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【発明の名称】 住 宅
【発明者】 【氏名】湯田 義隆

【要約】 【課題】玄関ホールを経由することなしに、車椅子に乗ったまま室内床面への移動を可能にすることで、車椅子使用者の利便性を高めると共に、車椅子を玄関土間に放置することで玄関利用の際の邪魔になったり玄関部分の美観を損なうことや、室内を汚すことを防止することができる住宅の提供。

【解決手段】玄関Eは、玄関ポーチ1の奥に玄関ドア2、玄関土間3、玄関ホール4が順次建物Aの奥方向へ直線状に配置され、玄関土間3と玄関ホール4との間には玄関ホール4側が高くなる上がりかまちと呼ばれる段差5が設けられ、車椅子使用者が車椅子のまま広縁14まで移動可能なスロープ24が玄関土間3の側面側に設けられ、広縁14の左奥には、広縁14から出入り可能な車椅子使用者用の寝室20が設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 玄関ドアから建物内に入った玄関土間の正面側に該玄関土間よりは一段高い段差を有する玄関ホールが設けられ、前記玄関土間の側面側には該玄関土間よりは一段高い床面との間を緩やかにつなぐスロープが設けられていることを特徴とする住宅。
【請求項2】 前記スロープの奥には前記床面を介して直接出入り可能な寝室が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の住宅。
【請求項3】 前記寝室内にはトイレが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の住宅。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、玄関にスロープを有する住宅に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、夏場の高温多湿によるカビの発生を防いだり水害の被害を少なくする等の理由から、日本では建築基準法で原則として高床にするように定められており、このため、玄関における玄関土間と玄関ホールとの間には土足可能部分と土足禁止部分との境界を明確に区画する意味もあって玄関ホール側が高くなる上がりがまちと呼ばれる段差が設けられており、この段差は、マンションで10cm程度、戸建てでは20〜40cm程度となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、住人に車椅子使用者がいる場合においては、玄関土間と玄関ホールとの間に段差があることで、玄関土間で車椅子から下りて玄関ホールに上がる必要があり、さらに、玄関ホールから車椅子使用者が主に利用する部屋までは車椅子なしで移動する必要があるため、極めて不便であり、しかも、車椅子を玄関土間に放置すると玄関利用の際の邪魔になると共に玄関部分の美観を損なうことになり、かといって、車椅子を玄関ホールを経由して室内等に持ち込むのは面倒であると共に、室内を汚すおそれがあるという問題点がある。
【0004】本発明は、かかる従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、玄関ホールを経由することなしに、車椅子に乗ったまま室内床面への移動を可能にすることで、車椅子使用者の利便性を高めると共に、車椅子を玄関土間に放置することで玄関利用の際の邪魔になったり玄関部分の美観を損なうことや、室内を汚すことを防止することができる住宅を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するための手段として本発明請求項1記載の住宅では、玄関ドアから建物内に入った玄関土間の正面側に該玄関土間よりは一段高い段差を有する玄関ホールが設けられ、前記玄関土間の側面側には該玄関土間よりは一段高い床面との間を緩やかにつなぐスロープが設けられている構成とした。以上のように、来客を招き入れる可能性のある玄関ホールを玄関土間の正面側に設ける一方で、もっぱら住人の車椅子使用者が車椅子のまま移動可能なスロープを玄関土間の側面側に設けることで、玄関ホールを経由することなしに、玄関土間からスロープを経由して室内床面に楽に移動できるため、車椅子使用者の利便性を高めることができるようになると共に、車椅子を玄関土間に放置することで玄関利用の際の邪魔になったり玄関部分の美観を損なうことや、室内を汚すことを防止することができるようになる。
【0006】請求項2に記載の住宅では、請求項1に記載の住宅において、前記スロープの奥には前記床面を介して直接出入り可能な寝室が設けられている構成とした。以上のように構成することで、玄関ホールや他の室等を経由することなしに、車椅子に乗ったまま玄関から寝室まで直行することができるため、車椅子使用者の利便性をさらに高めることができるようになる。
【0007】請求項3に記載の住宅では、請求項2に記載の住宅において、前記寝室内にはトイレが設けられている構成とした。以上のように構成することで、寝室外に出ることなしに容易かつ迅速にトイレを利用できるため、足の不自由な車椅子使用者にとって便利であり、かつ、安心感を与えることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態の住宅を詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態にかかる住宅の正面図、図2は同住宅の平面図、図3は玄関土間部分を示す室内斜視図である。
【0009】本発明の実施の形態にかかる住宅は、図2に示すように、建物Aがその表側に面した道路に沿った方向に長い長方形状の平家に形成されていて、建物Aにおける表面略中央部に玄関Eが設けられている(図1参照)。そして、図示を省略したが、建物Aと道路との間に広い駐車スペースを兼ねた前庭が確保されている。
【0010】前記玄関Eは、玄関ポーチ1の奥に、玄関ドア2、玄関土間3、玄関ホール4が順次建物Aの奥方向へ直線状に配置されている。そして、図3に示すように、前記玄関土間3と玄関ホール4との間には玄関ホール4側が高くなる上がりがまちと呼ばれる段差5が設けられている。
【0011】図2に戻り、前記玄関E部分の右側には、玄関ホール4から直接出入り可能なリビングルーム6が設けられ、該リビングルーム6の右奥には、ダイニングルーム7およびキッチンルーム8が設けられている。
【0012】該キッチンルーム8およびリビングルーム6の裏側には、前記玄関ホール4と連なる廊下9を介し子供部屋10と夫婦の主寝室11が設けられている。そして、前記子供部屋10内と主寝室11内にはクローゼット12、13が設けられている。
【0013】一方、玄関E部分の左側には、建物A表側に沿って広縁(床面)14が設けられ、この広縁14の裏側には該広縁14と玄関ホール4と後述の廊下16からそれぞれ出入り可能な和室15が設けられている。そして、この和室15の奥側には、前記玄関ホール4および廊下9と連なる廊下16を介し浴室17と洗面所18とトイレ19が設けられている。
【0014】前記和室15および広縁14の左奥には、該広縁14から出入り可能な車椅子使用者用の寝室20が設けられ、この寝室20内の裏側には、該寝室20と前記廊下16から出入り可能なミニキッチンルーム21が設けられ、さらに前記寝室20内でミニキッチンルーム21の裏側にはクローゼット22とトイレ23が設けられている。
【0015】また、図3にもその詳細を示すように、前記玄関土間3の側面側には該玄関土間3よりは一段高い広縁14との間を緩やかにつなぐスロープ24が設けられていて、玄関土間3から車椅子のままこのスロープ24および広縁14を経由して寝室20に楽に移動することができるようになっている。
【0016】なお、図2において、25、26は建物Aの左右両側壁の2個所に設けられた勝手口、27はリビングルーム6内に設けられた堀こたつである。
【0017】次に、この発明の実施の形態の作用・効果を説明すると、この住宅は、来客を招き入れる可能性のある玄関ホール4を玄関土間3の正面側に設ける一方で、もっぱら住人の車椅子使用者が車椅子のまま広縁14まで移動可能なスロープ24を玄関土間3の側面側に設けたことで、玄関ホール4を経由することなしに、玄関土間3からスロープ24を経由して室内の広縁14まで楽に移動し、他の室を経由することなしに寝室20に直行することができるもので、従って、車椅子使用者の利便性を高めることができるようになると共に、車椅子を玄関土間3に放置することで玄関利用の際の邪魔になったり玄関E部分の美観を損なうことや、室内を汚すことを防止することができるようになるという作用・効果が得られる。
【0018】また、前記寝室20内に該寝室20から直接出入り可能なトイレ23が設けられている構成としたことで、寝室20外に出ることなしに容易かつ迅速にトイレ23を利用できるため、足の不自由な車椅子使用者にとって便利であり、かつ、安心感を与えることができるようになる。
【0019】また、前記広縁14に沿って該広縁14側から直接出入り可能な和室15が設けられることで、車椅子使用者にとって利用に便利な和室15となる。
【0020】また、来客を招き入れる可能性の高いリビングルーム6が玄関ホール4から直接出入り可能に構成されることにより、他の室における住人のプライバシーを守ることができるようになる。
【0021】以上本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明の具体的な構成は本発明の実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0022】例えば、発明の実施の形態では、スロープ24を玄関土間の左側面側に設けたが、右側面側であってもよい。
【0023】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明請求項1記載の住宅にあっては、玄関ドアから建物内に入った玄関土間の正面側に該玄関土間よりは一段高い段差を有する玄関ホールが設けられ、前記玄関土間の側面側には該玄関土間よりは一段高い床面との間を緩やかにつなぐスロープが設けられている構成としたことで、玄関ホールを経由することなしに、玄関土間からスロープを経由して室内床面に楽に移動できるため、車椅子使用者の利便性を高めることができるようになると共に、車椅子を玄関土間に放置することで玄関利用の際の邪魔になったり玄関部分の美観を損なうことや、室内を汚すことを防止することができるようになるという効果が得られる。
【0024】請求項2に記載の住宅では、請求項1に記載の住宅において、前記スロープの奥には前記床面を介して直接出入り可能な寝室が設けられている構成としたことで、玄関ホールや他の室等を経由することなしに、車椅子に乗ったまま玄関から寝室まで直行することができるため、車椅子使用者の利便性をさらに高めることができるようになる。
【0025】請求項3に記載の住宅では、請求項2に記載の住宅において、前記寝室内にはトイレが設けられている構成としたことで、寝室外に出ることなしに容易かつ迅速にトイレを利用できるため、足の不自由な車椅子使用者にとって便利であり、かつ、安心感を与えることができるようになる。
【出願人】 【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
【出願日】 平成11年12月28日(1999.12.28)
【代理人】 【識別番号】100109988
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 定昭 (外1名)
【公開番号】 特開2001−182343(P2001−182343A)
【公開日】 平成13年7月6日(2001.7.6)
【出願番号】 特願平11−374782