| 【発明の名称】 |
集合住宅の住戸構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】山口 良一
|
| 【要約】 |
【課題】限られた住戸面積を従来以上に有効活用することができ、玄関から廊下やリビングルームを介することなく所定の部屋へ行くことができ、車椅子の移動であっても生活に必要な居室への移動が容易であり、玄関からリビングルーム等が素通しで見られることがなく、壁画、生け花等の装飾を行う十分な壁面やスペースを確保することができる。
【解決手段】寝室等に使用する洋室と、洗面・浴室、トイレ、キッチンなど水回りと、リビング・ダイニングルームとを少なくとも具備し、玄関1に直結した位置にホール2を設けると共に、玄関1からホール2の中心位置への軸線方向で仕切られる住戸の一側にリビング・ダイニングルームを、その他側に水回りをそれぞれ配置し、それぞれの出入口を、ホール2に面すると共に、玄関1からホール2の中心位置への軸線方向に対して斜めに設けることにより、両出入口を略ハの字形状に配置した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 寝室等に使用する洋室と、洗面・浴室、トイレ、キッチンなどの水回りと、団欒の場となるリビング・ダイニングルームとを少なくとも具備し、玄関(1)に直結した位置に該玄関(1)より広幅のホール(2)を有する集合住宅の住戸構造であって、前記玄関(1)から前記ホール(2)の中心位置への軸線方向で仕切られる住戸の一側にリビング・ダイニングルームを、その他側に水回りをそれぞれ配置し、前記リビング・ダイニングルームと前記水回りの出入口とを、前記ホール(2)に面すると共に、前記玄関(1)から前記ホール(2)の中心位置への軸線方向に対して斜めに設けることにより、該両出入口を略ハの字形状に配置した、ことを特徴とする集合住宅の住戸構造。 【請求項2】 前記ホール(2)の玄関(1)の正面位置に、正面壁(4)を設けた、ことを特徴とする請求項1に記載の集合住宅の住戸構造。 【請求項3】 前記正面壁(4)は、前記玄関(1)と同等以上の幅を有する、ことを特徴とする請求項2に記載の集合住宅の住戸構造。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術の分野】本発明は、マンション等、集合住宅の住戸構造に関する。 【0002】 【従来の技術】マンション等、集合住宅の住戸では、図4に例示するように、玄関からリビングルームやリビング・ダイニングルームにわたって直線的に廊下が設けられ、この廊下に沿って寝室、キッチン、洗面室、浴室、トイレなどが配置される住戸構造が一般的であった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる住宅構造では、限られた住戸面積を有効活用するために、廊下部分を最小限度の広さにする場合が多く、そのため廊下が狭く閉鎖的な空間となりやすい問題があった。また、玄関からリビングルームに向かってまっすぐに廊下があるため、玄関からリビングルームが素通しで見えやすい問題もあった。更に、玄関も狭いため、玄関に壁画、生け花等の装飾を行う十分な壁面やスペースを設けられない問題があった。 【0004】また他の例として、図5に例示するように、玄関とリビングルームをL字状の短い廊下で直結し、リビングルームを介して各部屋にアプローチする住宅構造(リビングルームアクセスと呼ぶ)も提案されている。しかし、この住戸構造では、リビングルームの家具の配置等の制約が大きく、かつリビングルームが落ち着かない他、通路としての必要な幅(玄関の幅と同じか、もしくは玄関の幅より小さい)しかなく、閉鎖的な空間である、等の問題点があった。 【0005】さらに、他の例として、図6に示すように玄関に直結してホワイエという6角形の空間で、かつ、玄関よりも幅の広い空間を設け、そこから廊下を介してトイレ、洗面室、和室、リビング・ダイニングルーム、キッチンにアプローチできるプランが提案されている。このプランでは、従来の課題である玄関回りが閉鎖的であったり、玄関からリビング・ダイニングルームが素通しで見えやすいといった問題は解決されるが、洋室2室を除く各室へのアプローチが廊下を介して行われ、相変わらず玄関の幅よりも小さく設定されているため閉鎖的な空間となっている。 【0006】また、図4、図5、図6の従来例にも共通することであるが、廊下部分は通路としての機能のみであり、廊下部分の面積が大きければ、その分他の室の面積がその分小さくなり、いわば無駄なスペースとなっている。さらに、車椅子の使用等を考えると廊下から各居室へのアプローチは直角になるため、従来の廊下では狭苦しく、余裕のある広さを確保しようとすると、同様にその分他の居室が狭くなる問題があった。 【0007】本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、限られた住戸面積を従来以上に有効活用することができ、玄関から廊下やリビングルームを介することなく所定の部屋へ行くことができ、車椅子の移動であっても生活に必要な居室への移動が容易であり、玄関からリビングルーム等が素通しで見られることがなく、壁画、生け花等の装飾を行う十分な壁面やスペースを確保することができる集合住宅の住戸構造を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、寝室等に使用する洋室と、洗面・浴室、トイレ、キッチンなどの水回りと、団欒の場となるリビング・ダイニングルームとを少なくとも具備し、玄関(1)に直結した位置に該玄関(1)より広幅のホール(2)を有する集合住宅の住戸構造であって、前記玄関(1)から前記ホール(2)の中心位置への軸線方向で仕切られる住戸の一側にリビング・ダイニングルームを、その他側に水回りをそれぞれ配置し、前記リビング・ダイニングルームと前記水回りの出入口とを、前記ホール(2)に面すると共に、前記玄関(1)から前記ホール(2)の中心位置への軸線方向に対して斜めに設けることにより、該両出入口を略ハの字形状に配置した、ことを特徴とする集合住宅の住戸構造が提供される。 【0009】また、前記ホール(2)の玄関(1)の正面位置に、正面壁(4)を設けることができる。この正面壁(4)は、前記玄関(1)と同等以上の幅を有することが好ましい。 【0010】上記本発明の構成では、ホール(2)を中心に、少なくとも洋室、水回り、リビング・ダイニングルームを放射状に配置し、当該ホール(2)から直接出入可能にしているので、車椅子の移動であっても、洋室、水回り、リビング・ダイニングルームなど生活に必要な居室への移動が容易である。 【0011】ホール(2)は玄関(1)の幅より幅広く設定されているので、各部屋への移動が楽なだけでなく、玄関(1)が開放的である。花瓶など飾る小テーブルを置くスペースを確保できる。ホール(2)の玄関(1)の正面位置には、正面壁(4)が設けられているので、玄関(1)から素通しで居室が見えることが無く、また正面壁(4)を利用した装飾により、空間の演出が可能である。出入口が斜めに設定されているので、車椅子などの移動も容易になる。特に、水回りとリビングルームの両出入口は略ハの字形状に配置されているために、ホール(2)の周囲に無駄な空間が生じることなく、ホール(2)から直接アプローチ可能であるので、一般的に多いプランにも適用可能である。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。 【0013】図1は、本発明の第1実施形態を示すマンションのレイアウト図である。この図に示すように、本発明の住戸構造では、寝室等に使用する洋室と、洗面・浴室、トイレ、キッチンなど水回りと、団欒の場となるリビング・ダイニングルームとを少なくとも具備し、玄関1に直結した位置にホール2を設けるとともに、ホール2から直接出入可能になっている。すなわち、マンション等の集合住宅の玄関1(図で上端の中央部)に直結した位置にホール2が設けられ、このホール2の玄関正面位置(図で下方)に正面壁4が設けられる。また、正面壁4以外の位置に玄関1から正面壁4への軸線方向に対して斜めに出入口が設けられ、この出入口に所定の部屋に直結したドア6が設けられる。玄関1は、共用廊下からアルコーブを介して設けられており、玄関1を挟んで洋室3、洋室3が配置され、それぞれ共用廊下側に窓が設けられている。なお、洋室3は、共用廊下との間に吹抜けを設けてプライバシーを高めるようにしてある。 【0014】ホール2は、玄関1より広幅に設定され、実際には従来の廊下より面積が狭い場合であっても、開放感のある落ち着いた空間にできるようになっている。また、正面壁4は、玄関1の幅と同等以上に設定され、リビング・ダイニングルーム等の各部屋内が玄関から素通しで見えないようになっている。ホール2の天井は、天井の一部を凹入させ、いわゆる折り上げ天井を設け、間接照明等により、ホール2の雰囲気を高めるのがよい。 【0015】図1において、ホール2に隣接する前記「所定の部屋」は、リビング・ダイニングルーム、2つの洋室、トイレ、洗面室の5部屋である。なお、本発明ではこの構成に限定させず、所定の部屋は、リビング・ダイニングルーム、一般居室、トイレ、洗面室、浴室の少なくとも1つであり、複数を自由に組み合わせることができ、他の部屋の家具の配置等に制約を与えることなく、ホール2を介して、各部屋に直接アプローチできるようになっている。 【0016】また、この例では、ホール2は8角形であり、正面壁4の両側の辺とその対向位置、及びその間に合計5つのドア6が設けられている。5つのドア6は、それぞれ上述したリビング・ダイニングルーム、2つの洋室、トイレ、洗面室に直結している。なお本発明では、正面壁4以外の辺に設けられた出入口を介して各部屋にアプローチができ、かつ各部屋内が玄関から素通しで見えるのを防止することができる少なくとも5角以上の多角形、楕円形又は円形であり、その少なくとも一部に所定の部屋に直結した出入口が玄関に対して斜めに設けられていればよい。 【0017】更にこの例では、トイレ以外の各ドア6は玄関1から正面壁4への軸線方向に対して斜めに配置され、ドアで直結する各部屋を有効活用できるようになっている。即ち、玄関1からホール2の中心位置への軸線方向で仕切られる住戸の一側にリビング・ダイニングルームを、その他側に水回りをそれぞれ配置してある。これらのリビング・ダイニングルームと水回りの出入口とは、ホール2に面すると共に、玄関1からホール2の中心位置への軸線方向に対して斜めに設けることにより、両出入口は略ハの字形状に配置されている。また、正面壁4に、生け花や置き物等を陳列して、ホール2を飾るためのカウンタ8が設けられている。 【0018】図2は、本発明の第2実施形態を示すマンションのレイアウト図である。この例でも、集合住宅の玄関1に直結した位置に8角形のホール2が設けられ、このホール2の玄関正面位置に正面壁4が設けられ、正面壁4以外の位置にリビング・ダイニングルーム、2つの洋室、トイレ、洗面室に直結した4つのドア6が設けられている。玄関1は、共用廊下からアルコーブを介して設けられており、玄関を挟んで洋室3、洋室3が配置され、それぞれ共用廊下側に窓が設けられており、アルコーブは、玄関1前のみならず洋室3の前を含めて設けられ洋室3のプライバシーを高めている。図2のその他の構成は、図1と同様である。 【0019】図3は、本発明の第3実施形態を示すマンションのレイアウト図である。この例でも、全体の配置は異なるが、玄関1に直結した位置に8角形のホール2が設けられ、このホール2の玄関1の正面位置に正面壁4が設けられ、正面壁4以外の位置にリビングルーム、2つの洋室、トイレ、洗面室に直結した5つのドア6が設けられている。 【0020】更に、図3の例では、正面壁4に、玄関1を直視できる小窓10が設けられ、小窓10を通して玄関1の家族や来客を確認できるようになっている。 【0021】上述した本発明の構成によれば、ホール2を中心に、少なくとも洋室、水回り、リビング・ダイニングルームを放射状に配置し、当該ホール2から直接出入可能にしているので、車椅子の移動であっても、洋室、水回り、リビングルームなど生活に必要な居室への移動が容易である。ホール2は玄関1の幅より幅広く設定されているので、各部屋への移動が楽なだけでなく、玄関1が開放的である。花瓶など飾る小テーブルを置くスペースを確保できる。ホールの玄関1の正面位置には、正面壁4が設けられているので、玄関1から素通しで居室が見えることが無く、また正面壁4を利用した装飾により、空間の演出が可能である。出入口が斜めに設定されているので、車椅子などの移動も容易になる。玄関1を挟んで2室の洋室があり、ホール2から直接アプローチ可能であるので、一般的に多いプランにも適用可能である。 【0022】なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更できることは勿論である。 【0023】 【発明の効果】上述したように、本発明の集合住宅の住戸構造は、次のような多くの優れた効果を有する。請求項1の本発明では、玄関から廊下やリビング・ダイニングルームを介することなく、洋室、洗面・浴室など水回り及びリビング・ダイニングルームのいずれの部屋へ直接行くことができる。また、他の部屋の家具の配置等に制約を与えることなく、ホールから各部屋に直接出入りすることができる。即ち、集合住宅の住戸構造という限られた住戸面積を有効活用することができる。特に、水回りとリビングルームの両出入口は略ハの字形状に配置されているために、ホールの周囲に無駄な空間が生じることなく、各室に直接出入することが可能であり、車椅子の移動も容易である請求項2又は3の本発明では、ホールは玄関より広幅であり、玄関の正面位置に正面壁を設け、正面壁以外の位置に所定の部屋に直結した出入口を設けているので、壁画、生け花等の装飾を行う十分な壁面やスペースを確保することができると共に、玄関からリビング・ダイニングルーム等が素通しで見えない、等の優れた効果を有する。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000150615 【氏名又は名称】株式会社長谷工コーポレーション
|
| 【出願日】 |
平成11年8月10日(1999.8.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097515 【弁理士】 【氏名又は名称】堀田 実
|
| 【公開番号】 |
特開2001−288904(P2001−288904A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月19日(2001.10.19) |
| 【出願番号】 |
特願2001−85589(P2001−85589) |
|