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【発明の名称】 電気シリンダ錠
【発明者】 【氏名】西口 満晴

【要約】 【課題】家具用の錠前として一般に多用されているシリンダ錠を基体として、簡単な構造で安価に製造でき、取扱いも容易な電気錠を提供する。

【解決手段】複数の内筒ピンPa′〜Pe′を内筒側に付勢した外筒1と、外筒ピンに対向させた複数の内筒ピンを具備すると共に先端部に作動体が設けられ且つキー3挿入孔を設けた内筒2とから成り、常態では、外筒ピンが内筒ピン収納孔2a〜2eに入り施錠状態にあり、キー3を挿入すれば、外筒ピンPa〜Peと内筒ピンPa′〜Pe′の当接ラインが外筒1と内筒2との境界面上に並び、キー3にて内筒2を回転させて解錠するシリンダ錠の、外筒1の1つ又は複数のピン収納孔に収納したピン、又は、施錠杆11を二重施錠用の電動ピンとし、二重施錠に際しては、内筒2からキー3を取外しピン又は施錠杆11を駆動力により下降させ、解錠に際しては、ピン又は施錠杆11を駆動力により元の位置に戻し、キー3の挿入,回転により、解錠されるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の外筒ピンを内筒側に付勢して具備した外筒と、前記外筒ピンに対向させた複数の内筒ピンを具備すると共に先端部に作動体が設けられ且つキー挿入孔を設けた内筒とから成り、常態においては、外筒ピンが内筒ピンの収納孔に入り込んで施錠状態にあり、前記キー挿入孔にキーを挿入すれば、前記外筒ピンと内筒ピンの当接ラインが外筒と内筒との境界面上に並び、前記キーを回転させて内筒を回転させて解錠するようにしたシリンダ錠において、前記外筒の1又は複数のピン収納孔に収納したピン、又は、該ピンに代えた施錠杆を二重施錠用の電動ピンとし、この電動ピンにそれを上下動させるための駆動源を結合し、二重施錠に際しては、前記内筒からキーを取外して前記ピン又は施錠杆を駆動力により下降させ、解錠に際しては、前記ピン又は施錠杆を駆動力により元の位置に戻してその位置に保持し、前記キー挿入孔へのキーの挿入,回転により、解錠されるようにしたことを特徴とする電気シリンダ錠。
【請求項2】 シリンダ錠において、最先端の外筒のピン収納孔に収納したピン又はピンに代えて収納した二重施錠用の施錠杆を、電気ー機械駆動力により上下動固定自在に形成すると共に、停電等の非常時には解錠専用キーを使用するようにした請求項1に記載の電気シリンダ錠。
【請求項3】 キーの摘子部をハンドルに一体的に取付けた請求項1又は2に記載の電気シリンダ錠。
【請求項4】 二重施錠用のピン又は施錠杆の電力による作動を暗証番号装置により行うようにした請求項1〜3のいずれかに記載の電気シリンダ錠。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家具用の錠として有用なシリンダ錠を用いた電気錠に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、家具用の錠として使用されている電気錠は、目的に合わせた設計により作製された専用のものが殆どであった。
【0003】然し乍ら、上記の従来の電気錠は、価格的に高価なものとなるばかりでなく、家具への取付けも専用の設計によらなければならず、特に電気錠自体に不具合の生じた場合は、別の非常解錠装置を必要とせざるを得なかったので、取扱上も不便なことが多かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のような従来技術に鑑み、従来家具用の錠前として一般に多用されているシリンダ錠そのものを基体とすることにより、簡単な構造で安価に製造でき、取扱いも容易な電気錠を提供することを、その課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決することを目的としてなされた本発明電気錠の構成は、複数の外筒ピンを内筒側に付勢して具備した外筒と、前記外筒ピンに対向させた複数の内筒ピンを具備すると共に先端部に作動体が設けられ且つキー挿入孔を設けた内筒とから成り、常態においては、外筒ピンが内筒ピンの収納孔に入り込んで施錠状態にあり、前記キー挿入孔にキーを挿入すれば、前記外筒ピンと内筒ピンの当接ラインが外筒と内筒との境界面上に並び、前記キーを回転させて内筒を回転させて解錠するようにしたシリンダ錠において、前記外筒の1又は複数のピン収納孔に収納したピン、又は、該ピンに代えた施錠杆を二重施錠用の電動ピンとし、この電動ピンにそれを上下動させるための駆動源を結合し、二重施錠に際しては、前記内筒からキーを取外して前記ピン又は施錠杆を駆動力により下降させ、解錠に際しては、前記ピン又は施錠杆を駆動力により元の位置に戻してその位置に保持し、前記キー挿入孔へのキーの挿入,回転により、解錠されるようにしたことを特徴とするものである。
【0006】上記シリンダ錠において、内筒の最先端部のピン収納孔にピンを収納せず、外筒の最先端部のピン収納孔に二重施錠用の施錠杆を電動ピンとして収納し、該電動ピンを駆動力により上下動固定自在にし、且つ、キーの長さをピン収納孔一つ分短く形成すれば、キー挿入孔にキーを挿入したまま前記電動ピンによる施錠ができ、従って、前記キーの摘子部分を家具の扉のハンドルとなる形態に形成すると、このハンドルを回転させようとしても回転できないので安全性は高く、また、施錠状態の電動ピンを復元させれば、そのまま前記ハンドルの回転によりシリンダ錠の施解錠ができるので、扉の開閉を行うことができる。なお、この場合において、解錠に際して二重施錠用の電動ピンの動きに不具合が生じたら、前記ハンドルと一体のキーをその挿入孔から抜き去り、前記電動ピンに届くように形成した上記のキーより長い非常解錠用のキーを用いる。なお、上記の駆動力としては、電気モータ,ソレノイドなどを使用する。
【0007】キーの摘子部を扉のハンドルとして掴めるように形成すると共に、シリンダ錠の内筒先端部にラッチのような作動体を取付ければ、キーをその挿入孔に挿入した状態のままそのハンドルを掴んで家具の扉などを開閉することができるが、キーと一体のハンドルを挿入孔から取り外せば、本来のシリンダ錠による施錠状態となり、この状態で二重施錠用の電動ピンを駆動力により下動させることにより、二重の施錠が行われるので、安全性が一層高くなる。
【0008】更に、二重施錠用の電動ピンを上下動させる駆動力の出力制御を、公知技術である暗証番号の入力方式により行うようにし、暗証番号の表示入力部を家具の扉などに取付けれるようにすれば、本発明電気シリンダ錠を取付ける家具などの体裁を損なうおそれはない。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明電気錠の実施の形態例を図により説明する。図1は既製シリンダ錠における外筒の先端部のピン収納孔を二重施錠用のピン収納孔とした例の断面図、図2は二重施錠用のピンを作動させる機構の一例の背面図、図3は外筒に設けた中間のピン収納孔に施錠杆を収納した例の断面図、図4は本発明電気錠を家具の扉に取付けた状態の正面図である。
【0010】図1において、1は公知シリンダ錠と同様のシリンダ錠の外筒で、図の例では上部に5個のピン収納孔1a〜1eを設け、各ピン収納孔に外筒ピンPa〜Peが収納され、各ピンは夫々にスプリングSにより下方に付勢されている。2は前記外筒1に嵌装した内筒で、上部に前記外筒1のピン収納孔1a〜1eに対向させてピン収納孔2a〜2eを設け、それらピン収納孔2a〜2eに内筒ピンPa′〜Pe′が収納されると共に、ピン収納孔2a〜2eの下方が、キー3を挿入するための溝状をなすキー挿入孔2fに形成してある。ここで、外筒1の一番奥のピンPeは二重施錠用の電動ピンとして作用するようになっていて、以上の外筒1及び内筒2によりシリンダ錠CRの本体を構成する。なお、内筒先端のピンPe′は、非常開錠のために使用する非錠用キーに対応するためのものである。このシリンダ錠CRの本体は、公知或は既製のシリンダ錠と同じ構造であるから、本発明ではシリンダ錠に既製品を使用することもできる【0011】3は内筒2のキー挿入孔2fに挿入したキーで、このキー3を挿入することにより、内外筒1,2におけるピンPa〜PeとPa′〜Pe′の当接部が一線上になるので、この状態でキー3を回転すれば、内筒2が回転する。従って、内筒2の先端部にラッチなどの作動体Lを取付けておけば、キー3の回転により作動体Lは回転て、鎖錠又は解錠状態に置かれるようになっている。この点は、公知シリンダ錠と同じである。
【0012】本発明では、上記シリンダ錠において、キー3の先端側を内筒ピン2e′に作用しないように短く形成し、かつ、二重施錠に利用するピンPeを電動ピンとしてモータやソレノイドを利用した駆動力により作動させるようにしたものであるので、次にその機構例と作動例について説明する。即ち、図2に例示するように、外筒1の側面に配置したコ字状をなすフレーム4に装着したモータMの回転軸5に出力歯車6を取付け、該歯車6に噛合する歯車7の軸に螺杆8を一体に取付ける一方、この螺杆8に駆動ナット9を螺合させると共に、該駆動ナット9の一側に連結用の取付部材10を介してピン状をなす施錠杆11を、電動ピンとして取付け、この杆11の先端部をピン収納孔1eに挿入する一方、駆動ナット9の他側はフレーム4に装着したストローク検出器12に関連させて作動機構の一例を形成する。
【0013】この機構では、キー挿入孔2fからキー3を抜き取った状態(施錠状態)でモータMを駆動し、該モータMの駆動が歯車6,7を経由して螺杆8に伝達されると、この螺杆8の回転によって、駆動ナット9が下降し、施錠杆11の先端部が図1の二重施錠用の外筒1のピンPeを押し下げるので、このピンPeの中間部が外筒1と内筒2の境界部に位置して外筒1内での内筒2の回転を不能にし、二重施錠状態となる。この二重施錠状態では、キー3を挿入孔2fに入れても、解錠できない。この二重施錠状態から解錠する場合は、モータMを上記とは逆に回転させれば、駆動ナット9も同様に回転して、施錠杆11は上昇する。この上昇はストローク検出器12により検出されて、ピンPeの下端がピン収納孔1e内に収納されたことを確認するので、そこでモータMの駆動を停止すればよい。この状態でキー挿入孔2fへキー3を挿入して回転すれば、解錠される。ここで、キー3を挿入するタイミングは、前記ピンPeを上昇させる前,後のいずれであってもよい。また、施錠杆11にはそれを下向きに付勢するスプリング11aが設けられている。【0014】なお、上記例において電動ピンとして作動させたピンPeに代え長目に形成した施錠杆11をピン収納孔1eに収納し、二重施錠に際しては、該施錠杆11をその下端部をピン孔1e,2eの境界部より下に位置するように下降させるようにしてもよい。この場合には、先に述べた内筒先端のピンPe′は要らない。【0015】本発明においては、上記例におけるキー3の摘子部3aを家具の扉のハンドルN(図4参照)などに一体的に形成することがある。この場合において、電動ピンPeを作動させる解錠に際して、二重施錠用の前記ピンPe又は施錠杆11が停電などで動作できない不具合が生じたら、ハンドルと一体のキー3を抜き去り、前記ピンPe又は施錠杆11に作用する鍵山部を具備した上記のキー3より長い非常解錠用のキー(図示せず)を用いる。【0016】また、上記例においては、二重施錠用の電動ピンを最先端のピンPeとしたが、図3に示すように、中間適宜の位置のピン、例えば、ピンP3としてもよい。この場合にもピンP3に代え上記例の施錠杆11と同形態の杆11を用いることができる。中間部のピン又は施錠杆を電動ピンとして作用させる場合には、当該中間部のピン(又は施錠杆)は、通常キー3が作用せず(当該部位に鍵山がない)、非常用キーのみが作用するように、各キーを形成する。即ち、図3は、ソレノイドSのロッドSrにより作動される二重施錠用の施錠杆A(ピンP3を兼用)を用いた例であり、Hは施錠杆Aの頭1aを内部スプリングdにより押さえた状態で保持するホルダである。この構造の場合には、キー3をキー挿入孔2fから抜き取った状態で、上記と同様の操作を行えばよい。図3において、P1〜P5は外筒ピン、P1′〜P5′は内筒ピンである。なお、二重施錠用のピン又は施錠杆を作動させる電気系統に不具合の生じて動かせない場合は、非常解錠用のキーを用いて解錠する点は、先の例と同じである。
【0017】上述した本発明電気シリンダ錠は、内筒2の先端部にラッチLを定着し、該内筒2の前側を露出させて家具等の扉に取付け、該扉の枠に前記ラッチLを受け入れて係止する係止部(図示せず)を設ける一方、キー3の摘子部3aにハンドルNを一体的に形成して、キー3をキー挿入孔2fに挿入しておけば、ハンドルNを掴んで扉を開閉でき、また、施錠する場合は、キー3をハンドルNと共にキー溝2fから抜き出して、モータMを又はソレノイドS等の駆動源を作動させて二重施錠用の電動ピンであるピンPe又は施錠杆11を下降させれば、扉はシリンダ錠と電気錠とによる二重の施錠を行うことができるので、安全性は極めて高いものとなる。なお、上記例では電動ピンを1本に設定したものであるが、少なくとも1本のピンをキー3用として残し、2本以上のピンを電動ピンとして作動させるように設定することも可能である。【0018本発明においては、電動ピンの作動駆動源であるモータM又はソレノイドSの駆動に、公知の暗証番号による入力回路を採用すれば、図4に例示するように金庫等の扉Dの表面に平板な暗証番号入力装置Iを取付けることにより、家具の体裁を損なうおそれも殆んどない。
【0019
【発明の効果】本発明は上述のとおりであって、家具用などの錠として従来多用されているシリンダ錠をそのまま用い、その中の少なくとも1本のピンを電動ピンとしてモータ等の駆動力で上下動させ、前記シリンダ錠による施錠と電動ピンによる施錠の二重施錠が可能な電気シリンダ錠に形成したから、その家具等への取付は従来のシリンダ錠と殆んど同じで極めて簡易であり、また、従来の専用電気錠に比べて構造が極めて簡潔で低廉に作製提供することができ、更に、二重施錠のための電動ピンであるピン又は施錠杆の作動は小さな力しか必要としないので、小さな駆動機構で足り、従って、小型のモータやソレノイドにより電動ピンの駆動源を実現できる。なお、本発明電気シリンダ錠は家具に限られることなく、他の物品の扉などにも適用できること勿論である。
【0020】また、本発明の電気シリンダ錠は、電動ピンの上下方向の動きを外部から検出できるように設定しておくことにより、ピンの不正な動きを検出することが可能となるので、盗難等の以上検出機能を付加することができて、安全性の極めて高い錠前となる。
【出願人】 【識別番号】597172801
【氏名又は名称】株式会社三友テクノス
【出願日】 平成12年2月15日(2000.2.15)
【代理人】 【識別番号】100092679
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 盛之助 (外1名)
【公開番号】 特開2001−227211(P2001−227211A)
【公開日】 平成13年8月24日(2001.8.24)
【出願番号】 特願2000−36573(P2000−36573)