| 【発明の名称】 |
落下防止装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】山辺 真一
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| 【要約】 |
【課題】パレット昇降体の確実な落下防止を実現する落下防止装置を提供する。
【解決手段】パレット昇降体(24)、(25)の両端部に、揺動部材(59)および係合部材(53)を設けた。これらを連結部材(54)で連結した。パレット昇降体(24)、(25)の昇降時に、係合部材(53)と当接する落下防止部材(56)を設けた。パレット昇降体(24)、(25)が上昇位置にあるときに、揺動部材(59)の回動を規制する回動規制部材(55)を設けた。係合部材(53)を常時水平状態に保持し、回動したときに初めてもとの姿勢に復帰するようにバネ(57)を配置した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 並設された一対のベース部材間に車両搭載用のパレット昇降体を配置し、パレット昇降体の一方のベース部材側を昇降させることによりパレット平行機構を介してパレット昇降体を水平に保持した状態で下降位置と上昇位置との間で昇降させる多段式立体駐車設備に適用されるパレット昇降体の落下防止装置であって、パレット昇降体の一方のベース部材側端部に、パレット昇降体側および一方のベース部材側へ回動可能に設けられた揺動部材と、パレット昇降体の他方のベース部材側端部に、上記揺動部材に連動してパレット昇降体側および他方のベース部材側へ回動可能に設けられた係合部材と、他方のベース部材の、上記上昇位置にあるパレット昇降体に対応する位置に固定され、上記パレット昇降体が昇降動作することにより上記係合部材が当接する落下防止部材と、一方のベース部材に固定され、上記パレット昇降体が上昇位置にあるときに上記揺動部材の回動を規制する回動規制部材と、上記係合部材が回動したときに所定の付勢力で当該回動変位を復元させる方向へ当該係合部材を回動付勢する付勢手段とが備えられていることを特徴とする落下防止装置。 【請求項2】 請求項1記載の落下防止装置において、上記付勢手段は、引張コイルばねにより構成されており、当該引張コイルばねは、上記係合部材がパレット昇降体側と一方のベース部材側との中間姿勢にある状態で、係合部材が回動トルクを受けないように当該係合部材と上記パレット昇降体との間に引張力が作用しない状態で連結されていることを特徴とする落下防止装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術の分野】この発明は、車両を搭載して昇降するパレット昇降体を備えた多段式立体駐車設備に適用されるパレット昇降体の落下防止装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】(1) パレット昇降体を備えた多段式立体駐車設備(以下、単に「駐車設備」という。)は、パレットに車両を搭載して昇降させるものであるため、安全性確保のためにパレット昇降体の落下防止装置が一般に備えられている。この落下防止装置は、従来から種々のものが提供されているが、万一パレット昇降体が落下した場合に確実に機能するものでなければならないという要請がある。この要請に応えるため、落下防止装置の構造・機構は、可能な限りシンプルなものとし、故障等の原因となり得る部位を排除することが必要である。 【0003】(2) 従来の落下防止装置としては、次のものがある(特開平7−189519号公報参照)。 【0004】図14は、駐車設備に採用された従来の落下防止装置の機構を示す模式図である。参照符号1、2はそれぞれ、当該駐車設備の主柱および副柱を示している。また、参照符号3は、これら主柱1および副柱2の間で昇降されるパレット昇降体を示している。なお、実線で示されたパレット昇降体3は下降状態を示し、二点鎖線で示されたパレット昇降体3は、上昇状態を示している。 【0005】パレット昇降体3は、主柱1側に設けられたチェーン駆動機構4および平行機構5によって水平を保ったまま昇降されるようになっている。なお、平行機構5としては、パレット昇降体3の両端部に設けたスプロケット6にバランスチェーン7を図に示すように掛け回すことによって構成されており、パレット昇降体3の主柱1側をチェーン駆動機構4によって昇降させると、このバランスチェーン7がパレット昇降体3の姿勢を水平に保つようになっている。 【0006】(3) ところで、パレット昇降体3の昇降中にバランスチェーン7が切断されると、パレット昇降体3の端部(図において左側)が落下してしまうが、この落下を確実に防止する必要がある。このため、従来では、図に示すような落下防止装置8が備えられている。 【0007】この落下防止装置8は、スプロケット6の回転軸に取り付けられた第1レバー9および第2レバー10と、これらを連結する連結部材11と、主柱1に取り付けられた第1当接部材12と、副柱2に取り付けられた第2当接部材13と、第2レバー10を図中左回りに常に回動付勢するバネ14とを有している。なお、参照符号15は、主柱1に取り付けられたソレノイド式ストッパであり、このストッパ15によって、パレット昇降体3の図中右側端部の落下を防止することができるようになっている。 【0008】第1レバー9,第2レバー10および連結部材11は、バネ14の付勢力によって、通常は図中実線で示した姿勢にある。そして、チェーン駆動機構4が作動すると、パレット掛止具16がパレット昇降体3に固定されたフック17に下方から係合する。これにより、パレット昇降体3は、水平を保った状態で上昇される。パレット昇降体3が所定位置まで上昇すると、第1当接部材12が第1レバー9に当接し、これにより、第1レバー9は図中右側へ回動される。これと同時に第2レバー10は、第2当接部材13を通過した位置で、連結部材11を介してバネ14による付勢力に抗して図中右側へ回動される。これにより、第2レバー10の下端部が副柱2側へ突出する(図中二点鎖線で示した位置)。 【0009】この状態で万一バランスチェーン7が切れると、パレット昇降体3の左端部が落下するが、第1レバー9が第1当接部材12に当接していることから、第1レバー9は、図中左回りの回動が規制されている。したがって、第2レバー10は回動できず、そのため第2レバー10の下端部が第2当接部材13に当接し、その下方への移動(落下)が規制される。 【0010】(4) 従来の落下防止装置は、このようなしくみによりパレット3の落下を防止している。 【0011】しかしながら、かかる従来の構造では、常時(すなわちバランスチェーン7の切断等が生じていない通常の運転状態)においては、第2レバー10が図中実線で示す姿勢に保持される必要があり、このため、バネ13は常に所定の引張力を第2レバー10に付与しておく必要がある。なぜなら、仮にバネ13が劣化等してその弾性力が低下したりすると、第2レバー10が所定の姿勢(図中実線で示す姿勢)に保持されず、パレット昇降体3の昇降時に第2レバー10が第2当接部材13に衝突してパレット昇降体3の円滑な昇降動作が阻害されるという故障が発生するからである。 【0012】そこで、本発明の目的は、このような故障の原因となる要素をできるだけ排除し、確実なパレット昇降体の落下防止を実現すべく、改良された新たな落下防止装置を提供することである。 【0013】 【課題を解決するための手段】(1) 上記目的を達成するため、本願に係る落下防止装置は、並設された一対のベース部材間に車両搭載用のパレット昇降体を配置し、パレット昇降体の一方のベース部材側を昇降させることによりパレット平行機構を介してパレット昇降体を水平に保持した状態で下降位置と上昇位置との間で昇降させる多段式立体駐車設備に適用されるパレット昇降体の落下防止装置であって、パレット昇降体の一方のベース部材側端部に、パレット昇降体側および一方のベース部材側へ回動可能に設けられた揺動部材と、パレット昇降体の他方のベース部材側端部に、上記揺動部材に連動してパレット昇降体側および他方のベース部材側へ回動可能に設けられた係合部材と、他方のベース部材の、上記上昇位置にあるパレット昇降体に対応する位置に固定され、上記パレット昇降体が昇降動作することにより上記係合部材が当接する落下防止部材と、一方のベース部材に固定され、上記パレット昇降体が上昇位置にあるときに上記揺動部材の回動を規制する回動規制部材と、上記係合部材が回動したときに所定の付勢力で当該回動変位を復元させる方向へ当該係合部材を回動付勢する付勢手段とが備えられていることを特徴とするものである。 【0014】この構成によれば、駐車設備の通常の運転状態では次のような動作をする。まず、パレット昇降体の一方のベース部材側端部(以下、適宜「一端側端部」という。)を上昇させるとパレット平行機構が作動してパレット昇降体が水平状態で上昇する。ところで、このパレット昇降体の一端側端部に設けられた係合部材は、パレット昇降体側または一方のベース部材側へ回動した場合に、付勢手段によって当該回動変位が復元される。つまり、係合部材は、常時はパレット昇降体側へも他方のベース部材側へも回動していない中間姿勢となっている。したがって、パレット昇降体が昇降する際には、係合部材および揺動部材は、次のような動きをすることになる。 【0015】パレット昇降体が上昇する際には、パレット昇降体の他方のベース部材側端部(以下、適宜「他端側端部」という。)に設けられた係合部材が落下防止部材に衝突する。このとき、係合部材が落下防止部材に衝突した場合であってもパレット昇降体はさらに上昇されるため、係合部材は相対的に落下防止部材によって押圧されて回動する。すなわち、係合部材は、落下防止部材に当接すると、当該当接状態を回避する方向へ回動する。この係合部材の回動により付勢手段が初めて作動し、係合部材は、当該回動変位が復元される方向に付勢される。したがって、係合部材が回動して落下防止部材を通過した時点で、付勢手段によって係合部材がもとの状態(パレット昇降体側へも他方のベース部材側へも回動していない中間姿勢の状態)に復帰する。そして、この状態で、パレット昇降体は、上昇位置に配置される。 【0016】また、パレット昇降体の一端側端部を下降させるとパレット平行機構が作動してパレット昇降体が水平状態で下降する。そして、この下降中においても係合部材が落下防止部材に衝突するが、上述したと同様に、かかる衝突が生じた場合であっても、パレット昇降体はさらに下降されるため、係合部材は相対的に落下防止部材によって押圧されて回動変位する。そして、係合部材が落下防止部材を通過した時点で、付勢手段によって係合部材がもとの状態に復帰する。 【0017】このように、係合部材と落下防止部材との干渉は、パレット昇降体の上昇または下降動作に関して何ら障害とならない。 【0018】一方、パレット昇降体が上昇位置にあるときにパレット平行機構等に不都合が生じ、パレット昇降体の他端側端部が落下した場合には、次のような作用を奏する。まず、このパレット昇降体の上昇位置は、当該パレット昇降体の落下を防止しなければならない所定の位置と定義することができ、パレット昇降体の昇降路中において適宜所要の位置に設定することが可能である。 【0019】パレット昇降体の他端側端部が落下すると、係合部材が落下防止部材に衝突し、上述したように、この当接状態を回避しようとして係合部材が回動しようとすると共に、揺動部材が係合部材に連動して回動しようとする。ところが、このとき回動規制部材が揺動部材の回動を規制するから、揺動部材は回動することができない。その結果、係合部材の回動が規制され、係合部材は落下防止部材に当接した状態で保持されるから、パレット昇降体の他端側端部の落下が防止される。 【0020】(2) さらに、本願に係る落下防止装置は、上記付勢手段は引張コイルばねにより構成されており、当該引張コイルばねは、上記係合部材がパレット昇降体側と一方のベース部材側との中間姿勢にある状態で、係合部材が回動トルクを受けないように当該係合部材と上記パレット昇降体との間に引張力が作用しない状態で連結されていることを特徴とするものである。 【0021】この構成によれば、特に上記付勢手段をコイルばねにより構成するので、構造がきわめて簡単である。しかも、通常においては、係合部材と上記パレット昇降体との間に引張力が作用しない状態でコイルばねを連結するから、通常においては、引張コイルばねに変位を生じさせることはない。 【0022】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。 【0023】図1は、本発明の一実施形態に係る駐車設備20の構成を示す正面図である。また、図2は、駐車設備20の駆動系を模式的に示す図である。 【0024】(1) 概略構成と本実施形態のポイント図1および図2を参照して、駐車設備20の概略構成について説明する。 【0025】駐車設備20は、2段式の立体駐車設備であって、床面21から下方に形成されたピット22に内に設置されている。床面21は、車両が乗り入れするための車両乗入面を形成しており、車両は、紙面に垂直な方向に沿って乗り入れられるようになっている。 【0026】この駐車設備20は、2つのパレット昇降体24,25を備えている。各パレット昇降体24,25は、それぞれ車両搭載用パレット(以下、単に「パレット」という。)26,27を上下に2つづつ備えており、車両は、このパレット26,27上に乗り入れて昇降されるようになっている。各パレット昇降体24,25は、ピット22の中央に立設された主柱28(一方のベース部材)とピット22の端部に立設された副柱29(他方のベース部材)との間で、これらに沿って昇降するようになっている。 【0027】パレット昇降体24,25の昇降動作は、後述する昇降駆動装置30によって行われ、これらを水平状態を保って昇降させるために、後述する平行機構31(パレット平行機構)が備えられている。さらに、パレット昇降体24,25の昇降中にパレット昇降体24,25の落下を確実に防止するための安全装置として、後述する落下防止装置32(図1,図2では図示せず)が備えられている。また、主柱28には、他の安全装置としてパレット昇降体24,25の落下を防止するためのロック装置(図1,図2では図示せず)が備えられている。 【0028】なお、ピット22の周囲には安全柵23が設けられている。また、参照符号33は、この駐車設備20を操作するための操作盤であり、これを操作することによりパレット昇降体24,25の昇降動作を制御できるようになっている。 【0029】そして、本実施形態に係る駐車設備20の特徴とするところは、上記落下防止装置32の構造にあり、きわめて簡単な構造で故障の発生を極力抑えることができるようになっている点である。以下、駐車設備20について詳しく説明する。 【0030】(2) パレット昇降体パレット昇降体24は、上記上下のパレット26と、これを支持する支持枠34とを有している。 【0031】各パレット26は、その底部にパレット受梁35を有しており、このパレット受梁35は、パレット26の前後方向(図1において紙面に垂直な方向)に一対設けられている。このパレット受梁35の主柱28側の端部には、係止板49が設けられている。この係止板49は、昇降駆動装置30と係合するようになっており、昇降駆動装置30が作動することによってパレット昇降体24が上下に移動するようになっている。 【0032】また、支持枠34は、前後左右に4本設けられており(図2参照)、これにより、上下のパレット26は、パレット受梁35および支持枠34と共に一体となっている。なお、パレット昇降体25についても同様の構成である。 【0033】(3) 昇降駆動装置次に、昇降駆動装置30について説明する。 【0034】図2を参照して、昇降駆動装置30は、駆動モータ37と、これによって駆動される主軸38と、主軸38に連結されたチェーン駆動機構39とを備えている。ここで、図3は、パレット昇降体24,25の昇降動作を図示したものである。また、図4は図3におけるA−断面図であり、主柱28による主軸38の支持状態を示している。さらに、図5は図3におけるB−断面図であり、チェーン駆動機構39の要部を示すものである。 【0035】まず、図2を参照して、駆動モータ37は、所定のブラケット(図示せず)を介して主柱28側に固定されている。駆動モータ37の駆動軸にはスプロケット40が設けられ、主軸38にはこれに対応するスプロケット41が設けられている。そして、これらスプロケット40,41にチェーン42が掛けられており、駆動モータ37が駆動されることによって主軸38が回転駆動されるようになっている。 【0036】主軸38は、図4に示すように主柱28に支持されている。主柱28は、ピット22の前後方向に対向して一対設けられている。同図に示すように主柱28は、一対のC型鋼43をその開口部が対向された状態で配置することにより構成されている(図4では一端部のみ図示)。そして、主軸38は、このC型鋼43を貫通する状態で一対の主柱28によってその両端部を支持されている。なお、参照符号44は、チェーン駆動機構39のスプロケットを示している。 【0037】図2および図3を参照して、チェーン駆動機構39は、主軸38の両端部にそれぞれ設けられた上記スプロケット44と、両主柱28の下方にそれぞれ回転自在に設けられたスプロケット45と、これらスプロケット44,45に掛けられた駆動チェーン46と、駆動チェーン46の一部に設けられた係止片47(図3参照)とを有している。 【0038】スプロケット44,45は、それぞれ一対設けられている。また、スプロケット44と、これに対応するスプロケット45とは、図中上下方向に対向配置されている。また、図5に示すように、係止片47は、一対の駆動チェーン46に架け渡すようにして固定されている。この固定は、ピン48を一対の駆動チェーン46によって支持し、このピン48によって係止片47を支持することにより行っている。 【0039】したがって、駆動モータ37が駆動されると、主軸38が回転して駆動チェーン46が当該回転方向に沿って送られる(図2参照)。これにより、係止片47が上方または下方へ移動されて、上記係止板49と係合する。その結果、パレット昇降体24,25が昇降され、図1に示すように上昇位置(パレット昇降体24の位置)と下降位置(パレット昇降体25の位置)との間で変位するようになっている。 【0040】(4) 平行機構図3を参照して、平行機構31は、パレット昇降体24,25を水平に保ったまま昇降させるためのものである。平行機構31は、各パレット受梁35に設けられたガイドスプロケット36と、これらに掛け回されたバランスチェーン50と、バランスチェーン50の両端を固定するアンカ51,52とを有している。 【0041】ガイドスプロケット36は、図2に示すように各パレット受梁35の左右端に、回動中心軸58を介して回動自在に支持されている。アンカ51は、図3に示すようにピット22の底部に固定され、アンカ52は、副柱29の上端に固定されている。バランスチェーン50は、パレット昇降体24についていえば、図に示すように、その一端がアンカ51に固定され、他端がアンカ52に固定されている。そして、バランスチェーン50は、一端側から図中右側のガイドスプロケット36の上方へ掛けられ、次いで左側のガイドスプロケット36の下方へ掛けられており、その他端がアンカ52に固定されている。 【0042】したがって、上記係止片47が上昇されて係止板49と係合することにより、パレット昇降体24の主柱28側(図3において右側)が上昇される。このとき、バランスチェーン50の両端が固定されているから、右側のガイドスプロケット36が上昇することによりバランスチェーン50が引っ張られる。これによりパレット昇降体24の左側が上方へ持ち上げられ、結果としてパレット昇降体24の水平が保たれる。なお、パレット昇降体25についても同様である。 【0043】(5) 落下防止装置落下防止装置32は、バランスチェーン50が万一切断された場合に、パレット昇降体24,25の落下を防止するためのものである。図6は、落下防止装置32の構成を示している。なお、説明を簡略化するために、図6では、パレット昇降体24の落下防止についてのみ図示しているが、パレット昇降体25についても同様である。 【0044】同図を参照して、落下防止装置32は、パレット昇降体24の右側(主柱28側)端部に設けられた揺動部材59と、パレット昇降体24の左側(副柱29側)端部に設けられた係合部材53と、これら揺動部材59と係合部材53を連動させる連結部材54と、主柱28の所定位置に固定された回動規制部材55と、副柱29の所定位置に固定された落下防止部材56と、係合部材53を一定の姿勢に保持するための引張コイルばね(以下、「バネ」という。)57(付勢手段)とを有している。 【0045】揺動部材59は、平板状部材から構成され、略台状に形成されている。揺動部材59は、上記回動中心軸58によって回動自在な状態でパレット受梁35に支持されている。すなわち、揺動部材59は、平行機構31のガイドスプロケット36(右側)と同軸上に設けられている。揺動部材59の下方は、連結部材54を取り付けるための取付部64を構成している。 【0046】係合部材53は、平板状部材から構成されており、ガイドスプロケット36の回転中心軸58によって回転自在に支持されている。係合部材53も揺動部材59と同様にガイドスプロケット36(左側)と同心上に設けられている。 【0047】係合部材53は、その回動中心から副柱29側へ突出形成された係合爪部60と、係合爪部60から下方へ湾曲して切欠形成された当接逃げ部61と、回動中心から主柱28側へ突出形成されたバネ取付部62とを有している。当接逃げ部61の下端部は、連結部材54を取り付けるための取付部65を構成している。また、バネ取付部62は、バネ57の一端が取り付けられる部分であり、このため小孔63が設けられている。なお、係合爪部60および当接逃げ部61の働きについては後述する。 【0048】連結部材54は、細長の平板部材により構成されている。連結部材54の両端部は、揺動部材59の取付部64と係合部材53の取付部65とに連結されている。この連結構造は、連結ピン66を用いたものであり、揺動部材59,係合部材53と連結部材54とは、それぞれ回動自在な状態となっている。したがって、揺動部材59または係合部材53のいずれか一方が回動すると、連結部材54によって両者が同方向に連動して回動するようになっている。具体的には図9ないし図13に示すように揺動部材59および係合部材53が回動するようになっているが、この点については後に詳述する。 【0049】回動規制部材55は、ブロック状の鋼材から構成されている。この回動規制部材55は、主柱28の所定位置に取り付けられているが、この所定位置とは、上昇位置にあるパレット昇降体24の揺動部材59の位置に対応する位置である。この回動規制部材55は、主柱28からパレット昇降体24側へ突出しており、パレット昇降体24が上昇位置にあるときは、揺動部材59と近接するように配置されている。したがって、パレット昇降体24が上昇位置にあるときは、揺動部材59が図中右回りに回動しようとしても、揺動部材59が回動規制部材55に当接するため、揺動部材59の回動が規制されるようになっている。一方、パレット昇降体24が上昇位置に限らず他の任意の位置にあるときでも、揺動部材59は図中左回りに回動しても回動規制部材55と当接しないように設定されている。 【0050】落下防止部材56は、鋼材により構成することができ、副柱29に固定されている。この落下防止部材56が固定される位置は、パレット昇降体24が上昇位置にある場合において、係合部材53の係合爪部60の直下である。 【0051】バネ57は、その一端が上記係合部材53のバネ取付部62に連結され、他端がパレット受梁35に連結されている。このバネ57は、図6に示すように常時は水平な状態で、引張力が作用しないように(バネ57の伸びがない状態で)配置されている。このため、係合部材53が図6に示す状態から右回りまたは左回りに回動したときにはじめてバネ57が引っ張られて、この引張力によって、回動した係合部材53がもとの図6の状態に復帰するようになっている。つまり、係合部材53は、常時図6に示す一定の姿勢に保持されるようになっている。 (6) ロック装置ロック装置は、上述したように主柱28に装着されており、上記落下防止装置32がバランスチェーン50の切断時に作動するものであるのに対し、このロック装置は、チェーン46(図1,図2参照)が切断された時であってもパレット昇降体24,25の落下を確実に防止するためのものである。 【0052】ロック装置は、図6において参照符号70で示されている。また、図7は図6におけるC−断面要部矢視図であり、図8は図7におけるD−矢視図である。 【0053】図7および図8を参照して、ロック装置70は、ソレノイド本体72と、これによって図中左右に直動されるストッパ71とを備えている。 【0054】ストッパ71は、図に示すようにコ字状の部材であって、たとえば鋼材により構成することができる。ストッパ71は、主柱28のC型鋼43の内に収容されており、実線で示した収容姿勢と二点鎖線で示したロック姿勢との間で変位可能となっている。このロック姿勢とは、C型鋼43から主柱28の中央側(図8において白抜矢印73で示す方向)へ突出した姿勢であって、この姿勢に変位することによって、図8において矢印74の方向に沿って昇降するパレット昇降体24,25の係止板49と当接するようになっている。 【0055】ロック装置70は、ストッパ71が図6に示す位置となるように設置されている。すなわち、パレット昇降体24、25が上昇位置にあるときに、その係止板49の下面の直下近傍に、ストッパ71が位置するように設置されている。 【0056】また、この駐車設備20には、ロック装置70の動作を制御する制御装置が設けられており(図示せず)、パレット昇降体24,25が上昇位置となった時点でストッパ71がロック姿勢に変位され、上昇位置から下降位置へと移動する直前に、ストッパ71がロック姿勢から収容姿勢に変位されるようになっている。 (7) 駐車設備の動作および作用効果次に、駐車設備20の動作について、各部の作用効果と共に説明する。 【0057】まず、通常の運転状態では次のような動作をする。図2に示す昇降駆動装置30の駆動モータ37が作動すると、主軸38が回転し、チェーン駆動機構39を介して係止片47(図3参照)が移動する。説明を簡略化するためにパレット昇降体24に注目すると、係止片47が上昇してパレット昇降体24の係止板49に係合する。これにより、パレット昇降体24の主柱28側の端部(右側)が持ち上げられるが、平行機構31によってパレット昇降体24は、水平を保ったまま上昇することになる。 【0058】図6を参照して、パレット昇降体24が上昇すると、係合部材53と落下防止部材56とが当接することになる。しかし、係合部材53は、次のようにして落下防止部材56との当接状態が回避され、さらにパレット昇降体24の上昇が許容される。図9ないし図11は、パレット昇降体24が上昇する際の落下防止装置32の動きを順に示すものである。また、図11ないし図13は、パレット昇降体24が下降する際の落下防止装置32の動きを順に示すものである。なお、これらの図においては、バネ57は図示していない。 【0059】図9に示すように、パレット昇降体24が上昇すると、係合部材53の係合爪部60の斜面が落下防止部材56に当接するが、この場合であってもパレット昇降体24はさらに上昇されるため、係合部材53は相対的に落下防止部材53によって押圧され、当該当接状態を回避する方向(図中左回り)へ回動する(図10参照)。これにより、揺動部材59も連結部材54によって係合部材53と同方向に回動されると共に、バネ57(図示せず)が初めて引っ張られ、係合部材53は、当該回動変位が復元される方向に付勢力を付加される。このように落下防止部材56との当接状態を回避するように回動した係合部材53が落下防止部材56を通過すると、その時点で、バネ57の付勢力によって係合部材53がもとの状態に復帰するとと共に揺動部材59がもとの状態に復帰する(図11参照)。そして、このときパレット昇降体24は、上昇位置に配置されることになる(図6参照)。この時点で、揺動部材59は回動規制部材55の近傍に近接配置されるが、両者が接触することはない。さらに、この状態では、揺動部材59は左回りに回動し得る状態であると共に、右回りの回動は、回動規制部材55によって阻止され得る状態である。、一方、上昇位置にあるパレット昇降体24が下降するときも同様である。図11に示す位置からパレット昇降体24が下降すると、係合部材53の当接逃げ部61が落下防止部材56に当接するが、パレット昇降体24がさらに下降されると、係合部材53は相対的に落下防止部材53によって押圧され、当該当接状態を回避する方向(図中右回り)へ回動する(図12参照)。これにより、揺動部材59も連結部材54によって係合部材53と同方向に回動されると共に、バネ57が初めて引っ張られ、係合部材53は、当該回動変位が復元される方向に付勢力を付加される。そして、係合部材53が落下防止部材56を通過すると、その時点で、バネ57の付勢力によって係合部材53がもとの状態に復帰するとと共に揺動部材59がもとの状態に復帰する(図13参照)。そして、このときパレット昇降体24は、下降位置に配置されることになる(図6参照)。このように、係合部材53と落下防止部材56との干渉は、パレット昇降体24の上昇または下降動作に関して何ら障害とならない。 【0060】次に、パレット昇降体24が上昇位置にあるときにバランスチェーン50が切断された場合は、落下防止装置32は、以下のような作用効果を奏する。 【0061】図11はパレット昇降体24が上昇位置にある状態を示しているが、このときにバランスチェーン50が切断されると、パレット昇降体24の副柱29側の端部が落下し、係合部材60が落下防止部材56に衝突する。このとき、係合部材60は、上述したように、この当接状態を回避するように回動しようとすると共に、揺動部材59が係合部材60に連動して回動しようとする。ところが、このとき主柱28に設けられた回動規制部材55が揺動部材59と当接してその回動を規制するから、揺動部材59は回動することができない。すなわち、係合部材60の回動が規制され、係合部材60は落下防止部材56に当接した状態で保持される。その結果、パレット昇降体24の落下が防止される。 【0062】このように本実施形態に係る落下防止装置32によれば、万一バランスチェーン50が切断されたときであっても、係合部材60と落下防止部材56とを互いに当接させることによりパレット昇降体24の落下防止を実現すると共に、常時(パレット昇降体24の落下というアクシデントに備えた落下防止装置32の待機時)は、揺動部材59と回動規制部材55とバネ57とによって、係合部材60と落下防止部材56との相対変位を許容してパレット昇降体24の円滑な昇降を実現する。しかも、この待機時には、従来の落下防止装置のように所要の機械要素を作動させて待機状態を保持するものではなく、パレット昇降体24の昇降時に係合部材60と落下防止部材56とが当接した際に、初めて当該当接状態を回避するように係合部材60を回動させるにすぎないものであるから、落下防止装置32を構成する機械要素の劣化等が生じる可能性がきわめて低い。 【0063】すなわち、本実施形態に係る落下防止装置32は、その構造がきわめて簡単であり、しかも、アクシデントに備えた待機時に故障が発生するという不都合を無くすことができ、万一に備えたパレット昇降体24の落下防止を長期間にわたって確実に行うことができる。 【0064】特に、本実施形態では、上記付勢手段としてバネ57を採用し、常時において係合部材60が回動トルクを受けないように、バネ57の初期変位を無くした状態で設置されている。これにより、バネ57の劣化による落下防止装置32の故障の発生をより効果的に無くすことができる。 【0065】なお、本実施形態では、パレット昇降体24の上昇位置として図1に示す位置を採用して説明したが、下降位置から少しでも上昇した位置を上昇位置として定義することができる。この場合は複数の上昇位置が存在することになるが、各上昇位置に対応して落下防止部材56および回動規制部材55を設けることもできる。加えて、以上の説明は、パレット昇降体25についても同様であるから、パレット昇降体25についての説明は省略する。 【0066】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、落下防止装置は、係合部材と落下防止部材とを互いに当接させることによりパレット昇降体の落下防止を実現すると共に、常時は、揺動部材と回動規制部材と付勢手段とによって、係合部材と落下防止部材との相対変位を許容してパレット昇降体の円滑な昇降を実現する。 【0067】しかも、通常の運転時、すなわちパレット昇降体の落下というアクシデントに備えた落下防止装置の待機時には、従来の落下防止装置のように所要の機械要素を作動させて待機状態を保持するものではない。すなわち、パレット昇降体の昇降時に係合部材と落下防止部材とが当接した際に、当該当接状態を回避するように係合部材を一旦回動させるにすぎず、待機状態において部材や要素を常時作動させておくものではない。 【0068】したがって、本発明に係る落下防止装置は、その構造がきわめて簡単であり、しかも、アクシデントに備えた待機時に機械要素が劣化してしまうという不都合を無くすことができ、万一に備えたパレットの落下防止を長期間にわたって確実に行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002358 【氏名又は名称】新明和工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年2月14日(2000.2.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100065868 【弁理士】 【氏名又は名称】角田 嘉宏 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−227186(P2001−227186A) |
| 【公開日】 |
平成13年8月24日(2001.8.24) |
| 【出願番号】 |
特願2000−34651(P2000−34651) |
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