| 【発明の名称】 |
制振装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】北濱 雅司
【氏名】一戸 康生
【氏名】佐々木 正道
【氏名】福田 浩司
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| 【要約】 |
【課題】容易に製造することができることにより製造コストを低減することができる制振装置を提供する。
【解決手段】1枚の板材から成り、構造物2の一部2aに固定される第1固定部1aと、該第1固定部の両側に形成された曲げ変形部1b,1bと、これら曲げ変形部の外側に形成されかつ曲げられて形成されたリブ1dを有する両外側部1c,1cと、これら両外側部を構造物2の他部2bに固定するための第2固定部1eとを備えている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 1枚の板材から成り、構造物の一部に固定される第1固定部と、該第1固定部の両側に形成された曲げ変形部と、これら曲げ変形部の外側に形成されかつ曲げられて形成された剛性補強部を有する両外側部と、これら両外側部を前記構造物の他部に固定するための第2固定部とを備えていることを特徴とする制振装置。 【請求項2】 前記第2固定部と前記両外側部と間に、第2曲げ変形部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の制振装置。 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の制振装置と前記構造物との接合構造であって、前記両外側部が接合用部材を介して前記構造物の他部に固定されていることを特徴とする制振装置と構造物との接合構造。 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の制振装置と前記構造物との接合構造であって、前記制振装置が複数個重ねられて前記構造物に固定されていることを特徴とする制振装置と構造物との接合構造。 【請求項5】 前記各制振装置の同じ側の外側部同士が連結部材により連結されていることを特徴とする請求項4に記載の制振装置と構造物との接合構造。 【請求項6】 前記制振装置と前記構造物が着脱自在に固定されていることを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れかに記載の制振装置と構造物との接合構造。 【請求項7】 前記構造物の一部は、分割されたブレースの一方であり、前記構造物の他部は、分割された前記ブレースの他方であることを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の制振装置と構造物との接合構造。 【請求項8】 前記構造物の一部はブレースの端部であり、前記構造物の他部は柱または梁であることを特徴とする請求項3乃至請求項6の何れかに記載の制振装置と構造物との接合構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、主要骨組の層間に組み込まれ、大きな層間変形が生じた際に塑性変形することによりエネルギーを吸収する制振装置およびこの制振装置と構造物との接合構造に関する。 【0002】 【従来の技術】構造物はラーメン構造とブレース構造の2種類に大別される。ラーメン構造は、柱梁接合部を剛接合とし、数十年に一度の大地震に対して主要構造部(梁部材)が塑性変形しエネルギーを吸収する構造であり、柱梁接合部に応力が集中するため座屈が発生しにくく、安定した履歴を特徴としている。しかし、主要構造部が塑性変形するため、構造物の修復に莫大な費用を要するうえ、継続使用が困難になる事態も想定される。一方、ブレース構造は、地震力をブレース材が負担するため、主要構造物には損傷を生じない。しかし、ブレースは細長比が大きく全体座屈が生じ易いため、圧縮側ブレースが面外変形し内壁および外壁に損傷を与える。また、地震力の方向が変わった場合、ブレースが圧縮座屈したたわみを吸収し引張力を有するまで耐力抵抗がないので、スリップ型の履歴特性となる。スリップ型の履歴特性は、エネルギー吸収性能が低く地震時の揺れ(変位、加速度)が大きく、また残留変形が大きいという問題がある。 【0003】これを克服する技術として、地震の被害を特定の部材に集中させ、その履歴減衰で構造物の地震時応答を低減させて制振することが知られている。例えば、図13に示すように、柱21と梁22との間に対角線状に設置されたブレース23の途中に、粘弾性ダンパ、油圧ダンパあるいは摩擦ダンパからなる制振装置30を組み込み、地震エネルギーをこの制振装置30に集中させ、鉄骨構造物における柱21および梁22の塑性化を防止している。 【0004】また、図14または図15に示すような制振装置をブレースの途中等に組み込むものが提案されている(特開昭56−20280号公報、特開平7−76951号公報参照)。図14の制振装置40は次のように構成されている。すなわち、鋼製矩形板からなる左右一対の側方部材41,41の対向面中央部間または両側部間に、鋼板製矩形部材42の両側端面が溶接等により一体的に固着されている。矩形部材42の中央部に大径長孔43を穿設することにより該矩形部材42が2つ部分42A,42Bに区画されるとともに、小径長穴44を穿設することにより複数本の細長部材45が所定間隔をおいて形成されている。さらに、矩形部材42の2つの部分42A,42Bの中央部がそれぞれ2分割され、該分割対向端面が矩形状鋼板からなる中央部材46A,46Bの両側面または2分されたブレースの分割部両側面に固着されている。 【0005】また、図15の制振装置(曲げダンパ)50は次のように構成されている。すなわち、1枚の鋼板から削り出して製作されたもので、構造物の軸61が挿入されて連結される連結部51の両側に複数の曲げ部材52が形成され、該曲げ部材52の両端は構造物の他の軸62が挿入されて連結される連結部53よりなる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の粘弾性ダンパや油圧ダンパからなる制振装置30にあっては、封入された粘性体やオイルの保守点検が必要となり、また摩擦ダンパからなる制振装置30にあっては、摩擦の調節が難しいという問題がある。一方、図14の制振装置40にあっては、構成部材の数が多いとともに、これらに構成部材を溶接等により固着し、組み立てる必要があるため、製造コストが高くなるという問題がある。また、図15の制振装置50にあっては、1枚の板材から削り出して曲げ部材3を製作するため製造コストが高くなるという問題がある。さらに、連結部51,53は軸61,62が挿入されて連結されるため、既存の構造物(例えばブレース)に設置する際、連結のための特別な構造を準備する必要があるため工事費が高くなるという問題がある。 【0007】本発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、容易に製造することができることにより製造コストを低減することができる制振装置を提供することを目的とする。また、本発明の制振装置を、既存の構造物に簡単に接合することができる制振装置と構造物との接合構造を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1に記載の制振装置は、1枚の板材から成り、構造物の一部に固定される第1固定部と、該第1固定部の両側に形成された曲げ変形部と、これら曲げ変形部の外側に形成されかつ曲げられて形成された剛性補強部を有する両外側部と、これら両外側部を前記構造物の他部に固定するための第2固定部とを備えていることを特徴とする。 【0009】請求項1の発明においては、第1固定部および第2固定部がそれぞれ構造物の一部および他部に固定される。そして、地震等により構造物の一部と他部とが相対変位すると、曲げ変形部が曲げ変形して振動エネルギーを吸収する。このように、第1固定部と第2固定部に加わる軸方向力が曲げ変形部の曲げせん断力に置換されることにより優れた変形性能が発揮される。また、曲げられて形成された剛性補強部により外側部の面外剛性が高められているため、面外変形が防止される。 【0010】この制振装置は、1枚の板材を切断加工および曲げ加工することにより製造することができる。したがって、部品点数が少ないとともに加工の手間が少なくてすむので、安いコストで製造することができる。なお、切断加工は曲げ加工の前でも後でもあるいは前後に分けて行うこともできる。また、剛性強化部としてリブ等が溶接により外側部に設けられる場合には、板材の成分と異なり伸び性能や材料靭性が劣る溶接金属(溶接部)が介在することになるとともに、溶接熱の影響により板材が脆化するので、変形性能や疲労性能が低下する虞があるが、本発明の制振装置では剛性強化部が曲げられて形成されるのでこれらを防止することができる。 【0011】ここで、曲げ変形部は、構造物の一部と他部の相対変位により曲げ変形するように形成されていればよく、通常は幅が狭い部分として形成されるか、あるいは開口部が設けられた部分として形成されるが、第1固定部とこの両側の曲げ変形部とを連続的な部分として形成する、換言すると曲げ変形部の中央部を第1固定部として用いることもできる。また、外側部の剛性強化部は、外側部の外側端部を板面から立ち上がるように曲げて形成したリブとして設けることができ、あるいはこのリブの先端部をさらに折り曲げた形状とすることもでき、さらには外側部の中央部あるいは外側部の一部を面外方向に曲げて剛性を高めた剛性強化部とすることもできる。また、第2固定部は、両外側部の各端部により構成することができ、あるいは両外側部を連結する連結部を形成しこの連結部を第2固定部とすることができる。また、板材の材料は、鋼、鉛、その他の金属または鉄合金あるいはアルミニウム合金等の合金などを用いることができる。 【0012】請求項2に記載の制振装置は、請求項1の発明において、前記第2固定部と前記両外側部と間に、第2曲げ変形部が形成されていることを特徴とする。請求項2の発明においては、曲げ変形部と第2曲げ変形部との組み合わせにより、曲げ変形に対する設計の多様性を拡大することができる。曲げ変形部と第2曲げ変形部とは同じ形状に形成することもできるし、異なるように形成することもできる。 【0013】請求項3に記載の制振装置と構造物との接合構造は、請求項1または請求項2に記載の制振装置と前記構造物との接合構造であって、前記両外側部が接合用部材を介して前記構造物の他部に固定されていることを特徴とする。請求項3の発明においては、各外側部をそれぞれ構造物の他部に固定するのではなく、両外側部を接合用部材により同時に構造物の他部に固定することができるので、作業能率が向上する。また、構造物の他部の形状が異なっても、同じ制振装置で対応することが可能である。 【0014】請求項4に記載の制振装置と構造物との接合構造は、請求項1または請求項2に記載の制振装置と前記構造物との接合構造であって、前記制振装置が複数個重ねられて前記構造物に固定されていることを特徴とする。請求項4の発明においては、制振装置を複数個重ねて用いることにより、制振装置の種類を増やすことなく、異なる制振性能を得ることができるとともに、設計耐力を高めることができる。制振装置は同一の制振装置を重ねるようにしてもよいし、異なる種類の制振装置を重ねるようにしてもよいし、同一のものと異なるものを混合して重ねるようにしてもよい。 【0015】請求項5に記載の制振装置と構造物との接合構造は、請求項4の発明において、前記各制振装置の同じ側の外側部同士が連結部材により連結されていることを特徴とする。請求項5の発明においては、外側部の剛性をさらに高めることができるので、外側部の面外変形がさらに防止される。 【0016】請求項6に記載の制振装置と構造物との接合構造は、請求項3乃至請求項5の何れかに記載の発明において、前記制振装置と前記構造物が着脱自在に固定されていることを特徴とする。請求項6の発明においては、ボルト接合等により着脱自在に制振装置が構造物に固定されているので、制振装置をブレース等の既存の構造物に容易に取り付けることができるとともに、制振装置が役目を果たして大きく変形した後に交換修復する場合にも容易に取り外して交換することができる。 【0017】請求項7に記載の制振装置と構造物との接合構造は、請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の発明において、前記構造物の一部は、分割されたブレースの一方であり、前記構造物の他部は、分割された前記ブレースの他方であることを特徴とする。 【0018】請求項8に記載の制振装置と構造物との接合構造は、請求項3乃至請求項6の何れかに記載の発明において、前記構造物の一部はブレースの端部であり、前記構造物の他部は柱または梁であることを特徴とする。 【0019】請求項7および請求項8の発明においては、柱と梁からなる主要骨組みに大きな層間変形が生じた場合、ブレースに圧縮力と引張力が交互に作用するが、ブレースに先行して制振装置の曲げ変形部が塑性変形するため、ブレースは弾性変形のみを生じる。制振装置の塑性曲げ変形が振動エネルギーを吸収するため、紡錘型に近い安定した履歴曲線が得られ、大きな減衰が行われる。また、ブレースが面外変形しないため、内外壁等への損傷が生じない。さらに、制振装置の外側部に剛性補強部が形成され、面外変形が防止されているので、制振装置による内外壁等への損傷も防止される。また、この制振装置は設置スペースが小さくて済むという利点がある。 【0020】ここで、制振装置に使用される板材は、普通鋼でもよいが、主要骨組み(ブレース)よりも先に降伏してエネルギーを吸収させるためには、低降伏点鋼が好ましい。その形状および材料の強度、板厚は、設置されるブレースよりも先に変形するように設定される。制振装置が設置されるブレースの材質は、制振装置よりも高強度の鋼を用いるのが好ましいが、圧縮耐力が制振装置の降伏耐力よりも高ければ材質は問わない。また、ブレースの形状は、特に限定されるものではなく、平鋼のほか、棒鋼、鋼管、角材などを用いることができる。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、各図において同一構成要素には同一符号を付してその説明を簡略化する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る制振装置1を示す斜視図である。この制振装置1は、1枚の板材から成り、端部中央に配置された第1固定部1aと、この第1固定部1aの両側に幅が狭い部分として形成された曲げ変形部1b、1bと、これら曲げ変形部1b,1bの外側に形成された外側部1c、1cとを備えている。各外側部1cには、その外側端部が板面から垂直に立ち上がるように曲げられて形成されたリブ(剛性補強部)1dが設けられている。また、各外側部1cの第1固定部1aと反対側の端面は第2固定部1eとされている。制振装置1は、鋼等の材料からなる板材を所定形状に打ち抜き加工等により切断した後に、曲げ加工して製作される。なお、制振装置1は、板材を曲げ加工した後に切断加工して製作することもできるし、または角形鋼管や溝形鋼等の曲げ加工してある製品を切断加工して製作することもできる。 【0022】この制振装置1は、図2に概念的に示すように、第1固定部1aが構造物2の一部2aに固定されるとともに、第2固定部1e,1eが構造物2の他部2bに固定される。そして、地震等により構造物2の一部2aと他部2bとが大きい矢印で示すように相対変位すると、第1固定部1aと両外側部1c,1cとに矢印で示すように軸方向力が加わるが、これら軸方向力が曲げ変形部1b,1bで曲げせん断力に置換されて曲げ変形部1b,1bが曲げ変形し、振動エネルギーが吸収される。このように、制振装置1では軸方向力を曲げせん断力に置換することにより優れた変形性能を発揮することができる。また、各外側部1cはリブ1dにより面外剛性が高められているので、面外変形が防止される。 【0023】図3は、本発明の第2の実施の形態に係る制振装置1Aを示す斜視図である。この制振装置1Aでは、制振装置1の第2固定部1eの代わりに、第2固定部1fが形成されている。すなわち、両外側部1c,1cは第1固定部1aと反対側において連結部1gにより連結されており、この連結部1gの中央部に第1固定部1aと反対側に突出する第2固定部1fが形成されている。 【0024】図4は、本発明の第3の実施の形態に係る制振装置1Bを示す斜視図である。この制振装置1Bでは、曲げ変形部1hに矩形状の開口部1iが形成され、また両外側部1c,1c間には、第1固定部1aと反対側に第1固定部1aと同様の形状の第2固定部1jが設けられており、この第2固定部1jと両外側部1c,1cとの間には、曲げ変形部1hと同様に形成された第2曲げ変形部1k,1kが形成されている。したがって、制振装置1Bは、第1固定部1aと第2固定部1jを結ぶ中心線およびこの中心線と直交する中心線に対してそれぞれ線対称な形状となっている。開口部1iの形状、個数および/または配置を変えることにより、曲げ変形部1hおよび第2曲げ変形部1kの設計耐力を容易に調整することができる。 【0025】図5は、本発明の第4の実施の形態に係る制振装置1Cと、構造物2との接合構造を示す図である。この制振装置1Cは、第1固定部1mが外側部1cの端面から突出しておらず、また曲げ変形部1bと第1固定部1mおよび曲げ変形部1bと外側部1cとの境界端部に丸みが施されている点で、図1の制振装置1と異なっている。制振装置1Cと構造物2とは次のようにして接合されている。すなわち、第1固定部1mが構造物2の一部2aにボルト3とナット4により固定され、一方両外側部1c,1cの端面である第2固定部1e,1eには、接合用部材(接合用鋼板)5が溶接等により固着されており、この接合用部材5が構造物2の他部2bにボルト3とナット4により固定されている。このように、第2固定部1e,1eをそれぞれ構造物2の他部2bに固定するのではなく、接合用部材5を介して固定することにより、容易に固定作業を行うことができるとともに、作業能率を向上させることができる。また、制振装置1Cを構造物2bにボルト3とナット4によるボルト接合により固定したので、容易に取り外して交換することができる。 【0026】図6は、本発明の第5の実施の形態に係る制振装置1Dと、構造物2との接合構造を示す図である。この制振装置1Dは、第1固定部1nとこの両側の曲げ変形部1p,1pとが連続的に形成されている。すなわち、両外側部1q,1qの間に帯状の部分が形成され、その両端部に長穴状の開口部1r,1rが穿設されて曲げ変形部1p、1pとされるとともに、中央部が第1固定部1nとされている。各外側部1qには、その外側端部が板面から垂直に立ち上がるように曲げられ、さらに内側に90度曲げられて形成されたL字状のリブ(剛性補強部)1sが設けられている。また、両外側部1q,1qの第1固定部1nと反対側には、これら両外側部を連結する帯状の連結部1tが形成されており、この連結部1tの中央部が第2固定部1uとされている。制振装置1Dと構造物2とは次のようにして接合されている。すなわち、第1固定部1nが構造物2の一部2aにボルト3とナット4により固定され、一方第2固定部1uが構造物2の他部2bにボルト3とナット4により固定されている。 【0027】図7は、本発明の第6の実施の形態に係る制振装置1Eと、構造物2との接合構造を示す図である。この制振装置1Eでは、両外側部1c、1cの間に、第1固定部1nとこの両側の曲げ変形部1p,1pとが連続的に形成されている。また、両外側部1c,1c間には、第1固定部1nと反対側に、第1固定部1nおよび曲げ変形部1p,1pと同様の形状の第2固定部1vおよび曲げ変形部1x,1xが形成されている。したがって、制振装置1Eは、第1固定部1nと第2固定部1vを結ぶ中心線およびこの中心線と直交する中心線に対してそれぞれ線対称な形状となっている。 【0028】制振装置1Eと構造物2とは次のようにして接合されている。すなわち、2つの制振装置1Eが、構造物2の一部2aおよび他部2bを挟んだ状態で、各リブ1dが互いに外方に向くようにして重ねられ、両第1固定部1n,1nおよび構造物2の一部2aをボルト3とナット4により固定され、一方両第2固定部1v,1vが構造物2の他部2bにボルト3とナット4により固定されている。このように、制振装置1Eを重ねて固定することにより、多種の板厚の異なる制振装置を準備することなく、異なる制振性能を得ることができるとともに、設計耐力を高めることができる。 【0029】図8は、本発明の第7の実施の形態に係る制振装置1Fと、構造物2との接合構造を示す図である。この制振装置1Fでは、第1固定部1mと両外側部1c,1cと間の曲げ変形部1y,1yの両側端部に、リブ1dと同方向に板面から垂直に立ち上がるように曲げられて形成された小さなリブ1zが設けられている。また、両外側部1c,1c間には、第1固定部1mと反対側に第1固定部1mと同様の形状の第2固定部1m1が設けられており、この第2固定部1m1と両外側部1c,1cとの間には、曲げ変形部1yと同様に形成された曲げ変形部1y1,1y1が形成されている。したがって、制振装置1Fは、第1固定部1aと第2固定部1yを結ぶ中心線およびこの中心線と直交する中心線に対してそれぞれ線対称な形状となっている。 【0030】制振装置1Fと構造物2とは次のようにして接合されている。すなわち、2つの制振装置1Fが、構造物2の一部2aおよび他部2bを挟んだ状態で、各リブ1dが互いに外方に向くようにして重ねられ、両第1固定部1m,1mおよび構造物2の一部2aをボルト3とナット4により固定され、一方両第2固定部1m1,1m1が構造物2の他部2bにボルト3とナット4により固定されている。また、各制振装置1Fの同じ側の各外側部1dが板状の連結部材6にボルト3およびナット4により固定され、これにより同じ側の各外側部1d同士が連結されている。このように、各制振装置1Fの外側部1d、1d同士を連結部材6により連結することにより、外側部1dの剛性をさらに高めることができ、その結果外側部の面外変形をさらに防止することができる。 【0031】図9は、本発明の第8の実施の形態に係る制振装置1Gの設置例を示す図である。制振装置1Gは、両外側部1c,1cの間に帯状の部分が形成され、その両端部に矩形状の開口部1iが複数個穿設されて曲げ変形部1p1,1p1とされるとともに、中央部が第1固定部1n1とされている。両外側部1c,1cは第1固定部1aと反対側において連結部1gにより連結されており、また、両外側部1c,1c間には、第1固定部1n1と反対側にこれら両外側部1c,1cを連結する連結部1g1が形成されている。この連結部1g1および両外側部の端面は斜めに切断されており、この端面が第2固定部1e1とされている。 【0032】この制振装置1Gは、角形鋼管からなる柱11とH形鋼からなる梁12の鉄骨構造に次のようにして設置されている。すなわち、柱11には、ガセットプレート13が固着され、このガセットプレート13に平鋼からなるブレース14の一端部がボルト、ナットにより固定され、該ブレース14の他端部が制振装置1Gの第1固定部1n1にボルト、ナットにより固定されている。一方、制振装置1Gの第2固定部1e1には接合用部材(接合用鋼板)15が溶接等により固着されており、この接合用部材15が梁12にボルト、ナットにより固定されている。このようにして、制振装置1Gは、柱梁接合部に方杖状に設けられるブレース14の梁12側の端部に設置される。 【0033】なお、制振装置1Gは、ブレース14の端部と柱11との間に設置しても良いし、あるいはブレース14の途中に設置しても良く、設置場所はその他の適宜の位置を選定することができ、さらには複数箇所に設置しても良い。また、制振装置1Gは溶接等により固定するようにしても良いが、ボルト、ナットにより固定するようにすれば制振装置1Gの交換が容易になるので好ましい。 【0034】図10は、本発明の第9の実施の形態に係る制振装置1Hの設置例を示す図である。制振装置1Hは、両外側部1c、1cの間に、第1固定部1n1とこの両側の曲げ変形部1p1,1p1とが連続的に形成されている。また、両外側部1c,1c間には、第1固定部1n1と反対側に、第1固定部1n1および曲げ変形部1p1,1p1と同様の形状の第2固定部1v1および曲げ変形部1x1,1x1が形成されている。したがって、制振装置1Hは、第1固定部1n1と第2固定部1v1を結ぶ中心線およびこの中心線と直交する中心線に対してそれぞれ線対称な形状となっている。 【0035】この制振装置1Hは、H形鋼からなる柱16とH形鋼からなる梁12の鉄骨構造に次のようにして設置されている。すなわち、対向する柱梁交差部にガセットプレート13,13が固着され、これらガセットプレート13、13に、2分割されたブレース14の各一端部がそれぞれボルト、ナットにより固定され、分割されたブレース14の各他端部が制振装置1Hの第1固定部1n1および第2固定部1v1にそれぞれボルト、ナットにより固定されている。このようにして、制振装置1Hは、柱梁交差部に対角線状に設けられたブレース14の中間部に設置される。なお、制振装置1Hは、鉄骨造に限らず木造やRC造に設置することができる。 【0036】図11は、通常のブレース構造の荷重変形関係を説明するための図である。通常のブレース構造では、ブレース材の引張り塑性変形のみでエネルギーを吸収し圧縮側は座屈するため、圧縮から引張りまで耐力機構がなく、スリップ型のエネルギー吸収性能の劣る履歴性状となる。 【0037】図12は、本発明の制振構造の荷重変形関係を説明するための図である。制振装置はブレース材より先行して塑性変形しブレース材は弾性挙動を示し、制振装置は曲げ変形によりエネルギーを吸収するため、方向性がない安定した紡錘型の履歴性状となる。 【0038】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、容易に製造することができて製造コストを低減することができる制振装置を提供することができる。また、本発明によれば、既存の構造物に簡単に接合することができる制振装置と構造物との接合構造を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002118 【氏名又は名称】住友金属工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年6月5日(2000.6.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100104547 【弁理士】 【氏名又は名称】栗林 三男
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| 【公開番号】 |
特開2001−349090(P2001−349090A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月21日(2001.12.21) |
| 【出願番号】 |
特願2000−167117(P2000−167117) |
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