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【発明の名称】 ネット吊り金具
【発明者】 【氏名】伊藤 勝通

【要約】 【課題】フック部が工具による止着作業の支障とならずに一層秀れた止着作業性を発揮することになり、更に、止着時にテコ作用を生じにくく取付箇所に強固に止着できてコスト安ともなる短いフック部を備えた構成にできる画期的なネット吊り金具を提供すること。

【解決手段】ネット1を吊り下げるフック部2の基端部に、ネジや釘などの止着部材3によって取付箇所4に止着し得る止着部5を設けたネット吊り金具において、前記フック部2は、前記止着部5を前記止着部材3によって取付箇所4に止着する際の作業の支障とならないように、この止着部5の真正面を避けた側方位置に配置したネット吊り金具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ネットを吊り下げるフック部の基端部に、ネジや釘などの止着部材によって取付箇所に止着し得る止着部を設けたネット吊り金具において、前記フック部は、前記止着部を前記止着部材によって取付箇所に止着する際の作業の支障とならないように、この止着部の真正面を避けた側方位置に配置したことを特徴とするネット吊り金具。
【請求項2】 ネットを吊り下げるフック部の基端部に取付箇所に止着するための止着部を設け、この止着部を取付箇所にあてがい、止着部の正面側から工具によりネジや釘などの止着部材を取付箇所に止着することで取付箇所に取り付けするネット吊り金具において、前記フック部は、前記止着部を前記止着部材によって取付箇所に止着する際の前記工具の作業の支障とならないように、この止着部の真正面を避けた側方位置に配置したことを特徴とするネット吊り金具。
【請求項3】 前記フック部は、前記止着部の真下方向へ延設して止着部の下方正面に設けることなく、止着部の真正面を避けた側方位置に配置したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のネット吊り金具。
【請求項4】 前記フック部はU字状のフックに構成し、このU字状のフック部の適所を止着部に対して側方へ折り返し折曲することにより、このフック部の上方への折り返し部が止着部の真正面を避けた側方位置に配置するように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のネット吊り金具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、任意の場所に安全ネットを吊り下げすることができるネット吊り金具に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来から、高所で作業する作業者が万一足を踏み外して墜落した時に地面などに激突することを防止したり、高所から誤って物を落とした時に下方の作業者に当たって作業者が負傷することを防ぐための手段として安全ネットが多用されている。
【0003】この安全ネットは、一般に任意の取付箇所に止着したネット吊り金具に吊り下げて張設されるが、従来、この種の安全ネット吊り金具として、ネットを吊り下げるU字状のフック部の基端部に貫通孔を有する止着部を一体連設した構成のものがある。
【0004】このネット吊り金具は、単に止着部を取付箇所にあてがい、この止着部の正面側から貫通孔を介してネジで締め付け固定したり釘で打ち付け固定したりすることで取付箇所に取り付けできる簡易止着構造となっているものであるが、更に取付作業の簡便化を考慮すると、フック部を下方に長く垂下させて止着部の真下に逃げる構成とすれば、止着部の正面側にあるフック部がこの止着部の正面に工具を配することの邪魔とならず、工具を使用しての止着作業が一層容易に行われると考えられる。
【0005】しかしながら、このように下方に長いフック部を有する従来のネット吊り金具は、確かに作業性の面では秀れた実用性を発揮すると考えられるが、反面フック部を下方へ長くする分だけ材料使用量が増えてコスト高となってしまうし、吊り下げたネットによってこの吊り金具に横方向に力が加わると、長いフック部を介してこの横加重が所謂釘抜きのようなテコ作用となって止着部に加わり易く、これが原因で取付箇所から止着部が抜け外れてしまうことがあると考えられるなど、実用性に乏しい。
【0006】そこで、本発明者は、何とか止着作業性を向上させつつ上記のような問題も生じないような構成のネット吊り金具を構成できないかと商品開発を進め試行錯誤した結果、フック部を止着部の下方正面に逃げるのではなく、止着部の真正面を避けた側方位置にフック部を配置させる構成とすれば、このフック部が工具による止着作業の支障とならずに一層秀れた止着作業性を発揮することになり、更に止着部の下方正面に避ける必要がないため、止着時にテコ作用を生じにくくコスト安ともなる短いフック部を備えた構成にできることを見い出し、本発明の画期的なネット吊り金具を完成させた。
【0007】
【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】ネット1を吊り下げるフック部2の基端部に、ネジや釘などの止着部材3によって取付箇所4に止着し得る止着部5を設けたネット吊り金具において、前記フック部2は、前記止着部5を前記止着部材3によって取付箇所4に止着する際の作業の支障とならないように、この止着部5の真正面を避けた側方位置に配置したことを特徴とするネット吊り金具に係るものである。
【0009】また、ネット1を吊り下げるフック部2の基端部に取付箇所4に止着するための止着部5を設け、この止着部5を取付箇所4にあてがい、止着部5の正面側から工具6によりネジや釘などの止着部材3を取付箇所4に止着することで取付箇所4に取り付けするネット吊り金具において、前記フック部2は、前記止着部5を前記止着部材3によって取付箇所4に止着する際の前記工具6の作業の支障とならないように、この止着部5の真正面を避けた側方位置に配置したことを特徴とするネット吊り金具に係るものである。
【0010】また、前記フック部2は、前記止着部5の真下方向へ延設して止着部5の下方正面に設けることなく、止着部5の真正面を避けた側方位置に配置したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のネット吊り金具に係るものである。
【0011】また、前記フック部2はU字状のフックに構成し、このU字状のフック部2の適所を止着部5に対して側方へ折り返し折曲することにより、このフック部2の上方への折り返し部2Aが止着部5の真正面を避けた側方位置に配置するように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のネット吊り金具に係るものである。
【0012】
【発明の実施の形態】好適と考える本発明の実施の形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてその作用効果を示して簡単に説明する。
【0013】本発明品の止着部5を取付箇所4にあてがい、この止着部5の正面からこの止着部5を介してネジや釘などの止着部材3を取付箇所4に止着して取付箇所4に本金具を取り付けするが、この際、フック部2が止着部5の真正面を避けた側方位置に配置しているため、工具6を止着部5の正面に配してもフック部2がこの工具6の作業の支障とならず、この止着部5の正面に配した工具6により止着部材3の止着作業を行うことができる。
【0014】従って、止着部5の正面に工具6を配することができるのでこの工具6を使用しての止着作業を極めて容易に行うことができて秀れた止着作業性を発揮することになる。
【0015】また、フック部2を止着部5の真正面を避けた側方位置に配置する構成であって、止着部5の下方正面に避ける必要がないため、本発明においてはフック部2が止着部5の下方へ長く垂下しないように短く形成できることになり、よってこのようにフック部2を短く形成することでテコ作用を生じにくく取付箇所4に極めて強固に止着固定でき、且つ材料コスト安で安価な製品として提供できることになる極めて実用性に秀れた画期的なネット吊り金具となる。
【0016】例えば、軸組された構造物内の、任意の空間部にネット1を張設する場合、この空間部に隣接している建築材(木材)を取付箇所4として適当数の本金具を上記のようにして取付固定し、この各本金具のフック部2にネット1の縁部を引っ掛けることで、建築材に囲まれた空間部内にネット1が吊り下げ状態で張設されることとなる。
【0017】また、従来技術の項で述べたようなフック部が下方に長いものにあっては、例えば、建築物の一階の天井と二階の床との間の軸組部分にこの吊り金具を取付固定して安全ネットを張設した場合、その後一階の天井板を形成しようとすると、下方に長く垂下したフック部が天井板を形成する際の邪魔となってしまうために、天井板を形成する前に吊り金具を全て取り外さなければならないと考えられるが、フック部2の垂下長を短くできる本発明においては、このような場合にフック部2を天井板形成の邪魔とならないように短くすることもできるので、本金具を取付箇所4に残したままで天井板を形成できるようにフック部2の垂下長を構成すれば、わざわざ本金具を取り外す手間が省けて施工能率が向上する構成にできるなど極めて実用性に秀れたネット吊り金具となる。
【0018】
【実施例】本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0019】ネット1を吊り下げるフック部2の基端部に、ネジや釘などの止着部材3によって取付箇所4に止着し得る止着部5を設けている。
【0020】更に具体的に説明すると、図1に示すようにフック部2はU字状のフック杆を採用して構成している。
【0021】また、このフック部2の基端部を扁平に押し潰して平板部に形成し、この平板部の上下二箇所に止着部材3を貫通止着する貫通孔7を形成してこの貫通孔7を備えた平板部を前記止着部5としている。
【0022】本実施例のフック部2は、前記止着部5を前記止着部材3によって取付箇所4に止着する際の作業の支障とならないように、この止着部5の真正面を避けた側方位置に配置している。
【0023】具体的には、U字状のフック部2を止着部5に対して側方へ折曲することにより、このフック部2が止着部5の真正面を避けて位置することとなるように構成している。
【0024】更に詳しくは、本実施例では、フック部2の中間から止着部5側の部位を止着部5に対して図面の左斜め下方へ向けて折曲し、更にこのフック部2の中間から先端側の上方への折り返し部2Aを図面の左斜め上方へ向かって折曲した構成としている。
【0025】そして、このフック部2が、前記止着部5を前記止着部材3によって取付箇所4に止着する際、この止着部5の正面に配した工具6の作業の支障とならない側方位置に存するように前記フック部2の各折曲箇所の折曲度合いを設定構成している。
【0026】従って、これにより止着部5の正面側にはフック部2が位置せず、この正面側に止着部材3を止着するための工具6を配し得ることとなる構成としている。
【0027】また、このフック部2は、前記止着部5の真下方向へ延設して止着部5の下方位置に設けることなく、止着部5の真正面を避けた側方位置に配置した構成としている。
【0028】具体的には、フック部2の垂下長を短く設定することで、このフック部2が止着部5の下方に位置しないように構成している。
【0029】また、本実施例では、止着部5の上端部に取付箇所4に対して突き刺す突き刺し部8を設けている。
【0030】具体的には、止着部5の上端部に先鋭形状の突片を一体に連設形成し、この先鋭形状の突片を止着部5の背面方向へ略水平に折曲させてこの水平突片を突き刺し部8とした構成としている。
【0031】この突き刺し部の使用方法を説明すると、ハンマーなどで止着部5を叩いて突き刺し部8を取付箇所4に突き刺すことで、この取付箇所4に止着部5(本金具)を仮止めするものである。そして、この仮止め状態で、取付箇所4に前記貫通孔7を介して止着部材3を止着することで、この止着作業を容易に行えるようにしている。
【0032】次に、本実施例のネット吊り金具の具体的な取付方法を説明する。また、本実施例では、図2に示すように、止着部材3としてネジを採用し、工具6として電動ドライバーを採用した場合を示している。
【0033】止着部5をハンマーなどで叩き、突き刺し部8を取付箇所4としての木材に突き刺して、この止着部5を取付箇所4に仮止め状態であてがう。
【0034】この止着部5の正面に電動ドライバー(工具6)を配し、この電動ドライバーを使用して前記貫通孔7を介して取付箇所4にネジ3を止着し、取付箇所4に本金具を取り付けする。
【0035】例えば、軸組された構造物内の、任意の空間部を囲む建築材(木材)を取付箇所4として適当数の本金具を上記のようにして取付固定し、図3に示すように、この各本金具のフック部2にネット1の縁部を引っ掛けることで、建築材に囲まれた空間部内にネット1を吊り下げ状態で張設することができる。
【0036】また、本実施例では、フック部2の垂下長が短いために、例えば、建築物の一階の天井と二階の床との間の軸組部分に本金具を取付固定して安全ネットを張設した場合において、その後一階の天井板を形成する際にフック部2が天井板形成の邪魔とならず、本金具を取付箇所4に残したままで天井板を形成できることとなり、これによりわざわざ吊り金具を取り外さなくとも良い分手間が省けて施工能率が向上することになる構成としている。
【0037】尚、止着部5の真正面に位置することを避けるフック部2の側方への折曲形状は、本実施例に限定されるものではなく、適宜設計変更可能である。
【0038】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したから、止着部の正面に工具を配して止着作業を行うことができるため、極めて良好な作業性が得られることになり、しかも本発明はフック部を止着部の真正面を避けた側方位置に配置する構成であって、止着部の下方正面に避ける必要がないため、フック部が止着部の下方へ長く垂下しないように短く形成できることになり、このようにフック部を短く形成することでテコ作用を生じにくく取付箇所に極めて強固に止着固定でき、且つ材料コスト安で安価な製品として提供できることになるなど極めて実用性に秀れた画期的なネット吊り金具となる。
【0039】また、従来技術の項で述べたようなフック部が下方に長いものにあっては、例えば、建築物の一階の天井と二階の床との間の軸組部分にこの吊り金具を取付固定して安全ネットを張設した場合、その後一階の天井板を形成しようとすると、下方に長く垂下したフック部が天井板を形成する際の邪魔となってしまうために、天井板を形成する前に吊り金具を全て取り外さなければならないと考えられるが、フック部の垂下長を短くできる本発明においては、このような場合にフック部を天井板形成の邪魔とならないように短くすることもでき、本金具を取付箇所に残したままで天井板を形成できるようにフック部の垂下長を構成すれば、わざわざ本金具を取り外す手間が省けて施工能率が向上する構成にできるなど極めて実用性に秀れたネット吊り金具となる。
【0040】請求項3記載の発明においては、フック部を、止着部の真下方向へ延設して止着部の下方正面に設けられることのないように垂下長を短く形成するので、止着状態でテコ作用を生じにくく取付箇所に極めて強固に止着固定できることになり、且つ材料コスト安で安価な製品を提供できることになる極めて実用性に秀れた画期的なネット吊り金具となる。
【0041】請求項4記載の発明においては、止着部の真正面を避けた位置にフック部を配置させる構造を簡易構成にして容易に設計実現可能となり、一層量産性に秀れ一層安価な製品を提供できることになる極めて実用性に秀れたネット吊り金具となる。
【出願人】 【識別番号】000139791
【氏名又は名称】株式会社伊藤製作所
【出願日】 平成12年5月31日(2000.5.31)
【代理人】 【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛 (外1名)
【公開番号】 特開2001−336292(P2001−336292A)
【公開日】 平成13年12月7日(2001.12.7)
【出願番号】 特願2000−162235(P2000−162235)