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【発明の名称】 昇降横列式駐車装置
【発明者】 【氏名】西浦 盛展

【要約】 【課題】入出庫の容易化、省スペース化及び低コスト化を図る。

【解決手段】3基の駐車装置1を進入通路21に対して同じ傾斜角度で斜めに配列して隣り合う駐車装置1の隣接部を互いに前後方向斜めに位置ずれさせる。隣り合う駐車装置1間の支持枠組体2を共用する。共用支持枠組体2の梁4に一方の駐車装置1を越えて後方斜めに延びる延出部23を設ける。一方の駐車装置1の前後2箇所のパレット支持点Aを延出部23を除く梁4部分に設け、他方の駐車装置1の前後2箇所のパレット支持点Aを延出部23と延出部23を除く梁4部分とに設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数基の昇降式駐車装置が横方向に列設され、上記各駐車装置は、前後2本の支柱上端に梁が掛け渡された門形の支持枠組体を左右両側に備え、パレットが上記両支持枠組体の梁前後2箇所の合計4箇所に昇降可能に4点支持された昇降横列式駐車装置であって、上記各駐車装置は、進入通路に対して同じ傾斜角度で斜めに配列されて隣り合う駐車装置の隣接部が互いに前後方向斜めに位置ずれしており、隣り合う駐車装置は、両駐車装置間の支持枠組体を共用し、かつこの共用支持枠組体の梁には、一方の駐車装置を越えて前後方向斜めに延びる延出部が設けられ、上記一方の駐車装置の前後2箇所のパレット支持点が上記延出部を除く梁部分に設けられ、他方の駐車装置の前後2箇所のパレット支持点が上記延出部と延出部を除く梁部分とに設けられていることを特徴とする昇降横列式駐車装置。
【請求項2】 請求項1記載の昇降横列式駐車装置において、延出部が、駐車装置の後ろ側、前側又は両方に延出していることを特徴とする昇降横列式駐車装置。
【請求項3】 請求項1記載の昇降横列式駐車装置において、共用支持枠組体の梁には、4箇所を超えるパレット支持点が設けられ、これらパレット支持点から任意のパレット支持点を駐車装置の配列に応じて選択可能になっていることを特徴とする昇降横列式駐車装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数基の昇降式駐車装置が横方向に列設された昇降横列式駐車装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】昇降横列式駐車装置として、図11に従来例1として示すように、3基の昇降式駐車装置101が横方向に列設されたものが知られている。上記各駐車装置101は、前後2本の支柱102上端に梁103が掛け渡された門形の支持枠組体104を左右両側に備え、パレット105が上記両支持枠組体104の梁103前後2箇所の合計4箇所に昇降可能に4点支持され、昇降駆動モータ106の駆動によりパレット105を昇降させて車両107を入出庫するようになされている。図11中、108はパレット支持点を示す。また、ここでは、昇降機構の具体的な構成は省略するが、この発明の一実施形態として図8に示す昇降機構と同じである。そして、この従来例1では、各駐車装置101が進入通路109に対して前後方向に位置ずれすることなく横並びに整然と列設され、乗入れ口110が進入通路109に対して平行になっている。また、この従来例1では、隣り合う駐車装置101が両駐車装置101間の支持枠組体104を共用することで、設置スペースの横幅を短くして省スペース化を図ることができるとともに、各駐車装置101ごとに支持枠組体104を2つずつ設ける必要がなくその分だけコストを低減することができるというメリットを有する。
【0003】一方、特許第2586192号公報に開示されているように、従来例1のパレット4点支持タイプとは駐車装置のタイプが異なるが、複数基のパレット2点支持タイプ(片持ちタイプ)の駐車装置が進入通路に対して斜めに配列された昇降横列式駐車装置が知られている。この斜め配列タイプの昇降横列式駐車装置を構成する各駐車装置として従来例1のパレット4点支持タイプの駐車装置を適用した場合を従来例2として図12に示す。この従来例2では、各立体駐車装置が斜め配列である点と、各駐車装置ごとに左右2つの支持枠組体を設けている点で従来例1と異なるが、それ以外の構成は従来例1と同じであるので同じ箇所には共通の符号を付して示す。そして、この従来例2では、各駐車装置101の乗入れ口110が進入通路109に対して斜めに向いているので、運転者は小さなハンドルさばきで容易に入出庫することができるというメリットを有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の従来例1では、各駐車装置101の乗入れ口110が進入通路109に平行になって真横を向いているため、従来例2に比べて運転者は大きなハンドルさばきが必要で入出庫が困難になる。また、入出庫を容易にするためには、車両107を大きな回転半径で運転する必要があるため、進入通路109の幅を大きく確保しなければならないという問題がある。
【0005】従来例2では、隣り合う駐車装置101で支持枠組体104を共用していないため、従来例1に比べて設置スペースの横幅が長くなって設置スペースを広く確保しなければならない。また、各駐車装置101ごとに支持枠組体104が2つずつ必要でその分だけコストが嵩む。
【0006】一方、従来例1の支持枠組体の共用と、従来例2の斜め配置とを組み合わせることが考えられるが、斜め配置にすると隣り合う駐車装置の隣接部で前後方向に位置ずれが生ずるため、従来例1,2を単に組み合わせるだけでは、一方のパレット支持点を設置する箇所がなくなり、実用化できない。
【0007】この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記の従来例1と従来例2との両欠点を補うこと、すなわち、入出庫の容易化、省スペース化及び低コスト化を図ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、この発明は、隣り合う駐車装置間の共用支持枠組体の梁を延ばしてこの延出部にパレット支持点を設定したことを特徴とする。
【0009】具体的には、この発明は、複数基の昇降式駐車装置が横方向に列設され、上記各駐車装置は、前後2本の支柱上端に梁が掛け渡された門形の支持枠組体を左右両側に備え、パレットが上記両支持枠組体の梁前後2箇所の合計4箇所に昇降可能に4点支持された昇降横列式駐車装置を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0010】すなわち、請求項1に記載の発明は、上記各駐車装置は、進入通路に対して同じ傾斜角度で斜めに配列されて隣り合う駐車装置の隣接部が互いに前後方向斜めに位置ずれしており、隣り合う駐車装置は、両駐車装置間の支持枠組体を共用し、かつこの共用支持枠組体の梁には、一方の駐車装置を越えて前後方向斜めに延びる延出部が設けられ、上記一方の駐車装置の前後2箇所のパレット支持点が上記延出部を除く梁部分に設けられ、他方の駐車装置の前後2箇所のパレット支持点が上記延出部と延出部を除く梁部分とに設けられていることを特徴とする。
【0011】上記の構成により、請求項1に記載の発明では、隣り合う駐車装置間で支持枠組体が共用され、各駐車装置ごとに2つの支持枠組体を設ける必要がなくなってその分だけコストが低減するとともに、駐車装置の設置幅が短くなって省スペース化が図られる。
【0012】さらに、各駐車装置の乗入れ口が進入通路に対して斜めに向いていることから、運転者はハンドルを大きく切らずに小さなハンドルさばきでよく、入出庫が容易になるとともに、車両の回転半径が小さくて済み幅の狭い進入通路でよい。
【0013】加えて、斜め配置にすることで支持枠組体の梁から外れたパレット支持点が上記梁の延出部に設定でき、斜め配置及び支持枠組体の共用化が上記梁を延ばすだけでの簡単な改造で実現できる。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、延出部が、駐車装置の後ろ側、前側又は両方に延出していることを特徴とする。
【0015】上記の構成により、請求項2に記載の発明では、駐車装置のレイアウト変更に臨機応変に対応できる。
【0016】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、共用支持枠組体の梁には、4箇所を超えるパレット支持点が設けられ、これらパレット支持点から任意のパレット支持点を駐車装置の配列に応じて選択可能になっていることを特徴とする。
【0017】上記の構成により、請求項3に記載の発明では、パレット支持点を変えることで設置スペースの状況に自在に対応できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0019】図1はこの発明の一実施形態に係る昇降横列式駐車装置の平面図を示し、本例では、3基の昇降式駐車装置1が横方向に列設されて昇降横列式駐車装置を構成しているが、4基以上であってもよい。また、本例に限らず、他のタイプの昇降式駐車装置にも適用することができるものである。
【0020】上記各駐車装置1は、左右両側に設置された支持枠組体2を備え、この支持枠組体2は前後2本の支柱3と、これら支柱3上端に掛け渡された梁4とで門形に形成され、パレットPが上記両支持枠組体2の梁4前後2箇所の合計4箇所に昇降可能に4点支持され、上段格納スペースと下段格納スペースとに上下2段に昇降するようになっているが、3段以上の格納スペースに対し昇降するタイプであってもよい。
【0021】上記パレットPの昇降機構を図2〜8に基づき説明するに、パレットP裏面の前後2箇所には、パレット幅方向に延びる角パイプからなる受梁5が固定され、この各受梁5には、バランスチェーン6の一端が左端の2つのスプロケット7,8を経て挿通され、さらに、右端の1つのスプロケット9を経て図8では図示しないが右側の支持枠組体2の梁4前後に固定され、バランスチェーン6の他端は左側の支持枠組体2の支柱3根元に固定されて、この前後2本のバランスチェーン6よりパレットPを水平にバランス保持し、結果的にパレットPの右側の前後2点を昇降可能に支持するようになされている。
【0022】上記左側の支持枠組体2には、昇降駆動モータ10が据え付けられ、この昇降駆動モータ10の出力は、減速機11、駆動スプロケット12、駆動チェーン13及び従動スプロケット14に伝達されるようになっている。また、上記左側の支持枠組体2の前後両端には、連動スプロケット15が軸16に支持されて1つずつ取り付けられ、これら連動スプロケット15にはエンドレスの連動チェーン17が巻き掛けられている。上記前後2つの軸16には巻上げスプロケット18がそれぞれ取り付けられ、これら巻上げスプロケット18には前後2本の巻上げチェーン19がそれぞれ掛け渡されてその一端がパレットPの前後2つの受梁5左端に固定されているとともに、他端にはカウンタウェイト20が取り付けられ、結果的にパレットPの左側の前後2点を昇降可能に支持している。
【0023】そして、上記昇降駆動モータ10の駆動により連動チェーン17を前後に走行させ、前後2本の巻上げチェーン19を巻き上げたり巻き戻したりすることでパレットPを前後2本のバランスチェーン6で水平バランスを保持しながら結果的に4点で支持して昇降させるようになっている。なお、パレットPの昇降機構は以上の機構に限らず、結果的に4点で昇降可能に支持するものであれば、他の機構でも当然構わない。
【0024】ところで、この実施形態では、単基の駐車装置1を単に3基横に並べただけではなく、大別して次の2つの点を特徴としている。1つ目は、3基の駐車装置1が進入通路21に対して同じ傾斜角度で斜めに配列されていることである(図1参照)。本例では進入通路21側から見て乗入れ口22が右側に傾いた状態になっている。この斜め配列により、隣り合う駐車装置1の隣接部が互いに前後方向斜めに位置ずれし、一方の駐車装置1が他方の駐車装置1に対して出っ張って上記一方の駐車装置1のパレット支持点Aが単基の駐車装置1を斜め配列した場合の支持枠組体2からはみ出している。
【0025】2つ目は、隣り合う駐車装置1間の支持枠組体2を共用していることである。この共用支持枠組体2の梁4には、一方の駐車装置1を越えて後ろ斜め方向に延びる延出部23が設けられている(図1参照)。図9(a),(b)に示すように、梁4の延出部23を除く部分である前端と後ろ寄りには、支柱取付位置Bが設けられ、一方(右側)の駐車装置1の前後2箇所のパレット支持点Aが上記前後2箇所の支柱取付位置Bになっている。つまり、巻上げチェーン19が巻き上げられている前後2つの巻上げスプロケット18の取付箇所である。また、上記梁4の延出部23中程と延出部23を除く部分である前側支柱取付位置B後方とには、補助ブラケット24がそれぞれ垂設され、これら補助ブラケット24が他方(左側)の駐車装置1の前後2箇所のパレット支持点Aとなっている。つまり、バランスチェーン6上端が固定されるところである。図2では、前側の補助ブラケット24を示すが、後ろ側の延出部23に設けられた補助ブラケット24にも同様にバランスチェーン6が固定されている。図9(a),(b)において、□印は支柱3であることを、△印は補助ブラケット24であることをそれぞれ示す。
【0026】また、4本の支柱3上端寄りと補助ブラケット24には、パレット落下防止装置25が係合ピン25aを装置内方に出没可能に向けて配置され、係合ピン25aの突出状態でパレットPの四隅に設けられ係止片p1に下方から係止してパレットPを上段格納スペースから落下しないように保持するようになっている。なお、26は乗入れ口22の左側支柱3上端に設けられた運転盤である(図1及び図6参照)。
【0027】このように、隣り合う駐車装置1間で支持枠組体2を共用していることから、支持枠組体2を2つ並べた場合に比べて設置スペースの横幅を短くすることができてその分だけ省スペース化を達成することができる。
【0028】また、各駐車装置1ごとに2つの支持枠組体2を設けずに済むので、その分だけコストを低減することができる。
【0029】さらに、各駐車装置1の乗入れ口22が進入通路21に対して斜めに向いていることから、運転者はハンドルを大きく切らずに小さなハンドルさばきでよく、入出庫を容易に行うことができるとともに、車両Cの回転半径が小さくて済み幅の狭い進入通路21で賄うことができる。
【0030】加えて、斜め配置にすることで支持枠組体2の梁4から外れたパレット支持点Aを上記梁4の延出部23に設定でき、斜め配置及び支持枠組体2の共用化を上記梁4を延ばすだけでの簡単な改造で実現できる。
【0031】なお、上記の実施形態では、3基の駐車装置1の乗入れ口22が進入通路21側から見て右側に傾いた斜め配列である場合を示したが、図10(a),(b)に変形例として示すように、これとは逆に、3基の駐車装置1の乗入れ口22が進入通路21側から見て左側に傾いた斜め配列の場合にも適用することができるものである。この場合、共用支持枠組体2の梁4には、一方の駐車装置1を越えて前方斜めに延びる延出部23が設けられている。そして、梁4の延出部23を除く部分である後端と前寄りには、支柱取付位置Bが設けられ、一方(右側)の駐車装置1の前後2箇所のパレット支持点Aが上記前後2箇所の支柱取付位置Bになっている。つまり、巻上げチェーン19が巻き上げられている前後2つの巻上げスプロケット18の取付箇所である。また、上記梁4の延出部23中程と延出部23を除く部分である後ろ側支柱取付位置B前方とには、補助ブラケット24がそれぞれ垂設され、これら補助ブラケット24が他方(左側)の駐車装置1の前後2箇所のパレット支持点Aとなっている。つまり、バランスチェーン6上端が固定されるところである。
【0032】また、図示しないが、延出部23を梁4の前後両側に設ければ、設置スペースのレイアウトが図9(a)及び図10(a)のいずれであっても臨機応変に使えるようにすることができる。
【0033】さらに、共用支持枠組体2の梁4に4箇所を超えるパレット支持点Aを設け、これらパレット支持点Aから任意のパレット支持点Aを駐車装置1の配列に応じて選択可能にしておけば、パレット支持点を変えることで設置スペースの状況に自在に対応することができて駐車装置1のレイアウトの自由度を増すことができる。
【0034】加えて、共用支持枠組体2の梁4の延出部23を除く部分の前後2箇所の支柱取付位置Bにパレット支持点Aを横並びに2つずつ設けておけば、図11に示す従来例1のように駐車装置が前後にずれずに横方向に列設され、かつ支持枠組体2を共用するタイプの駐車装置にも適用することができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、隣り合う駐車装置間の支持枠組体を共用したので、設置スペースの横幅を短くできて省スペース化を達成することができる。また、各駐車装置ごとに2つの支持枠組体を設けずに済むので、その分だけコストを低減することができる。さらに、各駐車装置の乗入れ口を進入通路に対して斜めに向けているので、小さなハンドルさばきで容易に入出庫することができるとともに、車両の回転半径が小さくて済み幅の狭い進入通路でよい。加えて、斜め配置にすることで支持枠組体の梁から外れたパレット支持点を上記梁の延出部に設定することができるので、斜め配置及び支持枠組体の共用化を上記梁を延ばすだけの簡単な改造で実現することができる。
【出願人】 【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
【出願日】 平成12年4月7日(2000.4.7)
【代理人】 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘 (外1名)
【公開番号】 特開2001−288914(P2001−288914A)
【公開日】 平成13年10月19日(2001.10.19)
【出願番号】 特願2000−106752(P2000−106752)