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【発明の名称】 自動車のハンドル装置
【発明者】 【氏名】水島 賢治

【氏名】宮越 淳

【要約】 【課題】カウンタウエイトを容易に固定することができるようにして組立作業性を向上させた車両用ドアハンドル装置の提供を目的とする。

【解決手段】ハンドルベース1に回転自在に装着され、トーションスプリング2により初期回転姿勢側に付勢されるハンドル本体3と、ハンドル本体3のハンドルアーム4に各々設けたウエイト挿通孔5、5間を貫通し、トーションスプリング2により抜け止めされてハンドルアーム4、4間に架設されるカウンタウエイト6を備え、前記カウンタウエイト6は挿入後尾側端部がトーションスプリング2によりカウンタウエイト6の側方から押圧されるとともに、挿入先頭側端部とハンドルアーム4とは、カウンタウエイト6の軸中心周りの回転操作に伴って接触圧が高くなる圧接部7を介して接触し、かつ、トーションスプリング2はカウンタウエイト6に係止して圧接部7における高接触圧回転位置を維持するように構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ハンドルベースに回転自在に装着され、トーションスプリングにより初期回転姿勢側に付勢されるハンドル本体と、ハンドル本体のハンドルアームに各々設けたウエイト挿通孔間を貫通し、トーションスプリングにより抜け止めされてハンドルアーム間に架設されるカウンタウエイトを備え、前記カウンタウエイトは挿入後尾側端部がトーションスプリングによりカウンタウエイトの側方から押圧されるとともに、挿入先頭側端部とハンドルアームとは、カウンタウエイトの軸中心周りの回転操作に伴って接触圧が高くなる圧接部を介して接触し、かつ、トーションスプリングはカウンタウエイトに係止して圧接部における高接触圧回転位置を維持する自動車のハンドル装置。
【請求項2】ハンドルベースに回転自在に装着され、トーションスプリングにより初期回転姿勢側に付勢されるハンドル本体と、トーションスプリングにより抜け止めされてハンドルアーム間に架設されるカウンタウエイトを備え、前記いずれか一方のハンドルアームのウエイト保持部は外方に開放されてカウンタウエイトが脱離可能な切欠形状に形成されるとともに、該ウエイト保持部に保持されたカウンタウエイトはトーションスプリングに設けられたウエイト押さえ部により脱離方向への移動が禁止される自動車のハンドル装置。
【請求項3】前記ウエイト押さえ部は、カウンタウエイトのウエイト保持部への収容操作時に該収容操作を許容する退避位置まで弾性変形して退避可能な請求項2記載の自動車のハンドル装置。
【請求項4】前記カウンタウエイトは、前記トーションスプリングに代えて、カウンタウエイトに設けられ、該カウンタウエイトを中心軸周りに回転させた際にハンドルアーム4の壁面に当接して長手方向の移動を禁止するストッパにより抜け止めされ、前記トーションスプリングはカウンタウエイトに係止してカウンタウエイトの移動禁止回転位置を維持する請求項1、2または3記載の自動車のハンドル装置。
【請求項5】ハンドルベースに回転自在に装着され、トーションスプリングにより初期回転姿勢側に付勢されるハンドル本体と、ハンドルアーム間に架設されるカウンタウエイトを備え、前記いずれか一方のハンドルアームのウエイト保持部は外方に開放されてカウンタウエイトが脱離可能な切欠形状に形成されるとともに、カウンタウエイトを軸方向に移動させた際にカウンタウエイトの終端に形成された脱離防止部に係止して脱離方向への移動を禁止する庇部が設けられ、かつ、前記カウンタウエイトには、回転時にハンドルアームの壁面に当接して長手方向の移動を禁止するストッパが設けられ、トーションスプリングはカウンタウエイトに係止して移動禁止回転位置を維持する自動車のハンドル装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車のハンドル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カウンタウエイトを備えた車両用ドアハンドル装置としては、特開平10-299297号公報記載のものが知られている。この従来例において、ハンドル本体には一対のハンドルアームが設けられ、ハンドルアーム間に架設するようにしてカウンタウエイトが取り付けられる。カウンタウエイトは一端部に余長部を備えた軸部を、他端に挿通取付軸を有し、軸部の余長部をハンドルアームの嵌合部に嵌合させた後、カウンタウエイトを長手方向に移動させて挿通取付軸をハンドルアームに挿通させ、この後、余長部にクリップを嵌合させて抜け止めして固定される。
【0003】しかし、上述した従来例においてカウンタウエイトを固定するためには、カウンタウエイトの装着に加えてクリップによる抜け止め作業を要するために、作業性が悪い上に、部品点数も多くなるという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の欠点を解消すべくなされたもので、カウンタウエイトを容易に固定することができるようにして組立作業性を向上させた車両用ドアハンドル装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば上記目的は、ハンドルベース1に回転自在に装着され、トーションスプリング2により初期回転姿勢側に付勢されるハンドル本体3と、ハンドル本体3のハンドルアーム4に各々設けたウエイト挿通孔5、5間を貫通し、トーションスプリング2により抜け止めされてハンドルアーム4、4間に架設されるカウンタウエイト6を備え、前記カウンタウエイト6は挿入後尾側端部がトーションスプリング2によりカウンタウエイト6の側方から押圧されるとともに、挿入先頭側端部とハンドルアーム4とは、カウンタウエイト6の軸中心周りの回転操作に伴って接触圧が高くなる圧接部7を介して接触し、かつ、トーションスプリング2はカウンタウエイト6に係止して圧接部7における高接触圧回転位置を維持する自動車のハンドル装置を提供することにより達成される。
【0006】杆状に形成されるカウンタウエイト6はハンドルアーム4に各々設けられたウエイト挿通孔5を貫通するようにしてハンドルアーム4、4間に架設される。カウンタウエイト6の装着は、ウエイト挿通孔5にカウンタウエイト6の両端を挿通させるように該カウンタウエイト6を中心軸(C6)方向に移動させて行われ、装着状態においてトーションスプリング2の脚12はカウンタウエイト6に係止して離脱方向の移動が防止される。
【0007】したがってこの発明において、カウンタウエイト6の装着に際して例えばクリップ等の抜け止め用部品を要しないために、部品点数が減少し、かつ、組み立て作業性も向上する。
【0008】また、カウンタウエイト6は、装着状態においてトーションスプリング2の脚12により側方から押し付けられるために、挿入後尾側端部が対応するハンドルアーム4のウエイト挿通孔5の壁面に圧接し、当該箇所でのがたつきが防止される。一方、挿入先端側は他方のハンドルアーム4のウエイト挿通孔5に挿入された状態であるために、がたつき発生の可能性があるが、本発明において、カウンタウエイト6の挿入先頭側端部とハンドルアーム4とを圧接部7を介して接触させてがたつきを防止する。圧接部7としては、後述するように、ウエイト挿通孔5内に斜面13aを備えた突起13を設けたり、あるいはカウンタウエイト6のウエイト挿通孔5への挿入部の断面形状を偏心円にしてカウンタウエイト6を回転させると外周の一部がウエイト挿通孔5の内周壁に圧接するようにしたり、適宜の手段を採用できる。
【0009】一方、トーションスプリング2はカウンタウエイト6に係止してカウンタウエイト6に発生する圧接解除方向の回転力に抗し、カウンタウエイト6は圧接部7における高接触圧回転位置に維持される。
【0010】したがってこの発明において、カウンタウエイト6の挿入後尾側端部はトーションスプリング2により、挿通先頭側は圧接部7を介して各々対応するハンドルアーム4に圧接するために、両端部でのがたつきが発生することがなく、自動車の走行中のガタ音等が防止できる。
【0011】また、自動車のハンドル装置は、ハンドルベース1に回転自在に装着され、トーションスプリング2により初期回転姿勢側に付勢されるハンドル本体3と、トーションスプリング2により抜け止めされてハンドルアーム4間に架設されるカウンタウエイト6を備え、前記いずれか一方のハンドルアーム4のウエイト保持部5は外方に開放されてカウンタウエイト6が脱離可能な切欠形状に形成されるとともに、該ウエイト保持部5に保持されたカウンタウエイト6はトーションスプリング2に設けられたウエイト押さえ部8により脱離方向への移動が禁止されるように構成することができる。
【0012】本発明において、一方のハンドルアーム4のウエイト保持部5は外方に開放される切欠形状に形成され、当該開放部からカウンタウエイト6を所定位置にセットすることができる。装着状態においてカウンタウエイト6はトーションスプリング2のウエイト押さえ部8により押さえられ、開放部からの脱離が防止される。
【0013】したがってこの発明において、中央部が太径なカウンタウエイト6であってもハンドルアーム4、4間に架設、固定することができる。太径部6aをハンドルアーム4、4間に配置することにより、車両側方からの衝撃が加わってもカウンタウエイト6の慣性力は両ハンドルアーム4にほぼ均等に負荷されることとなるために、ハンドルアーム4への捻り力の発生を可及的に小さくすることができる。
【0014】この場合、前記ウエイト押さえ部8を、カウンタウエイト6のウエイト保持部5への収容操作時に該収容操作を許容する退避位置まで弾性変形して退避可能とすることにより、カウンタウエイト6をウエイト保持部5に押し込むだけでカウンタウエイト6をウエイト保持部5にセットすることが可能になり、作業効率が向上する。
【0015】また、以上においてカウンタウエイト6の中心軸(C6)方向への移動は例えばカウンタウエイト6に設けられたスプリング嵌合溝6bにトーションスプリング2の脚12を嵌合させて防止しているが、カウンタウエイト6の中心軸(C6)周りの回転操作を利用して抜け止めを行うことができる。この場合、カウンタウエイト6には、該カウンタウエイト6を中心軸(C6)周りに回転させた際にハンドルアーム4の壁面に当接して長手方向の移動を禁止するストッパ9が設けられ、ストッパ9により抜け止めされたカウンタウエイト6の回転位置は、トーションスプリング2により維持される。
【0016】さらに、自動車のハンドル装置は、ハンドルベース1に回転自在に装着され、トーションスプリング2により初期回転姿勢側に付勢されるハンドル本体3と、ハンドルアーム4間に架設されるカウンタウエイト6を備え、前記いずれか一方のハンドルアーム4のウエイト保持部5は外方に開放されてカウンタウエイト6が脱離可能な切欠形状に形成されるとともに、カウンタウエイト6を軸方向に移動させた際にカウンタウエイト6の終端に形成された脱離防止部10に係止して脱離方向への移動を禁止する庇部11が設けられ、かつ、前記カウンタウエイト6には、回転時にハンドルアーム4の壁面に当接して長手方向の移動を禁止するストッパ9が設けられ、トーションスプリング2はカウンタウエイト6に係止して移動禁止回転位置を維持するように構成することができる。
【0017】この発明において、カウンタウエイト6は切欠形状のウエイト保持部5に一端部を落とし込んだ後、中心軸(C6)方向に移動させ、さらに中心軸(C6)回りに回転させることによりハンドルアーム4間に装着される。中心軸(C6)方向への移動操作によりカウンタウエイト6の係止部はハンドルアーム4の庇部11に係止して開放部方向への脱離が防止され、カウンタウエイト6の回転操作によりストッパ9がハンドルアーム4の壁面に当接して中心軸(C6)方向への移動が禁止される。この状態において、トーションスプリング2はカウンタウエイト6に圧接してカウンタウエイト6の中心軸(C6)回りの回転を阻止し、ストッパ9による係止状態が維持される。
【0018】
【発明の実施の形態】図1ないし4に本発明の実施の形態を示す。この実施の形態における車両用ドアハンドル装置は、車両長手方向に軸方向が向く支軸14によりハンドル本体3を回転自在に連結し、ハンドル本体3を上方に引き上げるようにして回転させてドア開閉操作を行ういわゆるプルアップタイプのハンドル装置であり、車両のドアパネル15に固定されるハンドルベース1と、ハンドルベース1に連結されるハンドル本体3とを有する。
【0019】ハンドルベース1は主体部の裏面から突設される一対のベースアーム1a、1aを備え、該ベースアーム1a間に支軸14が架設される。支軸14は長寸の有頭杆体であり、挿入先端側端部にカシメ加工等が施されて脱離が防止される。
【0020】ハンドル本体3は手掛け部3aの裏面から突設される一対のハンドルアーム4、4を備え、ハンドルアーム4に上記支軸14が挿通されてハンドルベース1に回転自在に支持される。また、支軸14にはコイル部2aの両端から脚12が延設されたトーションスプリング2が巻装され、一方の脚12を後述するカウンタウエイト6に、他方の脚12をハンドルベース1の背面にそれぞれ係止させてハンドル本体3を図1、2に示す初期回転位置に付勢する。このトーションスプリング2は一方の脚12(以下、「ウエイト対応脚12a」)を一方のハンドルアーム4(以下、「挿入後尾側アーム4a」)に沿わせ、他方の脚12(以下、「ベース対応脚12b」)がハンドルベース1の幅方向中心近傍に位置させて配置され、ベース対応脚12bはハンドルベース1の規制壁1bに挟まれて、コイル部2aの中心軸(C6)方向へのずれが防止される(図2(b)参照)。
【0021】各々のハンドルアーム4にはウエイト挿通孔(ウエイト保持部5)が穿孔されており、該ウエイト挿通孔5を貫通するようにしてカウンタウエイト6が装着される。カウンタウエイト6は、所定の比重を有する金属材料により形成される断面円形の杆体で、図3(a)に示すように、一端部に挿入先頭部6cを有し、他端部(挿入後尾側)には挿入後尾側アーム4aのウエイト挿通孔5とほぼ同じ径のアーム被受容部16が形成される。アーム被受容部16はさらに後端方向に延設されて太径部6aとされる。以上のように構成されるカウンタウエイト6は、図3(a)に示すように、挿入先頭部6cを挿入後尾側アーム4aのウエイト挿通孔5に挿通させた後、カウンタウエイト6を中心軸(C6)方向に移動させて挿入先頭側アーム4bのウエイト挿通孔5に挿通させることにより装着され、カウンタウエイト6の挿通操作が可能なように、カウンタウエイト6のアーム被受容部16から挿入先頭部6cまでの間は挿入後尾側アーム4aのウエイト挿通孔5を挿通可能な断面積に形成される。
【0022】上記カウンタウエイト6とハンドルアーム4との間には、抜け止め部17、回り止め部18、および圧接部7が構成される。抜け止め部17は上述したように両ハンドルアーム4a、4b間に架設したカウンタウエイト6の抜去方向への移動を禁止するために設けられ、トーションスプリング2のウエイト対応脚12aと、カウンタウエイト6に設けられるスプリング嵌合溝6bにより構成される。スプリング嵌合溝6bはアーム被受容部16と中間部6dとの境界に形成され、カウンタウエイト6を装着した状態でウエイト対応脚12aは弾性復元力によりスプリング嵌合溝6bに落ち込んで、以降、カウンタウエイト6の中心軸(C6)方向への移動が禁止される。
【0023】圧接部7はカウンタウエイト6を装着した状態において挿入先頭部6cとハンドルアーム4とを圧接状態とし、がたつきを防止するために設けられるもので、この実施の形態において、ウエイト挿通孔5の内周壁に突設される突起13と、カウンタウエイト6側に設けられる圧接面から構成される。突起13は、図4(a)、(b)に示すように、残余の領域に真円孔部分が残留するように、ウエイト挿通孔5の挿入始端側に所定の厚さで形成され、ハンドルアーム4の外側壁面側の壁面に斜面13aを備える。斜面13aは、円周方向に移動するにつれて壁面が漸次ハンドルアーム4の外側壁面に近付く形状とされる。一方、カウンタウエイト6の挿入先頭部6cと中間部6dとの境界には、細径部7aが形成され、該細径部7aの両端壁面が圧接面7b、7bとされる。また、カウンタウエイト6の挿入先頭部6cには、上記突起13が挿通可能なノッチ状の切欠部6eが設けられる。
【0024】したがってこの実施の形態において、装着状態からカウンタウエイト6を中心軸(C6)回りに回転させると、斜面13aに対応する圧接面7bが斜面13aに接触し、さらに、回転操作を続けると、斜面13aによりカウンタウエイト6は挿入先頭部6c側(図4(b)において矢印B4方向に移動し、他方の圧接面7bがハンドルアーム4の内側壁面に圧接する。
【0025】回り止め部18は、上記圧接部7において生じるカウンタウエイト6の圧接解除方向の回転力に抗し、カウンタウエイト6を圧接回転位置に維持するために設けられるもので、トーションスプリング2のウエイト対応脚12aに設けられるフック状折り曲げ部18aと、カウンタウエイト6のスプリング嵌合溝6bの外周に形成されるスプリング係止切欠18bから構成される。スプリング係止切欠18bはフック状折り曲げ部18aが係止可能なVノッチ形状に形成され、圧接部7における接触圧が適当値となる回転位置においてフック状折り曲げ部18aはスプリング係止切欠18b内に弾性復元力により落ち込んで、以降、カウンタウエイト6の中心軸(C6)周りの回転を禁止する。
【0026】したがってこの実施の形態において、カウンタウエイト6を装着する前に、トーションスプリング2のウエイト対応脚12aを、図3(b)に示すように、挿入後尾側アーム4aの内側壁面に突設されるスプリング係止部19に係止させておく。この状態で、トーションスプリング2のコイル部2aには、適度の撓み角が付与されている。この後、図3(a)において鎖線で示すように、カウンタウエイト6を挿通させると、やがてトーションスプリング2のウエイト対応脚12aは、図4(c)に示すように、スプリング嵌合溝6bに落ち込んで脱離方向への移動が禁止される。次いで、カウンタウエイト6を中心軸(C6)周りに回転させると、圧接部7における接触圧が高まり、適当な回転角度に達すると、図1(a)に示すように、フック状折り曲げ部18aがスプリング係止切欠18b内に落ち込んで、当該回転角度が維持される。
【0027】この装着状態において、カウンタウエイト6のアーム被受容部16はトーションスプリング2がカウンタウエイト6を側方に押し付ける弾性力によりウエイト挿通孔5の周壁に押し付けられるとともに、挿入先頭部6cは圧接部7を介して挿入先頭側アーム4bに圧接しており、車両走行中のがたつきが完全に防止できる。
【0028】なお、上述した実施の形態において、回り止め部18を構成するために、トーションスプリング2のウエイト対応脚12aにフック状折り曲げ部18aを形成する場合を示したが、図13(b)に示すように、ウエイト対応脚12aを直杆形状とし、スプリング嵌合溝6bの周壁に平面状のスプリング係止切欠18bを形成してもよい。
【0029】図5ないし7に本発明の第2の実施の形態を示す。この実施の形態は、主としてカウンタウエイト6の太径部6aをハンドルアーム4、4間に配置させて車両前後方向の重量バランスを取る必要がある際に有効な変形を示す。なお、以下の実施の形態に説明において、特に断りのない限り、変更部分のみを図示し、さらに、上述した実施の形態と実質的に同一の構成部分は図中に同一符号を付して説明を省略する。
【0030】この実施の形態において、挿入先頭側アーム4bにはウエイト挿通孔5が穿孔されるのに対し、挿入後尾側アーム4aのウエイト保持部5は切欠形状に形成され、切欠開放部5aから外方に開放される。カウンタウエイト6は一端に挿入先頭部6cを有するとともに、他端部に上記ウエイト保持部5の切欠開放部5aと嵌合が可能なアーム被受容部16を有し、中間部6dに太径部6aが形成される。アーム被受容部16はさらに後端方向に延設されて太径部6aとされる。
【0031】一方、トーションスプリング2のウエイト対応脚12aは、一旦挿入後尾側アーム4aの背面に沿って折り曲げられた後、その先端部をさらに折り曲げてウエイト押さえ部8が形成される。ウエイト押さえ部8は、図5(b)に示すように、側面視においてウエイト保持部5の切欠開放部5aを閉塞する位置に配置される。このウエイト押さえ部8は、アーム被受容部16とカウンタウエイト6の先端の太径部6aとの境界に形成されるスプリング嵌合溝6bと共働して抜け止め部17を構成する。
【0032】カウンタウエイト6未装着状態において、トーションスプリング2は、図6(b)に示すように、挿入後尾側アーム4aの背面をスプリング係止部19として所定の初期撓みを付与されてセットされる。この状態で、ウエイト押さえ部8は上述のように、側面視において切欠開放部5aを閉塞する位置を占め、切欠開放部5aとウエイト押さえ部8との間には、少なくともカウンタウエイト6のアーム被受容部16の径より狭い挿入スペース20が形成される。また、ウエイト押さえ部8はさらに挿入スペース20を広げる方向に折り曲げられてガイド部8aが形成される。
【0033】カウンタウエイト6の装着は、まず、図6(a)に示すように、挿入先頭部6cを挿入先頭側アーム4bのウエイト挿通孔5に臨ませた状態で、アーム被受容部16を切欠開放部5aからウエイト保持部5に嵌合させることにより行われる。アーム被受容部16は図6(a)の状態、すなわち、挿入先頭部6cが完全にウエイト挿通孔5に挿入されない状態でも挿入先頭側アーム4bに対応するように、挿入先頭部6c側に所定長延長されており、アーム被受容部16の嵌合操作により、図7(a)に示すように、ウエイト押さえ部8、およびガイド部8aはアーム被受容部16に押し付けられてコイル部2aの撓み方向に変形した後、図7(b)に示すように、アーム被受容部16のウエイト保持部5への嵌合状態においてアーム被受容部16をウエイト保持部5の底壁側に付勢する。
【0034】次いで、カウンタウエイト6を中心軸(C6)方向にスライドさせると、ウエイト押さえ部8は図5(b)に示すように、スプリング嵌合溝6bに落ち込んで、以降、カウンタウエイト6の中心軸(C6)方向への移動を禁止する。この状態において、カウンタウエイト6の切欠開放部5aからの脱離はウエイト押さえ部8によって阻止されるために、ハンドルアーム4への装着状態が維持される。
【0035】したがって、この実施の形態においては、ハンドルアーム4間の中間部6dの太さは自由に設定できるために、重量の設定時の設計自由度が飛躍的に向上する。
【0036】図8にこの実施の形態の変形例を示す。この変形例は、トーションスプリング2のウエイト対応脚12aの形状を簡単にすることによってコスト低減を図るための変形を示す。この変形例において、カウンタウエイト6のスプリング嵌合溝6bは中間部6dとアーム被受容部16との境界に形成され、トーションスプリング2のウエイト対応脚12aは、挿入後尾側アーム4aの内側壁面に沿って配置される。ウエイト対応脚12aは、カウンタウエイト6を装着しない状態においては、挿入後尾側アーム4aに突設されるスプリング係止部19に係止されており、カウンタウエイト6は、上述した手順によりハンドルアーム4間に架設される。
【0037】図9に上記第2の実施の形態の他の変形例を示す。この変形例は、カウンタウエイト6の保持力を高めるための変形であり、挿入後尾側アーム4aの外側壁面にはコイル変形規制用突起21が設けられる。コイル変形規制用突起21は、トーションスプリング2のコイル部2aが所定角度以上撓み方向に撓んだ際にウエイト対応脚12aの中央部に衝接し、以降のコイル部2aの変形を防止する。したがってこの変形例において、図9(b)に示すように、カウンタウエイト6をウエイト保持部5に嵌合させる際、トーションスプリング2はコイル変形規制用突起21から先端方部分、主としてウエイト押さえ部8が弾性変形してカウンタウエイト6を受容する。カウンタウエイト6の受容に際してコイル部2aの変形を伴わないために、ウエイト押さえ部8の見かけの弾性係数は向上することとなり、カウンタウエイト6に大きな衝撃が加わっても、不用意にウエイト保持部5から脱離することがなくなる。
【0038】なお、図9は図5に示した実施の形態に対応するものであるが、図8に示した変形例に対応させて図10のように構成することもできる。さらに、以上の第2の実施の形態、およびその変形例に、第1の実施の形態における圧接部7、および回り止め部18を加えることにより、がたつきを完全に防止することもできる。
【0039】図11ないし13に本発明の第3の実施の形態を示す。この実施の形態において、一方のハンドルアーム4(挿入後尾側アーム4a)には上述した実施の形態と同様に切欠状のウエイト保持部5が形成され、カウンタウエイト6は、図13に示すように、まず、挿入先頭部6cを他方のハンドルアーム4、すなわち、挿入先頭側アーム4bのウエイト挿通孔5に臨ませた状態でウエイト保持部5に嵌合させた後、カウンタウエイト6を中心軸(C6)方向にスライドさせ、次いで、中心軸(C6)周りに回転させて行われる。
【0040】以上のようにして装着されたカウンタウエイト6は、中心軸(C6)方向、および、切欠状のウエイト保持部5からの脱離方向への自由度を有しており、これら自由度をなくしてカウンタウエイト6を所定位置に保持するために、抜け止め部17、庇部11、および回り止め部18が形成される。
【0041】まず、カウンタウエイト6は中間部6dに太径部6aを有するとともに、一端部にアーム被受容部16を有する。アーム被受容部16は、図13(a)においてカウンタウエイト6を矢印A13方向に移動させ、挿入先頭部6cがウエイト挿通孔5を臨ませた状態で挿入後尾側アーム4aのウエイト保持部5に対応することができるように、中間部6d側に所定長延長される。また、アーム被受容部16から先端方にアーム被受容部16より太径の脱離防止部10が延設される。後述するように、脱離防止部10を庇部11に係合させた状態でカウンタウエイト6を回転することができるように、脱離防止部10は円筒形状に形成される。
【0042】一方、挿入後尾側アーム4aは、アーム被受容部16にほぼ等しい曲率の底壁を備えるウエイト保持部5と、外側壁面に突設される庇部11とを有する。庇部11は、ウエイト保持部5の側壁部を後方に延長させるようにして形成され、下端に上記ウエイト保持部5の底壁の曲率中心と同心で、かつ、上記脱離防止部10とほぼ同一曲率の湾曲面11aが形成される。
【0043】カウンタウエイト6を図13(a)に示す位置から矢印B13方向にスライドさせると、脱離防止部10の上部が庇部11の湾曲面11aに上方から押さえられる状態となり、以降、切欠開放部5aからのカウンタウエイト6の脱離が禁止される(図11(c)参照)。
【0044】庇部11によるカウンタウエイト6の脱離防止位置を維持するために、カウンタウエイト6にはストッパ9が設けられる。ストッパ9は、アーム被受容部16の外周壁からキー状に突設され、ストッパ9の先端から脱離防止部10までの間隔Lは、挿入後尾側アーム4aの厚さ方向寸法Wにほぼ一致する。カウンタウエイト6の脱離防止部10の基端を挿入後尾側アーム4aの外側壁面に当接させた状態でカウンタウエイト6を中心軸(C6)周りに回転させると、図11(c)に示すように、ストッパ9の先端が挿入後尾側アーム4aの内側壁面に当接し、以降、カウンタウエイト6の中心軸(C6)方向の移動を阻止することができる。
【0045】さらに、上記ストッパ9による抜け止め姿勢を維持するために、回り止め部18が設けられる。回り止め部18は、トーションスプリング2のウエイト対応脚12aと、カウンタウエイト6に設けられた平面状のスプリング係止切欠18bにより構成され、カウンタウエイト6を所定の回転角度、正確には、ストッパ9の端面によりカウンタウエイト6の抜け止めがなされる回転角度に達した際にウエイト対応脚12aがスプリング係止切欠18bに係止して、以降の回転を禁止する。
【0046】なお、回り止め部18は、図1に示すように、トーションスプリング2側にフック状折り曲げ部18aを形成し、スプリング係止切欠18bをVノッチ形状に形成することもできる。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、カウンタウエイトの装着作業が容易になるために、組立作業性を向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000170598
【氏名又は名称】株式会社アルファ
【出願日】 平成12年2月18日(2000.2.18)
【代理人】 【識別番号】100093986
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 雅男
【公開番号】 特開2001−227206(P2001−227206A)
【公開日】 平成13年8月24日(2001.8.24)
【出願番号】 特願2000−41943(P2000−41943)