トップ :: E 固定構造物 :: E05 錠;鍵;窓または戸の付属品;金庫




【発明の名称】 引き違い戸の施錠装置
【発明者】 【氏名】宇野 千利

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 四方枠を有する引き違い戸の、前後の引戸の閉鎖位置における、前後に重なる前側引戸の縦框には、シリンダー錠を取り付け、また後側引戸の縦框には前記シリンダー錠の出没式の先端部が嵌入する嵌合孔を穿設するとともに、前後の引戸の閉鎖位置における各縦框の対向面の離間距離を一定に保持する距離保持手段を、各縦框の対向面に取着したことを特徴とする引き違い戸の施錠装置。
【請求項2】 距離保持手段が、前記各縦框の対向面の一方に、左右方向を向く係合片を設け、他方に左右方向に開放する係合枠を設け、前後の引戸の閉鎖操作時において前記係合片を係合枠に係合させるようにした係合手段と、前記各縦框の少なくともいずれか一方の対向面に取着した、前記係合片の係合枠への係合を円滑に行うための前記各縦框の前後方向の位置決めを行う係合誘導手段とからなることを特徴とする請求項1記載の引き違い戸の施錠装置。
【請求項3】 係合誘導手段が、高さが各縦框の対向面の離間距離よりやや短寸で、かつ周縁部が下方に向かって傾斜する円盤で、該円盤の円中心で軸着したものであることを特徴とする請求項2記載の引き違い戸の施錠装置。
【請求項4】 距離保持手段をシリンダー錠の上下にそれぞれ配設したことを特徴とする請求項1〜3記載のいずれかに記載の引き違い戸の施錠装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、引き違い戸の施錠装置に関する。
【0002】
【従来の技術】引き違い戸にシリンダー錠を取り付けて施錠させる装置は、たとえば特開平9−119249号公報に記載されている。
【0003】前記施錠装置においては、引き違いガラス戸の袴部の前側のものに、シリンダー錠が取り付けられ、後側のものに錠受孔が設けられている。そのため、前後の袴部の対向面の離間距離を広げて、施錠されたシリンダー錠の錠杆を、錠受孔から外そうとしても外すことはできない。
【0004】しかし、シリンダー錠を、引き違い戸の高さ方向の中央部に取り付けた場合には、引き違い戸の縦框を撓ませると、施錠されたシリンダー錠の錠杆を、錠受孔から外して、引き違い戸を簡単に開戸することができるため、盗難防止上、充分でない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点に対処して、シリンダー錠を、縦框の中央部に取り付けた場合にも、重なり合う縦框の対向面の離間距離を一定に保持させて、施錠されているシリンダー錠の錠杆を、錠受孔から外すことができないようにした、引き違い戸の施錠装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課題は次のようにして解決される。
(1)四方枠を有する引き違い戸の、前後の引戸の閉鎖位置における、前後に重なる前側引戸の縦框には、シリンダー錠を取り付け、また後側引戸の縦框には前記シリンダー錠の出没式の先端部が嵌入する嵌合孔を穿設するとともに、前後の引戸の閉鎖位置における各縦框の対向面の離間距離を一定に保持する距離保持手段を、各縦框の対向面に取着する。
【0007】(2)上記(1)項において、距離保持手段が、前記各縦框の対向面の一方に、左右方向を向く係合片を設け、他方に左右方向に開放する係合枠を設け、前後の引戸の閉鎖操作時において前記係合片を係合枠に係合させるようにした係合手段と、前記各縦框の少なくともいずれか一方の対向面に取着した、前記係合片の係合枠への係合を円滑に行うための前記各縦框の前後方向の位置決めを行う係合誘導手段とからなる【0008】(3)上記(2)項において、係合誘導手段が、高さが各縦框の対向面の離間距離よりやや短寸で、かつ周縁部が下方に向かって傾斜する円盤で、該円盤の円中心で軸着したものとする。
【0009】(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、距離保持手段をシリンダー錠の上下にそれぞれ配設する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0011】図1は、本発明の引き違い戸の施錠装置を商品陳列棚に実施した正面図、図2は、図1に示す商品陳列棚の一部分を省略した分解斜視図、図3は戸枠の一部分を省略した縦断側面図である。
【0012】本体(1)は、左右の側枠(2)(2)と、側枠(2)(2)の上部にまたがって架設された天板(3)と、天板(3)の下側に架設された棚板(4)と、側枠(2)(2)の中央にまたがって立設された背板(5)と、側枠(2)(2)の前側にまたがって取付けられた垂直の戸枠(6)と、戸枠(6)に引き違い式に嵌め込まれた引戸(7)(8)とを備えている。
【0013】各側枠(2)は、長寸の中央支柱(9)と、中央支柱(9)よりも短寸の前支柱(10)と後支柱(11)との対向面同士を、前後方向の上部の連結部材(12)と下部の連結部材(13)により連結して形成されている。
【0014】左右の側枠(2)(2)の中央支柱(9)(9)の対向面同士は、左右方向の上部の連結部材(14)と下部の連結部材(15)により連結されている。
【0015】また、各側枠(2)の外側面には、枠(16)付きの金網(17)を取付けて、本体(1)の内部が見えるようにしてある。
【0016】天板(3)は、各側枠(2)における前支柱(10)と中央支柱(9)、および後支柱(11)と中央支柱(9)とを連結する上部の連結材(12)にまたがって架設され、その上面は、商品の陳列に利用される。
【0017】左右の前支柱(10)(10)間に組付される戸枠(6)は、上枠(6a)、下枠(6b)、左枠(6c)、および右枠(6d)を方形に接合して形成され、図3に示すように、上枠(6a)の下面には、鴨居(19)が、下枠(6b)の上面には、敷居(20)が、それぞれねじ(21)により取付けられている。なお、鴨居や敷居を別途設けずに、これらを、上枠および下枠と一体的に設けてもよい。
【0018】鴨居(19)には、引戸(7)(8)の上部が収まる下向きの前側戸溝(19a)と、後側戸溝(19b)とが、左右方向に形成されている。
【0019】敷居(20)には、引戸(7)(8)の下部が収まる上向きの前側戸溝(20a)と、後側戸溝(20b)とが、左右方向に形成され、各戸溝(20a)(20b)の前後方向の中央には、それぞれ、前レール(20c)と後レール(20d)とが、左右方向に設けられている。
【0020】引戸(7)は、左右の縦框(7a)(7b)と、上下の横框(7c)(7d)とにより、また、引戸(8)は、左右の縦框(8a)(8b)と、上下の横框(8c)(8d)とにより形成され、かつ金網(22)が張設されている。下方の横框(7d)(8d)の下面には、レール(20c)(20d)に係合しうる戸車(23)が取付けられている。
【0021】シリンダー錠(24)は、図4に示すように、鍵孔(24a)へ合鍵を挿入して、施解錠を行う市販のもので、引戸(7)(8)を閉鎖したときに、重なり合う前側の縦框(8a)から錠杆(24b)が後側の縦框(8a)へ対向するように取付けられる。
【0022】前側の縦框(8a)の上下方向の中間部に、前後方向の貫通孔(25)が設けられ、この貫通孔(25)へシリンダー錠(24)を後方から挿入し、シリンダー錠(24)の後端の上下に突出する取付片(26)を、ねじ(27)により、縦框(8a)の背面に取付けてある。
【0023】錠受孔(28)は、受金(29)に設けられており、この受金(29)を、錠受孔(28)に合わせて、あらかじめ、嵌合孔(31)を設けた後側の縦框(7b)へねじ(30)により取付ける。
【0024】前後に重なり合う引戸(7)と(8)の、縦框(7b)と(8a)の間隔を一定に保持させる距離保持手段(32)は、係合手段(35)と係合誘導手(36)よりなっている。
【0025】係合手段(35)は、図4に示すように、縦框(7b)と縦框(8a)との対向面の一方に、係合枠(33)を取付け、他方に係合片(34)を取付けて、両者を係合させることにより、縦框(7b)と縦框(8a)の間隔の拡がりを制止させるようになっている。
【0026】係合誘導手段(36)は、重なり合う縦框(7b)と縦框(8a)の対向面の一方へ取付けられて、取付面とは反対側の誘導面(36a)を他方の対向面に当接させ、両縦框(7b)、(8a)の離間距離の狭まりを規制し、前記係合手段(35)の係合枠(33)と係合片(34)とが円滑に係合するように誘導する機能を有する。
【0027】係合枠(33)は、左右方向に開口する浅いコ字形の上下に取付片(33a)を突設してなり、取付片(33a)をねじ(37)により、縦框(7b)の前面へ上下の方向に取付けて、係合枠(33)と縦框(7b)との間に、図5に示すように、係合片(34)を係合させる左右方向の隙間(38)が形成されるようにする。
【0028】係合片(34)は、板金を段状に折曲げて、前記隙間(38)へ挿入しうる舌片(34a)と、取付片(34b)とを形成し、取付片(34b)を、ねじ(39)により縦框(8a)へ取付けられている。
【0029】係合誘導手段部材(36)は、ゴムまたは合成樹脂により、高さが、前後に重なり合う縦框(7b)と、縦框(8a)との対向面の離間距離よりも、やや短寸の円盤に形成され、取付面(36b)とは、反対側の誘導面(36a)が中心部から周縁部に向かって弧状に傾斜(36c)する円盤状に形成されている。
【0030】また、係合誘導手段(36)の中心部には、前後方向の孔(40)が穿設され、この孔(40)の取付面(36b)側には、座ぐり(40a)が施されている。そのため、孔(40)に、ねじ(41)を通して、縦框(8a)の背面へ取付けると、ねじ(41)の頭(41a)は、座ぐり(40a)内へ収まる。
【0031】係合誘導手段(36)は、図4に示すように、上下の2箇所に取付けるのが、機能を充分に発揮させるうえで好ましい。
【0032】前記実施形態によれば、引戸(7)と(8)の閉鎖に際して、縦框(7b)と縦框(8a)とが重なり合うとき、縦框(8a)に取付けられた係合誘導手段(36)の誘導面(36a)が、中心部から周縁部に向かって弧状に傾斜しているために縦框(7b)と縦框(8a)との離間距離が一定になるように円滑に誘導され、係合手段(35)の係合片(34)は、係合枠(33)へ、円滑かつ確実に係合される。
【0033】次いで、シリンダ錠(24)を施錠し、錠杆(24b)を錠受孔(28)に係合させておけば、重なり合う縦框(7b)と、縦框(8a)とに力を加えて、両社を引き離そうとしても、係合手段(35)が、縦框(7b)と縦框(8a)との離間距離を一定に保持するため、引戸(7)(8)が不正に開放されることを防止することができる。
【0034】
【発明の効果】本発明によると、次のような効果を奏することができる。
(a)請求項1記載の発明によれば、距離保持手段によって重なり合う縦框の対向面の離間距離が一定に保持されるため、閉鎖操作の戸のがたつきが減少し、シリンダー錠の施錠が容易となるとともに、施錠状態においてシリンダー錠が外れることを防止できる。
【0035】(b)請求項2記載の発明によれば、重なり合う縦框の接近と、離間の両方が規制されるため、引き違い戸の閉鎖が円滑に行なわれ、かつ、閉鎖状態において、係合手段が縦框の離間を確実に阻止するため、引き違い戸の不正な開放を防止することができ、盗難予防上有効である。
【0036】(c)請求項3記載の発明によれば、係合誘導手段である円盤を円中心で軸着するために、取り付けの際に、円盤の方向決めの必要もなく、1点止めができるため、取り付けが簡単であり、かつ円盤の周縁部が下方に向かって傾斜しているため、引き違い戸の閉鎖操作時に、重なり合う縦框の対向面の離間距離が一定になるように円滑に誘導され、引き違い戸の閉鎖操作を容易に確実に行うことができる。
【0037】(d) 請求項4記載の発明によれば、離間距離の保持作用が上下の2箇所で行われるため、前記した諸効果の一層の向上と確実性が図られる。
【出願人】 【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社岡村製作所
【出願日】 平成12年3月6日(2000.3.6)
【代理人】 【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一 (外2名)
【公開番号】 特開2001−248346(P2001−248346A)
【公開日】 平成13年9月14日(2001.9.14)
【出願番号】 特願2000−60322(P2000−60322)