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【発明の名称】 電池消耗状態判別装置
【発明者】 【氏名】青木 俊徳

【氏名】富安 晃也

【氏名】西脇 憲三

【要約】 【課題】電池の消耗状態を精度よくかつ低コストで検出できる電池消耗状態判別装置を提供する。

【解決手段】車両の盗難状態が検出された際に(S1)、動作する警報装置の累積動作時間または累積動作回数をカウントし(S2)、この累積動作時間または累積動作回数が所定のしきい値を超えた場合に内蔵電池の電池切れと判定し(S3)、表示手段によって電池消耗状態の告知を行う(S4)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内蔵電池により駆動される駆動手段を備えた装置に使用され、前記駆動手段の駆動履歴に基づき前記内蔵電池の消耗状態を検出することを特徴とする電池消耗状態判別装置。
【請求項2】 請求項1記載の電池消耗状態判別装置において、前記内蔵電池は、移動体のワイヤレスドアロックシステムの携帯型送信機内に収容されるものであり、前記駆動手段は、前記送信機に設けられたドアロック、アンロック信号を送出する送出手段であることを特徴とする電池消耗状態判別装置。
【請求項3】 請求項1記載の電池消耗状態判別装置において、前記駆動手段はアラームであることを特徴とする電池消耗状態判別装置。
【請求項4】 請求項3記載の電池消耗状態判別装置において、前記アラームは、移動体に設けられた警報装置であることを特徴とする電池消耗状態判別装置。
【請求項5】 請求項1記載の電池消耗状態判別装置において、前記駆動手段は、移動体に設けられたワイヤレスドアロック時のアンサーバック実行手段であることを特徴とする電池消耗状態判別装置。
【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれか一項記載の電池消耗状態判別装置において、前記駆動履歴は、累積駆動回数または累積駆動時間であることを特徴とする電池消耗状態判別装置。
【請求項7】 請求項4記載の電池消耗状態判別装置において、前記警報装置は、移動体の盗難防止用の警報装置であり、前記検出された電池の消耗状態に基づく結果を表示するための表示手段を有することを特徴とする電池消耗状態判別装置。
【請求項8】 請求項7記載の電池消耗状態判別装置において、前記表示手段は、移動体の灯火装置もしくは吹鳴装置もしくは前記警報装置自体であることを特徴とする電池消耗状態判別装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内蔵電池により駆動される装置において、その電池の消耗状態を判別する装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より内蔵電池により駆動される装置には様々な種類のものが実用化されている。内蔵電池は使用温度範囲が広いために、車両の電子機器等にも多く適用されている。これらの機器は、内蔵電池のエネルギにより駆動されるという性質上、内蔵電池が消耗し、十分な電力を供給できなくなる前に電池の充電あるいは交換をする必要がある。
【0003】たとえば、特開平9−203251号公報には、リモコン操作により車両ドアの施錠、解錠を遠方から操作できる車両用キーレスシステムにおけるリモコン側の電池消耗を警報するための電源警報装置が開示されている。これは、発信器に電池電圧を検出する電圧検出手段を設け、電池電圧が規定値以下であることをその電圧検出手段が検出したときに、発信器から警報信号が出力される構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の警報装置においては、内蔵電池の電圧を電圧検出手段によって検出しているので、電圧検出回路や、有線システムの場合には検出した電圧情報を制御回路に送信するための通信線が別途必要となり、コストアップとなるという問題があった。
【0005】また、内蔵電池は温度変動により出力電圧が変動するので、電圧検出回路が誤動作する場合があるという問題もあった。
【0006】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、電池の消耗状態を精度よくかつ低コストで検出できる電池消耗状態判別装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、電池消耗状態判別装置であって、内蔵電池により駆動される駆動手段を備えた装置に使用され、この駆動手段の駆動履歴に基づき内蔵電池の消耗状態を検出することを特徴とする。
【0008】また、上記電池消耗状態判別装置において、内蔵電池は、移動体のワイヤレスドアロックシステムの携帯型送信機内に収容されるものであり、駆動手段は、送信機に設けられたドアロック、アンロック信号を送出する送出手段であることを特徴とする。
【0009】また、上記電池消耗状態判別装置において、駆動手段はアラームであることを特徴とする。
【0010】また、上記電池消耗状態判別装置において、アラームは、移動体に設けられた警報装置であることを特徴とする。
【0011】また、上記電池消耗状態判別装置において、駆動手段は、移動体に設けられたワイヤレスドアロック時のアンサーバック実行手段であることを特徴とする。
【0012】また、上記電池消耗状態判別装置において、駆動履歴は、累積駆動回数または累積駆動時間であることを特徴とする。
【0013】また、上記電池消耗状態判別装置において、警報装置は、移動体の盗難防止用の警報装置であり、検出された電池の消耗状態に基づく結果を表示するための表示手段を有することを特徴とする。
【0014】また、上記電池消耗状態判別装置において、表示手段は、移動体の灯火装置もしくは吹鳴装置もしくは前記警報装置自体であることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0016】図1には、本発明に係る電池消耗状態判別装置が使用された、車両盗難防止用の警報装置の構成例が示される。図1において、制御手段であるセキュリティECU10には、車両のドアの開閉状態を監視するドアカーテシスイッチ12と、ドアロックの状態を監視するドアロックポジションスイッチ14と、超音波あるいは電波により車両への人の侵入を監視する侵入センサ16とが接続されている。これらにより、車両が盗難された状態であることが検出された場合には、セキュリティECU10に接続されたセルフパワーサイレン18が作動し、音により警報を発する構成となっている。また、上述したドアカーテシスイッチ12,ドアロックポジションスイッチ14,侵入センサ16により車両の盗難状態が検出された場合のほか、車両からバッテリが抜き取られたり、セキュリティECU10とセルフパワーサイレン18とを接続する通信線が切断されたりした場合にも車両の盗難状態と判定し、セルフパワーサイレン18が作動して警報音を発するように構成されている。
【0017】なお、これら盗難状態を知らせるためには、セキュリティECU10に接続された、ヘッドランプ、テールランプ、ハザードランプ、ドームランプ、ブザー、車両ホーン、LEDインジケータ等の表示手段20を作動させることにより警報を発することもできる。
【0018】このようなセルフパワーサイレン18は、通常は車両のバッテリから電力が供給される構成としてもよい。しかし、上述のように、バッテリが抜き取られることも考えられるため、セルフパワーサイレン18には、内蔵電池22も設けられている。この内蔵電池22は、バッテリからの電力を蓄えておく2次電池とすることも考えられるが、そのためには、充電回路が必要となる点でコストが高くなり、また1次電池に比べて2次電池の方が使用可能な温度範囲が狭いという問題もある。そこで、近年では、セルフパワーサイレン18の内蔵電池22として1次電池が使用されるようになってきている。このように、1次電池を内蔵電池22として使用する場合には、その消耗状態を検出するための電池消耗状態判別装置が必要となる。
【0019】前述したとおり、この内蔵電池22の消耗状態を検出するために、電圧検出手段を使用することはコスト及び検出精度の点で問題がある。このため、本発明においては、セルフパワーサイレン18が作動し、警報音を発した時間あるいは回数をカウントし、その累積動作時間あるいは累積動作回数が所定のしきい値を超えた場合に、一律に内蔵電池22が消耗したと判断し、表示手段20あるいはセルフパワーサイレン18自体(警報装置自体)により内蔵電池22の消耗状態を表示する構成としている。
【0020】図2には、本発明に係る電池消耗状態判別装置の動作のフローが示される。図2において、ドアカーテシスイッチ12、ドアロックポジションスイッチ14、侵入センサ16等による異常の検出あるいは車両のバッテリの抜き取りやセキュリティECU10とセルフパワーサイレン18との間の通信線の切断等が検出された場合には(S1)、セルフパワーサイレン18から警報音が発せられる。このようなセルフパワーサイレン18の動作時間あるいは動作回数を、セキュリティECU10あるいはセルフパワーサイレン18によりカウントする(S2)。
【0021】上記累積動作時間または累積動作回数が所定のしきい値を超えた場合には、内蔵電池22の消耗状態と判定し(S3)、表示手段20あるいはセルフパワーサイレン18自体によって電池消耗状態の告知が行われる(S4)。
【0022】図3には、上記電池消耗状態判別装置の動作の説明図が示される。図3において、セルフパワーサイレン18のアラーム状態がアンセットの場合には、警報音を発することはないので、動作時間または動作回数の監視は行われない。次にアラーム状態がセットされた状態、すなわち盗難状態を監視する状態となると、表示手段20のひとつであるLEDインジケータによりセット表示がなされ、セルフパワーサイレン18の動作時間または動作回数の監視が開始される。このような状態で盗難状態の検出が行われ、セルフパワーサイレン18から警報音が発せられると、その警報表示の動作時間または動作回数のカウントが行われる。この累積動作時間または累積動作回数が所定のしきい値を超えたときに、電池消耗の判定がOFFからONとなり、たとえばLEDインジケータの表示を、所定の電池消耗表示状態に切り換える。これによって、セルフパワーサイレン18の内蔵電池22の消耗状態をユーザが知ることができる。
【0023】なお、このようにして内蔵電池22の消耗状態が検出された場合には、内蔵電池22を交換する等の対処を行ったのち、リセット入力24(図1)をセキュリティECU10に入力し累積動作時間または累積動作回数のリセットを行う。また、上述したセルフパワーサイレン18の動作としては、盗難状態が検出された場合のアラーム警報のほか、人がスイッチを入れることにより強制的に音や光を発することにより緊急事態を告知するパニックアラームの動作時間または動作回数もカウントすることができる。
【0024】さらに、以上に述べた電池消耗状態判別装置は、内蔵電池22の消耗状態を検出するものであるので、セルフパワーサイレン18が動作する際に車両に搭載されたバッテリから電力が供給されている場合には、内蔵電池22の消耗はないので、このような動作時間または動作回数をカウントする必要はない。このため、上述したセルフパワーサイレン18の累積動作時間または累積動作回数のカウントは、バッテリが外されたときのみ行われる構成とするのも好適である。
【0025】さらに、電池消耗状態の告知は、上述したLEDインジケータに限らず、表示手段20を構成するヘッドランプ、テールランプ、ハザードランプ、ドームランプ、ブザー、車両ホーン、セルフパワーサイレン18自体を使用してもよいことは前述した通りである。これらによる電池消耗状態の告知は、セルフパワーサイレン18のアラームがアンセット中でありかつイグニッションスイッチがOFFの場合にも点灯あるいは点滅、吹鳴等を続行するのが好適である。これにより、ユーザへの告知をより確実なものとすることができる。
【0026】このように、内蔵電池22の消耗状態をセルフパワーサイレン18の累積動作時間または累積動作回数によって判定するので、電圧検出回路やそのための通信線等を不要とでき、また電池消耗状態の告知は、あらかじめ車両に設けられていた表示手段20あるいはセルフパワーサイレン18自体によって行うので、低コストで電池消耗状態判別装置を導入することができる。
【0027】また、内蔵電池22の電圧による消耗状態の検出ではないので、温度変化による影響を受けず、精度の高い消耗状態の検出を実施することができる。
【0028】以上に述べた実施形態は、移動体の盗難防止のための警報装置を構成するセルフパワーサイレン18に関するものであったが、本発明はこれに限られるものではない。移動体に設けられた盗難防止目的以外の警報装置その他内蔵電池により駆動される駆動手段を備えた装置であれば、いずれも適用が可能である。
【0029】たとえば、移動体のワイヤレスドアロックシステムの携帯型送信機内にも、動作電力を供給するための内蔵電池が収容されており、これによってドアロック、アンロック信号を送出する送出手段が駆動される構成となっている。したがって、このような内蔵電池の消耗状態を検出するために、本発明に係る電池消耗状態判別装置を適用することができる。
【0030】また、移動体のワイヤレスドアロックシステムにおいては、移動体側にもワイヤレスドアロック時のアンサーバック実行手段が設けられ、これも内蔵電池により駆動される構成とされる場合には、本発明の電池消耗状態判別装置が適用可能である。
【0031】さらに、上記駆動手段としては、たとえば目覚まし時計等のアラームであってもよく、これに本発明に係る電池消耗状態判別装置を適用すれば、そのアラームを通じて内蔵電池の消耗状態を告知することが可能となる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、電池の消耗状態を検出するための電圧検出回路や、そのための通信線の追加が不要とできるので、低コストで電池消耗状態を検出することができる。
【0033】また、電池消耗状態を電池電圧によらず、駆動手段の累積駆動回数あるいは累積駆動時間によって判定するので、電池温度の変動による影響を受けず、精度の高い検出が可能とできる。
【0034】また、車両に搭載された表示手段により電池消耗状態が表示されるので、電池交換等必要な措置を迅速に促すことができる。
【0035】また、電池消耗状態を表示するための表示手段は、あらかじめ車両に搭載されていたものを使用できるので、この点でもコストの上昇を抑制できる。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成12年3月9日(2000.3.9)
【代理人】 【識別番号】100075258
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二 (外2名)
【公開番号】 特開2001−254546(P2001−254546A)
【公開日】 平成13年9月21日(2001.9.21)
【出願番号】 特願2000−64459(P2000−64459)