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【発明の名称】 ドアロック装置
【発明者】 【氏名】福島 安行

【氏名】高村 昇

【氏名】多賀 重宣

【氏名】山岸 純

【要約】 【課題】ドアロック解除用のモータの駆動力を利用して操作者の負担を軽減した上、操作性を大幅に向上させることができるドアロック装置を提供すること。

【解決手段】バックドアの開閉操作用の操作部材が操作されたときにオンとなるハンドルスイッチ31と、ドアが所定の閉じ範囲内にまで閉じられているときにオンとなるオープンスイッチ16と、ハンドルスイッチ31とオープンスイッチ16が共にオンのときに形成されてドアロック解除用のモータ25を駆動する駆動回路と、その駆動回路の形成状態を保持しかつオープンスイッチ16のオフによって駆動回路の形成状態の保持を解く自己保持回路とを備えた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ドアのロックおよびロック解除が可能なロック機構と、モータの駆動時に前記ロック機構によるドアのロックを解除させるロック解除機構と、を備えたドアロック装置であって、前記ドアの開閉操作用の操作部材が操作されたことを検出する第1の検出手段と、前記ドアが所定の閉じ範囲内にまで閉じられていることを検出する第2の検出手段と、前記第2の検出手段による検出期間中は、前記第1の検出手段が前記操作部材の操作を検出したときから前記モータを継続的に駆動させ、前記第2の検出手段による非検出期間中は前記モータの駆動を止める制御手段と、を備えたことを特徴とするドアロック装置。
【請求項2】 前記ロック機構は、前記ドアの閉じ動作の進行に伴ってハーフラッチ位置、およびフルラッチ位置に回動可能なラッチプレートと、前記ランチプレートを前記ハーフラッチ位置および前記フルラッチ位置にロックする位置に回動可能なロッキングプレートを備え、前記ロック解除機構は、前記モータの駆動力により、前記ロッキングプレートによる前記ラッチプレートのロックを解除させるレバーを備え、前記第1の検出手段は、前記操作部材が操作されたときにオンとなるハンドルスイッチであり、前記第2の検出手段は、前記ラッチプレートが前記ハーフラッチ位置と前記フルラッチ位置との間を含む範囲内に回動しているときにオンとなるオープンスイッチであり、前記制御手段は、前記ハンドルスイッチと前記オープンスイッチが共にオンのときに形成されて前記モータを駆動する駆動回路と、前記駆動回路の形成状態を保持しかつ前記オープンスイッチのオフによって前記駆動回路の形成状態の保持を解く自己保持回路とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のドアロック装置。
【請求項3】 外部からの制御信号に基づいて前記駆動回路の形成を禁止するスイッチを備えたことを特徴とする請求項2に記載のドアロック装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のバックドアなどに用いて好適なドアロック装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車のバックドアに用いられるドアロック装置は、バックドアの内側あるいは外側に取り付けられた開閉操作用のハンドル、運転席近傍に設けられたオープナーハンドル、またはキーシリンダのキープレートなどの操作部材による初期段階の開き操作によって、バックドアのロックを解除するようになっている。すなわち、ドアロック装置によって閉成状態にロックされているバックドアを開く場合には、まず、操作部材の初期段階の開き操作により、ドアロック装置がバックドアのフルラッチ状態からハーフラッチ状態となり、それからバックドアのロックを解除するオープン状態となる。その後、バックドアに手を掛けての開き操作により、バックドアが開放される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、バックドアの立付け等に起因するシール反力の低下、急な下がり坂での停止状態、ガスステーによるドア引き込み力の増大に伴ない、操作部材の開き操作の初期段階において操作者が操作部材から手を離したときに、バックドアが再び閉じてしまうことがある。
【0004】このような事態が生じた場合、従来のドアロック装置は、再び、ハーフラッチ状態またはフルラッチ状態に戻ってしまう。そのため、操作部材による開き操作を初期段階から繰り返さなければならず、きわめて操作性が悪く煩わしかった。
【0005】本発明の目的は、ドアロック解除用のモータの駆動力を利用して操作者の負担を軽減した上、操作性を大幅に向上させることができるドアロック装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のドアロック装置は、ドアのロックおよびロック解除が可能なロック機構と、モータの駆動時に前記ロック機構によるドアのロックを解除させるロック解除機構と、を備えたドアロック装置であって、前記ドアの開閉操作用の操作部材が操作されたことを検出する第1の検出手段と、前記ドアが所定の閉じ範囲内にまで閉じられていることを検出する第2の検出手段と、前記第2の検出手段による検出期間中は、前記第1の検出手段が前記操作部材の操作を検出したときから前記モータを継続的に駆動させ、前記第2の検出手段による非検出期間中は前記モータの駆動を止める制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本例は、自動車のバックドア用のドアロック装置としての適用例である。
【0008】1はバックドア側の定位置に取り付けられるベースプレートである。このベースプレート1は図1のように側面から視て略V字状に折曲されており、その一端側1Aに取り付けられるケース11内にロック機構10が構成され、その他端側1Bに取り付けられるケース21内にロック解除機構20が構成される。ロック機構10は、車体側の定位置に取り付けられたストライカS(図2および図3参照)のロックおよびロック解除が可能であり、ロック解除機構20は、ロック機構10のロック解除が可能である。以下、これらの機構10,20の構成を分けて説明する。
【0009】(ロック機構10)ロック機構10には、図2および図3のように、一般的なドアロック機構と同様に、軸線O1を中心として矢印A1,A2方向に回動可能なラッチプレート12と、軸線O2を中心として矢印B1,B2方向に回動可能なロッキングプレート13と、ラッチプレート12を矢印A2方向に付勢するスプリング14と、ロッキングプレート13を矢印B1方向に付勢するスプリング14が備えられている。図2の状態において、ロック機構10は、ストライカSのロックを解除したオープン状態にある。バックドアが閉じられた場合、車体側のストライカSは、相対的に図2中の矢印C方向からロック機構10内に進入して、ラッチプレート12を矢印A1方向に回動させる。ラッチプレート12がハーフラッチ位置を経てから、図3のようなフルラッチ位置まで回動することにより、ロック機構10はフルラッチ状態となる。すなわち、フルラッチ状態においては、ラッチプレート12の矢印A2方向の復帰がロッキングプレート13によって阻止されて、バックドアが閉成状態にロックされる。
【0010】バックドアのロックを解除する場合には、後述するロック解除機構20により、ロッキングプレート13の操作部13Aを矢印D方向に押す。これにより、ロッキングプレート13が矢印B2方向に回動して、ラッチプレート12の矢印A2方向の回動阻止を解除し、ラッチプレート12が矢印A2方向に回動してストライカSのロックを解く。
【0011】16は常閉のオープンスイッチ(第2の検出手段)であり、ラッチプレート12と共に回動するスイッチレバー17によって開閉される。すなわち、図2のようなロック機構10のオープン状態においては、スイッチレバー17がオープンスイッチ16を押して、そのスイッチレバー17をオフ(開)にする。そして、この図2のオープン状態から、ラッチプレート12が矢印A1方向に回動することにより、スイッチレバー17がオープンスイッチ16から離れて、そのオープンスイッチ16がオン(閉)となる。したがって、オープンスイッチ16は、ロック機構10のオープン状態においてのみオフとなり、ハーフラッチ状態およびフルラッチ状態においてはオンとなる。このオープンスイッチ16は、バックドアが所定の閉じ範囲内にまで閉じられていることを検出する検出手段を構成する。
【0012】(ロック解除機構20)ロック機構20には、図4のように、軸線O3を中心として矢印E1,E2方向に回動可能なウォームホイール22が備えられている。このウォームホイール(以下、単にホイールともいう)22は、スプリング23によって矢印E2方向に付勢されており、ウォーム24を介して電動モータ25に連結されている。ホイール22の裏側の定位置には、図5のように、シャフト26によってレバー27の基端部27Aが回動可能に連結されており、そのレバー27の先端部27Bは、図4のように、ケース21のガイド部21A,21Aの間にガイドされている。モータ25の駆動によりホイール22が矢印E1方向に回動されたときは、レバー27が図6中の2点鎖線のように矢印F1方向に移動し、またモータ25の駆動が止められたときは、スプリング23の付勢力によりホイール22が矢印E2方向に回動復帰し、レバー27が図6中の点線のように矢印F2方向に移動する。レバー27の中間部には、図6のように、前述したロック機構10におけるロッキングプレート13の操作部13Aと対向する作用部27Cが折曲形成されており、レバー27が矢印F1方向に移動したときに、その作用部27Cがロッキングプレート13の操作部13Aを矢印D方向に移動させるようになっている。
【0013】ホイール22の表面側の環状溝部22A内には、図5のように、ゴム等の緩衝材28を備えたストッパー29が取り付けられており、またケース21の裏面側には、図4のように、環状溝部22A内に位置する平面略C字状の隆起部21Bが形成されている。ホイール22の矢印E1方向の回動限位置は、緩衝材28が隆起部21Bの一端21B−1に当たることによって規制され、またホイール22の矢印E2方向の回動限位置は、図4のように、ストッパー29が隆起部21Bの他端21B−2に当たることによって規制される。
【0014】ケース21内には、図6のように、モータ25の制御部(制御手段)30も収容されている。その制御部30は、図7のように、前述したロック機構10のオープンスイッチ16を含む回路構成となっている。
【0015】すなわち、オープンスイッチ16の一端は、ハンドルスイッチ31を介して車載電源32に接続され、オープンスイッチ16の他端は、リレー33のリレーコイル33A、ダイオード34、および外部からの制御信号により開閉されるスイッチ35を介して接地される。ハンドルスイッチ31は、バックドアの内側あるいは外側に取り付けられたバックドア開閉用のハンドル、運転席近傍に設けられたオープナーハンドル、またはキーシリンダのキープレートなどの操作部材が操作されたときにオン(閉)となる常開のスイッチである。また、スイッチ35は、例えば、ドアロック集中制御部からのドアロック解除の禁止信号によってオフ(開)となる常閉のスイッチであり、ドアロックの解除を禁止する場合に限ってオフとなる。モータ25の一方の入力端子は、リレー33のリレー接点(常開接点)33Bを介して車載電源32に接続されると共に、ダイオード36を介して、オープンスイッチ16とハンドルスイッチ31との間に接続される。また、モータ25の他方の入力端子は接地される。
【0016】(作用)次に、本例のドアロック装置の動作をドアの閉じ操作時の動作ドアの開き操作時の動作とに分けて説明する。
【0017】ドアの閉じ操作時の動作バックドアを閉じることにより、前述したように、ロック機構10が図2のオープン状態からハーフラッチ状態を経て、図3のフルラッチ状態となることにより、バックドアが閉成状態にロックされる。
【0018】ドアの開き操作時の動作図3のようなロック機構10のフルラッチ状態においては、オープンスイッチ16がオンとなっているため、操作部材によってバックドアを開き操作した場合、ハンドルスイッチ31がオンとなってリレー33が動作する。これにより、リレー接点33Bがオン(閉)となってモータ25の駆動回路が形成され、そのモータ25の駆動力によりホイール22が矢印E1方向に回動されて、レバー27が図6中の2点鎖線のように矢印F1方向に移動する。そして、このレバー27の作用部27Cによって、ロッキングプレート13の操作部13Aが矢印D方向に押され、そのロッキングプレート13が図3中の矢印B2方向に回動する。この結果、ラッチプレート12が矢印A2方向に回動復帰して、ストライカSのロックを解除する。その後、バックドアを引き続き開き操作することにより、バックドアが開放される。
【0019】バックドアの開き操作の初期段階において、ロック機構10が図2のようなオープン状態となるまでの間は、オープンスイッチ16がオン(閉)となっている。そのオープンスイッチ16がオンとなっている間は、仮に、ハンドルスイッチ31がオフとなったとしても、リレー接点33Bとダイオード36を含む自己保持回路によってリレーコイル33Aの通電回路が形成されて、モータ25の駆動回路が継続的に形成される。そのため、オープンスイッチ16がオンとなっている開き操作の初期段階において、仮に、操作者がバックドア開閉用のハンドルなどの操作部材から手を離して、ハンドルスイッチ31がオフとなったとしても、ロッキングプレート13は、モータ25からの継続的な駆動力によって図2中の矢印B2方向の回動位置に保持される。したがって、ロック機構10が再びハーフラッチ状態やフルラッチ状態になることがなく、その後は、バックドアに手を掛けて、初期段階以降の開き操作を続行することができる。
【0020】バックドアの開き操作が初期段階を過ぎた後は、オープンスイッチ16がオフ(開)となるため、リレーコイル33Aの通電回路が遮断され、リレー接点33Bがオフとなってモータ25の駆動回路が遮断される。そのため、スプリング23の付勢力によりホイール22が矢印E2方向に回動されて、レバー27が図6中の点線のように矢印F2方向に移動復帰し、ロッキングプレート13が図2のように矢印B1方向に回動復帰する。
【0021】また、バックドアの開き操作が初期段階を過ぎて、オープンスイッチ16がオフとなった後は、仮に、ハンドルスイッチ31がオンとなったとしてもリレー33は動作せず、モータ25の駆動回路は形成されない。したがって、ロック解除機構20の不要な動作が回避されることになる。
【0022】また、ロック機構10がフルラッチ状態にあるときに、例えば、ドアロック集中制御部からのドアロック解除の禁止信号によってスイッチ35をオフ(開)とすることにより、リレーコイル33Aの通電回路を遮断して、ドアロックの解除を禁止することができる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のドアロック装置は、ドアが所定の閉じ範囲内にまで閉じられている期間中は、ドア開閉操作用の操作部材が操作されたときからドアロック解除用モータを継続的に駆動し、ドアが所定の閉じ範囲外に開かれたときは、そのモータの駆動を停止させることにより、ドアの開き操作の初期段階において操作部材の解除操作を止めて、手を離したとしてもドアの再ロックを防止することができ、またドアが所定の閉じ範囲外に開かれたときは、モータの不用な駆動を防止することができ、これらの結果、ドアロック解除用モータの駆動力を利用して操作者の負担を軽減した上、操作性を大幅に向上させることができる。
【0024】また、ラッチプレートとロッキングプレートとの協働によってドアをロックし、かつドアロック解除用のモータの駆動力によってドアのロックを解除する機構を備えた上、ハンドルスイッチおよびオープンスイッチを用いて、操作部材が操作されたことと、ドアが所定の閉じ範囲内にまで閉じられたことを検出し、その検出結果に基づいて、ドアロック解除用モータの駆動回路と、その駆動回路用の保持回路を制御することにより、そのモータを確実に制御することができる。
【0025】また、外部からの制御信号に基づいてドアロック解除用モータの駆動回路の形成を禁止するスイッチを備えることにより、ドアロックの集中制御装置などからの制御信号に応じて、ドアロックの解除を禁止することもできる。
【出願人】 【識別番号】000148896
【氏名又は名称】株式会社大井製作所
【出願日】 平成11年12月24日(1999.12.24)
【代理人】 【識別番号】100088915
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 和夫 (外2名)
【公開番号】 特開2001−182399(P2001−182399A)
【公開日】 平成13年7月6日(2001.7.6)
【出願番号】 特願平11−366078