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【発明の名称】 自動車用ドアロック装置
【発明者】 【氏名】小林 二三雄

【氏名】川野辺 修

【要約】 【課題】施解錠操作手段とハンドルとがほぼ同時に作動または操作された場合における解除不能等のおそれをなくすとともに、確実にロック解除して、開扉できるようにした自動車用ドアロック装置を提供する。

【解決手段】ハンドル連係レバーであるアウトサイドレバー10が作動位置に位置しているときに、施解錠レバー12が施錠位置から解錠位置へ移動したときのサブレバー29の当接部の移動方向と移動量とを、施解錠レバー12が解錠位置に位置しているときのアウトサイドレバー10の不作動位置から作動位置への移動時の当接部の移動方向と移動量とにほぼ等しくする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ドアに取り付けられるドアロック本体と、ドアロック本体に装着され、停止位置から予め定めたオープン方向へ回動させられることにより、ドアロック本体内に設けられたラッチと車体に設けられたストライカとの噛合状態を解除して、ドアを開けることができるようにするオープンレバーと、ドアロック本体に装着され、適所に設けたスイッチ等の操作により作動させられるアクチュエータの作動により、またはドアの外側面に設けたキーシリンダ装置、もしくはドアの内側面に設けた施解錠用ノブの操作により、施錠位置と解錠位置とに移動させられるようにした施解錠レバーと、ドアロック本体に装着され、ドアの外側面または内側面に設けたハンドルと連係され、前記ハンドルの操作により、不作動位置から作動位置へ移動させられるようにしたハンドル連係レバーと、前記施解錠レバーとハンドル連係レバーとに連係され、施解錠レバーが解錠位置に位置しているときには、ハンドル連係レバーが不作動位置から作動位置へ移動させられることにより、当接部が前記オープンレバーに当接して、オープンレバーをオープン方向に回動させることができ、前記施解錠レバーが施錠位置に位置しているときには、ハンドル連係レバーが不作動位置から作動位置へ移動させられても、前記オープンレバーをオープン方向に回動させることができないようにしたサブレバーとを備える自動車用ドアロック装置において、前記ハンドル連係レバーが作動位置に位置している場合に、施解錠レバーが施錠位置から解錠位置へ移動したときのサブレバーの当接部の移動方向と移動量とを、施解錠レバーが解錠位置に位置しているときのハンドル連係レバーの不作動位置から作動位置への移動時の前記当接部の移動方向と移動量とにほぼ等しくしたことを特徴とする自動車用ドアロック装置。
【請求項2】 サブレバーにおける当接部と反対側の端部とハンドル連係レバーとを連結レバーをもって連結し、施解錠レバーが解錠位置に位置しているときには、ハンドル連係レバーと連結レバーとの連結点と、連結レバーとサブレバーとの連結点と、サブレバーの当接部とがほぼ一直線に揃い、施解錠レバーが施錠位置に位置しているときには、ハンドル連係レバーと連結レバーとの連結点と、サブレバーの当接部とを結ぶ直線より、連結レバーとサブレバーとの連結点が側方に外れ、連結レバーとサブレバーとがく字状に屈曲するようにした請求項1記載の自動車用ドアロック装置。
【請求項3】 ハンドル連係レバーとサブレバーとのいずれか一方にピンを突設し、かつ他方に、施解錠レバーが施錠位置に位置しているときは、ハンドル連係レバーの不作動位置から作動位置及びその逆方向の移動時に、前記ピンが遊動し、施解錠レバーが解錠位置に位置しているときは、ハンドル連係レバーの不作動位置から作動位置への移動時に、前記ピンと係合して、サブレバーを連動させ、かつハンドル連係レバーが作動位置に位置しているときに、施解錠レバーが施錠位置から解錠位置へ移動したときは、前記ピンが傾斜縁に沿って摺動して、サブレバーを、オープンレバーに向かって押動させるようにしたガイド孔を設けた請求項1記載の自動車用ドアロック装置。
【請求項4】 ドアに取り付けられるドアロック本体と、ドアロック本体に装着され、停止位置から予め定めたオープン方向へ回動させられることにより、ドアロック本体内に設けられたラッチと車体に設けられたストライカとの噛合状態を解除して、ドアを開けることができるようにするオープンレバーと、ドアロック本体に装着され、ドアの外側面または内側面に設けたハンドルと連係され、前記ハンドルの操作により、不作動位置から作動位置へ移動させられるようにしたハンドル連係レバーと、基端部が前記ハンドル連係レバーと連結され、ハンドル連係レバーが不作動位置から作動位置へ及びその逆方向へ移動させられることにより、先端部が前記オープンレバーに向かって進退するようにして前記ドアロック本体に装着されたサブレバーと、前記サブレバーの先端部に進退自在に設けられた作動部材と、適所に設けられ、かつ前記作動部材を、ハンドル連係レバーの不作動位置から作動位置への移動により、作動部材の先端部でオープンレバーをオープン方向へ移動しうる解錠位置と、オープンレバーをオープン方向へ移動しえない施錠位置とに移動させうるとともに、ハンドル連係レバーが作動位置に位置しているとき、前記作動部材を施錠位置から解錠位置へ移動させることにより、作動部材の先端部で、オープンレバーをオープン方向へ移動しうるようにした施解錠手段とを備えることを特徴とする自動車用ドアロック装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用ドアロック装置、特にその施解錠機構の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車のドアロック装置は、ドアの外側面に設けたキーシリンダ装置、もしくはドアの内側面に設けた施解錠用ノブ等の操作により、または適所に設けたスイッチの操作により作動させられるようにしたアクチュエータの作動により、施錠位置と解錠位置とに移動させられるようにした施解錠レバーと、ドアの外側面または内側面に設けたハンドルと連係され、いずれかのハンドルの操作により、不作動位置から作動位置へ移動させられるようにしたハンドル連係レバーとを有し、施解錠レバーが解錠位置に位置しているときには、いずれかのハンドルを操作することにより、ドアロック本体内に設けられたラッチと車体に設けられたストライカとの噛合状態を解除して、ドアを開けることができるが、施解錠レバーが施錠位置に位置しているときには、いずれのハンドルを操作しても、ラッチとストライカとの噛合状態を解除することができないようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような従来のドアロック装置には、施解錠レバーが、施錠位置から解錠位置へまたはその逆方向へ移動している途中で、ハンドル連係レバーを不作動位置から作動位置へ移動させたとき、またはハンドル連係レバーを不作動位置から作動位置へ移動させている途中で、施解錠レバーが施錠位置から解錠位置へまたはその逆方向へ移動したとき、施解錠機構と解除機構とが互いに干渉し合って、解除不能となるおそれがある。
【0004】このような現象は、特に、使用者が携帯するID機能を有するキー、カード、スイッチ等が車両に近づいたとき、それらから発する電波、赤外線、その他の情報伝達媒体を受信し、かつID照合を行って、それが一致したときに、自動的に解錠させるようにした遠隔操作手段を設けた場合に生じやすい。
【0005】このような現象が生じた場合には、一旦ハンドルを元に戻し、再度ハンドルを操作し直さなければならない。
【0006】本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、施解錠操作手段とハンドルとが、ほぼ同時に作動するかまたは操作された場合における解除不能等のおそれをなくすとともに、確実にロック解除して、開扉できるようにした自動車用ドアロック装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) ドアに取り付けられるドアロック本体と、ドアロック本体に装着され、停止位置から予め定めたオープン方向へ回動させられることにより、ドアロック本体内に設けられたラッチと車体に設けられたストライカとの噛合状態を解除して、ドアを開けることができるようにするオープンレバーと、ドアロック本体に装着され、適所に設けたスイッチ等の操作により作動させられるアクチュエータの作動により、またはドアの外側面に設けたキーシリンダ装置、もしくはドアの内側面に設けた施解錠用ノブの操作により、施錠位置と解錠位置とに移動させられるようにした施解錠レバーと、ドアロック本体に装着され、ドアの外側面または内側面に設けたハンドルと連係され、前記ハンドルの操作により、不作動位置から作動位置へ移動させられるようにしたハンドル連係レバーと、前記施解錠レバーとハンドル連係レバーとに連係され、施解錠レバーが解錠位置に位置しているときには、ハンドル連係レバーが不作動位置から作動位置へ移動させられることにより、当接部が前記オープンレバーに当接して、オープンレバーをオープン方向に回動させることができ、前記施解錠レバーが施錠位置に位置しているときには、ハンドル連係レバーが不作動位置から作動位置へ移動させられても、前記オープンレバーをオープン方向に回動させることができないようにしたサブレバーとを備える自動車用ドアロック装置において、前記ハンドル連係レバーが作動位置に位置している場合に、施解錠レバーが施錠位置から解錠位置へ移動したときのサブレバーの当接部の移動方向と移動量とを、施解錠レバーが解錠位置に位置しているときのハンドル連係レバーの不作動位置から作動位置への移動時の前記当接部の移動方向と移動量とにほぼ等しくする。
【0008】(2) 上記(1)項において、サブレバーにおける当接部と反対側の端部とハンドル連係レバーとを連結レバーをもって連結し、施解錠レバーが解錠位置に位置しているときには、ハンドル連係レバーと連結レバーとの連結点と、連結レバーとサブレバーとの連結点と、サブレバーの当接部とがほぼ一直線に揃い、施解錠レバーが施錠位置に位置しているときには、ハンドル連係レバーと連結レバーとの連結点と、サブレバーの当接部とを結ぶ直線より、連結レバーとサブレバーとの連結点が側方に外れ、連結レバーとサブレバーとがく字状に屈曲するようにする。
【0009】(3) 上記(1)項において、ハンドル連係レバーとサブレバーとのいずれか一方にピンを突設し、かつ他方に、施解錠レバーが施錠位置に位置しているときは、ハンドル連係レバーの不作動位置から作動位置及びその逆方向の移動時に、前記ピンが遊動し、施解錠レバーが解錠位置に位置しているときは、ハンドル連係レバーの不作動位置から作動位置への移動時に、前記ピンと係合して、サブレバーを連動させ、かつハンドル連係レバーが作動位置に位置しているときに、施解錠レバーが施錠位置から解錠位置へ移動したときは、前記ピンが傾斜縁に沿って摺動して、サブレバーを、オープンレバーに向かって押動させるようにする。
【0010】(4) ドアに取り付けられるドアロック本体と、ドアロック本体に装着され、停止位置から予め定めたオープン方向へ回動させられることにより、ドアロック本体内に設けられたラッチと車体に設けられたストライカとの噛合状態を解除して、ドアを開けることができるようにするオープンレバーと、アロック本体に装着され、ドアの外側面または内側面に設けたハンドルと連係され、前記ハンドルの操作により、不作動位置から作動位置へ移動させられるようにしたハンドル連係レバーと、基端部が前記ハンドル連係レバーと連結され、ハンドル連係レバーが不作動位置から作動位置へ及びその逆方向へ移動させられることにより、先端部が前記オープンレバーに向かって進退するようにして前記ドアロック本体に装着されたサブレバーと、前記サブレバーの先端部に進退自在に設けられた作動部材と、適所に設けられ、かつ前記作動部材を、ハンドル連係レバーの不作動位置から作動位置への移動により、作動部材の先端部でオープンレバーをオープン方向へ移動しうる解錠位置と、オープンレバーをオープン方向へ移動しえない施錠位置とに移動させうるとともに、ハンドル連係レバーが作動位置に位置しているとき、前記作動部材を施錠位置から解錠位置へ移動させることにより、作動部材の先端部で、オープンレバーをオープン方向へ移動しうるようにした施解錠手段とを備えるものとする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施形態を、図1〜図8を参照して説明する。なお、以下の説明では、正面図である図1における左方が自動車の車内側、右方が車外側、図面の手前側が自動車の前方、図面の裏面側が自動車の後方である。したがって、このドアロック装置は自動車の助手席側のドアである。
【0012】図1〜図7に示すように、(1)は、合成樹脂材料で形成された後面が開口する箱状のドアロック本体で、後面が、カバープレート(2)(図3及び図4参照)をもって覆われるようにして、自動車のドアの後遊端部の内面に複数のボルト(図示略)をもって固定される。
【0013】ドアロック本体(1)内には、図2に示すように、車体側に固着されたストライカ(3)と係脱可能なラッチ(4)と、ラッチ(4)に形成されたハーフラッチ爪部(4a)及びフルラッチ爪部(4b)に係合することにより、ラッチ(4)のオープン方向(図2において反時計方向)への回動を阻止して、ドアを半ドア状態または全閉状態に拘束するポール(5)とが、それぞれ前後方向を向く軸(6)(7)をもって枢着されている。
【0014】(8)は、ドアロック本体(1)の前面に固定され、かつ前方に折曲された折曲片(8a)を有するベースプレートである。
【0015】(9)は、ドアロック本体(1)及びベースプレート(8)を貫通して前方に突出するポール(5)の軸(7)の前端部に固着されたオープンレバーで、図1における右方に延出する第1アーム(9a)と、同じく左方に延出する第2アーム(9b)とを有し、常時は、図1に示す停止位置に停止しているが、同図における時計方向であるオープン方向へ回動させられることにより、ドアロック本体(1)内に設けられたラッチ(4)とストライカ(3)との噛合状態を解除して、ドアを開けることができるようになっている。
【0016】(10)は、ドアロック本体(1)の前面におけるベースプレート(8)に、前後方向を向く軸(11)をもって枢着されたアウトサイドレバー(ハンドル連係レバー)で、図1における右端部が、適宜のロッド(図示略)をもって、ドアの外側面に設けたアウトサイドハンドル(図示略)と連係され、そのアウトサイドハンドルの操作により、図1に示す不作動位置から、時計方向に回動した作動位置(図8における(b)及び(d)参照)へ移動させられるようになっている。
【0017】ドアロック本体(1)の前面におけるベースプレート(8)のほぼ中央部には、施解錠レバー(12)が、前後方向を向く軸(13)をもって枢着されている。施解錠レバー(12)は、上方を向く第1腕部(12a)と、左方を向く第2腕部(12b)と、下方を向く第3腕部(12c)(図1においては、施解錠レバー(12)の下部は切り欠いて示してあるので、施解錠レバー(12)の全体の形状に関しては図8参照)とを有しており、図1及び図8における(a)及び(b)に示す施錠位置と、それから反時計方向に回動した図8における(c)及び(d)に示す解錠位置とに移動可能である。
【0018】図1及び図3に示すように、施解錠レバー(12)は、その第2腕部(12b)の先端部に穿設された係合孔(14)に、ベースプレート(8)の折曲片(8a)に左右方向を向く軸(15)をもって枢着されたノブレバー(16)に形成された突起(16a)が嵌合することにより、ノブレバー(16)と連係されており、ノブレバー(16)は、適宜のロッド(図示略)を介して、ドアの内側面に設けた施解錠用ノブ(図示略)に連係されている。したがって、施解錠用ノブを操作することにより、施解錠レバー(12)は、ノブレバー(16)を介して施錠位置と解錠位置とに移動させられるようになっている。(17)は、ベースプレート(8)の折曲片(8a)とノブレバー(16)とに各端末が止着され、ノブレバー(16)を、またそれを介して施解錠レバー(12)を、施錠位置と解錠位置とにおいて安定するように付勢するクリックスプリングである。
【0019】ドアロック本体(1)の前面におけるベースプレート(8)の右下部には、図1に想像線で示すように、キーレバー(18)が前後方向を向く軸(19)をもって枢着されており、このキーレバー(18)の右方に延出する腕部(18a)の先端部は、適宜のロッド(図示略)を介して、ドアの外側面に設けたキーシリンダ装置(図示略)に連係されている。このキーレバー(18)における軸(19)の上方部分には、左右1対の突片(18b)(18c)が設けられており、この両突片(18b)(18c)間に施解錠レバー(12)の第3腕部(12c)を回動方向に所要の遊びをもって嵌合することにより、施解錠レバー(12)は、キーシリンダ装置によっても、施錠位置と解錠位置とに移動させられるようになっている。
【0020】施解錠レバー(12)は、さらに図1に示すアクチュエータ(20)にも連係され、そのアクチュエータ(20)を作動させる適所に設けたスイッチの操作や、ID機能を有するキーまたはカード等の発信信号等によっても、施錠位置と解錠位置とに移動させられるようになっている。
【0021】アクチュエータ(20)の構造自体は、本発明に直接関係しないので、簡単に説明すると、このアクチュエータ(20)は、ドアロック本体(1)の下部に収容された正逆回転可能なモータ(21)、その回転軸に設けられたウォーム(22)、それに噛合するウォームホイール(23)、ウォームホイール(23)と一体に回転する作動片(24)、施解錠レバー(12)の軸(13)部分よりウォームホイール(23)の軸(25)を半周ほど取り巻くように延出し、施解錠レバー(12)と一体となって回動する連係アーム(26)、その連係アーム(26)の一部に枢着され、かつ先端部が連係アーム(26)の先端部と対峙して、それらの間に作動片(24)を所要の間隔をもって挟むようにしたスライド部材(27)、及び作動片(24)を図8の(b)に示す中立位置に復帰回動させるばね(28)等を備え、モータ(21)の正逆回転により、作動片(24)を図8の(b)に示す中立位置から、反時計方向に回動させることにより、同図の(c)及び(d)に示すように、連係アーム(26)の先端を押動して、施解錠レバー(12)を解錠位置に移動させることができ、逆に、作動片(24)を図8の(b)に示す中立位置から、時計方向に回動させることにより、同図の(a)に示すように、スライド部材(27)の先端を押動して、施解錠レバー(12)を施錠位置に移動させることができるようになっている。
【0022】施解錠レバー(12)の第1腕部(12a)の先端部と、右上方に向かって傾斜する板状のサブレバー(29)のやや下部とには、短寸の連結杆(30)の各端部が、前後方向を向く軸(31)(32)をもって連結されている。
【0023】サブレバー(29)の下端部は、オープンレバー(9)の第1アーム(9a)に当接する当接部をなし、そこから下方に突出する突起(29a)(図5参照)が、ドアロック本体(1)の前面に設けられた左下方を向くガイド溝(33)に摺動自在に嵌合されることにより、ガイド溝(33)に沿って移動するように案内されている。
【0024】サブレバー(29)における軸(32)のやや上方の部分と、アウトサイドレバー(10)の中間部とには、ほぼ上下方向を向く連結レバー(34)の各端部が、軸(35)(36)をもって連結されている。
【0025】サブレバー(29)の上端部には、後方を向くピン(37)が突設されており、このピン(37)は、連結レバー(34)の中位部に設けられた軸(35)を中心とする円弧状の長孔(38)に嵌合され、このピン(37)と長孔(38)との係合により、サブレバー(29)と連結レバー(34)との相互の回動範囲が規制されている。
【0026】しかして、図8の(c)に示すように、施解錠レバー(12)が解錠位置に位置しているときは、アウトサイドレバー(10)と連結レバー(34)との連結点である軸(36)と、連結レバー(34)とサブレバー(29)との連結点である軸(35)と、サブレバー(29)の当接部である下端とがほぼ一直線に揃い、図8の(a)に示すように、施解錠レバーが施錠位置に位置しているときは、上記軸(36)とサブレバー(29)の当接部である下端とを結ぶ直線より、連結レバー(34)とサブレバー(29)との連結点である軸(35)が右側方に外れ、連結レバー(34)とサブレバー(29)とがく字状に屈曲するようにしてある。
【0027】また、図8の(b)に示すように、施解錠レバー(12)が施錠位置に位置しており、かつアウトサイドレバー(10)が作動位置に位置している状態から、施解錠レバー(12)が図8の(d)に示すように解錠位置へ移動したときのサブレバー(29)の当接部の移動方向と移動量とを、図8の(c)に示すように、施解錠レバー(12)が解錠位置に位置しているときのアウトサイドレバー(10)の不作動位置から作動位置(図8の(d)参照)への移動時の当接部の移動方向と移動量とにほぼ等しくしてある。なお、前者の移動量は、後者の移動量より大としておくこともできる。
【0028】したがって、施解錠レバー(12)が施錠位置から解錠位置へ移動している途中で、アウトサイドレバー(10)を不作動位置から作動位置へ移動させたとき、及びアウトサイドレバー(10)を不作動位置から作動位置へ移動させている途中で、施解錠レバーが施錠位置から解錠位置へ移動したときは、サブレバー(29)の当接部である下端は、常に同一方向に移動し、最終的にその当接部でオープンレバー(9)の第1腕部(9a)を確実にオープン方向に押動させ、ドアを開けることができる。
【0029】また、施解錠レバー(12)とアウトサイドレバー(10)とが、ほぼ同時に作動または操作されるどのような態様の場合にも、施解錠機構とアウトサイドレバー(10)及びオープンレバー(9)等とが互いに干渉し合ったり、係合し合ったりして、その後解除不能となったりするおそれはなく、常に円滑かつ確実に作動することができる。
【0030】正常時には、サブレバー(29)は、図8の(c)に示すように、施解錠レバー(12)が解錠位置に位置しているときは、アウトサイドレバー(10)が不作動位置から作動位置へ移動させられることにより、図8の(d)に示すように、サブレバー(29)の当接部がオープンレバー(9)の第1腕部(9a)に当接して、オープンレバー(9)をオープン方向に回動させ、ドアを開けることができ、図8の(a)に示すように、施解錠レバー(12)が施錠位置に位置しているときは、アウトサイドレバー(10)が不作動位置から作動位置へ移動させられても、サブレバー(29)の当接部はオープンレバー(9)の第1腕部(9a)に到達せず、オープンレバー(9)をオープン方向に回動させることはできず、ドアを開けることはできない。
【0031】図3に示すように、ベースプレート(8)の折曲片(8a)の上部には、インサイドレバー(39)が、左右方向を向く軸(40)をもって枢着されている。インサイドレバー(39)の上方を向く第1腕部(39a)の上端部は、ロッド(図示略)を介して、ドアの内側面に設けられたインサイドハンドル(図示略)に連結され、このインサイドハンドルの操作により、図3に示す不作動位置から同図における反時計方向に回動した作動位置(図示略)へ移動させられる。
【0032】インサイドレバー(39)における後方を向く第2腕部(39b)の先端部には、上下方向を向く第2サブレバー(41)の上端部が左右方向を向く軸(39d)をもって連結されており、インサイドレバー(39)が不作動位置から作動位置に回動させられたとき、この第2サブレバー(41)を上方に引き上げて、その下端部より後方を向く作動片(41a)により、オープンレバー(9)の第1腕部(9a)を引き上げて、オープンレバー(9)をオープン方向に回動させ、ドアを開けることができる。したがって、インサイドハンドルを操作したときは、施解錠レバー(12)が施錠位置にあるか解錠位置にあるかに拘わらず、常にドアを直接開けることができる。すなわち、いわゆるオーバーライドタイプとしてある。
【0033】インサイドレバー(39)における前下方を向く第3腕部(39c)は、インサイドレバー(39)が作動位置に回動させられて、上述のように第2サブレバー(41)を介してオープンレバー(9)をオープン方向に回動させるのと同時に、ノブレバー(16)の上端部に当接して、ノブレバー(16)及びそれに連係された施解錠レバー(12)を解錠位置に回動させるためのものである。
【0034】図9は、本発明の第1の実施形態の変形例を示す。この変形例においては、ハンドル連係レバーであるアウトサイドハンドル(10)と施解錠レバー(12)との上下の配置関係を、第1の実施形態のものと逆にし、それに伴って、連結杆(30)及び連結レバー(34)等の形状を若干変更するとともに、第1の実施形態におけるピン(37)と長孔(38)との係合部分を省略し、それに代えて、ドアロック本体(1)に突設したストッパ(42)により、サブレバー(29)と連結レバー(34)との回動範囲を規制するようにし、さらに、連結レバー(34)の上端部とアウトサイドハンドル(10)とを連結する第2の連結レバー(43)を追加した点等が第1の実施形態のものと相違するだけであり、作用及び効果は第1の実施形態のものと同一である。したがって、第1の実施形態におけるのと同様の部材に同一の符号を付して図示するに止め、詳細な説明は省略する。
【0035】図10及び図11は、本発明の第2の実施形態を示す。第2の実施形態においては、ほぼ上下方向を向くハンドル連係レバー(50)の下部にピン(51)を突設し、かつ施解錠レバー(52)の作動により、ほぼ水平とした施錠位置(図10)と右下方に傾斜した解錠位置(図11)とに移動可能としたサブレバー(53)の右端部に、ほぼ三角形のガイド孔(54)を設け、施解錠レバー(52)が施錠位置に位置しているとき(図10)は、ハンドル連係レバー(50)の不作動位置(図10の実線)から作動位置(図10の想像線)、及びその逆方向の移動時に、ピン(51)がガイド孔(54)の底辺(54a)に沿って遊動するだけであり、施解錠レバー(52)が解錠位置に位置しているとき(図11)は、ハンドル連係レバー(50)の不作動位置(図11の想像線)から作動位置(図11の実線)への移動時に、ピン(51)がガイド孔(54)の頂角部に係合して、サブレバー(53)を左方に移動させ、サブレバー(53)の左端の当接部でオープンレバー(55)をオープン方向へ押動し、ドアを開けることができ、さらに、ハンドル連係レバー(50)が作動位置に位置しているとき(図10の想像線)に、施解錠レバー(52)が施錠位置から解錠位置へ移動したときは、ピン(51)がガイド孔(54)の傾斜縁(54b)に沿って摺動することにより、サブレバー(53)が、オープンレバー(55)に向かって左方に押動され、サブレバー(53)の左端の当接部でオープンレバー(55)をオープン方向へ押動し、ドアを開けることができる。ハンドル連係レバー(50)が作動位置へ、また施解錠レバー(52)が解錠位置へ、ほぼ同時に移動させられたときも同様である。
【0036】(56)は、施解錠レバー(52)に突設され、かつサブレバー(53)に形成された左右方向を向く長孔(57)に係合することにより、サブレバー(53)を左右方向に移動可能として、施解錠レバー(52)に連係するピンである。(58)は、ドアロック本体(図示略)に突設され、サブレバー(53)の左端部に形成された左右方向を向く長孔(59)に係合することにより、サブレバー(53)の左端部を左右方向に移動自在に案内するガイドピンである。
【0037】なお、ピン(51)をサブレバー(53)側に突設し、それに係合することにより、上記と同様に作用するようにしたガイド孔(54)を、ハンドル連係レバー(50)側に設けてもよい。また、施解錠レバー(52)をアクチュエータ(図示略)により施錠位置と解錠位置とに移動させるようにしたり、施解錠レバー(52)を省略して、アクチュエータ(図示略)により、サブレバー(53)を直接施錠位置と解錠位置とに移動させるようにしたりすることもできる。
【0038】図12は、本発明の第3の実施形態を示す。図12において、(60)は、中央部がドアロック本体(図示略)に枢着されたハンドル連係レバーで、アウトサイドハンドル等の操作により、想像線で示す不作動位置から実線で示す作動位置へ、及びその逆方向へ回動させられるようになっている。
【0039】ハンドル連係レバー(60)の下端部には、ほぼ水平のサブレバー(61)の右端部が連結されており、サブレバー(61)の左端部には、オープンレバー(62)に当接しうる作動部材(63)が左右方向に摺動自在に装着されている。
【0040】サブレバー(61)の中間部には、作動部材(63)をサブレバー(61)の左端部より進退させる施解錠手段(64)が設けられている。この施解錠手段(64)は、サブレバー(61)に固定された正逆回転可能なモータ(65)と、モータ(65)の回転軸(65a)に一体的に設けられ、かつ作動部材(63)に穿設されたねじ孔(66)に螺合するねじ杆(67)とからなっている。(68)は、ドアロック本体に軸着され、 サブレバー(61)の左端部を左右方向に摺動自在に案内するガイドローラである。
【0041】モータ(65)は、キーシリンダ装置(図示略)の操作により作動させられるか、またはその他の施解錠操作手段により作動させられるスイッチ(図示略)の作動により、正逆回転させられ、ねじ杆(67)とねじ孔(66)との螺合により、作動部材(63)を、サブレバー(61)の左端より進出した実線で示す解錠位置と同じく想像線で示す施錠位置とに移動させることができる。
【0042】しかして、ハンドル連係レバー(60)が作動位置に位置しているときの作動部材(63)の施錠位置から解錠位置へ移動方向及び移動量を、作動部材(63)が解錠位置に位置しているときの、ハンドル連係レバー(60)の不作動位置から作動位置への移動によるサブレバー(61)の左端部の移動方向及び移動量とにほぼ等しくしてある。
【0043】その結果、第1の実施形態とほぼ同様の作用及び効果を奏することができる。すなわち、施解錠手段(64)による作動部材(63)の施錠位置から解錠位置への移動と、ハンドル連係レバー(60)の不作動位置から作動位置への移動とがほぼ同時に行われても、または互いに相前後して行われても、作動部材(63)により、確実にオープンレバー(62)をオープン方向へ移動して、ドアを開けることができる。
【0044】図13は、本発明の第4の実施形態を示す。上述の第3の実施形態においては、施解錠手段(64)を、サブレバー(61)に直接装着しているが、第4の実施形態においては、施解錠手段(70)をドアロック本体(図示略)に装着し、この施解錠手段(70)と、サブレバー(61)の左端部に左右方向に摺動自在に装着された作動部材(63)とを、可撓性を有する押し引き可能なワイヤ(71)をもって連結し、第3の実施形態と同様の作用及び効果を奏することがでるようにしてある。
【0045】施解錠手段(70)は、ドアロック本体に固定した正逆回転可能なモータ(72)と、モータ(72)の回転軸(72a)に固嵌したピニオン(73)と、ワイヤ(71)の基端部に固着され、かつピニオン(73)と噛合することにより、ワイヤ(71)を軸線方向に押し引きするラック(74)と、ドアロック本体に軸着され、ラック(74)をピニオン(73)から外れないようにして案内するガイドローラ(75)と、一端がドアロック本体に、かつ他端がサブレバー(61)に止着され、ワイヤ(71)を案内する可撓性のアウターチューブ(76)とを備えている。その他の構成部材は、第3の実施形態と同一であり、それらについては、同一の符号を付して図示するに止め、詳細な説明は省略する。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
(a)請求項1記載の発明によると、施解錠操作手段とハンドルとがほぼ同時に作動または操作された場合でも、解除不能や故障等が生じることはなく、確実に作動することができる。また、施解錠レバーが施錠位置から解錠位置へ移動している途中で、ハンドル連係レバーを不作動位置から作動位置へ移動させたとき、またはハンドル連係レバーを不作動位置から作動位置へ移動させている途中で、施解錠レバーが施錠位置から解錠位置へ移動したときでも、確実にオープンレバーをオープン方向へ移動させて、ドアを開けることができ、再度操作し直す必要をなくすことができる。
【0047】(b)請求項2記載の発明によると、簡単な構造で、確実に作動させることができる。
【0048】(c)請求項3記載の発明によると、さらに構造を簡素化することができるとともに、部品点数を削減することができる。
【0049】(d)請求項4記載の発明によると、ドアロック装置全体の構造をきわめて簡素化することができ、従来のような複雑な施解錠機構が不要となる。
【出願人】 【識別番号】000148896
【氏名又は名称】株式会社大井製作所
【出願日】 平成12年3月2日(2000.3.2)
【代理人】 【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一 (外2名)
【公開番号】 特開2001−248348(P2001−248348A)
【公開日】 平成13年9月14日(2001.9.14)
【出願番号】 特願2000−57340(P2000−57340)