トップ :: E 固定構造物 :: E05 錠;鍵;窓または戸の付属品;金庫




【発明の名称】 無人受取ボックス
【発明者】 【氏名】内藤 昌則

【要約】 【課題】無人受取ボックスの個々の収納室の個別扉を個々に開いて発送依頼荷物を集荷する、または、無人受取ボックスの利用者が発注した商品等を個々の収納室の個別扉を個々に開いて配達することを作業内容とする物品配送業者の集配業務上の手数および所用時間を省く。

【解決手段】多数の収納室の個別扉17…を複数の収納室の一群、例えば、A群、B群、C群に属する収納室に共通する扉枠10B,10B…を介して収納室に取り付け、この扉枠10B,10B…と扉枠10B,10B…に取り付けられた複数の個別扉17…とによって各扉枠10Bに対応する群に属する複数の収納室を同時に開閉する集配扉30A,30B,30Cを形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 キャビネットの内部に、電子制御装置を収納する制御室と物品を収納する複数の収納室とを備え、複数の各収納室に電子錠付きの個別扉を設け、各個別扉の電子錠を制御室に収納する電子制御装置を介して解錠操作する無人受取ボックスにおいて、個別扉を複数の収納室の群に共通する扉枠を介して収納室に取り付け、扉枠と扉枠に取り付けられた複数の個別扉とは、扉枠に対応する群に属する複数の収納室を同時に開閉する集配扉を形成し、集配扉は、手動錠又は電子制御装置から解錠操作する電子錠を備えることを特徴とする無人受取ボックス。
【請求項2】 前記個別扉を有する各収納室と前記集配扉を有する収納室の群とを、前記電子制御装置を介して温度制御する冷却機構を内蔵することを特徴とする請求項1記載の無人受取ボックス。
【請求項3】 前記電子制御装置は、電子情報を入出力する外部接続ポートを備え、情報通信手段を介して遠隔制御することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の無人受取ボックス。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、商品の買い手と売り手との間を、宅配業者や郵便集配人等の物品配送業者が仲介する形式の商品取り引きにおいて、買い手に宛てて送られた商品を買い手が引き取るまでの間、一時的に保管可能とすることによって、商品の買い手、売り手双方の便宜を図るために利用されている無人受取ボックスの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】インターネット販売、テレビショッピング、カタログ販売等のように、商品販売形態の多様化に伴い、商品の買い手と売り手との間に物品配送業者が介在し、商品が物品配送業者を介して買い手側に送られて来る機会が増え、宅配便の利用が急速に増えている。そして、この際に、買い手が不在であれば、物品配送業者は、商品を持ち帰らざるを得ず、また、留守がちの買い手は、なかなか商品を受領することができないとともに、商品の売り手は、その間に生じる危険を負担しなければならない他、商品代金を請求することができないという不便が生じる。
【0003】無人受取ボックスは、このような不便を解消するための商品一時預かり装置ないしは、無人商品受領装置として普及したものであり、無人受取ボックスが有する機能は、隔地者間における商品販売システムと密接に関連している。したがって、無人受取ボックスは、物品配送業者を介して物品を受け取る用途の他に、物品配送業者を介して物品を発送する用途にも利用される。
【0004】このような用途に基づく従来の無人受取ボックスは、キャビネットの内部スペースを、制御室と物品を収納するための多数の収納室とに区画し、各収納室には、電子錠を備える個別扉が設けられる。また、制御室には、買い手および物品配送業者が、利用する収納室を特定したり、その収納室の個別扉の電子錠を解錠操作したりするための電子制御装置が収められている。さらに、保冷機能を有する無人受取ボックスにおいては、キャビネットの内部スペースには、当然、冷却機構を収納する機械室が確保されるものも開発されつつある。
【0005】電子制御装置は、CPUを内蔵し、情報のインプット.アウトプット機能、利用者の識別機能、各収納室の電子錠の施錠解錠機能、配達伝票に対する押印機能、使用履歴記録機能の他、保冷機能を有する無人受取ボックスにおいては、温度制御機能を有する。さらに、電子制御装置が、外部接続ポートを有し、モデムやDSU、ターミナルアダプタ等の電気的整合手段を介してアナログ電話回線やISDN等の情報通信回線に接続可能なものである場合には、遠隔操作機能、遠隔管理機能をも有する。
【0006】また、利用者による各収納室の電子錠の解錠操作は、IDカードと暗証番号の双方またはいずれか一方によって行なわれるのが一般的であり、マンション等に設置されるものにおいては、利用者の識別のために部屋番号が併用されることもある。なお、各収納室の電子錠は、防犯上の配慮から空室であるときにも施錠されている。
【0007】無人受取ボックスは、次のような利用形態が将来期待されている。すなわち、商品カタログによって商品を特定した買い手は、カタログ販売を企画した販売業者に対し、電話、ファクシミリ、パーソナルコンピュータ等で発注し、注文を受けた販売業者は、業務販売契約をしている特定のスーパーや、商品によっては、全国の製造業者に商品の発送方を依頼する。商品の発送依頼を受けた業者等は、商品を買い手に宛てて宅配便等で発送する。発送された商品は、物品配送業者によって、直接または数箇所の荷物中継点を経由して買い手が利用する無人受取ボックスに運搬され、業者用の所定の操作方法で収納室に収められる。買い手は、商品の到着を告知するランプやディスプレイの着荷表示によって注文した商品の到着を知り、所定の操作方法で個別扉を開いて商品を受け取る。これらを情報センターで集中制御、集中管理し、双方向性を保つ。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の無人受取ボックスは、買い手側および売り手側の利用者にとって便利である反面において、その間を仲介する物品配送業者による配達商品または発送荷物の集配業務上の負担が過大あるという問題があった。
【0009】この問題は、防犯上の安全性に優れる一方で解錠操作に時間を要するという電子錠のデメリットと、物品配送業者による商品等の配送のシステムとの相互関係によって惹起される。すなわち、買い手が発注した商品は、スーパーや製造業者から発注毎に発送されることは希であり、通常、物品配送業者との間の取り決めに従って一定時間毎の発送サイクルをもって発送される。また、商品が遠隔地から荷物中継点を経由して配送されてくる場合には、時間待ちをして同じ方面に配達する荷物をまとめた上、その方面行きの便を利用して一時に配送される。この結果、無人受取ボックスの複数の利用者が異なる日時に商品を発注した場合であっても、商品の配達時期に関しては、物品配送業者が複数の名宛人分の商品を同時に配達することとなる場合が多い。
【0010】しかしながら、物品配送業者は、無人受取ボックスに発注商品を収納するに際して、同じ解錠操作を何度も繰り返して順次に収納室の個別扉を開き、商品を収納する毎に、配達伝票の押印操作等を繰り返さなければならな。そして、無人受取ボックスが特定の利用者と特定の収納室とが1対1で対応しない共同利用タイプものである場合には、利用する収納室の特定操作が加わるので、利用上の煩雑さは、一層顕著となる。このような煩雑な事情は、利用者が無人受取ボックスを介して発送する荷物の集荷作業においても同様である。
【0011】そこで、本発明は、無人受取ボックスの利用者に便利であるだけではなく、物品配送業者にとっても、短時間内に簡単に集配業務や集荷業務を完了することができる便利な無人受取ボックスを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような課題に対して本発明は、キャビネットの内部に、少なくとも、電子制御装置を収納する制御室と物品を収納する複数の収納室とを有し、各収納室に電子錠付きの個別扉を設け、各個別扉の電子錠を制御室の電子制御装置を介して解錠操作するようにしてなる無人受取ボックスにおいて、個別扉を複数の収納室の群に共通する扉枠を介して収納室に取り付け、扉枠と扉枠に取り付けられた複数の個別扉とは、扉枠に対応する群に属する複数の収納室を同時に開閉する集配扉を形成し、集配扉は、手動錠又は電子制御装置から解錠操作する電子錠を備えることを特徴とする。
【0013】この無人受取ボックスでは、集配扉は、一群をなす複数の収納室の個別扉と、その個別扉を取り付けている扉枠とからなる。したがって、個別扉により各収納室を個別に開閉することは勿論、集配扉を開閉することで、扉枠に対応する一群の収納室を同時に開閉することができる。
【0014】請求項2記載の無人受取ボックスは、前記個別扉を有する各収納室と前記集配扉を有する収納室の群とを、前記電子制御装置を介して温度制御する冷却機構を内蔵することを特徴とする。
【0015】冷却機構によって無人受取ボックスの内部温度を低く維持することができるので、生鮮食料品等の低温保管を要する物品を受け入れることができる。また、その際の温度は、電子制御装置によって適度に設定、管理することができる。そして、集配扉を有する収納室の群でも温度制御できるので、必要な収納室の群ごとでも内部温度を低く維持することができる。
【0016】無人受取ボックスにおける電子制御装置は、電子情報を入出力する外部接続ポートを備え、情報通信手段を介して遠隔制御することができる。
【0017】無人受取ボックスを遠隔制御することによって、複数の無人受取ボックスが設置される場合において、各無人受取ボックスの電子制御装置をリモート電子制御装置とし、一箇所のマスタ電子制御装置からこれらを制御することができるので、複数の無人受取ボックスの集中制御、集中管理が可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を引用しながら説明する。
【0019】(第1の実施の形態)本実施の形態の無人受取ボックス10は、図1及び図2に示すように、キャビネット10A内に、制御室R0と多数の収納室R1…R36と機械室R37とを有する。キャビネット10Aは、防錆鋼板、ステンレス鋼板等の金属薄板を素材とする板金加工製品である。キャビネット10Aの外形は、天面を形成する天板パネル11、左右の側面を形成する一対の側面パネル12,12、背面を形成する背面パネル13、底面を形成する底面パネル14との5面によって構成され、底面パネル14には、底面パネル14と設置面との間に空隙を保つためのベース枠15が付属する。
【0020】キャビネット10Aの内部は、一定の行幅D1と列幅D2を保って格子を組むように配置する水平方向の仕切り板16a…と垂直方向の仕切り板16b…とによって、上下方向については、6行、左右方向については、8列に区画され、互いに独立した36室の収納室R1…R36を形成している(図1)。ただし、制御室R0は、キャビネット10Aの左上の位置に2列幅2行幅を占有して設けられ、機械室R37には、最下行位置に1行幅で全列幅を占有するように3区画が割り当てられている。
【0021】多数の収納室R1…R36は、向かって左側から、3行2列分を占有するA群の収納室R1…R6と、5行3列分を占有するB群の収納室R7…R21と、同じく5行3列分を占有するC群の収納室R22…R36とに大きく区分されている。制御室R0には、操作パネル22を備える電子制御装置20が収納され、機械室R37には、冷却機構が収納される。そして、A群、B群、C群の収納室R1…R6,R7…R21,R22…R36には、それぞれ、その群に対応する独立した扉枠10B,10B,10Bを介して個別扉17,17…が取り付けられ、機械室R37には、専用の扉18が取り付けられる(図1,図2)。したがって、キャビネット10Aの前面は、電子制御装置20の操作パネル22と、多数の個別扉17,17…と、機械室R37の扉18との集合体によって構成されることとなる。
【0022】A群,B群,C群の扉枠10B,10B…は、いずれも、横桟16A…と縦桟16B…とからなる格子状の枠桟体であり、それらは、各収納室R1…の行幅D1と列幅D2とに一致する行幅D1と列幅D2とを有するように組み立てられている(図1)。また、B群とC群の扉枠10B,10Bは、キャビネット10Aに対して、それぞれ、B群の左端とC群の左端に位置する垂直方向の仕切り板16b,16bと扉枠10B,10Bの左側の縦桟16B,16Bとの間に介装する大型のヒンジH2,H2によって右開き可能に取り付けられている(図3)。また、各個別扉17は、扉枠10Bに対して、個別扉17の左端と扉枠10Bの縦桟16Bとの間に介装する小型のヒンジH1によって、各収納室R1…に対応する状態で右開き可能に取り付けられる。なお、ヒンジH1,H2は、各個別扉17、各扉枠10Bにつき複数個使用される。このような扉枠10Bおよび個別扉17の取り付け方は、図示しないA群の扉枠10Bおよび個別扉17の取り付け方についても同様である。A群の扉枠10Bの取付け部材は、キャビネット10Aの左側の側面パネル12になる(図1)。
【0023】この結果、A群の収納室R1…R6に対応する扉枠10Bと、それに取り付けられる6個の個別扉17…とは、A群に属する収納室R1…R6を一挙に開閉する集配扉30Aを形成し、 B群の収納室R7…R21に対応する扉枠10Bと、それに取り付けられる15個の個別扉17…とは、B群に属する収納室R7…R21を一挙に開閉する集配扉30Bを形成し、 さらに、C群の収納室R22…R36に対応する扉枠10Bと、それに取り付けられる15個の個別扉17…とは、C群に属する収納室R22…R36を一挙に開閉する集配扉30Cを形成することとなる(図2)。
【0024】各群の各個別扉17は、電子制御装置20によって解錠操作する電子錠K1によって施錠され(図3)、また、各群の収納室R1…に対応する集配扉30A,30B,30Cは、電子制御装置20によって解錠操作する電子錠K2によって施錠される。ここで採用している電子錠K1,K2は、キャビネット10A側に固定された電磁ソレノイドをアクチュエイタ要素として利用するものであり、それぞれ、各個別扉17の右端部にキャビネット10Aの内部側に向けて突設したロック金具17a、各集配扉30A,30B,30Cの右端部に突設したロック金具10aを電磁ソレノイドの可動ロッドでラッチする仕組みのものである。
【0025】各収納室R1…の電子錠K1…および集配扉30A,30B,30Cの電子錠K2は、それぞれ独立の電送経路によって電子制御装置20に接続し、したがって、個別に解錠操作することができる(図4)。電子制御装置20は、各種のメモリ要素と演算要素とからなるCPUを備え、また、電子情報を入出力する外部接続ポート21を備える。この電子制御装置20は、電子錠K1,K2の他に、キャビネット10A内に分散配置する3個の温度センサS1…と、機械室R37内に収納した冷却機構40とが接続されている。3個の温度センサS1…は、オア条件で電子制御装置20に入力され、冷却機構40に対しては、温度センサS1…からの信号に基づく制御信号が与えられる。すなわち、冷却機構40は、フィードバック制御されるようになっており、個別扉17…を有する各収納室R1…と集配扉30A,30B,30Cを有する収納室R1…の群(A群,B群,C群)とを電子制御装置20を介して温度制御する。
【0026】電子制御装置20に対する指示は、操作パネル22から行なうことができ、操作パネル22を介して、電子錠K1,K2の解錠操作およびキャビネット10A内の温度設定をすることができる。操作パネル22には、対話方式の操作が可能なタッチパネル22a、磁気カードまたはICカードを読み取るカードリーダ22b、プリペイドカードスロット22e、プリペイドカードによって即時決済した場合に受取りを発券するレシートプリンタ22d、特定の接続先との通話を可能にするオンライン電話22cが備わる。なお、タッチパネル22aは、対話方式で選択するボタン操作によって順次に切り替わる数種の画面を表示することができる。例えば、発注商品の着荷表示画面、暗証番号入力画面、物品配送業者に対する発送依頼画面、物品配送業者に対する発送荷物預かり画面等である。
【0027】このような無人受取ボックス10は、個々の利用者に対する利便性を損ねることなく、集配業務を短時間にかつ簡単に完了することができる。ただし、ここで説明する無人受取ボックス10は、特定の利用者と特定の収納室とが固定的に対応していない共同利用タイプ(マンションタイプ)である。すなわち、個々の利用者は、従来と同様に、着荷表示画面によって発注商品等の到着を認識し、タッチパネル22aに表示される手順に従って、発注商品が収納されている収納室の個別扉17の電子錠K1を解錠し、商品の受領や、荷物の発送依頼を行なうことができる。このような無人受取ボックス10の設置場所としては、将来的に、駅の改札口やスーパー等の大型店の出入り口等が考えられ、帰宅の際や店舗の閉店後も特定の利用者が利用しやすいようにすることが期待される。
【0028】一方、物品配送業者は、発送荷物預かり画面によって、発送依頼荷物があるか否かを認識することができ、発送依頼荷物がある場合には、それが収納されている例えば収納室R7が属するB群の集配扉30Bの電子錠K2を解錠し、発送依頼荷物を集荷することができる。この際、B群の収納室R7…R21の発送依頼荷物が複数である場合には、これらを同時に集荷することができる。さらに、集荷作業後には、配達商品の個数の限りにおいてB群の収納室R7…R21の全ての空室が配達商品の収納可能スペースとして利用することができる。そして、これらの集配作業に要する解錠操作は、B群の集配扉の電子錠K2のみであることから、個々の収納室R7…R21の個別扉17…を個別に解錠操作する場合に比較して、集配業務に要する操作手数と時間とを大幅に省くことができることとなる。そして、本実施の形態によれば、無人受取ボックス10に、その外形やサイズに変更を加えることなく、つまり、無人受取ボックス10の設置上の条件を加重することなく、一群の収納室(A群,B群,C群)を一挙に開閉することができる集配業務専用や集荷業務専用の扉装置を設けることによって、短時間内に簡単に集配業務や集荷業務を完了することができる。
【0029】また、電子制御装置20の外部接続ポート21を利用する場合には、既存のアナログの電話回線やデジタルの情報通信網を介して、一箇所のワークステーション50から別々の場所に設置された複数の無人受取ボックス10…を情報センター等で集中制御、集中管理することができる(図5)。
【0030】同図に示す例は、デジタルの情報通信回線を介して3箇所に設置した無人受取ボックス10…とワークステーション50とを結び、いわば、無人受取ボックス管理システムを構築する例である。ワークステーション50は、電子制御装置51とモニタ52とオンライン電話55等からなり、電子制御装置51には、単体のDSU53およびターミナルアダプタ54が付属している。また、各無人受取ボックス10側の電子制御装置20には、ターミナルアダプタ一体型のDSU23が付属している。そして、電子制御装置51と電子制御装置20…とは、DSU23,53を介してISDN回線によって接続されている。また、オンライン電話55は、ターミナルアダプタ54を介して接続される。
【0031】このようなシステム構成においては、ワークステーション50の電子制御装置51をマスタ電子制御装置として機能させるとともに、各無人受取ボックス10の電子制御装置20をリモート電子制御装置として機能させることが可能であり、この結果、各無人受取ボックス10の利用者や物品配送業者が操作パネル22から行なう各種の操作は、ワークステーション50からも行なうことができることとなる。例えば、個別扉17…の電子錠K1や集配扉30A,30B,30Cの電子錠K2…の解錠操作、無人受取ボックス10…内の温度制御等である。また、各電子制御装置20に入力される情報や蓄積される情報は、電子制御装置51側においても共有することができるので、配達商品の正当な受取人の特定や、正当な物品配送業者の特定等をワークステーション50から監視することができ、セキュリティ機能を高めることができる。さらに、オンライン電話22c,55を利用することによって、商品に対するクレーム通知や操作パネル22操作上の不明点の質問、故障通知等をその場で行なえるので、サービス機能を高めることもできる。
【0032】(第2の実施の形態)本実施の形態の無人受取ボックス10は、全数の収納室R1…を一気に開閉する集配扉30を備える形態のものである(図6)。
【0033】本実施の形態の集配扉30は、扉枠10Dと多数の個別扉17…とからなり、扉枠10Dは、キャビネット10A内に形成された全数の収納室R1…に対応するものであり、したがって、扉枠30には、収納室R1…全数分の個別扉17…が取り付けられている。集配扉30は、上端縁の内側部分に複数のヒンジH3を備え、下端縁の内側部分に電子錠K3を備える。すなわち、集配扉30は、跳ね上げ動作式の下開き構造を採用する。
【0034】キャビネット10Aの天板パネル11の前端部、集配扉30のヒンジH3に対応する部分は、部分的に切り欠かれており、この部分にヒンジ収納ケース11aが落とし込まれている。ヒンジ収納ケース11a内には、側方の仕切り板16bから軸19が突設され、扉枠10D側には、軸孔を有するブラケット10dが固定されている。集配扉30は、ブラケット10dの軸孔に軸19を通すことによって、キャビネット10Aの前面を塞いで下垂するように取り付けられる。なお、軸19には、ブラケット10dと共にスプリングS1が組み込まれている。このスプリングS1の両端は、天板パネル11の裏面と扉枠10Dの縦桟16Bとによって支持され、スプリングS1は、集配扉30を跳ね上げる向きに付勢している。
【0035】集配扉30の電子錠K3は、扉枠10Dの下端縁の内側に突設するロック金具10aと、キャビネット10A側に固定するロック金具16fと、電磁ソレノイドとから構成される。ロック金具10a,16fは、集配扉30が閉じ切ったときに上下方向に一致する透孔を有し、電子錠K3は、電磁ソレノイドの可動ロッドP1が、一致したロック金具10a,16fの透孔を貫通することによって施錠される仕組みである。
【0036】このような形態の無人受取ボックス10は、一個の電子錠K3に対する解錠操作のみで全ての収納室R1…を開閉することが可能であり、物品配送業者にとっては、一層効率よく集配業務を実施することができる。また、各ヒンジH3に集配扉30を跳ね上げる向きに働くスプリングS1が組み込まれていることから、多数の収納室R1…の個別扉17を取り付けた大型の集配扉30であっても、小さな操作力でこれを開閉することができる。また、ヒンジH3が、集配扉30の上端縁部に位置しているので、右開き扉または左開き扉において見られるような片下がり現象が発生しない。ただし、このような片下がり現象が生じない限りにおいて、右開き又は左開き等で全部の収納室R1…R36を開閉するようにしても良い。なお、スプリングS1としては、伸縮筒内に圧縮スプリングを装填した構造のものも使用することができる。この場合、伸縮筒の伸長限において、つまり、集配扉30に取り付けた場合の集配扉30が開き切った位置において、一旦ロックされるロック機構付きのものとすれば、集配扉30が開いた状態で一時的に固定されるので、物品配送業者にとって一層便宜なものとなる。
【0037】以上の説明において、集配扉30,30A,30B,30Cの施錠用に電子錠K2,K3を用いているが、これは、手動錠であってもよい。手動錠であっても、例えば、鍵穴をロックする二重錠機構等の採用によって、十分に安全な施錠をすることが可能だからである。これによって、解錠操作上の手数が若干増し、この点を考慮しても、なお、大幅な集配業務上のメリットが残存する。また、集配扉30等は、電子錠K2,K3と手動錠との双方によって施錠することもできるものとする。この場合においても、なお、集配業務上のメリットが残存するからである。
【0038】
【発明の効果】本発明に係る無人受取ボックスは、キャビネットの内部スペースを物品を収納するための多数の収納室に区画し、区画した個々の収納室に取り付けられるべき個別扉を、複数の収納室の群に共通する扉枠を介して個々の収納室に取り付け、そして、扉枠と扉枠に取り付けられた複数の個別扉とによって、扉枠に対応する群に属する複数の収納室を同時に開閉する集配扉を形成し、この集配扉に、手動錠又は電子制御装置から解錠操作する電子錠を取り付けることによって、集配扉の手動錠または電子錠を解錠操作して集配扉を開けば、その集配扉に対応する群に属する全ての収納室を開くことができるので、無人受取ボックスに対する物品の集配業務や集荷業務の手数および所要時間を大幅に省くことが可能である。
【0039】
【出願人】 【識別番号】393026892
【氏名又は名称】株式会社白山機工
【出願日】 平成11年12月28日(1999.12.28)
【代理人】 【識別番号】100105809
【弁理士】
【氏名又は名称】木森 有平
【公開番号】 特開2001−182396(P2001−182396A)
【公開日】 平成13年7月6日(2001.7.6)
【出願番号】 特願平11−372086