| 【発明の名称】 |
自転車用錠装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】春日 伸敏
【氏名】西村 律夫
【氏名】佐藤 行
|
| 【要約】 |
【課題】品質感の高い遠隔操作による施錠および解錠を可能にした錠装置の、片手操作による手動錠動作を可能にするとともに、中途半端な位置にて操作を止めた場合でも安全性が確保され、節度感に優れた自転車用錠装置を提供することを目的とする。
【解決手段】送信手段24からのコード信号を受けた受信手段22の駆動信号により錠駆動部5を駆動して錠機構部4、3を動作させて、前記錠駆動部5の正転および逆転により錠機構部4、3を施錠および解錠するように構成した自転車用錠装置を、手動にても錠動作が可能に構成したものにおいて、中立点の両側に振り分けられた施錠および解錠位置にキーシリンダ13を保持する保持機構12を設けたことを特徴とするもので、高い品質感を保持したまま、キーレスにて遠隔操作により施錠および解錠動作が行える自転車用錠装置を、片手のみにての手動操作によっても錠操作が行え、買物等にて片手が塞がっていても容易に錠操作が可能となり利便性に優れる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 送信手段からのコード信号を受けて認証コードが設定したものと一致した場合にのみ所定動力により錠駆動部を駆動して錠機構部を動作させるための信号を発生する受信手段を有し、前記錠駆動部の正転および逆転により錠機構部を施錠および解錠するように構成した自転車用錠装置であって、前記錠機構部が閂と該閂内に所定範囲内にて移動可能に弾発支持され前記錠駆動部により駆動されるスライダとから構成され、キーシリンダを揺動中心として配設されたカムにより前記スライダを錠駆動部から開放して手動にても錠動作が可能に構成された自転車用錠装置において、中立点の両側に振り分けられた施錠および解錠位置に前記キーシリンダを保持する保持機構を設けたことを特徴とする自転車用錠装置。 【請求項2】 前記閂の錠動作方向と反対方向への移動を阻止するように構成されたキーシリンダの回動に連動した逆転防止機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載の自転車用錠装置。 【請求項3】 前記保持機構による解錠位置の保持は、閂の解錠位置への移動に連動して開放されるように構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の自転車用錠装置。 【請求項4】 施錠位置および解錠位置における前記閂に係止する節度機構を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の自転車用錠装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、遠隔操作によって操作され、認証コードが一致した場合に錠動作がなされる盗難防止に適した自転車用錠装置に関する。 【0002】 【従来の技術】自転車において、盗難防止のために従来から種々の錠装置が数多く提案されて使用されている。最も一般的なものとしては、車輪のスポーク間に侵入して施錠される馬蹄形状の閂錠が多用されている。通常、このタイプのものは手動にて馬蹄形状の閂を施錠してロック位置を保持し、シリンダキーの回動によって解錠方向に付勢された閂を解錠するもので、特開平8−74458号公報(特許第2759256号公報)や特開平8−312221号公報に開示されたものがある。そして近年では、電子技術の発展によって、自転車等二輪車の分野においても送受信装置の組合せを利用した錠装置も提案されてきている。それらの例として、特開平8−260784号公報や特開平10−196188号公報に開示されたものがある。前者のものは、手動によって施錠された錠を、通常の手動キーによって解錠することができる他に、錠に対応して予め設定された識別コードを含む光信号を発信手段から受けた場合にのみ、受信手段側である錠において解錠制御信号を発生して解錠動作がなされるように構成したものである。 【0003】また後者のものは、前後両輪の少なくとも一方の車輪の回転が、手動によるロックバーの押込みにより阻止されて施錠されたものを、送信手段側からのIDコードを含む電波の送信により、受信手段側である錠側にて送信手段側からの前記IDコードを識別して照合一致した場合にのみ電磁式解除バルブを作動させて、前記ロックバーの復元により解錠がなされるように構成したものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このように構成された従来の遠隔操作式の自転車用錠装置においては、いずれのものも、施錠を手動にて行い、解錠のみを光あるいは電波を利用した遠隔操作により行うように構成されている。何故なら、施錠を遠隔操作で行う場合には、通常、車輪のスポーク間等に侵入して車輪の回転を阻止する閂等の錠機構部の施錠動作時に、スポークに当接する位置にて車輪が停止していると施錠が不可能となるために、施錠は広く手動によって行われているのである。そのため、折角、遠隔操作にて錠の解錠が行われて手等を汚すことなく自転車の走行がなされても、走行終了後に泥土で汚れた閂等の錠機構部を、再び手指をもって操作せねばならず、不衛生であった。 【0005】このようなことから、本件出願人は、前記従来の遠隔操作式の自転車用錠装置における諸課題を解決して、施錠動作および解錠動作のいずれの場合も遠隔操作のみにて行うことを可能にした自転車用錠装置(特願平10−79136号や特願平10−313223号等)を提案し、さらに本件出願人は、これらの提案になる遠隔操作式の自転車用錠における電池不足や電気回路の故障時にも施錠および解錠を手動にて行えるようにする錠装置を提案した(特願平10−369489号公報)。しかしながら、この提案になるものは、解錠時には閂等の錠機構部は依然として解錠方向に付勢されたスプリングにより行われるため、解錠が勢いよくなされて衝撃が大きく、大きな音がして高級な品質感にやや欠けるものである他、キーレスによる遠隔操作後に手動操作をすると(その逆も)、次のキーレス動作にはキーレス操作2回分の動作を要する等、操作上違和感があった。そこで、さらに本件出願人は万一の際の手動操作も可能で、解錠の際にも衝撃が少なく品質感の高い遠隔操作による施錠および解錠を可能にした自転車用錠(特願平11−120961号)を提案した。しかしながら、閂等の錠機構部は解錠方向にスプリングにより付勢されているため、手動にての解錠時には依然として衝撃が大きい他、施錠時の駆動部の負荷も大きいものであった。 【0006】そのようなことから、本件出願人は前記提案発明をさらに改良して、施錠時の駆動部の負荷が小さく、万一の際の手動操作による解錠の際にも衝撃をなくして、品質感の高い遠隔操作による施錠および解錠を可能にした自転車用錠装置を提案した(特願平11−176188号)。しかしながら、この提案のものでも、手動操作の際、キーシリンダによる操作の下で閂を手動で操作する必要があることから両手操作を免れ得ず、片手が荷物で塞がっている場合等に不都合である他、施錠位置および解錠位置における節度感が不足して、閂の中途半端な位置で手動操作を止めてしまう事態も生じがちであった。 【0007】そこで、本発明は、前記提案発明を改良して、品質感の高い遠隔操作による施錠および解錠を可能にした錠装置の、片手操作による手動錠動作を可能にするとともに、中途半端な位置にて操作を止めた場合でも安全性が確保され、節度感に優れた自転車用錠装置を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】このため本発明は、送信手段からのコード信号を受けて認証コードが設定したものと一致した場合にのみ所定動力により錠駆動部を駆動して錠機構部を動作させるための信号を発生する受信手段を有し、前記錠駆動部の正転および逆転により錠機構部を施錠および解錠するように構成した自転車用錠装置であって、前記錠機構部が閂と該閂内に所定範囲内にて移動可能に弾発支持され前記錠駆動部により駆動されるスライダとから構成され、キーシリンダを揺動中心として配設されたカムにより前記スライダを錠駆動部から開放して手動にても錠動作が可能に構成された自転車用錠装置において、中立点の両側に振り分けられた施錠および解錠位置に前記キーシリンダを保持する保持機構を設けたことを特徴とするものである。また本発明は、前記閂の錠動作方向と反対方向への移動を阻止するように構成されたキーシリンダの回動に連動した逆回転防止機構を設けたことを特徴とするものである。また本発明は、前記保持機構による解錠位置の保持は、閂の解錠位置への移動に連動して開放されるように構成されたことを特徴とするものである。また本発明は、施錠位置および解錠位置における前記閂に係止する節度機構を設けたことを特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とするものである。 【0009】 【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜図10は本発明の自転車用錠装置の1実施の形態を示すもので、図1は本発明の自転車用錠装置における送受信手段および上ケースを外して内部を示す施錠状態にある錠本体の全体図、図2はキーシリンダの操作部を示す錠本体の外観図、図3は錠本体における錠駆動部から錠機構部に至る伝動機構の断面図、図4は解錠状態にある錠本体の内部説明図、図5はキーレス施錠途中の錠本体の内部説明図、図6はキーレス解錠途中の錠本体の内部説明図、図7は手動による施錠途中の錠本体の内部説明図、図8は手動による解錠途中の錠本体の内部説明図、図9はキーシリンダ操作部の動作説明図、図10は送信手段および受信手段を示す制御ブロック構成図である。 【0010】本発明は、送信手段からのコード信号を受けて認証コードが設定したものと一致した場合にのみ所定動力により錠駆動部を駆動して錠機構部を動作させるための信号を発生する受信手段を有し、前記錠駆動部の正転および逆転により錠機構部を施錠および解錠するように構成した自転車用錠装置であって、前記錠機構部が閂と該閂内に所定範囲内にて移動可能に弾発支持され前記錠駆動部により駆動されるスライダとから構成され、キーシリンダを揺動中心として配設されたカムにより前記スライダを錠駆動部から開放して手動にても錠動作が可能に構成された自転車用錠装置において、中立点の両側に振り分けられた施錠および解錠位置に前記キーシリンダを保持する保持機構を設けたことを特徴とする。図1に示すように、本実施の形態では、受信手段はバッテリーケースである別体ケース21内に電池等の電源23とともに配設された制御部22内に設けられて錠本体の近傍あるいは錠本体ケース内に配設される。 【0011】錠本体は、図示省略の自転車後輪に臨む後ホーク等に設置されるもので、後輪スポーク間等に侵入して車輪の回転を阻止して施錠を行う馬蹄形の閂3と、該閂3内に所定範囲内にて移動可能に弾発支持され前記錠駆動部により駆動されるスライダ4が装着された錠機構部と、該錠機構部を伝動機構を構成する減速歯車列6、7および8を介して操作する錠駆動部5(電動モータ)、6(ウォームギヤ)等を収納するものである。一方、前記制御部22における受信手段に対して所定の認証コードを有するコード信号を送信するキーレスリモコン24には、前記コード信号を発信するための施錠操作ボタン24aおよび解錠操作ボタン24bが設置されている。また、該キーレスリモコン24には錠本体における前記閂3を手動にて解錠するためのキー25も付設される。 【0012】鋼板プレス成型品等の下ケース2(図1および図3)と樹脂成型品等の上ケース1とによって画成される錠本体の内部には以下のような各構成部材が配設される。送信手段(24)からのコード信号を受けて認証コードが設定したものと一致した場合にのみ電源23の電力により正転および逆転が可能な錠駆動部を構成する電動モータ5、下ケース2に支軸9dによって揺動自在に軸支された前記電動モータ5を保持するギヤホルダ9(該ギヤホルダ9は付勢ばね9cによって閂駆動ギヤ8を錠機構部であるスライダ4の歯車成形部4aと常時噛合するように付勢されている。)等が設置される。 【0013】図3を参照しつつ、さらに、ギヤホルダ9には電動モータ5の出力軸に設けられたウォームギヤ6に噛合して伝動機構となる減速歯車7、8が収容される。減速平歯車7はウォームギヤ6と噛合するウォームホイール、該ウォームホイールと一体の小径の平歯車からなり、該小径の平歯車に噛合する減速平歯車8は、前記減速平歯車7における小径の平歯車と噛合する大径の平歯車と該平歯車と一体の閂駆動ギヤ8とから構成される。図1に示すように、前記閂駆動ギヤ8により駆動されて錠機構部を構成し前記閂駆動ギヤ8の正転および逆転時に該ギヤ8と噛合する歯車成形部4aを外周部に刻設したスライダ4と、同じく錠機構部を構成し前記スライダ4を所定範囲内にて移動可能に弾発支持した閂3とが設置される。図示は省略するが、外周部に刻設された歯車成形部4aが閂駆動ギヤ8に噛合するスライダ4は門形断面の閂3の内部に整合する形態の曲折断面を有して、閂3内におけるスライダ4の移動時のガイド機能も有するストッパ解除部4d、4eが形成された幾つかの(図1の例では2つ)台形状の突起部が形成される。スライダ4を閂3内にて所定範囲内にて移動可能に弾発支持させるために、スライダ4の端部近傍から起立(図面手前方向に)させた中立片4gの両側(施錠方向と解錠方向)の閂3の規制壁との間にそれぞれ中立位置保持スプリング4b、4cが配設される。 【0014】前記閂3の施錠位置(図1の状態)および解錠位置(図4の状態)における保持はストッパ14によりなされるように構成するとともに、該ストッパ14によるこれら施錠位置および解錠位置の保持の解除はスライダ4(ストッパ解除部4d、4e)によってなされるように構成している。また、前記ストッパ14による閂3の保持動作に伴ってこれを検出するロータリースイッチ等からなるマイクロスイッチ20等の検出手段が設置され、閂の施錠および解錠の位置検出手段として利用される。検出手段としては、本実施の形態のようにストッパ14が閂3の係止部3b、3cへの落込みを直に検出するものの他、フォトカプラやアナログ式ポテンショメータから構成することも可能である。なお、前記ストッパ14はその一端部に装着された付勢ばね14aによって閂3における施錠および解錠位置保持用の係止部3b、3cに落ち込む側に付勢されている。 【0015】一方、前記電動モータ5や減速歯車6、7および8と反対側の対向する位置には、施錠状態あるいは解錠状態にある閂3を手動にて操作可能にするためにケースに軸支されて揺動自在に設置されたプッシュレバー11を操作するキーシリンダ13が配設され、図2に示すように上ケース1の外側から手動にて前記キー25(図1)を挿入して付勢ばね9c(図1)の復元力に抗してキーシリンダ13を施錠方向あるいは解錠方向に回動操作することで、プッシュレバー11を揺動させ、その先端の当接部を上動させ、前記ギヤホルダ9の先端部の解除部9b(図3(A)参照)を上動させ、ギヤホルダ9を時計方向に揺動させて減速歯車である閂駆動ギヤ8を手動により錠機構部におけるスライダ4から開放されるように構成される。本発明では、図2に示したように、キーレス操作位置13aとなる中立点の両側に振り分けられた施錠位置13cおよび解錠位置13bに前記キーシリンダ13を保持する保持機構を設けたことを特徴とし、また、前記閂3の錠動作方向と反対方向への移動を阻止するように構成されたキーシリンダ3の回動に連動した逆転防止機構12が設けられている。また、図2に示すように、錠駆動部および減速歯車からの錠機構部の開放時に、閂3を手指にて容易に施錠位置および解錠位置に移動できるように、上ケース1の外部に露出したレバー3aが閂3に付設される。 【0016】図9はキーシリンダ操作部の動作説明図で、これにより理解されるように、前記ギヤホルダ9をスライダ4との噛合から解除するためのプッシュレバー11について見ると、キーシリンダ13を中立点である(a)の状態から時計方向の解錠操作位置に回転((c)の状態)させても、反時計方向の施錠操作位置に回転((e)の状態)させてもプッシュレバー11を解除方向(反時計方向)に揺動させ、閂3を施錠位置および解錠位置におけるロック保持から解除するためのストッパ14について見ると、キーシリンダ13を中立点である(b)の状態から時計方向の解錠操作位置に回転((d)の状態)させても、反時計方向の施錠操作位置に回転((f)の状態)させてもストッパ14を解除方向(時計方向)に揺動させることができるように構成されている。15はキーシリンダ13に突設された施錠カムであり、16は解錠カムである。 【0017】図10は送信手段および受信手段を示すブロック構成図であり、キーレスリモコン24側における送信手段において、キーレスリモコン24自体は、ポケット等に入る大きさの小型で所定形状のフレームに、外側に露出する送信スイッチを構成する施錠操作ボタン24aおよび解錠操作ボタン24b(図1)を有する。キーレスリモコン24の内部には、電池残量や送信状態あるいは錠状態(閂の位置)を表示するLED、送信制御用CPUからなる送信制御部、送信スイッチ、固有のコード信号の認証値が記憶されている認証コード記憶部、変調回路、送信部および送信用電源電池等を備える。なお、本発明では、送信手段側であるキーレスリモコン24に、施錠操作ボタン24aおよび解錠操作ボタン24bが設けられているが、受信手段側である錠側にて閂位置検出手段により閂位置が検出可能に構成され、その検出結果に基づいて自動的に電動モータ等の次回の錠駆動部の駆動方法が選択され、錠駆動部の駆動方向を送信側で判断しないで済む1つの送信ボタンのみを設置するように構成することもできる。 【0018】送信手段側で、施錠操作ボタン24aあるいは解錠操作ボタン24bが押下されて送信スイッチが接続され、送信信号が送信制御部に送出されると、送信制御部では認証コード記憶部にて記憶されている固有の認証コードに対応した信号を変調回路に送出し、変調回路にて変調された信号は送信部から特定のコード信号として空中に発信される。錠本体側である受信手段の制御部22において、所定の条件(例えば走行の開始の検出や手動スイッチの投入)下にて受信制御部からの指令により電源供給スイッチの投入のもとで、固有の認証コードに対応した送信手段側からの認証コード信号を受信部において受信すると、復調回路にて復調して受信制御部への固有の認証コード信号として入力する。 【0019】受信制御部では、認証コード記憶部にて記憶されている受信手段側の認証コードと前記受信した送信手段側からのコード信号における認証コードとが一致した場合には、前記閂位置検出手段による検出結果に基づいて施錠解錠状態記憶部に記憶されている錠位置の情報に基づき、前記閂3およびスライダ4から構成される錠機構部を動作させる錠駆動部である電動モータ5を駆動するための駆動信号を、施錠・解錠ドライブ部から送出することになる。このとき、受信制御部から警報報知部に作動報知信号を送出して、施錠あるいは解錠の動作が行われていることを音声等により報知する他、施錠時の錠駆動部の動作開始の所定時間の経過後に検出手段20からの検出信号が入力されなかった場合には、閂3が車輪のスポークに当接したか、マイクロスイッチ20等の検出手段が故障したか、スットパ14の動きが劣化したか等の故障が生じたものとして前記警報報知部において警報信号を発するように構成することもできる。前記警報は解錠動作時の故障にも採用できるものである。 【0020】前記電動モータ5の正転駆動によって、閂駆動ギヤ8およびスライダ4を介して閂3が施錠位置に達すると、ストッパ14が閂3における施錠位置にある係合部3cに落ち込んで検出手段20ががこれを検出して錠駆動部である電動モータ5に停止信号を送出する。なお、図示しての詳述はしないが、走行状態検出装置(車輪に設置したマグネットを車体側に設置したリードスイッチにて自転車の走行状態をパルス信号として検出するもの等)を搭載させることによって、キーレスリモコン24からの万一の誤動作によるコード信号の送信がなされても、自転車の走行を検出した場合には錠駆動部に駆動信号が送出されないように構成することもできる。 【0021】このように構成された本発明の自転車用錠装置の動作を説明する。 <キーレス施錠>図4に示すように錠が解錠状態にあって閂3が錠本体内に引き込まれて収納された状態にて、ロータリースイッチ等から構成されるマイクロスイッチ20からの信号により制御部が解錠状態と記憶しているとき、キーレスリモコン24における施錠操作ボタン24aが押下されて固有の認証コードに対応したコード信号が発信され、錠本体内の受信手段にて前記コード信号が受信手段側の設定された認証コードと一致した場合に、制御部22は施錠を指示して正転の駆動信号を電動モータ5に送出する。 【0022】電動モータ5の正転駆動により、ウォームギヤ6、該ウォームギヤ6に噛合して減速歯車を構成するウォームホイール7、閂駆動ギヤ8が正転し、外周部に歯車成形部4aが刻設されたスライダ4が反時計方向に回転移動する。これによって、スライダ4の端部近傍に起立して設置した中立片4gが、その施錠側に配設された中立位置保持スプリング4bを圧縮しつつ閂3の内部を移動し、スライダ4に形成されたストッパ解除部4dによるカム作用によってストッパ14を付勢ばね14aの復元力に抗して閂3の解錠位置にある係止部3bから押し出す。その後は、スライダ4における中立片4gが中立位置保持スプリング4bを圧縮しつつ閂3を施錠方向に移動させていく。この状態を図5に示す。施錠位置への寸前にて、ストッパ14が閂3の施錠位置における係止部3cに落ち込んでロータリースイッチ等から構成されたマイクロスイッチ20が施錠位置信号を発生し、制御部22は施錠終了を指示して電動モータ5を停止させ(図1の状態)と同時に、施錠状態を記憶する。 【0023】<キーレス解錠>図1の施錠状態から、前述したキーレス施錠時と同様にして、キーレスリモコン24における解錠操作ボタン24bの押下により送信された固有の認証コードに対応したコード信号を受信した受信手段の制御部22では、前記受信コード信号が受信手段側の設定された認証コードと一致した場合に、さきに記憶した施錠状態の記憶に基づいて解錠を指示し、錠駆動部に逆転駆動信号を送出して電動モータ5を逆転させる。これによって、減速歯車を介して伝えられた閂駆動ギヤ8の回転駆動力によりスライダ4は時計方向に回転を始める。スライダ4における中立片4gが、その解錠方向側に配設された中立位置保持スプリング4cを圧縮しつつ閂3の内部を解錠方向に移動し、図6に示すように、スライダ4に形成されたストッパ解除部4eによるカム作用によってストッパ14を付勢ばね14aの復元力に抗して閂3の施錠位置の係止部3cから押し出した後、スライダ4における中立片4gが中立位置保持スプリング4cを圧縮しつつ閂3を解錠方向に移動させていく。この状態が図6である。さらに、電動モータ5は逆転を続け、解錠位置の寸前にて、ストッパ14が閂3の解錠位置における係止部3bに落ち込み、ロータリースイッチ等から構成されたマイクロスイッチ20が解錠位置信号を発生し、制御部22は解錠終了を指示して電動モータ5を停止させ(図4の状態)と同時に、解錠状態を記憶する。 【0024】<手動で施錠>キーレスにて解錠された図4の状態や、図5の施錠途中状態において、電源電池切れや錠駆動部の故障等が生じた万一の場合、図7に示すように、一般のサークル錠と同様に、キー25(図1)をキーシリンダ13に挿入して矢印のごとく反時計方向の施錠位置13c方向(図2)に回動すると、キーシリンダ13の施錠カム15によって、ストッパ14を時計方向に、プッシュレバー11を反時計方向に揺動させてギヤホルダ9を時計方向に揺動させてスライダ4から解除するとともに、閂3のロックを解除させる。これによりスライダ4の移動が自由になると同時に、キーシリンダ13が施錠位置13cにて停止して保持される。この時、キーシリンダ13に固定された逆転防止アンクル12の一端部がスライダ4の歯車成形部4aに係止され、スライダ4すなわち閂3の解錠方向への移動が阻止される。 【0025】したがって、この状態にて、キーシリンダ13を操作した同じ手指をもって閂3におけるレバー3a(図2)を摘んで図7の矢印のごとく施錠方向に移動させることができ、図1の施錠状態に到る。なお、施錠位置直前にて、節度機構を構成してギヤホルダ9等に固定されたノッチスプリング10が閂3の周面から開放されて適度の節度感をもって突き当たる。該施錠状態において前記キーシリンダ13を時計方向の中立点13aに戻すことによって、ストッパ14も付勢ばね14aの復元力により反時計方向に戻って閂3にける施錠位置にある係止部3cに落ち込み、検出手段20により施錠位置が検出されて施錠状態が記憶される。なお、本発明における錠装置では、キー25をキーシリンダ13に挿入してこれを回動して、施錠あるいは解錠操作した後にはキー25をキーシリンダ13から抜き取ることができるように構成されている。 【0026】<手動で解錠>図1の施錠状態や図6の解錠途中状態において、電源電池切れや錠駆動部の故障等が生じた万一の場合、前記手動で施錠の場合と同様、図8に示すように、キー25をキーシリンダ13に挿入して解錠位置13b(図2)方向の時計方向に回動させ、キーシリンダ13の解錠カム16によって、ストッパ14を時計方向に、プッシュレバー11を反時計方向に揺動させてギヤホルダ9を時計方向に揺動させてスライダ4から解除するとともに、閂3のロックを解除させる。これによりスライダ4の移動が自由になると同時に、キーシリンダ13が解錠位置13bにて停止して保持される。この時、キーシリンダ13に固定された逆転防止アンクル12の他端部がスライダ4の歯車成形部4aに係止され、スライダ4すなわち閂3の施錠方向への移動が阻止される。これによって、解錠操作が不完全であっても閂3が施錠方向に回動することがないので、車輪との不意の干渉を防止することができる。 【0027】したがって、この状態にて、キーシリンダ13を操作した同じ手指をもって閂3におけるレバー3a(図2)を摘んで図8の矢印のごとく解錠方向に移動させることができ、図4の施錠状態に到る。解錠位置直前にて、節度機構を構成してギヤホルダ9等に固定されたノッチスプリング10が閂3の周面から開放されて係止部3cに落ち込み、適度の節度感をもって突き当たる。この時、解錠完了直前の位置で、スライダ4の先端部4fがキーシリンダ13に固定されたリターンレバー17に当接し、キーシリンダ13を中立点であるキーレス操作位置13aに戻すことができる。これによって、ストッパ14も付勢ばね14aの復元力により反時計方向に戻って閂3にける解錠位置にある係止部3bに落ち込み、検出手段20により解錠位置が検出されて解錠状態が記憶される。解錠操作した後にはキー25をキーシリンダ13から抜き取る。 【0028】なお、電池切れ等の原因によって手動にて施錠あるいは解錠が行われた場合でも、手動による錠動作の後の検出手段による錠位置の検出は制御回路内の二次電池等の存在により記憶が可能である。したがって、電源電池の交換や錠駆動部の故障の修理、交換によって、再びキーレスでの遠隔操作による錠操作がなされる場合でも、記憶された閂位置の情報によって、その後の制御部による制御に支障を来すことがない。さらに、キー25を使用しての手動による解錠後にはキーシリンダ13からキー25を抜き取れることができるように構成されていることにより、キーレス操作時はキーが不要であり、手動によるキー操作時も、解錠後にキーを抜き取れるために、本自転車のキーを他の用途のキーと一緒に携行することができて、専用キーとして特別に携行する面倒がない。 【0029】以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で送信手段と受信手段との間の遠隔操作のための信号伝達手段の種類(例えば電波のみならず、光、音声等)、閂駆動ギヤとの噛合形態を含むスライダの形状、スプリング等による弾発支持形態等を含むスライダと閂との関連構成、付勢ばね等によるプッシュレバー、ストッパの復元形態、電動モータ等の錠駆動部の形式、閂位置検出手段の検出方式、減速歯車の組合せ形態、キーシリンダの設置位置、プッシュレバーの形状、キーシリンダにおける施錠カムおよび解錠カムの形状ならびにそれらカムのプッシュレバーおよびストッパとの関連構成、保持機構である逆転防止アンクルの形状およびそのキーシリンダへの固定形態ならびにスライダへの保持形態、キーシリンダによるプッシュレバーの操作形態、ギヤホルダの形状、プッシュレバーによるギヤホルダの操作形態、ノッチスプリングの形状、形式および閂への係止形態、電源の種類(充電式二次電池等でもよい)、認証コードの設定方式等については適宜選定することができる。 【0030】 【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明では、送信手段からのコード信号を受けて認証コードが設定したものと一致した場合にのみ所定動力により錠駆動部を駆動して錠機構部を動作させるための信号を発生する受信手段を有し、前記錠駆動部の正転および逆転により錠機構部を施錠および解錠するように構成した自転車用錠装置であって、前記錠機構部が閂と該閂内に所定範囲内にて移動可能に弾発支持され前記錠駆動部により駆動されるスライダとから構成され、キーシリンダを揺動中心として配設されたカムにより前記スライダを錠駆動部から開放して手動にても錠動作が可能に構成された自転車用錠装置において、中立点の両側に振り分けられた施錠および解錠位置に前記キーシリンダを保持する保持機構を設けたことにより、高い品質感を保持したまま、キーレスにて遠隔操作により施錠および解錠動作が行える自転車用錠装置を、片手のみにての手動操作によっても錠操作が行え、買物等にて片手が塞がっていても容易に錠操作が可能となり利便性に優れる。 【0031】また、前記閂の錠動作方向と反対方向への移動を阻止するように構成されたキーシリンダの回動に連動した逆転防止機構を設けた場合は、不完全な手動操作であっても、閂が確実にその位置に保持されて移動することがなく、不意の車輪との干渉の虞れがないので安全性が高い。さらに、前記保持機構による解錠位置の保持が、閂の解錠位置への移動に連動して開放されるように構成された場合は、手動にての解錠操作に続いて直ちに走行開始が可能となり、迅速な発進ができる。さらにまた、施錠位置および解錠位置における前記閂に係止する節度機構を設けた場合は、閂の施錠端および解錠端の感触が明確になって、手動による錠動作を確実に完了させることができ、不完全な錠動作を未然に防いで安全性を向上させることが可能となる。このように本発明によれば、品質感の高い遠隔操作による施錠および解錠を可能にした錠装置の、片手操作による手動錠動作を可能にするとともに、中途半端な位置にて操作を止めた場合でも安全性が確保され、節度感に優れた自転車用錠装置が提供される。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000112978 【氏名又は名称】ブリヂストンサイクル株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年12月24日(1999.12.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100102565 【弁理士】 【氏名又は名称】永嶋 和夫
|
| 【公開番号】 |
特開2001−182410(P2001−182410A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月6日(2001.7.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−366327 |
|