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【発明の名称】 アンチセフト機構付車両ドアラッチ装置におけるワンモーション開扉機構
【発明者】 【氏名】井上 二郎

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両ドアの外側オープンハンドル25による前記ドアの開扉を不能にするロック位置Lと前記ドアの前記開扉を可能にするアンロック位置Uとに切り替わるロックレバー23と、前記ドアに設けられ前記ロックレバー23を前記ロック位置Lと前記アンロック位置Uとに切り替える内側ロックボタン36と、前記内側ロックボタン36と前記ロックレバー23との間に設けられ前記内側ロックボタン36のアンロック操作を前記ロックレバー23に伝達しないアンチセフト状態と前記内側ロックボタン36の前記アンロック操作を前記ロックレバー23に伝達するアンチセフト解除状態とに切り替わる空振式アンチセフト機構と、前記ドアの内側オープンハンドル19の開扉操作で前記ロック位置Lの前記ロックレバー23を前記アンロック位置Uに復帰させるとともに前記ドアを開扉させるワンモーション開扉機構と、前記内側オープンハンドル19の前記開扉操作を前記ワンモーション開扉機構に伝達する連結状態と前記内側オープンハンドル19の前記開扉操作を前記ワンモーション開扉機構に伝達しない空振状態とに切り替わる空振機構とからなり、前記空振機構は前記アンチセフト機構が前記アンチセフト状態の時は前記空振状態に前記アンチセフト機構が前記アンチセフト解除状態の時は前記連結状態に切り替わるように前記アンチセフト機構に関連的に連絡したアンチセフト機構付車両ドアラッチ装置におけるワンモーション開扉機構。
【請求項2】 回転すると車両ドアを開扉するラチェットレバー35と、前記ドアの外側オープンハンドル25の開扉回転で変移するオープンレバー22と、前記オープンレバー22の前記変移を前記ラチェットレバー35に伝達して前記ラチェットレバー35を回転させるアンロック位置Uと前記オープンレバー22の前記変移を前記ラチェットレバー35に伝達しないロック位置Lとに切り替わるロックレバー23と、前記内側ロックボタン36と前記ロックレバー23との間に設けられ両者の機械的連結を解除して前記内側ロックボタン36のアンロック操作を前記ロックレバー23に伝達しないアンチセフト位置と前記両者を機械的に連結して前記内側ロックボタン36の前記アンロック操作を前記ロックレバー23に伝達するアンチセフト解除位置とに切り替わるアンチセフト部材60とを有するものにおいて、前記ラチェットレバー35は回転すると前記ロック位置Lの前記ロックレバー23を前記アンロック位置Uに復帰させることができる構成とし、前記ラチェットレバー35の近傍には回転すると前記ラチェットレバー35を回転させるインナーレバー21を設け、前記インナーレバー21と前記ドアの内側オープンハンドル19との間には前記内側オープンハンドル19の開扉操作を前記インナーレバー21に伝達して前記インナーレバー21を回転させる連結状態と前記内側オープンハンドル19の前記開扉操作を前記インナーレバー21に伝達しない空振状態とに切り替わる空振機構とを介在させ、前記空振機構は前記アンチセフト部材60が前記アンチセフト位置の時は前記空振状態に前記アンチセフト部材60が前記アンチセフト解除位置の時は前記連結状態に切り替わるように前記アンチセフト部材60に関連的に連絡したアンチセフト機構付車両ドアラッチ装置におけるワンモーション開扉機構。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両ドアラッチ装置に関するものであり、特に、アンチセフト機構を備えた車両ドアラッチ装置におけるワンモーション開扉機構に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、車両ドアラッチ装置には、車両ドアのオープンハンドルによる開扉を不能にするロック位置と前記開扉を可能にするアンロック位置とに切り替わるロックレバーが設けられ、ドアの内側ロックボタンに接続されている。ロックレバー自体は、ドアの内部に隠れていて直接視認できないため、特殊な道具を利用してもロックレバーを不正アンロック操作することは難しいが、ドアの室内側面露出されている内側ロックボタンを不正アンロック操作するのは簡単で技術不要である。例えば、窓ガラスを割って窓から手を入れるだけでよい。このため、近年の車両ドアラッチ装置には内側ロックボタンの不正アンロック操作を不能にするアンチセフト機構が設けられることがある。前記アンチセフト機構の代表的な構成は、内側ロックボタンとロックレバーとの間に、内側ロックボタンがアンロック操作されたとき、その操作力をロックレバーに全く伝えない空振機構を設けたものである(特開平7−233664号参照)。また、従来ワンモーション開扉機構を備えた車両ドアラッチ装置も公知でる。ワンモーション開扉機構は、車両ドアの内側オープンハンドルが開扉操作されると、ラッチ装置をロック状態からアンロック状態への復帰させると共に、ドアを開扉させる。従って、ロック状態にあっても、いちいちロック状態の解除を行わなくても、内側オープンハンドルを回すだけでドアを開くことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記ワンモーション開扉機構は、その性質上、前記アンチセフト機構との相性が悪いものであった。即ち、ワンモーション開扉機構は、ロックレバーを内側オープンハンドル操作でアンロックできるようにする機構であるから、アンチセフト機構をラッチ装置に付加して内側ロックボタンによるアンロック操作を不能にしても、内側ロックブタンの代わりに内側オープンハンドルが操作されると、簡単にドアは開いてしまう。
【0004】
【課題を解決するための手段】よって、本発明は、車両ドアの外側オープンハンドル25による前記ドアの開扉を不能にするロック位置Lと前記ドアの前記開扉を可能にするアンロック位置Uとに切り替わるロックレバー23と、前記ドアに設けられ前記ロックレバー23を前記ロック位置Lと前記アンロック位置Uとに切り替える内側ロックボタン36と、前記内側ロックボタン36と前記ロックレバー23との間に設けられ前記内側ロックボタン36のアンロック操作を前記ロックレバー23に伝達しないアンチセフト状態と前記内側ロックボタン36の前記アンロック操作を前記ロックレバー23に伝達するアンチセフト解除状態とに切り替わる空振式アンチセフト機構と、前記ドアの内側オープンハンドル19の開扉操作で前記ロック位置Lの前記ロックレバー23を前記アンロック位置Uに復帰させるとともに前記ドアを開扉させるワンモーション開扉機構と、前記内側オープンハンドル19の前記開扉操作を前記ワンモーション開扉機構に伝達する連結状態と前記内側オープンハンドル19の前記開扉操作を前記ワンモーション開扉機構に伝達しない空振状態とに切り替わる空振機構とからなり、前記空振機構は前記アンチセフト機構が前記アンチセフト状態の時は前記空振状態に前記アンチセフト機構が前記アンチセフト解除状態の時は前記連結状態に切り替わるように前記アンチセフト機構に関連的に連絡したアンチセフト機構付車両ドアラッチ装置におけるワンモーション開扉機構としたものである。また、本発明は、回転すると車両ドアを開扉するラチェットレバー35と、前記ドアの外側オープンハンドル25の開扉回転で変移するオープンレバー22と、前記オープンレバー22の前記変移を前記ラチェットレバー35に伝達して前記ラチェットレバー35を回転させるアンロック位置Uと前記オープンレバー22の前記変移を前記ラチェットレバー35に伝達しないロック位置Lとに切り替わるロックレバー23と、前記内側ロックボタン36と前記ロックレバー23との間に設けられ両者の機械的連結を解除して前記内側ロックボタン36のアンロック操作を前記ロックレバー23に伝達しないアンチセフト位置と前記両者を機械的に連結して前記内側ロックボタン36の前記アンロック操作を前記ロックレバー23に伝達するアンチセフト解除位置とに切り替わるアンチセフト部材60とを有するものにおいて、前記ラチェットレバー35は回転すると前記ロック位置Lの前記ロックレバー23を前記アンロック位置Uに復帰させることができる構成とし、前記ラチェットレバー35の近傍には回転すると前記ラチェットレバー35を回転させるインナーレバー21を設け、前記インナーレバー21と前記ドアの内側オープンハンドル19との間には前記内側オープンハンドル19の開扉操作を前記インナーレバー21に伝達して前記インナーレバー21を回転させる連結状態と前記内側オープンハンドル19の前記開扉操作を前記インナーレバー21に伝達しない空振状態とに切り替わる空振機構とを介在させ、前記空振機構は前記アンチセフト部材60が前記アンチセフト位置の時は前記空振状態に前記アンチセフト部材60が前記アンチセフト解除位置の時は前記連結状態に切り替わるように前記アンチセフト部材60に関連的に連絡したアンチセフト機構付車両ドアラッチ装置におけるワンモーション開扉機構としたものである。
【0005】
【実施例】本発明の実施例を図により説明する。本発明による車両ドアラッチ装置は、ドア(図示なし)に取付られるラッチアッシー1と、車体(図示なし)に固定されるストライカ2とを有する。ラッチアッシー1は、ドアが閉じられるとストライカ2と係合するラッチ3と、ラッチ3とストライカ2との係合を保持するラチェット4とを有する。ラッチ3は、合成樹脂製のラッチボディ5の表面に形成された凹部6内にラッチ軸7により回転自在に収納され、ラチェット4は凹部6内にラチェット軸8により回転自在に収納される。
【0006】前記ラッチ3は、ラッチバネ9の弾力により図1において時計回転方向に付勢され、前記ラチェット4は、ラチェットバネ10の弾力により反時計回転方向に付勢される。図1のラッチ3はラッチバネ9の弾力によりアンラッチ位置(開扉位置)にあり、ドアを閉扉位置に向けて移動させると、前記ストライカ2はラッチボディ5に形成された水平通路11に進入してラッチ3のU型溝12に当接し、これによりラッチ3は反時計回転し、ラッチ3がハーフラッチ位置まで回転すると、ラチェット4はラッチ3の第1ステップ13に係合してドアもハーフラッチ位置となり、また、ラッチ3がフルラッチ位置に至ると、ラチェット4はラッチ3の第2ステップ14に係合して、ドアはフルラッチ位置に保持される。
【0007】前記ラチェット4は、前記ラッチボディ5の開口15を介してラッチボディ5の背面側に突出するラチェットピン16を有する。前記ラッチボディ5の表面には、前記凹部6を塞ぐ金属カバープレート17が固定される。
【0008】前記ラッチボディ5の裏面には、図2のように、金属バックプレート18が固定される。バックプレート18は、その内端側(室内側)に、ラッチボディ5から離れる方向(裏面側)に屈曲させた屈曲プレート18Aを一体的に有する。前記屈曲プレート18Aには前記ドアの内側オープンハンドル19にワイヤー20等を介して連結されるインナーレバー21(図3、4参照)が回転自在に取付けられる。
【0009】前記ラッチアッシー1の裏面側には、前記ラチェット4を前記ラッチ3から離脱させることで前記ドアを開扉させるオープンレバー22と、ラッチアッシー1をロック状態とアンロック状態とに切り替えるロックレバー23とが設けられる。オープンレバー22は前記ラチェット軸8に回転自在に取付けられ、オープンレバー22の室外側の端部には前記ドアの外側オープンハンドル25に連結されたロッド26の一端がロストモーションをもって連結される。ロックレバー23はロック軸24により前記ラッチボディ5又は前記バックプレート18に軸支される。ロックレバー23の室内側の端部には連結孔27を設け、室外側には長孔41を形成し、長孔41には前記ドアのキーシリンダ43に至るロッド44を連結する。
【0010】前記ロックレバー23と前記オープンレバー22との間には、ロックリンク31が設けられる。前記ロックリンク31の上端側には、前記オープンレバー22に形成した長孔32にスライド自在に係合するロックピン33を設け、下端側は軸34で前記ロックレバー23に連結する。
【0011】前記ラチェット軸8にはラチェットレバー35が軸支される。ラチェットレバー35は、前記ラッチボディ5の裏面側に位置し、その室外側に伸びるアウターアーム35Aには、前記ラチェット4から後方に伸びる前記ラチェットピン16を係合させ、ラチェットレバー35がラチェット4と一体的に回転するようにする。ラチェットレバー35の室内側に伸びるインナーアーム35Bは、前記インナーレバー21の回転軌跡上に臨ませ、前記内側オープンハンドル19の開扉操作でインナーレバー21が回転すると、ラチェットレバー35はインナーレバー21との当接により図2に置いて反時計回転するように構成する。ラチェットレバー35が反時計回転すると、ラチェット4はラチェットピン16を介して前記ラッチ3から離脱するように回転し、もって前記ドアが開扉される。
【0012】前記屈曲プレート18Aには空振式アンチセフト機構を内蔵したアクチュエータ28を固定する。アクチュエータ28の出力軸29には出力レバー30を取付け、出力レバー30の先端を前記ロックレバー23の前記連結孔27に係合させる。
【0013】前記ロックレバー23は、前記キーシリンダ43やアクチュエータ28や前記ドアの後述する内側ロックボタン36(図3)の操作で回転して、周知のようにアンロック位置Uとロック位置L(図2)とに切り替わる。ロックレバー23がアンロック位置Uに切り替わると、前記ロックピン33は長孔32内を下動して前記ラチェットレバー35の当接片35Cと係合可能に対峙する。このアンロック状態で、前記オープンレバー22が、前記外側オープンハンドル25の開扉操作で反時計回転すると、前記ロックピン33は前記当接片35Cに当接して前記ラチェットレバー35を反時計回転させるから、前記ドアは開扉される。
【0014】図2のように、前記ロックレバー23がロック位置Lにあると、前記ロックピン33と前記当接片35Cとの対峙状態は解除される。このロック状態では、前記外側オープンハンドル25により前記オープンレバー22が反時計回転しても前記ラチェットレバー35は回転しないから、前記ドアは開かない。しかし、図2のロック状態でも、前記内側オープンハンドル19を開扉操作すると、前記インナーレバー21は前記ラチェットレバー35の前記インナーアーム35Bに当接してラチェットレバー35を直接回転させるから、前記ドアは開扉される。このように、前記内側オープンハンドル19の開扉操作は、前記ロックレバー23がロック位置Lにあっても有効となる。
【0015】前記ロックリンク31は、前記ラチェットレバー35の前記アウターアーム35Aに向けて伸びる突部37を有する。突部37は、図2のロック状態においては、前記アウターアーム35Aの下側縁近傍に位置する。このため、ロック状態において前記内側オープンハンドル19の開扉操作により前記ラチェットレバー35が反時計回転すると、前記アウターアーム35Aは前記突部37に当接して前記ロックリンク31を下動させて、前記ロックピン33を前記当接片35Cに対峙させると共にロックレバー23をアンロック位置Uに復帰させる。したがって、ロック状態における前記内側オープンハンドル19の開扉操作は、前記ドアの開扉と、前記ロックレバー23のアンロック位置Uへの復帰を同時に達成する。この機構が内側オープンハンドル19のワンモーション開扉機構となる。
【0016】前記アクチュエータ28は、全体が合成樹脂製のケース38で囲われたユニット状に形成される。前記出力軸29はケース38を貫通して室外側に突出し、そこに前記出力レバー30は固定される。前記アクチュエータ28の内部構成は、特開平7−233664号公報に記載されている構成をほぼそのまま利用することができる。このため、内部構造については、図5〜図7を用いて簡略的に説明する。ケース38の内部には、中心軸45に回転自在に支持される扇形形状の出力部材46が設けられ、出力部材46の外周部に形成したギア部47にはモータ48(図2)の出力歯車(図示なし)を噛合させる。出力部材46の円弧溝49には出力部材46の中立復帰バネ50を収納させる。
【0017】前記出力部材46の近傍位置には前記出力軸29が設けられ、出力軸29の係合部51は第1レバー52の孔53に係合させる。第1レバー52は前記ロックレバー23と一体的に変位する。前記第1レバー52の上面にはボックス状の係合部54と、係合部54の頂部から上方に突出するポール55が設けられる。ポール55の上部は出力部材46の下面に形成したカム凹部56内に位置させる。
【0018】前記アクチュエータ28には中空軸57が設けられ、中空軸57には前記出力軸29の上部に形成した小径軸58を回転自在に挿入する。中空軸57の一端は前記ケース38から外方に突出させ、そこにサブレバー72を固定し、サブレバー72は図3のように、前記内側ロックボタン36にロッド71を介して連結する。中空軸57には放射方向に突出する第2レバー59を一体的に形成し、該第2レバー59にアンチセフト部材60の一端側に形成した二又部61をスライド自在に係合させる。アンチセフト部材60と第2レバー59とは常時一体的に回転する。アンチセフト部材60の他端側には前記第1レバー52の係合部54が係合するフック62を形成する。フック62は開口部63を介して外部に開放している。図6のアンチセフト部材60は、フック62が係合部54と係合しているアンチセフト解除位置にあり、この状態では、内側ロックボタン36はフック62と係合部54を介して、第1レバー52(ロックレバー23)と一体的に連結される。
【0019】前記第1レバー52の下方にはアンチセフト部材60をスライドさせるための切替体64が設けられる。切替体64は前記中心軸45に回転自在に支持され、オーバーセンターバネ65の作用により非作動位置(図6)と作動位置(図7)とのいずれか一方に保持される。切替体64には略三角形状の係合孔66を形成し、係合孔66にはアンチセフト部材60に形成した係合ピン67を係合させる。切替体64には前記出力部材46の側面と係合し得る屈曲片68を形成する。
【0020】以上の構成により、出力部材46がモータ48により図6において時計方向にロック点Iまで回転すると、第1レバー52(ロックレバー23)はカム凹部56とポール55との当接によりロック位置Lに変位し、出力部材46がロック点Iを越えてアンチセフト点IIまで時計回転すると、第1レバー52はロック位置Lのまま変位しないが、切替体64は出力部材46と屈曲片68との当接により時計回転して作動位置に切り替わり、これによりアンチセフト部材60は係合孔66と係合ピン67との当接により左方にスライドしてアンチセフト位置に切り替わり、フック62と係合部54との係合は解除され(図7)、以後、内側ロックボタン36のアンロック操作はロックレバー23には伝達されなくなる。
【0021】前記切替体64の下方には、切替体64を作動位置から非作動位置に戻すための解除レバー69を設ける。解除レバー69はアンチセフト軸70に固定される。アンチセフト軸70の一端は、図3のように、前記ケース38から外方に突出させる。解除レバー69にはピン73を設け、ピン73は切替体64の長孔90に係合させる。解除レバー69には出力部材46の下面に形成した凸部92と係合可能な高さを有する係合片91を形成する。
【0022】前記出力部材46が図7の中立位置からモータ48によりアンチセフト解除点III まで反時計回転すると、凸部92は係合片91を押圧して解除レバー69をアンチセフト軸70を中心に時計回転させるから、これにより切替体64はオーバーセンターバネ65の弾力に抗して反時計回転し、作動位置から非作動位置に変位する。すると、アンチセフト部材60はアンチセフト位置からアンチセフト解除位置に切り替わり、出力部材46がアンチセフト解除点III を越えてアンロック点IVまで反時計回転すると、第1レバー52はカム凹部56とポール55との当接により時計回転して、第1レバー52はアンロック位置に切り替わる。
【0023】以上説明したアクチュエータ28の構成において、前記アンチセフト部材60は、前記切替体64の位置に応じて切り替わることになり、前記アンチセフト軸70は切替体64の位置に応じて回転するから、アンチセフト軸70はアンチセフト部材60の位置と連動していることになる。このアンチセフト軸70の露出端には、図3のように、回転レバー74を固定する。回転レバー74の先端には長い連結リンク75の一端を連結し、連結リンク75の他端側には前記屈曲プレート18Aに設けた支持ピン76にスライド自在に係合する長孔77を設け、連結リンク75の他端には連結ピン78で湾曲リンク79の基部を連結する。
【0024】前記インナーレバー21は、図4のように、前記屈曲プレート18Aに支持軸80で軸支される。インナーレバー21には、前記湾曲リンク79の先端に形成した係合ピン81がスライド自在に係合する長孔82が設けられ、前記支持軸80には、前記内側オープンハンドル19に至る前記ワイヤー20が連結される中間レバー83が軸支される。
【0025】前記連結リンク75は、前記アンチセフト軸70が前記アンチセフト部材60の変移と共にいずれかの方向に回転すると、図3において左右方向にスライドする。図3はアンチセフト部材60がアンチセフト解除位置にあるときの連結リンク75を示しており、この状態では、湾曲リンク79の先端の係合ピン81は、前記中間レバー83と係合可能に対峙し、したがって、内側オープンハンドル19を開扉操作すると、中間レバー83は開扉方向に回転して係合ピン81に当接し、インナーレバー21を開扉回転させ、前記ラチェットレバー35を回転させて、ドアが開扉される。しかし、アンチセフト部材60がアンチセフト位置に変位すると(このときロックレバー23は必ずロック位置Lにある)、アンチセフト軸70が回転して回転レバー74を図3において反時計回転させ、これにより連結リンク75は図3において左方にスライドする。すると、湾曲リンク79も左方にスライドして、係合ピン81と中間レバー83との対峙関係は解除される。このため、ドアラッチ装置がアンチセフト状態にあると、内側オープンハンドル19を開扉操作して中間レバー83を開扉回転させても、インナーレバー21は開扉回転しない。したがって、アンチセフト状態において、内側オープンハンドル19を開扉操作しても、ワンモーション開扉機構によりロックレバー23がアンロック位置Uに切り替わることは防止される。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明は、車両ドアの外側オープンハンドル25による前記ドアの開扉を不能にするロック位置Lと前記ドアの前記開扉を可能にするアンロック位置Uとに切り替わるロックレバー23と、前記ドアに設けられ前記ロックレバー23を前記ロック位置Lと前記アンロック位置Uとに切り替える内側ロックボタン36と、前記内側ロックボタン36と前記ロックレバー23との間に設けられ前記内側ロックボタン36のアンロック操作を前記ロックレバー23に伝達しないアンチセフト状態と前記内側ロックボタン36の前記アンロック操作を前記ロックレバー23に伝達するアンチセフト解除状態とに切り替わる空振式アンチセフト機構と、前記ドアの内側オープンハンドル19の開扉操作で前記ロック位置Lの前記ロックレバー23を前記アンロック位置Uに復帰させるとともに前記ドアを開扉させるワンモーション開扉機構と、前記内側オープンハンドル19の前記開扉操作を前記ワンモーション開扉機構に伝達する連結状態と前記内側オープンハンドル19の前記開扉操作を前記ワンモーション開扉機構に伝達しない空振状態とに切り替わる空振機構とからなり、前記空振機構は前記アンチセフト機構が前記アンチセフト状態の時は前記空振状態に前記アンチセフト機構が前記アンチセフト解除状態の時は前記連結状態に切り替わるように前記アンチセフト機構に関連的に連絡したアンチセフト機構付車両ドアラッチ装置におけるワンモーション開扉機構、および、回転すると車両ドアを開扉するラチェットレバー35と、前記ドアの外側オープンハンドル25の開扉回転で変移するオープンレバー22と、前記オープンレバー22の前記変移を前記ラチェットレバー35に伝達して前記ラチェットレバー35を回転させるアンロック位置Uと前記オープンレバー22の前記変移を前記ラチェットレバー35に伝達しないロック位置Lとに切り替わるロックレバー23と、前記内側ロックボタン36と前記ロックレバー23との間に設けられ両者の機械的連結を解除して前記内側ロックボタン36のアンロック操作を前記ロックレバー23に伝達しないアンチセフト位置と前記両者を機械的に連結して前記内側ロックボタン36の前記アンロック操作を前記ロックレバー23に伝達するアンチセフト解除位置とに切り替わるアンチセフト部材60とを有するものにおいて、前記ラチェットレバー35は回転すると前記ロック位置Lの前記ロックレバー23を前記アンロック位置Uに復帰させることができる構成とし、前記ラチェットレバー35の近傍には回転すると前記ラチェットレバー35を回転させるインナーレバー21を設け、前記インナーレバー21と前記ドアの内側オープンハンドル19との間には前記内側オープンハンドル19の開扉操作を前記インナーレバー21に伝達して前記インナーレバー21を回転させる連結状態と前記内側オープンハンドル19の前記開扉操作を前記インナーレバー21に伝達しない空振状態とに切り替わる空振機構とを介在させ、前記空振機構は前記アンチセフト部材60が前記アンチセフト位置の時は前記空振状態に前記アンチセフト部材60が前記アンチセフト解除位置の時は前記連結状態に切り替わるように前記アンチセフト部材60に関連的に連絡したアンチセフト機構付車両ドアラッチ装置におけるワンモーション開扉機構としたため、従来相性の悪さで両立させることが難しかったワンモーション開扉機構と空振式アンチセフト機構とを合理的に組合わせることができる効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000006183
【氏名又は名称】三井金属鉱業株式会社
【出願日】 平成11年12月28日(1999.12.28)
【代理人】 【識別番号】100080470
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 宏太郎 (外1名)
【公開番号】 特開2001−182409(P2001−182409A)
【公開日】 平成13年7月6日(2001.7.6)
【出願番号】 特願平11−373264