】ドアを閉じると、フォ−ク19が係止位置に回動してストライカ21を係止する。このときフォ−ク19の回動に連動してクロ−レバ−20が回動し、その係止爪20aが係止溝部19bに係合し、フォ−ク19をストライカの係止位置に保持する。
【0017】また、クロ−レバ−20は、係止爪20aによってフォ−ク19の係止溝部19bを係止するとき一旦右回動した後左回動するため、クロ−連動ピン18を介して連結されているオ−プンレバ−14が一時的に左旋回するが、リンクレバ−13が下方に移動しているので、オ−プンレバ−14の押動腕部14bがリンクレバ−13の押し回し部13bと当接しない。したがって、ロックプレ−ト15がロック位置にあることから、アウタ−ハンドルをオ−プン操作してからドアを閉めればキ−を使わずにロックすることができる。
【0018】上記キ−レスロック機構は、ドアの開状態でインナ−ロックノブをロック操作しても、アウタ−ハンドルをオ−プン操作せずにドアを閉めると、インナ−ロックノブを自動的にアンロック動作してドアをロックしないようにしたセルフキャンセル機能を備えている。
【0019】上記したように、ドアの開状態において、インナ−ロックノブをロック操作すると、ロックプレ−ト15がアンロック位置からロック位置に回動し、リンクレバ−13がピン26を介してアンロック位置からロック位置に旋回する。
【0020】そして、アウタ−ハンドルをオ−プン操作せずにドアを閉じると、車体側のストライカ21がフォ−ク19とクロ−レバ−20によって係止保持される。この動作において、クロ−レバ−20は、その係止爪20aがフォ−ク19の係止溝部19bを係止する過程で一旦右旋回(図9(a)において)することから、クロ−連動ピン18を介して連結されたオ−プンレバ−14が一時的に左旋回する。
【0021】このとき、ロックプレ−ト15がロック位置に旋回しているため、オ−プンレバ−14の押動腕部14bがリンクレバ−13の押し回し部13bに押動してリンクレバ−13を右旋回させる。なお、アウタ−ハンドルがオ−プン操作されていないから、リンクレバ−13は上昇した位置にある。
【0022】このリンクレバ−13の右旋回により、ピン26を介してロックプレ−ト15がロック位置からアンロック位置に旋回されると同時に、リンクレバ−13もロック位置からアンロック位置に移動する。これにより、ドアを閉めると、インナ−ロックノブが自動的にアンロック動作されるので、ドアがアンロックとなる。
【0023】このように、従来のドアロック装置においては、キ−レスロック機構を備えており、このタイプのものは我が国で一般に採用されている。しかし、外国(輸出)向け自動車のドアロック装置にはキ−レスロック機構のないタイプを採用することがある。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】車輌にドアロック装置を装備する場合、車輌の仕様によって、キ−レスロック機構のあるタイプとないタイプとに分け、各タイプに応じて専用のドアロック装置を製造していたが、キ−レスロック機構の有無に応じて専用のものを製造するのでは製造管理が煩わしく、しかも製造コストが高くなる。
【0025】そこで、本発明は、上記した実情にかんがみ、組み付け時に簡単な部品を交換するだけでキ−レスロック機構付きのものと、また、キ−レスロック機構のないものとに変更することができる車輌用ドアロック装置を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するため、本発明では、ドアを閉めることにより車輌側のストライカを係止しするフォ−クと、このフォ−クのストライカ係止を保持するクロ−レバ−と、インナ−ハンドルまたはアウタ−ハンドルのオ−プン操作に連動するリンク部材と、このリンク部材に押動されて上記フォ−クとクロ−レバ−によるストライカ係止保持を解放させるオ−プンレバ−と、キ−シリンダまたはインナ−ロックノブのロック操作またはアンロック操作に連動して上記リンク部材をロック位置またはアンロック位置に移動させるロックプレ−トとを備え、上記のロックプレ−トには、インナ−ロックノブの操作に応動してオ−プンレバ−に当接させる突出部を設け、上記フォ−クには、ドア開時の動作でクロ−レバ−を付勢し、オ−プンレバ−とロックプレ−トの突出部とを接近させて上記ロックプレ−トの動作を阻止する動作突形部を設けてなることを特徴とする車輌用ドアロック装置を提案する。
【0027】この発明のドアロック装置は、キ−レスロック機構のあるタイプのものからキ−レスロック機構のないタイプのものに変更する場合、ロックプレ−トとオ−プンレバ−及びフォ−クを交換するだけでキ−レスロック機構のないタイプのものを構成することができる。
【0028】すなわち、オ−プンレバ−、ロックプレ−ト及びフォ−クを交換したドアロック装置では、ドアの開状態でキ−レスロックを行なおうとして、インナ−ロックノブをロック操作すると、ロックプレ−トの突出部がオ−プンレバ−に当接するので、ドアが開いているときにはインナ−ロックノブのロック操作ができない。したがって、アウタ−ハンドルをオ−プン操作しながらドアを閉めてもドアの係止保持がアンロックのままとなる。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、本発明を自動車のドアロック装置として実施した一実施形態について図面に沿って説明する。図1は自動車のドアに備えるドアロック装置の正面図、図2(a)はドア開時におけるフォ−クとクロ−レバ−との関係を示す図、図2(b)はドア閉時におけるフォ−クとクロ−レバ−との関係を示す図、図3はドア閉時におけるリンクレバ−、オ−プンレバ−及びロックプレ−トの関係を示す動作図、図4はドア閉時においてロック操作が行なわれたときの動作を示す図3同様の動作図、図5はドア閉時にロックされた後ハンドル操作されたときの状態を説明するための図3同様の動作図、図6はドア開時にインナ−ロックノブをロック操作したときの図3同様の動作図である。
【0030】本実施形態において、ドアロック装置として、キ−レスロック機構のあるタイプのものを用いるときには、図7乃至図9に示した従来のドアロック装置と同一のものを用い、このドアロック装置をキ−レスロック機構のないタイプのものにするたきには、従来例のオ−プンレバ−14とロックプレ−ト15を、図1に示すオ−プンレバ−30とロックプレ−ト31と交換し、フォ−ク19を図2に示すフォ−ク32と交換して装備する。
【0031】すなわち、オ−プンレバ−30として、従来例のオ−プンレバ−14の押し回し部14bを削除した形状のものを用い、ロックプレ−ト31として、インナ−ノブの操作によりオ−プンレバ−30に当接する突出部31aを設け、フォ−ク32にはドア開時にクロ−レバ−20を付勢してオ−プンレバ−30とロックプレ−ト31の突出部31aとに接近させロックプレ−ト31の動作(回動)を阻止する動作凸部(動作突形部)32cを設けたことを特徴としている。
【0032】オ−プンレバ−30、ロックプレ−ト31、フォ−ク32を交換した本実施形態のドアロック装置において、ドアの開状態では、図2(a)に示すように、クロ−レバ−20の係止爪20aがフォ−ク32の動作凸部32cに当接し、このクロ−レバ−20のクロ−連動ピン18を介して連結されているオ−プンレバ−30が左旋回した位置に回動されており、オ−プンレバ−30の押動受け部30aとリンクレバ−13の押動部13aとは離れた位置関係となっている。(図1参照)
【0033】そして、ドアの開状態からドアを閉じると、車体側のストライカ21がフォ−ク32に当接し、フォ−ク32が回動されその凹部32aでストライカ21を係止する。
【0034】このときフォ−ク32の回動に伴ってクロ−レバ−20の係止爪20aがフォ−ク19の係止溝部32bを係止し、ストライカ21を係止保持する。そしてクロ−レバ−20の係止位置への回動により、クロ−連動ピン18を介してオ−プンレバ−30が図3に示すように右旋回する。
【0035】次に、ドアの閉状態からアウタ−ハンドルまたはインナ−ハンドルをオ−プン操作すると、リンクレバ−13が図3の位置から下降しその押動部13aによってオ−プンレバ−30の押動受け部30aが押動され、オ−プンレバ−30が左旋回される。
【0036】このオ−プンレバ−30の旋回でクロ−連動ピン18を介して連結されたクロ−レバ−20が右回動され、フォ−ク19の係止を解除する。この結果、フォ−ク19がドアの開放に伴ってフォ−クスプリングのばね勢力で回動しストライカ21を解放するから、ドアを開けることができる。
【0037】そしてクロ−レバ−20は、図2(a)に示すように、フォ−ク19の動作凸部32cによって右回動することから、クロ−連動ピン18を介して連結されたオ−プンレバ−30が図1に示す位置に左旋回する。
【0038】また、ドアの閉状態でキ−シリンダまたはインナ−ロックノブをロック操作すると、ロックプレ−ト31が図4に示すようにアンロック位置からロック位置に回動し、ピン26を介してリンクレバ−13がアンロック位置からロック位置に旋回される。
【0039】この動作状態で、アウタ−ハンドルまたはインナ−ハンドルをオ−プン操作すると、図5に示すように、リンクレバ−13が下方に移動するが、リンクレバ−13の押動部13aがオ−プンレバ−30の押動受け部30aを押動せず空振りする。
【0040】したがって、オ−プンレバ−30が非旋回となり、クロ−レバ−20も旋回しないから、フォ−ク19がストライカ21を係止したままとなり、ドア閉の係止保持がロックされる。
【0041】一方、上記のドアロック装置でキ−レスロックを行なおうとして、ドアの開状態でインナ−ロックノブをロック操作すると、ロックプレ−ト31が図1に示すアンロック位置からロック位置に回動しようとするが、図6に示すように、この回動初期でその突出部31aがオ−プンレバ−30に当接するため、インナ−ロックノブをロック操作することができない。
【0042】また、アウタ−ハンドルをオ−プン操作した状態で、インナ−ロックノブをロック操作しても、リンクレバ−13が下方に移動するが、ロックプレ−ト31の突出部31aがオ−プンレバ−30に当接するので、インナ−ロックノブをロック操作することができない。このように、インナ−ロックノブのロック操作の段階でキ−レスロックができなくなる。
【0043】上記実施形態においては、オ−プンレバ−30、ロックプレ−ト31及びフォ−ク32を交換することでキ−レスロック機構のないドアロック装置を構成することができ、製造管理を容易に行なうことができると共に、製造コストの低減に寄与することができる。
【0044】
【発明の効果】上記したように、本発明によれば、キ−レスロック機構のあるタイプのものと、また、キ−レスロック機構のないタイプのものに変更する場合、ロックプレ−トとオ−プンレバ−及びフォ−クを交換するだけで構成することができるので、製造管理を容易に行なうことができると共に、製造コストの低減に寄与することができる。
【出願人】 【識別番号】000138462
【氏名又は名称】株式会社ユーシン
【出願日】 平成12年3月8日(2000.3.8)
【代理人】 【識別番号】100076196
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 寛治
【公開番号】 特開2001−254555(P2001−254555A)
【公開日】 平成13年9月21日(2001.9.21)
【出願番号】 特願2000−63086(P2000−63086)