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【発明の名称】 自動車用ドアロック装置
【発明者】 【氏名】小林 二三雄

【氏名】中村 仁

【氏名】赤堀 正和

【要約】 【課題】単一のモータによって、車内施解錠手段と車外施解錠手段とを、同時に施錠状態にしうるようにする。

【解決手段】操作用のスイッチによって作動可能な車外操作用のモータ20をもって、車外側のハンドル操作を有効にする解錠状態と、無効にする施錠状態とに切り替え可能な車外施解錠手段18と、操作用のスイッチによって作動可能な車内操作用のモータ29をもって、車内のハンドル操作を可能にする解錠状態と、無効にする施錠状態とに切り替え可能な車内施解錠手段19とを備え、車内施解錠手段19が、解錠状態から施錠状態に切り替わることにより、車外施解錠手段18を解錠状態から施錠状態に切り替えるように、車内施解錠手段19と車外施解錠手段18とを連係する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 操作用のスイッチによって作動可能な車外操作用のモータをもって、車外側のハンドル操作によりロック解除手段を作動させてドアを開けることができる解錠状態と、前記車外側のハンドル操作を無効にして、前記ドアを開けることができない施錠状態とに切り替え可能な車外施解錠手段と、操作用のスイッチによって作動可能な車内操作用のモータをもって、車内側のハンドル操作により前記ロック解除手段を作動させて前記ドアを開けることができる解錠状態と、前記車内側のハンドル操作を無効にして、前記ドアを開けることができない施錠状態とに切り替え可能な車内施解錠手段とを備え、前記車内施解錠手段が、解錠状態から施錠状態に切り替わることにより、前記車外施解錠手段を解錠状態から施錠状態に切り替えるように、前記車内施解錠手段と車外施解錠手段とを連係したことを特徴とする自動車用ドアロック装置。
【請求項2】 車内施解錠手段が、車内操作用のモータによって、施錠位置と解錠位置とに移動可能な切替レバーと、ロック解除手段を作動させうる連係レバーと、該連係レバーと車内側のハンドルに連結されるインサイドレバーとの間に設けられ、前記切替レバーの移動により、前記連係レバーとインサイドレバーとを接続する解錠位置と、接続を切断する施錠位置とに移動可能な係脱部材とを有し、前記車内施解錠手段が、解錠状態から施錠状態に切り替わることにより、前記係脱部材が、前記車外施解錠手段を解錠状態から施錠状態に切り替えるようにした請求項1記載の自動車用ドアロック装置。
【請求項3】 切替レバーに、車内操作用のモータの回転軸に固嵌したピニオンギヤに噛合可能なギヤ部を設けた請求項2記載の自動車用ドアロック装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーバーライド操作を可能または不能にできるようにした自動車用ドアロック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車のドアロック装置において、適宜の操作スイッチにより作動可能な車外操作用のモータによって、ドアの車外側に設けられたアウトサイドハンドルの開扉操作を無効にしたり、または有効にしたりする車外施解錠手段(施解錠機構)の他に、施解錠手段が施錠状態にあっても、ドアの車内側に設けられたインサイドハンドルを開扉操作すると、常に、ドアを開けることができるようにしたオーバーライド操作を可能にした手段と、室内からの操作用のスイッチにより作動可能な車内操作用のモータによって、オーバーライド操作を、可能または不能にしうる車内施解錠手段(セーフティ機構)とを備えたものは公知である(例えば、特公平7―103736号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような従来のドアロック装置は、車内施解錠手段及び車外施解錠手段が解錠状態にあるとき、両施解錠手段を解錠状態から施錠状態にするには、車外操作用及び車内操作用の両モータを、複数のドアで一斉に作動させる必要があるため、急激な電力消費を生じる問題がある。
【0004】本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、車内操作用のモータの作動のみによって、車内施解錠手段及び車外施解錠手段を、ともに施錠状態にしうるようにして、従来の問題を解消した自動車用ドアロック装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) 操作用のスイッチによって作動可能な車外操作用のモータをもって、車外側のハンドル操作によりロック解除手段を作動させてドアを開けることができる解錠状態と、前記車外側のハンドル操作を無効にして、前記ドアを開けることができない施錠状態とに切り替え可能な車外施解錠手段と、操作用のスイッチによって作動可能な車内操作用のモータをもって、車内側のハンドル操作により前記ロック解除手段を作動させて前記ドアを開けることができる解錠状態と、前記車内側のハンドル操作を無効にして、前記ドアを開けることができない施錠状態とに切り替え可能な車内施解錠手段とを備え、前記車内施解錠手段が、解錠状態から施錠状態に切り替わることにより、前記車外施解錠手段を解錠状態から施錠状態に切り替えるように、前記車内施解錠手段と車外施解錠手段とを連係する。
【0006】(2) 上記(1)項において、車内施解錠手段が、車内操作用のモータによって、施錠位置と解錠位置とに移動可能な切替レバーと、ロック解除手段を作動させうる連係レバーと、該連係レバーと車内側のハンドルに連結されるインサイドレバーとの間に設けられ、前記切替レバーの移動により、前記連係レバーとインサイドレバーとを接続する解錠位置と、接続を切断する施錠位置とに移動可能な係脱部材とを有し、前記車内施解錠手段が、解錠状態から施錠状態に切り替わることにより、前記係脱部材が、前記車外施解錠手段を解錠状態から施錠状態に切り替える。
【0007】(3) 上記(2)項において、切替レバーに、車内操作用のモータの回転軸に固嵌したピニオンギヤに噛合可能なギヤ部を設ける。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、図1における右斜め上方を自動車の「上方」、左斜め下方を「下方」、左斜め上方を「車内側」、右斜め下方を「車外側」、上方を「前方」、下方を「後方」とする。
【0009】(1)は、合成樹脂材料により形成され、かつ複数のボルト(図示略)をもって自動車の運転席ドアのインナパネルに固定される箱状のボディである。
【0010】ボディ(1)の後面に凹設された収納部(1a)には、図1及び図9に示すように、前後方向の軸(2)をもって枢着され、かつドアの開閉に伴って車体側に固着されたストライカ(3)と係脱可能なラッチ(4)と、前後方向の軸部(5a)をもって枢着され、ラッチ(4)に形成されたハーフラッチ爪部(4a)及びフルラッチ爪部(4b)に係合することにより、ラッチ(4)のオープン方向(図9において反時計方向)への回動を阻止して、ドアを半ドア状態または全閉状態に拘束するポール(5)とが収容されている。
【0011】ラッチ(4)は、その全周が合成樹脂によって被覆されるとともに、その合成樹脂の車外側(図9において左方)の外周縁には、回動方向に弾性変形可能な中空状の緩衝部(4c)が、またボディ(1)に対向する側面には、軸(2)からの距離が時計廻り方向に漸増するカム溝(4d)が凹設されている。
【0012】(6)は、ラッチ(4)にオープン方向への付勢力を付与するスプリング、(7)は、ポール(5)に係合方向(図9において時計方向)への付勢力を付与するスプリングである。
【0013】(8)は、ボディ(1)の表面側に固定されて、収納部(1a)を閉塞する金属製のカバープレートで、その車外側には、前方に向けてほぼく字状に折曲された補強壁(8a)が形成されている。この補強壁(8a)は、ラッチ(4)がオーバートラベル位置に移動したとき、緩衝部(4c)が当接して、ラッチ(4)の回動を阻止する。
【0014】(9)は、ボディ(1)の前面に固定され、かつ前方に折曲された取付面(9a)を有するベースプレートである。(10)は、ベースプレート(9)も含めてボディ(1)の前面側全体を覆う合成樹脂製のカバーである。
【0015】カバー(10)には、上端部がドアの車外側に配設されたアウトサイドハンドル(図示略)に連結された上下方向を向くケーブル(14)を保持するためのケーブル保持部(10a)、及び前端部がドアの車内側に配設されたインサイドハンドル(図示略)に連結された前後方向を向くケーブル(17)を保持するためのケーブル保持部(10b)が設けられている。
【0016】(11)は、ボディ(1)の裏面側に突出したポール(5)の軸部(5a)に固着されるとともに、車外側に延出する第1アーム(11a)及び車内側に延出する第2アーム(11b)を有するロック解除手段をなすオープンレバーで、オープン方向(図2及び図3において時計方向)に回動することにより、ポール(5)をラッチ(4)の係合から解除させて、ドアを開くことができる。
【0017】(13)は、ボディ(1)の裏面側に、前後方向の軸(12)をもって枢着されるアウトサイドレバーで、その車外側の端部が、ケーブル(14)を介してアウトサイドハンドルに連結されて、アウトサイドハンドルの開扉操作によって、オープン方向(図2及び図3において反時計方向)に回動する。
【0018】(15)は、ベースプレート(9)の取付面(9a)に、左右方向の軸(16)をもって枢着されたインサイドレバーで、その下方には、L字形溝(15a)が設けられており、上端部がケーブル(17)を介してインサイドハンドルに連結され、インサイドハンドルの開扉操作によって、オープン方向(図4〜6において反時計方向)に回動するようになっている。
【0019】ボディ(1)の上方には、アウトサイドハンドルの開扉操作によって、車外からドアを開くことができる解錠状態と、アウトサイドハンドルの開扉操作を無効にして、ドアを開くことができない施錠状態とに切り替え可能な車外施解錠手段(18)が、また、ボディ(1)の下方には、インサイドハンドルの開扉操作によって、車内からドアを開くことができる解錠状態と、インサイドハンドルの開扉操作を無効にして、ドアを開くことができない施錠状態とに切り替え可能な車内施解錠手段(19)が設けられている。車外施解錠手段(18)及び車内施解錠手段(19)が共に施錠状態になると、後述するスーパーロック状態になる。
【0020】車外施解錠手段(18)は、後述する車外操作用のモータ(20)、セクタギヤ(21)、連結部材(22)、キーレバー(23)、及び施解錠機構をなす施解錠レバー(24)と第1、2サブレバー(25)(26)を有している。
【0021】モータ(20)は、モータ用ケース(27)によって、図7に示すように、カバー(10)の上部内側に左右方向に向けて固定され、遠隔操作スイッチまたは車内に設けた操作スイッチの施解錠操作によって予め定めた方向に回転するように制御されている。
【0022】セクタギヤ(21)は、カバー(10)の内側に設けられた軸受部(10c)に、左右方向を向く軸部(21a)をもって枢着されるとともに、外周に形成されたギヤ部(21b)がモータ(20)の回転軸に固嵌したピニオンギヤ(20a)に噛合して、モータ(20)の回転により時計方向及び反時計方向に所定角度回動しうるようになっている。また、軸部(21a)とギヤ部(21b)間には、車内側を向く突起(21c)が設けられている。
【0023】連結部材(22)は、カバー(10)の内側に上下動可能に支持され、上下方向のほぼ中央に設けられた係合孔(22c)に、セクタギヤ(21)の突起(21c)が係合されて、操作スイッチの解錠操作によってモータ(20)を介してセクタギヤ(21)が図4において時計方向に回動すると、下端に設けられた当接部(22f)が、車内施解錠手段(19)に接近するように下方に移動し、また操作スイッチの施錠操作により、モータ(20)を介してセクタギヤ(21)が反時計方向に回動すると、当接部(22f)が、車内施解錠手段(19)から離れるように上方に移動する。さらに、連結部材(22)は、上下方向の長孔(22a)と、車外側に向けて突出した係合部(22b)と、車外側に突出したアーム(22d)と、下端に設けられて車外側に突出した係合部(22e)とを有している。
【0024】キーレバー(23)は、左右方向を向く円柱状の基部(23a)の車内側に突設され、かつ連結部材(22)の長孔(22a)に摺動自在に嵌挿される軸部(23b)をもって、カバー(10)の内側に形成された、図7に示す軸受部(10d)(10e)に枢着されるとともに、連結部材(22)の係合部(22b)に、車外施解錠手段(18)の操作ストロークに相当する遊びを介して連結される二股状の係合アーム(23c)と、車外側に開口し、かつドアの車外側に配設されたキーシリンダ(A)から延出した板状の連結杆(A1)が嵌入される挿入孔(23d)とを有しており、キーシリンダ(A)の操作によって回動して、係合アーム(23c)が連結部材(20)の係合部(22b)に係合することによって、連結部材(22)を上下方向に移動させる。
【0025】施解錠レバー(24)は、合成樹脂材料により形成されるとともに、ボディ(1)の裏面側に設けられた軸受部(1b)に、後方を向く軸部(24a)をもって枢着され、かつ車内側の端部に設けられた突起(24b)が、連結部材(22)のアーム(22d)に係合されており、モータ(20)及びキーレバー(23)のいずれかの作動により、連結部材(22)を介して、図2に示す施錠位置と、施錠位置から反時計方向に回動した図3に示す解錠位置とに移動することができる。施解錠レバー(24)の下方を向くアーム(24c)の先端に設けられた弾性変形可能な舌片状のチェック部(24d)は、ボディ(1)に設けられた突起(1c)に圧接することにより、施解錠レバー(24)を施錠位置及び解錠位置に弾圧保持する。
【0026】第1サブレバー(25)は、上部に穿設された上下方向の長孔(25a)が、施解錠レバー(24)に設けられた突起(24e)に摺動可能に係合され、下端部に突設された軸部(25b)が、アウトサイドレバー(13)の連結孔(13a)に回動可能に連結されている。第2サブレバー(26)は、下端部が軸部(25b)に枢着されるとともに、ばね(28)によって第1サブレバー(25)に接近する方向に付勢され、オープンレバー(11)の第1アーム(11a)に係脱可能な解除部(26a)を有している。
【0027】第1、2サブレバー(25)(26)は、施解錠レバー(24)の解錠位置及び施錠位置への移動に従動して、図3に示すように、第2サブレバー(26)の解除部(26a)が、オープンレバー(11)の第1アーム(11a)に係合可能な解錠位置と、図2に示すように、係合不能な施錠位置とに移動することができる。
【0028】以上のように、車外施解錠手段(18)が解錠状態あるときは、施解錠レバー(24)及び第1、2サブレバー(25)(26)が解錠位置にあって、アウトサイドハンドルの開扉操作により、アウトサイドレバー(13)がオープン方向に回動して、第1、2サブレバー(25)(26)が下方に移動すると、第2サブレバー(26)の解除部(26a)がオープンレバー(11)の第1アーム(11a)に係合して、オープンレバー(11)をオープン方向に回動させて、ポール(6)をラッチ(4)から離脱させてドアを開けることができる。
【0029】また、車外施解錠手段(18)が施錠状態にあるときは、施解錠レバー(24)及び第1、2サブレバー(25)(26)が施錠位置にあって、第2サブレバー(26)の解除部(26a)が、オープンレバー(11)の第1アーム(11a)に対して空振りするので、アウトサイドハンドルの開扉操作は無効になり、ドアを開けることができない。
【0030】なお、従来のドアロック装置は、ドアの車内側に設けられたロックノブを操作することにより、施解錠手段を施錠または解錠状態に操作しうるようになっているが、本発明の実施形態におけるドアロック装置は、不正手段によってロックノブが解錠操作されないように、ロックノブは有していない。したがって、車外施解錠手段(18)の操作は、車外からは、上述のようにキーシリンダ(A)及び遠隔操作スイッチのいずれかで行われ、また、室内からは、運転席近傍に設けられた操作スイッチの電気的操作のみにより可能で、手動による操作はできないようになっている。また、車外施解錠手段(18)の施解錠状態は、検出スイッチ(図示略)が車外施解錠手段(18)の各状態を検出して、室内等に設けた表示ランプ等によって表示するようにしてある。
【0031】次に、車内施解錠手段(19)について説明する。車内施解錠手段(19)は、後述する車内操作用のモータ(29)、切替レバー(30)、連係レバー(31)、及び係脱部材(32)を有している。
【0032】モータ(29)は、モータ用ケース(33)によって、図7に示すように、カバー(10)の下部内側に左右方向に向けて固定され、遠隔操作スイッチによる車外からの施解錠操作によって所定の方向に回転するように制御されている。
【0033】切替レバー(30)は、ベースプレート(9)の取付面(9a)に、車内側を向く軸部(30a)をもって枢着され、かつインサイドレバー(15)のL字形溝(15a)に重合する前後方向の長孔(30b)と、モータ(29)のピニオンギヤ(29a)に噛合するギヤ部(30c)とを有しており、モータ(29)の回転によって、図4に示す施錠位置と、図5及び図6に示す解錠位置とに移動することができる。この施錠位置及び解錠位置の保持は、舌片状の弾性変形可能なチェック部(30d)が、取付面(9a)に突設された突起(9b)に弾接することによって行われる。
【0034】さらに、切替レバー(30)の車内側の側面には、ドアを開けたときのみ、手動操作により切替レバー(30)を施錠位置及び解錠位置に操作できるように、ドアのインナーパネルからドア外に突出する摘み部(30d)が設けられている。
【0035】連係レバー(31)は、インサイドレバー(15)と同軸(16)上に枢着され、かつオープン方向(図4〜6において反時計方向)の回動により、オープンレバー(11)の第2アーム(11b)に係合可能な解除部(31a)及び連結部材(22)の係合部(22e)に係合可能で、連結部材(22)を下方に移動させて、車外施解錠手段(18)を解錠状態に移動させうるキャンセル部(31b)と、インサイドレバー(15)のL字型溝(15a)及び切替レバー(30)の長孔(30b)に重合する上下方向の長孔(31c)とを有している。
【0036】係脱部材(32)は、上部に穿設された上下方向の長孔(32a)が軸(16)に摺動自在に係合されるとともに、下部に突設された突起(32b)が切替レバー(30)の長孔(30b)、連係レバー(31)の長孔(31c)及びインサイドレバー(15)のL字型溝(15a)に嵌入されて、切替レバー(30)の施解錠移動により上下方向に移動し、図4に示す施錠位置と、図5及び図6に示す解錠位置とに移動する。
【0037】係脱部材(32)が施錠位置にあるときは、突起(32b)がL字型溝(15a)の角部に位置して、インサイドレバー(15)のオープン方向の回動にともないL字型溝(15a)が突起(32b)に対して空振りして、インサイドレバー(15)の回動が連係レバー(31)に伝達されないようになっている。また、解錠位置にあるときは、突起(32b)がL字型溝(15a)の下端に位置して、インサイドレバー(15)と連係レバー(31)とを接続して、インサイドレバー(15)のオープン方向の回動により、連係レバー(31)もオープン方向に回動するようになっている。
【0038】係脱部材(32)の上端には、連結部材(22)の当接部(22f)と互いに上下方向に当接可能な当接部(32c)が設けられている。係脱部材(32)の当接部(32c)と連結部材(22)の当接部(22f)との係合関係において、連結部材(22)が下方に移動すると、当接部(22f)が係脱部材(32)の当接部(32c)に当接して、係脱部材(32)を下方に移動させて、車内施解錠手段(19)を解錠状態に移動させる。また、係脱部材(32)が上方に移動すると、当接部(32c)が連結部材(22)の当接部(22f)に当接して、連結部材(22)を上方に移動させて、車外施解錠手段(18)を施錠状態に移動させる。
【0039】以上のように、車内施解錠手段(19)が解錠状態にあるときは、切替レバー(30)及び係脱部材(32)が解錠位置にあって、インサイドレバー(15)と連係レバー(31)とは、係脱部材(32)をもって接続されている。この状態においては、インサイドハンドルが操作されると、連係レバー(31)がインサイドレバー(15)と一体になってオープン方向に回動することにより、連係レバー(31)の解除部(31a)がオープンレバー(11)の第2アーム(11b)に係合して、オープンレバー(11)を作動させて、ポール(6)をラッチ(4)から離脱させてドアを開けることができる。すなわち、この状態においては、車外施解錠手段(18)が施錠状態あるか解錠状態にあるかに関わりなく、常時、インサイドハンドルの操作によりドアを開けることができる。すなわち、オーバーライド操作が可能になっている。
【0040】車内施解錠手段(19)が施錠状態にあるときは、切替レバー(30)及び係脱部材(32)は施錠位置にあって、インサイドレバー(15)と連係レバー(31)との接続は切断され、インサイドレバー(15)のオープン方向の回動は連係レバー(32)には伝達されない。したがって、この施錠状態においては、インサイドハンドルを操作しても、ドアを開けることができない。また、この状態においては、車外施解錠手段(18)も施錠状態にあり、アウトサイドハンドル及びインサイドハンドルの操作、並びにオーバーライド操作を不能にしたスーパーロック状態になる。
【0041】(34)は、前後方向を向く筒部(34a)が、ボディ(1)の上方隅部に設けられた軸孔(1d)に回動可能に嵌合された検出部材で、図10に示すように、ボディ(1)に穿設された挿通窓(1e)を介してボディ(1)の前面から収納部(1a)に進入して、ラッチ(4)のカム溝(4d)に嵌合する第1アーム(34b)と、ボディ(1)の前面に沿って延出された第2アーム(34c)(図2参照)とを有しており、ラッチ(4)のオープン位置からフルラッチ位置への移動に連動して、図9において反時計方向に回動するようになっている。
【0042】図2において、(35)は、ボディ(1)の前面に固定された検出スイッチで、検出部材(34)の移動を検出してラッチ(4)の各位置を検出する。(36)は、検出部材(34)の筒部(34a)内に、軸部(36a)が回動可能に挿入されたエマージェンシー操作部材で、ボディ(1)の前面において施解錠レバー(24)に設けられたアーム(24f)に係合するアーム(36b)と、軸部(36a)の後端面に設けられたスリット状の操作孔(36c)とを有している。
【0043】操作孔(36c)は、ドアを開けた状態において、ドアのインナーパネルを介して外部に露出するように取り付けられる。この操作孔(36c)に、キープレート等を挿入して、検出部材(34)全体を回動させることにより、施解錠レバー(24)を解錠位置から施錠位置に、またはその逆に移動させることができる。
【0044】次に、本発明における実施形態の各状態の作用について説明する。
(車外施解錠手段及び車内施解錠手段が解錠状態)図3及び図6に示す。この状態においては、車外からアウトサイドハンドルを開扉操作することにより、ケーブル(14)、アウトサイドレバー(13)、第1,2サブレバー(25)(26)を介して、オープンレバー(11)をオープン方向に回動させてドアを開けることができる。
【0045】また、車内からインサイドハンドルを操作した場合も、ケーブル(17)、インサイドレバー(15)、係脱部材(32)、連係レバー(31)を介して、オープンレバー(11)をオープン方向に回動させてドアを開けることができる。
【0046】図3及び図6に示す状態から、キーシリンダー(A)を施錠操作するか、または操作スイッチを施錠操作して車外操作用のモータ(20)を回転させると、キーレバー(23)またはセクタギヤ(21)によって、連結部材(22)を下方に移動させて、車外施解錠手段(18)を施錠状態にすることができる。
【0047】また、車外から遠隔操作スイッチを施錠操作して、車内操作用のモータ(29)を回転させると、車内施解錠手段(19)が解錠状態から施錠状態になるとともに、係脱部材(32)の当接部(32c)が、連結部材(22)を上方に押動することによって、車外施解錠手段(18)も施錠状態になり、スーパーロック状態になる。
【0048】(車外施解錠手段が施錠状態、車内施解錠手段が解錠状態)図2及び図5に示し、この状態においては、オーバーライド操作が可能である。車外からアウトサイドハンドルを開扉操作した場合は、第2サブレバー(26)の解除部(26a)が、オープンレバー(11)の第1アーム(11a)に対して空振りするため、ドアを開けることができない。
【0049】車内からインサイドハンドルを操作した場合は、オーバーライド操作となり、車外施解錠手段(18)が施錠状態にあっても、ドアを開けることができる。さらに、それと同時に、連係レバー(31)のキャンセル部(31b)が、連結部材(22)の係合部(22e)に係合して、連結部材(22)を下方に移動させることによって、車外施解錠手段(18)を施錠状態から解錠状態に切り替える。
【0050】図2及び図5に示す状態から、遠隔操作スイッチを操作して、モータ(29)を回転させると、車内施解錠手段(19)を施錠状態にして、スーパーロック状態になる。
【0051】(車外施解錠手段及び車内施解錠手段が施錠状態)図2及び図4に示す状態は、スーパーロック状態であって、車外からアウトサイドハンドルを操作しても、車内からインサイドハンドルを操作しても、ドアを開けることができない。したがって、オーバーライド操作がキャンセルされるため、不用意にインサイドハンドルが操作されてドアが明けられることを防止できる。
【0052】スーパーロック状態から、キーシリンダ(A)を解錠操作することにより、車外施解錠手段(18)を解錠状態にすることができるとともに、連結部材(22)の当接部(22f)が、係脱部材(32)を下方に押動して、車内施解錠手段(19)を解錠状態にすることができる。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
(a)請求項1記載の発明によると、車内操作用のモータを作動させることにより、車内施解錠手段及び車外施解錠手段を、同時に解錠状態から施錠状態に切り替えることができるので、解錠操作時に、2個のモータを同時に作動させるときのように、大量に電力消費することがない。
【0054】(b)請求項2記載の発明によると、車内施解錠手段が解錠状態から施錠状態に切り替わることにより、車外施解錠手段を、確実に解錠状態から施錠状態に切り替えることができる。
【0055】(c)請求項3記載の発明によると、切替レバーを、車内操作用のモータによって直接移動させることができるので、車内施解錠手段の構成を簡素化することができる。
【出願人】 【識別番号】000148896
【氏名又は名称】株式会社大井製作所
【出願日】 平成12年3月2日(2000.3.2)
【代理人】 【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一 (外2名)
【公開番号】 特開2001−248347(P2001−248347A)
【公開日】 平成13年9月14日(2001.9.14)
【出願番号】 特願2000−56874(P2000−56874)