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【発明の名称】 引戸用係止保持装置
【発明者】 【氏名】山本 哲也

【氏名】坂元 淳一

【要約】 【課題】引戸面から突出することなく、また、係止解放の操作性に優れたハンドルを備えた引戸用係止保持装置を提供すること。

【解決手段】建物の縦枠体には係止受けを設け、引戸には引戸を閉めたときにその係止受けを係止して引戸閉を保持するラッチ係止部と、ラッチ係止部の係止を解放させるハンドル操作部とを設けて構成された引戸用係止保持装置において、ベ−ス体50の正面凹形内に、引戸開方向に押動可能なハンドル51を設けると共に、このベ−ス体50の背後にハンドル51の押動操作力を上記ラッチ係止部の連動レバ−28に伝達する駆動レバ−52、第1リンクレバ−58、クランク65、ジョイントア−ム71からなる動力方向変換機構を備えた構成としてある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 引戸を設備する建物枠体には係止受けを設け、引戸の戸先部には、引戸の閉操作で上記係止受けを係止するラッチを有するラッチ係止手段と、ラッチの係止を解放させるためのハンドルを有するハンドル操作手段とを備えた引戸用係止保持装置において、ベ−ス体の正面凹形内にハンドルを備えたハンドル操作手段を設け、ハンドルが引戸面からはみ出さない構成としたことを特徴とする引戸用係止保持装置。
【請求項2】 ラッチ係止手段に施解錠機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載した引戸用係止保持装置。
【請求項3】 ラッチ係止手段には上下方向に移動させてラッチを解放させる連動部材を設けると共に、ハンドル操作手段には、引戸の開方向に操作可能なハンドルと、このハンドルの操作力を上下方向の駆動力に変換し上記連動部材を移動させる動力方向変換機構を設けたことを特徴する請求項1または2に記載した引戸用係止保持装置。
【請求項4】 ハンドルを前面側に、動力方向変換機構を後面側に各々配設したベ−ス体と、動力方向変換機構を覆うように上記のベ−ス体に設けたカバ−とより構成したハンドル操作手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載した引戸用係止保持装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建物に設備される引戸の閉め状態を保持するための引戸用係止保持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】建物の引戸は手軽に開閉できるようになっているため、閉める際に必要以上の力で閉め操作すると、建物枠体に当る引戸の戸先面の反動作用によって、引戸が押し戻される。このため、引戸と建物枠体とに間隔が生ずる戸開き状態となる。
【0003】この問題を解決するため、引戸を閉めたとき、閉め状態を保持するための係止保持装置を備えた引戸が提案されている。このような引戸の係止保持装置には様々な装置構成のものがあるが、その一例を図7〜図10にもとづいて簡単に説明する。
【0004】図7は係止保持装置を備えた引戸分部の内面側を示している。図示するように、引戸が設備される建物の縦枠体10には、引戸20に向けた係止受け11が設けられている。この係止受け11は、U字形に折り曲げた円形断面の棒状のもので、両端部分が縦枠体10に固着されている。
【0005】引戸20には、施錠機能を有するラッチ係止部(ラッチ係止手段)21と、キ−操作可能な施解錠操作部22と、ラッチの係止を解放させるハンドル操作部(ハンドル操作手段)23とからなる係止保持装置が取付けられている。
【0006】ラッチ係止部21は、図8に示した如く、ラッチケ−ス24内に設けられている、ラッチ25、係止レバ−26、係止解放レバ−27、連動レバ−(連動部材)28、施解錠スライダ−29から構成されている。
【0007】ラッチ25は支軸30によって軸支され、スプリング31によって常時復動勢力を受けており、引戸20を閉めることによってラッチケ−ス24の溝24aから入いる係止受け11をその係止溝25aによって係止する。
【0008】係止レバ−26は支軸32によって軸支され、スプリング33によって反時計方向の旋回勢力を受けており、係止受け11を係止したラッチ25の戻り回動を阻止するように係止保持する。(図9参照)このように係止受け11がラッチ25によって係止されることにより、引戸20が閉めた位置で係止保持される。
【0009】引戸20を開ける場合は、ハンドル操作部23のハンドル34を押動操作(紙面に対し直角方向の押動操作)しながら引戸20を開き操作する。ハンドル34を押動操作すると、連動レバ−28が引き下げられ、その舌片部28aに軸着されている係止解放レバ−27が下方に移動する。
【0010】係止解放レバ−27は先端部に連動爪部27aを有し、この連動爪部27aが係止レバ−26の連動ピン26aを時計方向に旋動する。この動作で係止レバ−26がスプリング33のばね勢力に抗して時計方向に旋回し、ラッチ25の係止保持を解除する。
【0011】この結果、ラッチ25がスプリング31のばね力を受けて図9の位置から図8の位置まで戻り回動し、係止受け11の係止を解放することから、引戸20を開くことができる。なお、ハンドル34の押動操作を解放することにより、連動レバ−28がスプリング35のばね勢力を受けて図8に示す位置に上昇移動する。したがって、係止レバ−26がラッチ25の非係止部に圧接する状態となる。
【0012】一方、施解錠スライダ−29は、左右に位置をずらせた下側のガイド孔36aと上側のガイド孔36bと、これらガイド孔36a、36bを連通させたガイド孔が設けてある。そして、上記したように解錠状態で引戸20を開閉するときは、係止解放レバ−27のガイドピン27bが下側のガイド孔36a内を移動する。
【0013】また、この施解錠スライダ−29は施解錠操作部22の操作にしたがって上下動し、ラッチ係止部21を施錠状態とする。施解錠操作部22は図7に示すように、引戸20の内面側に施錠ボタン37を、その外面側にキ−孔38を備えている。
【0014】この施解錠操作部22は、キ−または施錠ボタン37による施錠操作により、その連動杆39が下降移動し、施解錠スライダ−29を押し下げる。これより、係止解放レバ−27のガイドピン27bが図10に示すように上側のガイド孔36bに移るため、係止解放レバ−27が右旋する。
【0015】この動作状態でハンドル34を押動操作し、連動レバ−28が下降すると、ガイドピン27bがガイド孔36bを移動するため、係止解放レバ−27の連動爪部27aが連動ピン26aに対して非連動となる。
【0016】したがって、係止解放レバ−27の連動爪部27aが空振りすることから、ハンドル34の押動操作にかかわらず、ラッチ25が係止受け11を係止し、施錠状態となる。
【0017】また、施解錠操作部22を解錠動作させると、連動杆39が上昇することから,施解錠スライダ−29が上昇移動し、また、連動レバ−28がスプリング35のばね勢力で図9に示す位置まで上昇し、ラッチ係止部21を解錠状態とする。なお、施解錠スライダ−29は、その連結孔29aに連動杆39の突出部39aが突入しており、また、その突出部39aがラッチケ−ス24の摺動溝24b内を摺動することによって上下方向にガイドされる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上記したような引戸の係止保持装置は、ハンドル34の押動操作と引戸20の開き操作の二操作が必要となる他、引戸20の開き操作方向に対しハンドル操作方向が異なるために必ずしも操作性がよいとは言えない。
【0019】また、従来の係止保持装置には、レバ−型のハンドルを備えたものがあるが、このようなハンドルは引戸面から突出する構成となる。そのために、複数の引戸が併設されている場合には引戸のすれ違いに邪魔となったり、また、網戸を取付けるときにそのハンドルのために取付けできない等の問題がある。
【0020】本発明は上記した実情にかんがみ、引戸面から突出することなく、かつ、係止解放の操作性に優れたハンドルを備えた引戸用係止保持装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するため、本発明は、引戸を設備する建物枠体には係止受けを設け、引戸の戸先部には、引戸の閉操作で上記係止受けを係止するラッチを有するラッチ係止手段と、ラッチの係止を解放させるハンドルを有するハンドル操作手段とを備えた引戸用係止保持装置に関する。
【0022】そして、第1の発明では、ベ−ス体の正面凹形内にハンドルを備えたハンドル操作手段を設け、、ハンドルが引戸面からはみ出さない構成としたことを特徴とする引戸用係止保持装置を提案する。
【0023】このように構成することによって、複数の引戸を併設する場合であっても、ハンドルが引戸の開閉に邪魔とならず、また、網戸の取付けにも支障がない。
【0024】第2の発明は、ラッチ係止手段に施解錠機構を備えたことを特徴とする引戸用係止保持装置を提案する。
【0025】屋内の障子などの係止保持機構には施解錠機構を設ける必要がないが、玄関の引戸などに設ける係止保持機構には施解錠機構を備える構成とする。
【0026】第3の発明は、ラッチ係止手段には上下方向に移動させてラッチを解放させる連動部材を設けると共に、ハンドル操作手段には、引戸の開方向に操作可能なハンドルと、このハンドルの操作力を上下方向の駆動力に変換し上記連動部材を移動させる動力方向変換機構を設けたことを特徴する引戸用係止保持装置を提案する。
【0027】引戸閉の状態でハンドルを操作しラッチ係止手段の係止を解放させると、ハンドルの操作が引戸を開く操作方向となるので、ハンドルを操作する一操作によってラッチを解放させ、引戸を開くことができる。
【0028】第4の発明は、ハンドルを前面側に、動力方向変換機構を後面側に各々配設したベ−ス体と、動力方向変換機構を覆うように上記のベ−ス体に設けたカバ−とより構成したハンドル操作手段を備えた引戸用係止保持装置を提案する。
【0029】このように、ハンドル操作手段に必要となるハンドル、動力方向変換機構、カバ−をベ−ス体に取付けることによって、ハンドル操作手段の構成と組立てが簡単となる。
【0030】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態について図面に沿って説明する。図1は従来例同様の引戸用係止保持装置に備えるハンドル操作部(ハンドル操作手段)の正面図、図2は同ハンドル操作部の縦断面図、図3は図1上のA−A線断面図、図4は図1上のB−B線断面図である。
【0031】これらの図面において、50は長径に形成したベ−ス体であり、これは上下部を除いて横断面を凹形とし、その正面凹形部が操作部となっている。
【0032】そして、このベ−ス体50には、図2、図3により分かる通り、正面から見て右側となる凹形壁に細長の窓孔50aを形成し、この窓孔50aより凹形内に向かってハンドル51が突出している。ハンドル51は長径に形成し、駆動レバ−52の起立板部52aにねじ止めしてある。
【0033】このハンドル51は図1において右方向に押動操作し、その操作力が次に述べる、駆動レバ−52、第1、第2リンクレバ−58、59、クランク65、66、ジョイントア−ム71、72からなる動力方向変換機構によって上下方向の駆動力に変換される。
【0034】駆動レバ−52はカバ−53の面上で左右方向に移動するようになっているが、その上下端部の起立片部52b、52cがスプリング54、55のばね力で左方向に押動勢力を受けている。なお、スプリング54、55はベ−ス体50の上下部に形成したばね受け50b、50cと起立片部52b、52cとの間に係架させてある。
【0035】また、駆動レバ−52は上方腕部と下方腕部とを連結ピン56、57によって第1、第2リンクレバ−58、59に連結してある。そして、上側の第1リンクレバ−58はその中程を支軸60により、下側の第2リンクレバ−59はその中程を支軸61によって各々ベ−ス体50に軸着してあり、これら第1、第2リンクレバ−58、59がベ−ス体50と駆動レバ−52の間で旋回動する構成としてある。
【0036】第1、第2リンクレバ−58、59はそれの一端部を連結軸62によって連結し、また、これらレバ−58、59の他端部は連結ピン63、64によってクランク65、66に連結させてある。
【0037】クランク65、66はカバ−53の面上で旋動するように支軸67、68によってベ−ス体50に軸支してあり、また、これらクランク65、66には連結ピン69、70によってジョイントア−ム71、72を連結させてある。
【0038】ジョイントア−ム71、72は、ベ−ス体50の後面側に張り出した板部とベ−ス体50の外壁面側に起立させた板部とにより形成してあり、また、これらジョイントア−ム71、72にはラッチ係止部21の連動レバ−28を連結する連結片部71a、72aが設けてある。
【0039】その他、カバ−53は横断面コ字形としてあるが、図3に示すように、駆動レバ−52の起立板部52aに対向する側部については切欠いてある。なお、このカバ−53は上記した動力方向変換機構を覆うようにしてベ−ス体50に取付けてある。
【0040】上記のように構成したハンドル操作部は、従来例のハンドル操作部23と同様に引戸20の引戸面部に取付け、また、ラッチ係止部21の連動レバ−28をジョイントア−ム71、72に連結する。なお、ハンドル操作部の取付けは、ベ−ス体50の上下に形成した取付孔50d、50eよりねじを差し入れて引戸20にねじ止めする。
【0041】このハンドル操作部はハンドル51と図1において右方向に押動操作することによってラッチ係止部のラッチが係止受け11を解放する。つまり、ハンドル51を右方向に押動操作すると、駆動レバ−52がスプリング54、55のばね力に抗して同方向に移動し、その連結ピン56、57によって第1、第2リンクレバ−58、59を旋回動させる。
【0042】この動作で第1リンクレバ−58が支軸60を中心にして右旋回するため、クランク65が支軸67を支点に時計方向に旋回する。つまり、図5、図6に拡大して示したようにクランク65が時計方向に旋回することから、連動ピン69を介して連動されるジョイントア−ム71が下降移動する。
【0043】この結果、連動レバ−28が下方に移動し、従来例で説明したようにラッチ係止部21の係止が解放する。このように、ハンドル51を右方向、つまり、引戸20を開く方向に押動操作してラッチ係止部21の係止を解放させることから、ハンドル51を押動操作すれば、ラッチ係止部21が係止受け11を解放し、また、引戸20を開けることができる。
【0044】また、ハンドル51の操作を解放すれば、駆動レバ−52がスプリング54、55のばね勢力で左方向に移動するため、ハンドル51が図1、図5に示す非操作位置に復動すると共に、第1リンクレバ−58が左旋回するため、クランク65が反時計方向に旋回し、ジョイントア−ム71が図6に示す下降位置から図5に示す位置まで上昇移動する。
【0045】なお、図5、図6はハンドル操作部に設けた動力方向変換機構の上半部分について示した拡大図であるが、その下半部分の動作についても同様となる。すなわち、駆動レバ−52がハンドル操作によって右方向に移動することにより、第2リンクレバ−59が左旋回するため、クランク66が反時計方向に旋回し、ジョイントア−ム72が上昇移動する。
【0046】本実施形態ではジョイントア−ム72にはラッチ係止部21を連結させていないが、連動レバ−を上昇移動させてラッチを解放させるタイプのラッチ係止部については、下側のジョイントア−ム72にその連動レバ−を連結させる。また、本実施形態では、右方向に引くことで開く引戸20に実施した場合を説明したが、左方向に引いて開ける引戸については、ハンドル操作部を上下に反転させて取付け、ジョイントア−ム71または72によってラッチ係止部21を連動するようにする。
【0047】以上、本発明の一実施形態について説明したが、ラッチ係止部21が施錠機能をもたない引戸用の係止保持装置のハンドル操作部としても同様に実施することができる。
【0048】
【発明の効果】上記した通り、本発明の引戸用係止保持装置に備えたハンドル操作部は、ハンドルが引戸側面からはみ出さない構成としてあることから、複数の引戸を併設した場合にもハンドルが引戸の開閉に邪魔とならないし、また、網戸がハンドルの出張りのために引戸に接近しては取付けられないと言うような問題もない。
【0049】また、引戸を開く方向にハンドルを押動操作してラッチ係止部を係止解放させる構成としたことから、ラッチ係止部を解放させるハンドルの押動操作によって引戸を開くことができ、係止保持装置を備えた引戸の開操作に便利なものとなる。特に、このように構成したハンドル操作部はハンドルのどの部分を押圧操作してもラッチを解放させ、引戸を開くことができ、操作性がよい。
【0050】さらに、ハンドル操作部として必要なハンドル、動力方向変換機構、カバ−をベ−ス体に組付ける構成としたことから、構成と組立てが簡単となるハンドル操作部を提供し得る。
【出願人】 【識別番号】000138462
【氏名又は名称】株式会社ユーシン
【識別番号】000003724
【氏名又は名称】トステム株式会社
【出願日】 平成12年2月16日(2000.2.16)
【代理人】 【識別番号】100076196
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 寛治
【公開番号】 特開2001−227208(P2001−227208A)
【公開日】 平成13年8月24日(2001.8.24)
【出願番号】 特願2000−37941(P2000−37941)