| 【発明の名称】 |
車両用ロック装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】中込 克己
|
| 【要約】 |
【課題】既存のロック装置の大幅な設計変更を伴なうことなく、緊急用のロック解除機構部を組付けることができ、しかも組立て作業性もよい車両用ロック装置を提供すること。
【解決手段】ケース2内に、電動オープナー機構部30によってロック解除方向に移動されるロッキングプレートの操作部12Aを備えた車両用ロック装置において、そのロッキングプレートの操作部12Aの先端12Bをケース2の外方に突出させて、その操作部12Aの先端12Bに、緊急用のハンドルに連結されるワイヤ41の連結部41Aをケース2の外側から連結する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ラッチプレートとロッキングプレートとの協働によってストライカのロックおよびロック解除が可能なロック機構と、装置本体の内部に位置する前記ロッキングプレートの操作部をロック解除方向に移動可能な電動オープナー機構部と、を備えた車両用ロック装置であって、前記ロッキングプレートの操作部と対向する前記装置本体の部位に、前記ロッキングプレートの操作部の移動方向に延在する開口部を形成し、前記ロッキングプレートの操作部の先端を前記装置本体の開口部から外方に突出させ、前記ロッキングプレートの操作部の先端に、操作力伝達部材を介して、前記ロッキングプレートをロック解除方向に移動操作可能な緊急用のハンドルを連結したことを特徴とする車両用ロック装置。 【請求項2】 前記電動オープナー機構部は、前記装置本体の内部に位置する前記ロッキングプレートの操作部をロック解除方向に移動操作可能なリリースレバーを備え、前記緊急用のハンドルは前記操作力伝達部材の一端に連結され、前記操作力伝達部材の他端に、前記ロッキングプレートの操作部の先端に対して、前記装置本体の外側から連結可能な連結部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用ロック装置。 【請求項3】 前記装置本体に、前記ロッキングプレートの操作部の先端と前記操作力伝達部材の連結部との連結部分を覆い、かつ前記操作部の先端からの前記操作力伝達部材の連結部の抜け止めをするカバーが前記装置本体の外側から取り付けられることを特徴とする請求項2に記載の車両用ロック装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両のトランクなどに用いて好適な車両用ロック装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】車両のトランク用ロック装置には、トランクリッド側のラッチプレートとロッキングプレートとの協働によって、車体側のストライカのロックおよびロック解除が可能なロック機構が備えられている。また、このようなロック機構によるストライカのロックを解除させるためのロック解除機構として、電動オープナー機構部などが備えられている。 【0003】従来より、電動オープナー機構部は、電動モータによって駆動されるリリースレバーを備えており、そのリリースレバーによって、装置本体の内部に位置するロッキングプレートの操作部をロック解除方向に移動させる構成となっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】近年においては、このようなロック解除機構に対して、トランクルーム内に備え付けたハンドルを用いてロック解除をするための緊急用のロック解除機構部が組み込まれつつある。この緊急用のロック解除機構部は、トランクルーム内のハンドルの操作によって、ロッキングプレートをロック解除方向に移動させる構成となっている。 【0005】しかし、このような緊急用のロック解除機構部を既存のトランク用ロック装置に組み込もうとした場合には、ロッキングプレートに対して電動オープナー機構部のリリースレバーを関連付けると共に、さらにロッキングプレートに対して緊急用のロック解除機構部のハンドルをも連結しなければならない。そのため、ロッキングプレート周辺の構成が複雑になってしまい、大幅な設計変更が必要となる。また、仮に、電動オープナー機構部のリリースレバーと同様に、装置本体の内部にて、緊急用のロック解除機構部のハンドルをロッキングプレートの操作部に連結しようとした場合には、装置本体の内部構造が複雑化して、ロック装置の組立作業性の悪化を招くという問題が生じてしまう。 【0006】本発明の目的は、既存のロック装置の大幅な設計変更を伴なうことなく、緊急用のロック解除機構部を組付けることができ、しかも組立て作業性もよい車両用ロック装置を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の車両用ロック装置は、ラッチプレートとロッキングプレートとの協働によってストライカのロックおよびロック解除が可能なロック機構と、装置本体の内部に位置する前記ロッキングプレートの操作部をロック解除方向に移動可能な電動オープナー機構部と、を備えた車両用ロック装置であって、前記ロッキングプレートの操作部と対向する前記装置本体の部位に、前記ロッキングプレートの操作部の移動方向に延在する開口部を形成し、前記ロッキングプレートの操作部の先端を前記装置本体の開口部から外方に突出させ、前記ロッキングプレートの操作部の先端に、操作力伝達部材を介して、前記ロッキングプレートをロック解除方向に移動操作可能な緊急用のハンドルを連結したことを特徴とする。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本例は、車両のトランク用ロック装置としての適用例である。 【0009】1は、トランクリッド側の定位置に取り付けられるベースプレートである。このベースプレート1は、図2のように側面視にて略V字状に折曲されており、その一端側にロック機構10が構成され、その他端側に取付けられる樹脂製のケース(装置本体)2内にロック解除機構20が構成される。 【0010】ロック機構10には、図1のように、一般的なドアロック機構と同様に、軸線O1を中心として矢印A1,A2方向に回動可能なラッチプレート11と、軸線O2を中心として矢印B1,B2方向に回動可能なロッキングプレート12と、ラッチプレート11を矢印A2方向に付勢しかつロッキングプレート12を矢印B1方向に付勢するスプリング13が備えられている。図1の状態において、ロック機構10は、図示しない車体側のストライカをラッチプレート11によってロックするロック状態、つまりトランクリッドを閉位置にロックする状態にある。すなわち、ラッチプレート11は、その係合部11Aによってストライカをロックする矢印A1方向の回動位置にあり、矢印A2方向の回動復帰がロッキングプレート12によって阻止されている。ストライカのロックを解除する場合には、ロッキングプレート12を矢印B2方向に回動させて、ラッチプレート11を矢印A2方向に回動復帰させればよい。 【0011】ロック解除機構20は、ロッキングプレート12を矢印B2方向に回動させることによって、ロック機構10のロックを解除するものである。ロック解除機構20には、一般的なトランク用ロック装置におけるロック解除機構と同様に、トランクリッドに備わるキーシリンダ、および運転席近傍に備わるレバーの操作によって、ロッキングプレート12をロック解除方向(矢印B2方向)に回動させるためのロック解除機構部(図示せず)が備えられている。さらに、本例のロック解除機構20には、ロッキングプレート12をロック解除方向に回動させるために、電動オープナー機構部30と、緊急用のハンドル40を有する緊急用のロック解除機構部が備えられている。 【0012】ロッキングプレート12は、その操作部12Aがベース1とケース2との間に位置している。さらに、その操作部12Aの先端12Bは、図3のように折曲されており、ケース2に形成された開口部2Aからケース2の外方に突出する。開口部2Aは、ロッキングプレート12の回動に伴なう先端12Bの移動軌跡に沿うように、図1および図3中の左右方向に延在する長穴とされている。 【0013】電動オープナー機構部30は、ケース2の内部にて構成されており、図1のように、軸線O3を中心として矢印C1,C2方向に回動可能なウォームホイール(以下、単に「ホイール」という)31を備えている。このホイール31は、ウォーム32を介して電動モータ33に連結されており、モータ33の駆動力によって矢印C1方向に回動され、モータ33の非駆動時には、図示しないスプリングによって矢印C2方向に回動復帰される。ホイール31の定位置には、リリースレバー34の基端部34Aがピン結合されている。リリースレバー34の平面略U字状の先端部34Bは、ケース2の内部に位置するロッキングプレート12の先端12Bの部分、つまり先端12Bの図3中下側部分との対向位置において、図1中の左右方向にスライド可能にガイドされている。 【0014】このように構成された電動オープナー機構部30は、モータ33の駆動力によってホイール22を矢印C1方向に回動させたときに、リリースレバー34を図1中の右方に押し出す。これにより、リリースレバー34の先端部34Bがロッキングプレート12の先端12Bを押して、ロッキングプレート12をロック解除方向(矢印B2方向)に回動させる。一方、モータ33の非駆動時は、図1のように、図示しないスプリングがホイール31を矢印C2方向に回動復帰させて、リリースレバー34を図1中の左方に引き込む。これにより、ロッキングプレート12の矢印B1方向の回動復帰を可能とする。 【0015】緊急用のロック解除機構部におけるハンドル40は、面ファスナー等の取り付け手段によってトランクルーム内の定位置に備え付けられており、操作力伝達部材としてのワイヤ41の一端に連結されている。ワイヤ41の他端には環状の連結部41Aが設けられており、図3のように、ケース2の外方に突出するロッキングプレート12の先端12Bに対して、ケース2の外側からはまり合う。 【0016】また、ケース2の外側には、開口部2Aを覆うカバー3が取付けられている。本例のカバー3は、図1中右側のフック部3Aをケース2の周縁に引っ掛けてから、ねじ4によって、図1中左側の取付け部3Bがケース2の定位置に取付けられる。開口部2Aを覆うカバー3のカバー部3Cは、図2および図3のように外方に膨出されており、その内部には、ロッキングプレート12の先端12Bとワイヤ41の連結部41Aの図1中左右方向の移動を許容するための空間が形成されている。さらに、カバー部3Cは、図3のように2段階的に膨出されており、その両側の段差部3Dによって、ロッキングプレート12の先端12Bからのワイヤ41の連結部41Aの抜け出しが防止される。 【0017】このように、ワイヤ41を介してロッキングプレート12の先端12Bに連結されたハンドル40は、トランクルーム内にて引き操作されることにより、ロッキングプレート12をロック解除方向(矢印B2方向)に回動させる。このハンドル40は緊急時にのみ引き操作されるものであり、通常は、トランクルーム内の定位置に備え付けられている。そして、電動オープナー機構部30などによるロッキングプレート12の通常の回動時は、ワイヤ4が撓むことによって、ロッキングプレート12の回動が許容される。したがって、ロッキングプレート12にハンドル40を連結したことによって、何らロッキングプレート12の通常の回動が阻害されることはない。また、ワイヤ41の連結部41Aとリリースレバー34の先端部34Bは、図3のように、ケース2における開口部2Aの周壁部分を隔てて対向するため、それらが互いに干渉し合うおそれはない。 【0018】次に、ハンドル40の連結方法について説明する。 【0019】ワイヤ41の連結部41Aおよびカバー3は、ケース2の外側から、いわゆる外付けすることができる。すなわち、ケース2の開口部2Aから突出するロッキングプレート12の先端12Bに対して、ケース2の外側からワイヤ41の連結部41Aをはめ付けて連結し、その後、ケース2の外側からカバー3を取付ける。したがって、ハンドル40を外付けによってきわめて簡単に連結することができる。 【0020】また、ハンドル40が連結されていない既存のロック装置として、例えば、ケース2に開口部2Aが形成されてなく、かつカバー3が取り付けられていないトランク用ロック装置を想定した場合には、比較的小さな設計変更によって、ハンドル40の外付けが可能となる。すなわち、その既存のロック装置のケース2に開口部2Aを形成して、その開口部2Aからロッキングプレート12の先端部12Bを突出させることにより、ケース2の外側からのハンドル40の外付けが可能となる。 【0021】(他の実施形態)操作力伝達部材としては、ワイヤ4などの柔軟性の部材のみに特定されず任意であり、ロッキングプレート12の通常の回動を阻害しない限り、剛体のロッドなどであってもよい。また、本発明のロック装置は、トランク用のロック装置の他、車両用の種々のロック装置として適用することができる。 【0022】 【発明の効果】以上説明したように、本発明は、装置本体内に、電動オープナーによってロック解除方向に移動されるロッキングプレートの操作部を備えた車両用ロック装置において、そのロッキングプレートの操作部の先端を装置本体の外方に突出させて、その操作部の先端に対して、緊急用のハンドルを装置本体の外側から連結することにより、既存のロック装置の大幅な設計変更を伴なうことなく、緊急用のロック解除機構部を外付けにより組み付けることができて、組立て作業性の悪化を回避することもできる。 【0023】また、ロッキングプレートの操作部の先端に、緊急用のハンドルに連結される操作力伝達部材の連結部を連結し、装置本体の外側と内側において、操作力伝達部材の連結部と電動オープナーのリリースレバーとを隔てることにより、それらが干渉し合うことを回避して、常に確実なロック解除操作を行うことができる。 【0024】また、ロッキングプレートの操作部の先端と操作力伝達部材の連結部との連結部分を覆うカバーに、操作力伝達部材における連結部の抜け止め機能を兼有させることにより、その連結部分の保護と抜け止めをカバーの取付けのみによって実現することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000148896 【氏名又は名称】株式会社大井製作所
|
| 【出願日】 |
平成11年12月28日(1999.12.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088915 【弁理士】 【氏名又は名称】阿部 和夫 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−182398(P2001−182398A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月6日(2001.7.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−373198 |
|