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【発明の名称】 生花等の長期維持、安定した起立と衛生を保つ墓用の花立て
【発明者】 【氏名】部原 克仁

【氏名】田崎 学

【要約】 【課題】墓前に供えられた生花等が水枯れを原因として早期に枯れてしまうことを防ぐための十分な水量を確保しうる花立てを提供すること。

【解決手段】補助容器2と、花立て1の中空ドーナツ状貯水部4を設けることにより、供えられた生花等に十分な水を供給することが可能となり、生花等が本来持ち得る寿命を十分に全うさせうることが可能となる。また、フロート12を使用した自動排水装置3により、生花等が枯れた後の不要な水や流入する雨水等を自動的に排水し、一旦排水された後は雨水等が溜まることもなく水の腐敗や蚊の発生といった衛生上の課題を解決する。更にスリット付閉開式蓋5、及び花立て1内部に設置するフィルター6に取り付けられた仕切板29に生花等の茎を固定することにより、生花等の量に関わりなく安定的に生花等を起立せしめることができ、風や烏等のいたずらによって安易に引き抜かれることも解決される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 補助容器2を取付けた墓用の花立て。
【請求項2】 中空のドーナツ状貯水部4を備えた墓用の花立て。
【請求項3】 補助容器2内部にフロート12を使用した自動排水装置3を取り付けた墓用の花立て。
【請求項4】 スリット付開閉式蓋5を取り付けた墓用花立て。
【請求項5】 内部に仕切板29付のフィルター6を挿入した墓用花立て。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、墓前に供えられた生花等に水を十分に供給し、生花等が枯れてしまった後残留する水や雨水等の流入で花立て内部に溜まり放置された不要の水を自動的に排水できる機能を有すると共に、生花等を安定的かつ確実に起立せしむる墓用花立てに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に使用されている墓用の花立ては、直径5から8センチ深さ15から20センチ程度の縦穴のあいた石材に直接若しくは底面をふさがれた円筒状の容器を差し込み、そこに水を貯め生花等を供えるものである。しかしながら貯え得る水量は供えられる生花等の量に対して相対的に少量であり蒸発や生花等の吸引により短期間に水枯れが生じ生花等が本来持つであろう寿命を全うせずに早期に枯れてしまうことが多かった。また逆に生花等が枯れた後には、残留した水や雨水の流入による不要な水が腐敗したり、蚊等害虫の発生を助長し墓地における衛生面での課題があった。更に供える生花等の量やその長さに関わらず単純に茎を差し込むといったものであったため、起立の安定性が悪く強風により吹き飛ばされたり烏等に引き抜かれてしまうといったケースが多く見受けられた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】墓前に供えられた生花等が水枯れを原因として早期に枯れてしまうことを防ぐための十分な水量を確保しうる構造を提供する。
【0004】生花等が枯れた後の残留水や流入する雨水が引き起こす水の腐敗や蚊の発生といった衛生上の問題を解決するために、自動的に不要な水を排出する構造を提供する。
【0005】供えられる生花等の量や高さに関わらずこれを安定的に起立せしむる構造を提供する。
【0006】
【課題を解決しようとする手段】生花等の維持に十分な水量確保のため、花立て1下部から配管7によって接続された補助容器2を設置する。花立て1、配管7及び補助容器2の形状概要を図1に示す。花立て1は円筒状の石材台座8への挿入部、ドーナツ状貯水部4、上部のラッパ状管及びスリット付開閉式蓋5によって構成される。中空のドーナツ状貯水部4は花立て1の内部に通じているためスペースを取らずに内容積を大きくする効用があり花立て1単独において多量の水量を貯えることに貢献する。配管7は花立て1と補助容器2の連絡管の用途以外に補助容器2(自動排水装置3やその内部に貯える水も含めて)の荷重を支えるサポートの用を兼ね備えている。補助容器2は設置スペース等個別の状況を考慮する必要があるが円筒構造を基本とし、その上部には補助容器蓋10を備える。接続にあたって、花立て1の最下部から補助容器2の最下部附近への配管7がに水平であること若しくは花立て1側が補助容器2側より高くならないこと(排水時に水が溜まらない為)、及び花立て1満水時の水位と補助容器2の満水時の水位とを等しくなることを必要とする。なお、これらの材質は屋外の長期使用を前提にステンレスなど耐水性、耐腐食性、強度(配管7のサポートの用に足る)に優れたものとする。
【0007】フロート12を活用し補助容器2内の水位(花立て1の水位に等しい)が一定以下に低下した場合に自動的に花立て1、補助容器2および配管7内の排水を行なうとともに、一旦排水された後は再び給水を行なわない限り、雨水等が溜まらない構造を持つ自動排水装置3を補助容器2内部に設置する。
【0008】上記の自動排水装置3の動作について説明する。自動排水装置3の各部品のうちで図2等に示されるフロート12から弁ツマミ受22までの部分(具体的には、フロート12、弁13、リンクA14、リンクB15、リンクC16、支点17、遊動点A18、バネ19、弁取付棒20、弁ツマミ22)は互いの接続部をピン等によって締結されたユニットであり、支点17の1箇所が固定点となり取付金具24を用い補助容器2に固定され当該ユニットの荷重を支える構造となっている。フロート12、リンクA14、リンクB15、リンクC16、弁取付棒20の互いの接続部はピンによって接続され、支点17を除き全て遊動である。ここで弁13と弁受21の間に隙間が生じ排水が始まる水位を限界水位と定義しておく。
【0009】図2は補助容器2の水量が限界水位より高い場合、すなわち排水が起こらない状態を示す。フロート12の浮力(上向きの力)はリンクA14を介しリンクB15に伝達されるため、リンクB15上端の2つの連鎖点は互いに接近しようとする力を受け、リンクC16の上端連鎖点も同様の力を受けるためその結果支点17と遊動点A18は互いに離れようとする。ところが支点17は固定点であるため弁取付棒20を介し弁13に下向の力が働き続けることにより弁受21を抑え、互いに密着するため排水は起こらない。
【0010】一方、図4は補助容器2の水量が限界水位以下となった場合、すなわち排水の状態を示す。水の自然蒸発や生花等の吸引により補助容器2内の水位が減少した場合、フロート12の浮力(上向きの力)が弱まることにより、支点17と遊動点A18との間に接続されたバネ19の引っ張りの力が勝り弁取付棒20が上方に移動するため、弁13と弁受21の間に隙間が生じ排水が始まる。この動作がきっかけとなり更に水位が下がると、フロート12の浮力が0になるばかりかそれ自体の自重(下向きの力)が加わることにより一層弁13を押し上げようとする力が働くため弁13と弁受21の隙間を安定的に確保し排水をより確実なものとすることができる。
【0011】リンクA14とリンクB15の接続部のピンの位置を変えることにより限界水位を調整可能とするため、リンクA14には3個程度の限界水位調整用穴23があけられている。図7、図8は、限界水位調整用穴23を選択しリンクB15の上端接続部に接続することで限界水位の調整が可能なことを示す。図7は、リンクB15を最上部の限界水位調整用穴23にて接続した場合、図8は最下部の限界水位調整用穴23にて接続した場合を示している。支点から限界水位までの距離A(図7)が距離B(図8)より大きく、図7の場合の方が限界水位が高くなること表している。
【0012】配管7部分や弁13附近への木の葉や砂その他ゴミの侵入は、花立て1と補助容器2間における円滑な通水を妨げたり、弁13と弁受21の密着を阻害することにより貯水時の水漏れの原因となるなど機能上の致命的な障害となるため、花立て1内筒に金網等を材料とするフィルター6を挿入し外部からのゴミの侵入を防止する。一方、補助容器2には補助容器蓋10が設けられているためゴミの侵入はない。また、万一水垢等発生その他の理由で配管7部分に目詰りが生じた場合を想定して清掃用栓11を設けており、自動排水装置3のユニット部分を取り外すことで配管7内の清掃を可能とすると共に、ドレンバルブ9が配管7の途中に設置されているため手動による排水を可能とし清掃時等に有効である。
【0013】供えられる生花等の量に関わらず安定的に起立せしめるために、花立て1上部にはスリット付開閉式蓋5を、挿入されたフィルター6の内面下部には図6に示す仕切板29を設置し、生花等の茎を確実に固定できるようにする。スリット付開閉式蓋5のスリット25は放射状、同心円上に徐々にそのスリット幅が狭くなるような形状とし茎の大きさの大小に関わらず任意の位置で茎を固定することが可能となる。開閉式蓋の形状例は図5に示す。またスリット付開閉式蓋5は、花立て1のラッパ状の管の最上部附近にヒンジ27により取り付けられるため開閉自在であり、フィルター6の着脱時や内部の清掃時に開閉が可能であるとともに、スリット付開閉式蓋5を開けたままの使用も可能であり、従来供えきれなかったようなたくさんの生花等も供えることができる。閉じた際には花立て1に簡易に固定できるように蝶ネジ28を使用し締結する構造とする。また夏期の使用などによる水温の上昇を防ぐために通気穴26を設ける。
【0014】
【実施例】一般的に墓用花立て台として使用されている石材を台座として使用するものであるが、花立て1を設置するためには図1に示すように石材台座8には花立て1挿入部の外径に見合った縦穴の直径、ドーナツ状貯水部4の底面から配管7の最下部までの距離以上の縦穴深さ更に配管7を通すための横穴が不可欠となるため、既に使用されている石材を流用する場合には以上の条件を満たすものに改造する必要がある。
【0015】石材台座8に花立て1を挿入して石材台座8の上面でドーナツ状貯水部4の底面を受けてその荷重を支え設置し、配管7をネジ込み式で接続する。
【0016】リンクA14にある限界水位調整用穴23を選択し限界水位を選択した後、自動排水装置3のうちフロート12から弁ツマミ22のユニットを取付金具24を用いて補助容器2内部にネジ止め固定する。花立て1の開閉式蓋を開き内部に、フィルター6を挿入する。
【0017】補助容器2若しくは花立て1からスリット付開閉式蓋5取付位置の下附近(満水水位)まで水を注ぐ。ただし、限界水位以下の水位では排水されるため弁ツマミ22を軽く下方に引張り、弁13と弁受21の隙間をを閉じながら給水を行なう。
【0018】スリット付開閉式蓋5を閉じ蝶ネジ28を締め花立て1に固定した後、その中央部から生花等を差込み、そこから放射状及び同心円状のスリット25に生花等の茎をはさみ込むこむとともに、茎の下端をフィルター6に取り付けられた仕切板29中央部に挿入し固定する。逆に枯れたものを抜き去るときは、その茎を開閉式蓋の中央に寄せることにより容易に引き抜くことが可能である。
【0019】
【発明の効果】請求項1または請求項2に記載の発明によれば、供えられた生花等に十分な量の水を供給することが可能となり、生花等が本来持ち得る寿命を十分に全うさせうることが可能となる。また、請求項3に記載の発明によれば、生花等が枯れたあとの不要な水、流入した雨水等を自動的に排出でき一旦排出された後は、雨水等が溜まることもなく、水の腐敗や蚊の発生といった衛生上の課題を解決する。更に請求項4または請求項5に記載の発明によれば、生花等の量に関わりなく安定的に生花等を起立せしめることができ、風や烏等のいたずらによって安易に引き抜かれる被害も解決される。
【0020】以上、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4及び請求項5は、墓用の花立てに限定した記載としているが屋外にて使用する花立て全般として広汎に適用できる。
【出願人】 【識別番号】300025790
【氏名又は名称】大雄工業株式会社
【出願日】 平成12年5月31日(2000.5.31)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−336311(P2001−336311A)
【公開日】 平成13年12月7日(2001.12.7)
【出願番号】 特願2000−161797(P2000−161797)