| 【発明の名称】 |
昇降器具及び昇降器具用角度表示装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】梶原 忠
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| 【要約】 |
【課題】梯子等の昇降器具を建造物や樹木に立てかけたとき、梯子と水平面との間の角度が倒れにくい角度であることを確認でき、昇降中や上部まで昇って作業するときに安定な状態で作業ができる昇降器具を提供する。
【解決手段】梯子H1は梯子本体1と水準器2aを備えている。水準器2aは先端部にリング部材23が設けてあり、基部側は基部部材22に取付けられている。水準器2aは基部部材22に連結ピン24を介し取り付けてあり、横方向に回動可能である。基部部材22と水準器2aは梯子本体1の支柱11側部の挿入孔15に出入り可能に収容してある。水準器2aは梯子H1と水平面との間の幅方向の角度が実質的に90°になったとき、及び立てかけ方向に90°回動した状態で梯子H1と水平面との間の立てかけ方向の角度が75°になると水平状態を示すようにしてある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 倒れにくい角度で設置できるようにした昇降器具であって、昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が設けられていることを特徴とする、昇降器具。 【請求項2】 昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が、複数の方向の設置角度を表示可能であることを特徴とする、請求項1記載の昇降器具。 【請求項3】 昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が、折畳み可能または昇降器具の所要箇所に収納可能であることを特徴とする、請求項1または2記載の昇降器具。 【請求項4】 昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が、水準器を含むことを特徴とする、請求項1、2または3記載の昇降器具。 【請求項5】 昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が、倒れにくい角度を表示した表示部と、設置角度を示す指示部とを含んでいることを特徴とする、請求項1、2、3または4記載の昇降器具。 【請求項6】 昇降器具が梯子または脚立であることを特徴とする、請求項1、2、3、4または5記載の昇降器具。 【請求項7】 昇降器具を倒れにくい設置角度で設置できるようにした昇降器具用角度表示装置であって、昇降器具に取付ける手段と、昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段と、を備えていることを特徴とする、昇降器具用角度表示装置。 【請求項8】 昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が、複数の方向の設置角度を表示可能であることを特徴とする、請求項7記載の昇降器具用角度表示装置。 【請求項9】 昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が、折畳み可能であることを特徴とする、請求項7または8記載の昇降器具用角度表示装置。 【請求項10】 昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が、水準器を含むことを特徴とする、請求項7、8または9記載の昇降器具用角度表示装置。 【請求項11】 昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が、倒れにくい角度を表示した表示部と、設置角度を示す指示部とを含んでいることを特徴とする、請求項7、8、9または10記載の昇降器具用角度表示装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は昇降器具及び昇降器具用角度表示装置に関するものである。更に詳しくは、倒れにくい角度で設置することにより安全に使用することができる昇降器具及び昇降器具に取り付けて昇降器具を倒れにくい角度で設置することにより安全に使用できるようにする昇降器具用角度表示装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】家屋等の建造物や樹木等の上部で作業等をするときには、建造物や樹木に梯子を立てかけて、それを使用して昇り降りしたり、その梯子に昇って作業を行なうことがある。建造物や樹木が低い場合はそれ程問題ではないが、ある程度高くなると、立てかける角度、即ち、梯子の立てかけ方向または幅方向における水平面(通常は地面であり、その設置面における水平面)との間の角度が問題となる。 【0003】建造物や樹木への梯子の立てかけ方向での梯子と水平面との間の角度は、一般に大きくなる程昇り易く、また、高い位置まで速く昇ることができる。しかしながら、作業者は、立てかけられた梯子の上記角度が大きくなり過ぎて直角に近い状態になってくると、昇降中や上部まで昇って作業するときに不安定な状態となって、梯子が立てかけ方向とは反対側へ倒れるおそれがあり、極めて危険であった。上記のような危険を避けるためには、梯子を建造物や樹木等に立てかけるときに立てかけ方向での梯子と水平面との間の角度が65〜80°の範囲までであれば安全であることが知られている。また、立てかけ方向と直交する方向、即ち幅方向での梯子と水平面との間の角度は90°に近い程安定するので、昇降中や上部まで昇って作業するときに作業が安全にできる。 【0004】一方、建造物や樹木等の上部で作業等をするときに、建造物や樹木に脚立を寄せて、その脚立に昇りその上に立って作業が行なわれることも多い。建造物や樹木が低い場合はそれ程問題ではないが、ある程度高くなり、脚立もそれに応じて高くなると、脚立の垂直度が問題となる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したような従来の方法には、次のような課題があった。梯子を建造物や樹木等に立てかけたとき、立てかけ方向での梯子と水平面との間の角度が、例えば65〜80°であることを確認している訳ではなく、勘に頼って昇ることが多い。このとき、上記角度が80°を超えていると、昇降中や上部まで昇って作業するときに不安定な状態になって、梯子が立てかけ方向とは反対側へ倒れるおそれがあり、極めて危険であった。また、幅方向の梯子と水平面との間の角度も実質的に90°であることを確認しにくく、やはり勘に頼って昇ることが多い。このとき、上記角度が実質的に90°から外れると昇降中や上部まで昇って作業するときに不安定な状態になって、梯子が幅方向に倒れるおそれがあり、極めて危険であった。 【0006】更に、脚立を建造物や樹木等に寄せて設置したときも、寄せた方向及び当該寄せた方向と直交する方向、即ち幅方向での脚立と水平面との間の垂直度が安全の許容範囲内にあることがその垂直度を確認しにくく、勘に頼って昇ることが多い。このとき、作業者は、寄せられた脚立が垂直になっていないと、昇降中や上部まで昇って作業するときに不安定な状態となり、脚立が倒れるおそれがあるため極めて危険であった。 【0007】(本発明の目的)本発明は、上記課題を解消するもので、例えば梯子や脚立等の昇降器具を使用する際に、昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを確認でき、当該角度の範囲で昇降器具を設置し、昇降中や上部まで昇って作業するときに、昇降器具が倒れるおそれがなく、安定な状態で作業ができる昇降器具及び昇降器具用角度表示装置を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために講じた本発明の手段は次のとおりである。第1の発明にあっては、倒れにくい角度で設置できるようにした昇降器具であって、昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が設けられていることを特徴とする、昇降器具である。 【0009】第2の発明にあっては、昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が、複数の方向の設置角度を表示可能であることを特徴とする、第1の発明に係る昇降器具である。 【0010】第3の発明にあっては、昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が、折畳み可能または昇降器具の所要箇所に収納可能であることを特徴とする、第1または第2の発明に係る昇降器具である。 【0011】第4の発明にあっては、昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が、水準器を含むことを特徴とする、第1、第2または第3の発明に係る昇降器具である。 【0012】第5の発明にあっては、昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が、倒れにくい角度を表示した表示部と、設置角度を示す指示部とを含んでいることを特徴とする、第1、第2、第3または第4の発明に係る昇降器具である。 【0013】第6の発明にあっては、昇降器具が梯子または脚立であることを特徴とする、第1、第2、第3、第4または第5の発明に係る昇降器具である。 【0014】第7の発明にあっては、昇降器具を倒れにくい設置角度で設置できるようにした昇降器具用角度表示装置であって、昇降器具に取付ける手段と、昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段と、を備えていることを特徴とする、昇降器具用角度表示装置である。 【0015】第8の発明にあっては、昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が、複数の方向の設置角度を表示可能であることを特徴とする、第7の発明に係る昇降器具用角度表示装置である。 【0016】第9の発明にあっては、昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が、折畳み可能であることを特徴とする、第7または第8の発明に係る昇降器具用角度表示装置である。 【0017】第10の発明にあっては、昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が、水準器を含むことを特徴とする、第7、第8または第9の発明に係る昇降器具用角度表示装置である。 【0018】第11の発明にあっては、昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が、倒れにくい角度を表示した表示部と、設置角度を示す指示部とを含んでいることを特徴とする、第7、第8、第9または第10の発明に係る昇降器具用角度表示装置である。 【0019】本発明にいう「昇降器具」は、例えば梯子や脚立であるが、これらに限定するものではない。また、梯子や脚立には、脚部の長さを調整可能な、いわゆる伸縮梯子や伸縮脚立等も含まれる。 【0020】(作用)本発明に係る、例えば梯子または脚立のような昇降器具は、昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が設けられている。従って、上記のような手段により、倒れにくい設置角度であることを確認しながら、昇降器具を建造物や樹木に立てかける等して使用することができるので、昇降中や上部まで昇って作業するときに不安定な状態になって、梯子の場合では、立てかけ方向とは反対側へ倒れたり、幅方向等に倒れるおそれがなく、安定な状態で作業ができる。 【0021】昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が、複数の方向の設置角度を表示可能であるものは、複数の方向、例えば幅方向と立てかけ方向で倒れにくい設置角度であることを確認しながら、昇降器具を建造物や樹木に立てかける等して設置することができる。従って、昇降中や上部まで昇って作業するときに不安定な状態になって、梯子の場合では、立てかけ方向とは反対側へ倒れたり、幅方向等に倒れるおそれがなく、安定な状態で作業ができる。 【0022】昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が、折畳み可能または所要箇所に収納可能であるものは、使用しないときにはコンパクトにすることができ、運搬や保管が容易であり、また、他の物体等に接触することも避けられ破損等を防止できる。 【0023】昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が、水準器を含むものは、当該昇降器具が倒れにくい角度であることを水準器の気泡管により直ちに確認できる。 【0024】昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が、倒れにくい角度を表示した表示部と、設置角度を示す指示部とを含んでいるものは、当該指示部が表示部の倒れにくい角度の範囲内にあるのを確認しながら、昇降器具を建造物や樹木に立てかける等して使用することができ、昇降中や上部まで昇って作業するときに倒れるおそれがなく、安定な状態で作業ができる。 【0025】本発明に係る昇降器具用角度表示装置は、昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段、例えば、複数の方向の設置角度を表示可能である水準器のような手段または倒れにくい角度を表示した表示部と当該角度であることを示す指示部とを含む手段が設けられている。昇降器具用角度表示装置は、一般に市販されている梯子または脚立等の昇降器具に取付けることができ、昇降器具用角度表示装置を取付けた状態の昇降器具は、本発明に係る昇降器具と実質的に同一の作用を奏することができる。 【0026】なお、本発明は、昇降器具が倒れにくい設置角度で設置されていることを確認しながら作業ができるので、特に、脚部の長さを調整して使用することが多いために不安定になりがちな伸縮梯子や伸縮脚立に特に有用である。 【0027】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づき更に詳細に説明する。図1は本発明に係る梯子の第1の実施の形態を示し、水準器を引出した状態の要部斜視図、図2は図1に示す梯子において水準器を収納した状態を示す正面図、図3は梯子の幅方向の水平度を見る状態を示す説明図、図4は梯子の立てかけ方向の傾きを見る状態を示す説明図である。 【0028】符号H1は昇降器具である梯子である。梯子H1は、梯子本体1と、梯子本体1の外側面から収納・引出し可能に設けられている水準器2aとより構成されている。上記梯子本体1は、対向して設けられている2本の支柱11、11(2本の支柱11、11のうち、1本の支柱11は図では省略されている)と支柱11、11を連結するために等間隔で並行して複数設けられている横桟12とより構成されている。水準器2aが設けられている梯子本体1の外側面の位置は、下から二段目または三段目に設けられている横桟12に対応している箇所である。当該箇所は梯子を建造物や樹木に立てかけるときに、水準器2aを観察し易い箇所である。 【0029】水準器2aについて更に詳述する。水準器2aは先端部にリング部材23が設けてあり、基部側は基部部材22に取付けられている。水準器2aは、基部部材22に連結ピン24を介し取り付けてあり、連結部材24を中心として矢印25方向(横方向)に回動可能である。なお、図示はしていないが、水準器2aは連結部材24を中心として矢印25方向とは反対の方向にも回動可能である。 【0030】支柱11には、基部部材22と水準器2aを挿入する挿入孔13が形成されており、その孔口側にはプラスチック製の補強筒体130が嵌装してある。また、横桟12にも基部部材22と水準器2aを挿入する挿入孔14が形成されている。補強筒体130と挿入孔14とは孔部の断面形状が同一で連通しており、双方で挿入孔15を形成している。水準器2aと基部部材22を直線状にすると、挿入孔15内を矢印方向26に出入り移動可能であり、基部部材22側より挿入孔15に挿入し、また、引出すことができる(図1及び図2参照)。 【0031】梯子H1を使用しないときは、水準器2aは基部部材22と共に挿入孔15内に挿入し、他の物と接触して破損することがないように収納しておくことができる(図2参照)。また、収納後、梯子H1を使用するときは、挿入孔15内に挿入されている水準器2aをリング部材23を掴んでそのまま水平方向に引張り、挿入孔15内から引出す。このとき、基部部材22は補強筒体130内に一部残るようにする(図3参照)。 【0032】水準器2aは、挿入孔15内から引出し、梯子H1を建造物や樹木(図示はしていない。以下、同じ)に立てかけた後、その幅方向の角度を調整して、梯子H1と水平面Gとの間の角度3aが実質的に90°になったときに、水準器2aが水平状態を示すように調整されている(図3参照)。また、水準器2aは、立てかけ方向に90°回動させた後、梯子H1を立てかけ方向で傾きを調整し、梯子H1と水平面Gとの間の角度3bが75°になると水平状態を示すように調整されている(図4参照)。 【0033】(作用)図1ないし図4を参照して、梯子H1の作用を説明する。梯子H1を建造物に立てかけ、リング部材23を掴んでそのまま引張り、挿入孔15内から水準器2aを引出す。支柱11の下端16を水平面G上で幅方向に移動させながら水準器2aが水平状態を示す位置を定める。このようにして、水準器2aが水平状態を示すときが、上記幅方向で梯子H1と水平面Gとの間の角度3aが90°になったときである(図3参照)。 【0034】梯子H1は、そのままの状態で水準器2aを立てかけ方向に90°回動させ、支柱11の下端16を水平面G上で立てかけ方向で移動させながら水準器2aが水平状態を示す位置を定める。このようにして、水準器2aが水平状態を示すときが、立てかけ方向で梯子H1と水平面Gとの間の角度3bが75°になったときである(図4参照)。上記操作により、梯子H1が幅方向でも立てかけ方向でも倒れにくい角度に設置されたことが分かる。このように、梯子H1を安全な状態で確実に設置することができるので、梯子H1を使用した作業を安全に行うことができる。 【0035】図5は本発明に係る梯子の第2の実施の形態を示し、梯子の幅方向の水平度を見る状態を示す説明図、図6は図5に示す梯子の立てかけ方向の傾きを見る状態を示す説明図である。符号H2は昇降器具である梯子を示す。梯子H2における梯子本体1は第1の実施の形態における梯子本体1と挿入孔15を除いて同一のものである。 【0036】水準器2bは横桟12の下面に連結ピン24により取付けられている。水準器2bは連結ピン24を中心として水平方向に、即ち建造物や樹木への立てかけ方向とその反対方向に回動可能である。水準器2bは横桟12の下面に横桟12方向と平行に納めた状態では、梯子H2を建造物や樹木に立てかけて、幅方向での梯子H2と水平面Gとの間の角度3aが実質的に90°になったときに、水準器2bは水平状態を示すように調整されている(図5参照)。また、水準器2bは横桟12の下面に横桟12方向と平行に納めた状態から立てかけ方向に90°回動させ、立てかけ方向での梯子H2と水平面Gとの間の角度3bが80°になったときに水準器2bは水平状態を示すように調整されている(図6参照)。 【0037】(作用)水準器2bの横桟12の下面に横桟12方向と平行に納めた状態で、梯子H2を建造物に立てかける。その幅方向で支柱11の下端16を水平面G上で移動させながら水準器2bが水平状態を示す位置を定める。このようにして、水準器2bが水平状態を示すときが、幅方向での梯子H2と水平面Gとの間の角度3aが90°になったときである(図5参照)。 【0038】次いで、水準器2bを立てかけ方向に90°回動させ、支柱11の下端16を水平面G上で移動させながら水準器2bが水平状態を示す位置を定める。このようにして、水準器2bが水平状態を示したときが立てかけ方向での梯子H2と水平面Gとの間の角度3bが80°になったときである(図6参照)。上記操作により、梯子H2が幅方向でも立てかけ方向でも倒れにくい角度に設置されたことが分かる。このように、梯子H2を安定な状態で確実に設置することができるので、梯子H2を使用した作業を安全に行うことができる。 【0039】図7は本発明に係る梯子の第3の実施の形態を示し、梯子の立てかけ方向の傾きを見る状態を示す説明図である。符号H3は昇降器具である梯子である。梯子H3を構成している梯子本体1は第1の実施の形態における梯子本体1と挿入孔15を除いて同一のものである。 【0040】支柱11の側面(横桟12の反対側の面でその少し下部)には、倒れにくい角度範囲を表示した表示部4が描かれている。また表示部4に重なるように、指示部である金属製の指針5が取り付けられている。表示部4は下向きの扇形である。表示部4の右辺41は、梯子H3を建造物や樹木に立てかけた場合、立てかけ方向での梯子H3と水平面Gとの間の角度3bが65°になったとき、指針5と重なり、左辺42は角度3bが80°になったとき、指針5と重なるように描かれている。なお、指針5は、その上端を表示部4の扇形の頂点に軸ピン51を介して取付けてある。指針5は軸ピン51を中心として立てかけ方向及び幅方向に揺動可能であり、通常状態では自動的に垂直になる。 【0041】(作用)梯子H3を建造物に立てかけ、支柱11の下端16を水平面G上で幅方向に移動させる。指針5は軸ピン51を中心として幅方向にも揺動可能であるので、まず、梯子H3を指針5が支柱11表面と離れる方向へ傾け、傾きを元に戻しながら、指針5が丁度支柱11表面に接したときが、幅方向での梯子H3と水平面Gとの間の角度が90°になったときである(図示はしていない)。 【0042】次いで、立てかけ方向に支柱11の下端16を水平面G上で移動させながら、指針5が表示部4の右辺41と左辺42との間に入る位置を定める。このようにして、指針5が右辺41と左辺42との間に入ったときが立てかけ方向での梯子H3と水平面Gとの間の角度3bが65〜80°になったときである。上記操作により、梯子H3が幅方向でも立てかけ方向でも倒れにくい角度に設置されたことが分かる。このように、梯子H3を安定な状態で確実に設置することができるので、梯子H3を使用した作業を安全に行うことができる。 【0043】図8は本発明に係る梯子の第4の実施の形態を示し、梯子の立てかけ方向と幅方向の傾きを同時に見る状態を示す説明図である。符号H4は昇降器具である梯子である。梯子H4を構成している梯子本体1は第1の実施の形態における梯子本体1と挿入孔15を除いて同一のものである。 【0044】水準器2cは支柱11の近くで横桟12の側面部に埋設されている。水準器2cは、昇降する側から観察することができ、幅方向での梯子H4と水平面との間の角度が実質的に90°になったときに水準器2cは水平状態を示すように調整されている。また、支柱11の側面には、上記梯子H3と同様の表示部4と指針5が設けられている。 【0045】(作用)梯子H4を建造物に立てかけ、支柱11の下端を水平面上で幅方向に移動させながら水準器2cが水平状態を示す位置を定める。このようにして、水準器2cが水平状態を示したときが、幅方向で梯子H4と水平面との間の角度が90°になったときである。次いで、立てかけ方向に支柱11の下端を水平面上で移動させながら指針5が表示部4の右辺41と左辺42との間に入る位置を定める。このようにして、指針51が右辺41と左辺42との間に入ったときが立てかけ方向で梯子H4と水平面Gとの間の角度が65〜80°になったときである。 【0046】上記操作により、梯子H4が幅方向でも立てかけ方向でも倒れにくい角度に設置されたことが分かる。このように、梯子H4を安定な状態で確実に設置することができるので、梯子H4を使用した作業を安全に行うことができる。なお、梯子H4では、水準器2cは支柱11の近くで横桟12の側面部に埋設されているが、上面部に埋設してもよい。また、邪魔にならない横桟12の下面部や背面部に、埋設しないでそのまま固定することもできる。 【0047】図9は本発明に係る脚立の実施の形態を示す斜視図である。符号H5は昇降器具である脚立である。脚立H5は脚立本体6と、脚立本体6の内側上部に設けられている表示部材7とより構成されている。上記脚立本体6は一対の梯子状の脚部6a、6bと、脚部6a、6bを上部で連結している一対のヒンジ61と、連結されている脚部6a、6bの上部の一方の側面に取り付けられ、脚部6a、6bの角度を固定する固定部材62より構成されている。 【0048】脚部6a、6bは、それぞれ2本の支柱63が3本の横桟64により対向して連結され梯子状になっている。また、固定部材62は一方の端部で脚部6aまたは脚部6bから外すことができ、脚部6a、6bの角度固定状態を解放できる。脚部6a、6bの固定状態を解放した脚立H4は最上部の横桟64の上面を重ね合わせて直線状にすることができ、梯子として使用することもできる。 【0049】表示部材7は、指示部71と、指示部71に対応して設けられている表示部72とを備えている。指示部71は鎖711と鎖711の下端に取り付けられている矢じり状の錘712とよりなり、鎖711の上端は最上部の横桟64の内側に固定されている。表示部72は、表示リング721と、表示リング721を張設する4本の鎖722とよりなり、各鎖722の一端は等間隔で表示リング721に取り付けられ、他端は4本の支柱63にそれぞれ取り付けられている。錘712先端部と表示リング721とはほぼ同じ高さにあり、脚立H5の垂直度が安全上の許容範囲内にあるときは、錘712は表示リング721の内側に位置するように調整されている【0050】(作用)脚立H5を作業する場所に移動させ、脚立H5の設置箇所を調整しながら座りをよくして設置し、錘712を表示リング721の内側に位置させるようにする。このとき、脚立H5の垂直度は、安全上の許容範囲内にあるので、倒れにくい角度で設置されたことがわかる。このように、梯子H5を安定な状態で確実に設置することができるので、安全に作業することができる。 【0051】図10は本発明に係る昇降器具用角度表示装置の第1の実施の形態を示す斜視図、図11は図10に示す昇降器具用角度表示装置を梯子に取付けた後、梯子の立てかけ方向の傾きを見る状態を示す説明図、図12は図10に示す昇降器具用角度表示装置を梯子に取付け横桟に平行になるように水準器を回動し、梯子の梯子の幅方向の水平度を見る状態を示す説明図である。 【0052】符号S1は昇降器具用角度表示装置で、梯子本体1と昇降器具用角度表示装置S1により梯子H6が形成されている。梯子本体1は第1の実施の形態における梯子本体1と挿入孔15を除いて同一のものである。梯子用角度表示装置S1は、水準器2dと、水準器2dの基部側に連結している基部部材22と、基部部材22の基部側に固定されている楔形の台部材27により構成されている。水準器2dと基部部材22は連結ピン24により連結されており、水準器2dは連結ピン24を中心として矢印25方向に回動可能である。また、台部材27の四隅にはネジ孔271が形成されている。なお、図示はしていないが、水準器2dは連結部材24を中心として矢印25方向(奥行方向)とは反対の方向(手前方向)にも回動可能である。 【0053】昇降器具用角度表示装置S1は、支柱11の背面側に楔形の薄い方を上向きにして台部材27の裏面を当接し、ネジ孔271を通したネジ272により固定される。この固定箇所は横桟12が設けられている箇所と同一高さの箇所であり、横桟12と平行にしたとき横桟12に隠れて邪魔にならないようにしている。このようにして、支柱11に固定された昇降器具用角度表示装置S1の水準器2dは、連結ピン24を中心として横桟12と平行になるように回動させた状態で、梯子H6を建造物や樹木等に立てかけて幅方向で移動させ、梯子H6と水平面Gとの間の角度3aが実質的に90°になったときに、水平状態を示すように調整されている(図12参照)。また、水準器2dは、横桟12と平行な状態から90°回動させた状態で、立てかけ方向での梯子H5と水平面Gとの間の角度3bが70°になったときに、水平状態を示すように調整されている(図11参照)。 【0054】(作用)昇降器具用角度表示装置S1を梯子本体1の支柱11に上記のように固定し、水準器2dを連結部材24を中心として横桟12と平行になるように回動させる。この状態で梯子H6を建造物に立てかけ、支柱11の下端16を水平面G上で幅方向に移動させながら水準器2dが水平状態を示す位置を定める。このようにして、水準器2dが水平状態を示したときが、幅方向で梯子H6と水平面Gとの間の角度3aが90°になったときである(図12参照)。 【0055】次いで、水準器2dを水平方向に90°回動させ、支柱11の下端16を水平面G上で立てかけ方向で移動させながら水準器2dが水平状態を示す位置を定める。このようにして、水準器2dが水平状態を示したときが、立てかけ方向での梯子H5と水平面Gとの間の角度3bが70°になったときである(図11参照)。上記操作により、梯子H6が幅方向でも立てかけ方向でも倒れにくい角度に設置されたことが分かる。このように、梯子H6を安定な状態で確実に設置することができるので、梯子H6を使用した作業を安全に行うことができる。 【0056】図13は本発明に係る昇降器具用角度表示装置の第2の実施の形態を横桟に平行になるようにして梯子に取付け、使用している状態を示す正面図、図14は図13に示す状態に取付けられた昇降器具用角度表示装置を90°回動させて、梯子の立てかけ方向の傾きを見る状態を示す説明図である。 【0057】符号H7は梯子であり、S2は昇降器具用角度表示装置である。梯子H7を構成している梯子本体1は、第1の実施の形態における梯子本体1と、横桟12の上下面が支柱11の方向と直角である点において相違する。梯子用角度表示装置S2は、水準器2eと、水準器2eを取り付ける基体28と、基体28を横桟12に取付ける2本の帯状の取付部材29とより構成されている。 【0058】基体28には、水準器2eを取付ける箇所において上面を切削し、斜面281が形成されている。斜面281は、水準器2eを回動させて立てかけ方向に向けた状態で、立てかけ方向での梯子H7と水平面Gとの間の角度3bが80°になったときに、水準器2eが水平状態を示す角度に設定されている(図14参照)。水準器2eは、斜面281に連結ピン24により取付けられており、連結部材24を中心として横方向に回動可能である。また、取付部材29の両端には面ファスナー291が設けられており、取付部材29は基体28の切削されていない部分の両端に取付けられている。 【0059】昇降器具用角度表示装置S2は、水準器2eの先部側が支柱11の内側に近接するようにして基体28を横桟12の上面に載せ、取付部材29を巻き締めて横桟12に取付けられる。水準器2eは、横桟12の方向と平行に設定された状態で、梯子H7を建造物や樹木に立てかけて、幅方向での梯子H7と水平面Gとの間の角度3aが実質的に90°になったときに、水平状態を示すように調整されている(図13参照)。また、水準器2eは、横桟12の方向と平行な状態から、立てかけ方向に90°回動させ、立てかけ方向での梯子H7と水平面Gとの間の角度3bが80°になったときに、水平状態を示すように調整されている(図14参照)。 【0060】(作用)昇降器具用角度表示装置S2を梯子本体1に上記のように取り付ける。水準器2eを横桟12の方向と平行にした状態で、梯子H7を建造物に立てかける。幅方向で支柱11の下端16を水平面G上で移動させながら水準器2eが水平状態を示す位置を定める。このようにして、水準器2eが水平状態を示したときが、幅方向での梯子H7と水平面Gとの間の角度3aが90°になったときである(図13参照)。 【0061】次いで、水準器2eを立てかけ方向に90°回動させ、支柱11の下端16を、水平面G上で移動させながら、水準器2eが水平状態を示す位置を定める。このようにして、水準器2eが水平状態を示したときが立てかけ方向での梯子H7と水平面Gとの間の角度3bが80°になったときである(図14参照)。上記操作により、梯子H7が幅方向でも立てかけ方向でも倒れにくい角度に設置されたことが分かる。このように、梯子H7を安定な状態で確実に設置することができるので、梯子H7を使用した作業を安全に行うことができる。 【0062】なお、本明細書で使用している用語と表現はあくまで説明上のものであって、限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内において種々の変形が可能である。 【0063】 【発明の効果】本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。 (a)本発明に係る、例えば梯子または脚立のような昇降器具は、昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が設けられている。従って、上記のような手段により、倒れにくい設置角度であることを確認しながら、昇降器具を建造物や樹木に立てかける等して使用することができるので、昇降中や上部まで昇って作業するときに不安定な状態になって、梯子の場合では、立てかけ方向とは反対側へ倒れたり、幅方向等に倒れるおそれがなく、安定な状態で作業ができる。 【0064】(b)昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が、複数の方向の設置角度を表示可能であるものは、複数の方向、例えば幅方向と立てかけ方向で倒れにくい設置角度であることを確認しながら、昇降器具を建造物や樹木に立てかける等して設置することができる。従って、昇降中や上部まで昇って作業するときに不安定な状態になって、梯子の場合では、立てかけ方向とは反対側へ倒れたり、幅方向等に倒れるおそれがなく、安定な状態で作業ができる。 【0065】(c)昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が、折畳み可能または所要箇所に収納可能であるものは、使用しないときにはコンパクトにすることができ、運搬や保管が容易であり、また、他の物体等に接触することも避けられ破損等を防止できる。 【0066】(d)昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が、水準器を含むものは、当該昇降器具が倒れにくい角度であることを水準器の気泡管により直ちに確認できる。 【0067】(e)昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段が、倒れにくい角度を表示した表示部と、設置角度を示す指示部とを含んでいるものは、当該指示部が表示部の倒れにくい角度の範囲内にあるのを確認しながら、昇降器具を建造物や樹木に立てかける等して使用することができ、昇降中や上部まで昇って作業するときに倒れるおそれがなく、安定な状態で作業ができる。 【0068】(f)本発明に係る昇降器具用角度表示装置は、昇降器具の設置角度が倒れにくい角度であることを表示できる手段、例えば、複数の方向の設置角度を表示可能である水準器のような手段または倒れにくい角度を表示した表示部と当該角度であることを示す指示部とを含む手段が設けられている。昇降器具用角度表示装置は、一般に市販されている梯子または脚立等の昇降器具に取付けることができ、昇降器具用角度表示装置を取付けた状態の昇降器具は、本発明に係る昇降器具と実質的に同一の作用を奏することができる。なお、本発明は、昇降器具が倒れにくい設置角度で設置されていることを確認しながら作業ができるので、特に、脚部の長さを調整して使用することが多いために不安定になりがちな伸縮梯子や伸縮脚立に特に有用である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】500013522 【氏名又は名称】梶原 忠
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| 【出願日】 |
平成11年12月28日(1999.12.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085327 【弁理士】 【氏名又は名称】梶原 克彦
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| 【公開番号】 |
特開2001−182328(P2001−182328A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月6日(2001.7.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−375636 |
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