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【発明の名称】 建設資材等の自動搬送・揚重方法および自動搬送・揚重装置
【発明者】 【氏名】堂山 敦弘

【氏名】浜田 耕史

【要約】 【課題】建築現場に設置される揚重機械を用いた一連の資材等の搬送・揚重作業を自動化して、例えば、夜間などのように建築工事が終了されている休業時間帯に、資材等の揚重作業を行うなどして揚重作業の効率化を図り、もって日中の作業時間帯での揚重作業の負担を軽減することにより揚重機械の設置台数を削減する。

【解決手段】外部から搬入された資材等12の載置場所21から無人フォークリフト15によって資材等12を取り込み、この資材等12をラック棚22または揚重機械13への受け渡し場所17まで搬送して載置し、若しくは、該ラック棚22から該受け渡し場所17まで搬送して載置する。受け渡し場所17に載置された資材等12を、自動制御される移載装置16を介して揚重機械13に取り込み、取り込まれた資材等12を目的階まで揚重する。目的階に到達した資材等12を、自動制御される移載装置16を介して当該階の床面に荷下ろしする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 搬入される資材等の載置場所から自動制御される無人搬送装置によって資材等を取り込み、この資材等を予め設定したストック場所または揚重機械への受け渡し場所まで搬送して載置し、若しくは、該ストック場所から該受け渡し場所まで搬送して載置する自動搬送工程と、上記受け渡し場所に載置された資材等を、自動制御される移載装置を介して揚重機械に取り込み、取り込まれた資材等を目的階まで揚重する揚重工程と、目的階に到達した資材等を、自動制御される移載装置を介して当該階に荷下ろしする積み下ろし工程と、を備えたことを特徴とする建設資材等の自動搬送・揚重方法。
【請求項2】 資材等を目的階まで揚重する揚重機械と、搬入される資材等の載置場所から資材等を取り込み、この資材等を予め設定したストック場所または揚重機械への受け渡し場所まで搬送して載置し、若しくは、該ストック場所から該受け渡し場所まで搬送して載置する自動制御される無人搬送装置と、上記受け渡し場所に載置された資材等を揚重機械に取り込むとともに、該揚重機械により目的階に到達した資材等を当該階に荷下ろしする自動制御される移載装置と、を備えたことを特徴とする建設資材等の自動搬送・揚重装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設現場において外部から搬入された資材等を揚重機械まで搬送し、かつ、該揚重機械によって目的階まで揚重する一連の作業を自動化するようにした建設資材等の自動搬送・揚重方法および自動搬送・揚重装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複数階の建築物を構築するにあたって、工事に必要な資材、仕上げ材、設備材料など(以下、資材等という)を目的階まで揚重するために、貨物リフトや人荷エレベータなどの各種揚重機械が用いられる。これら揚重機械は、一般に建物躯体内に設けられるようになっており、この場合、各階の床面を上下に貫通する開口部(ダメ穴)が形成され、揚重機械の荷台がその開口部を昇降するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記揚重機械は完成された建築物に対して付加価値を与える要素ではなく、建物躯体が構築完了された後に撤去されるものであるにもかかわらず、その設置および撤去に多くの労力と費用を要する。即ち、該揚重機械を設置するためにはシャフト工事を必要とするとともに、撤去作業には各階の床面に形成された開口部を後施工により閉塞する作業が大掛かりとなり、また、撤去部分の仕上げ工事も必要となって、このように揚重機械の設置自体が建設費のコストアップの要因となっている。このため、揚重機械の設置台数の削減によるコストメリットを確保するために、なるべく設置台数を少なくすることが好ましい。
【0004】ところが、建設工事は通常では日中に行われるものであり、この建設工事が行われる日中に資材等の頻繁な揚重作業が必要となり、特に、朝一番などの特定の時間帯では作業員や資材等の揚重が集中するため、これらの揚重を円滑に行うためにはどうしても所定台数の揚重機械を設置せざるを得ない。
【0005】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みて成されたもので、建築現場に設置される揚重機械を用いた一連の資材等の搬送・揚重作業を自動化して、例えば、夜間などの休業時間帯に資材等の揚重作業を行うなどして揚重作業の効率化を図り、もって日中の作業時間帯での揚重作業の負担を軽減することにより揚重機械の設置台数を削減できる建設資材等の自動搬送・揚重方法および自動搬送・揚重装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するために本発明の建設資材等の自動搬送・揚重方法は、搬入される資材等の載置場所から自動制御される無人搬送装置によって資材等を取り込み、この資材等を予め設定したストック場所または揚重機械への受け渡し場所まで搬送して載置し、若しくは、該ストック場所から該受け渡し場所まで搬送して載置する自動搬送工程と、上記受け渡し場所に載置された資材等を、自動制御される移載装置を介して揚重機械に取り込み、取り込まれた資材等を目的階まで揚重する揚重工程と、目的階に到達した資材等を、自動制御される移載装置を介して当該階に荷下ろしする積み下ろし工程と、を備える。
【0007】また、本発明の建設資材等の自動搬送・揚重装置は、資材等を目的階まで揚重する揚重機械と、搬入される資材等の載置場所から資材等を取り込み、この資材等を予め設定したストック場所または揚重機械への受け渡し場所まで搬送して載置し、若しくは、該ストック場所から該受け渡し場所まで搬送して載置する自動制御される無人搬送装置と、上記受け渡し場所に載置された資材等を揚重機械に取り込むとともに、該揚重機械により目的階に到達した資材等を当該階に荷下ろしする自動制御される移載装置と、を備えて構成する。
【0008】従って、本発明では搬入される資材等を揚重機械に積み込むにあたって無人搬送装置が用いられる。該無人搬送装置は、搬入された資材等の載置場所から資材等を取り込み、これをストック場所まで自動搬送して一時的に保管し、または直接に揚重機械への受け渡し場所まで自動搬送し、更には、上記ストック場所から該受け渡し場所に自動搬送する。
【0009】そして、揚重機械の受け渡し場所に載置された資材等は、自動制御される移載装置を介して該揚重機械に取り込まれ、この取り込まれた資材等は該揚重機械によって目的階まで揚重される。このとき、該揚重機械はオペレータの遠隔操作によって目的階まで揚重することができ、また、資材等の搬送先の情報に基づいて自動制御によって目的階まで揚重することもできる。そして、目的階に到達した資材等は、自動制御される移載装置を介して当該階に荷下ろしされる。
【0010】従って、載置場所に載置された資材等は、無人搬送装置および移載装置を介して自動的に揚重機械に積み込まれ、そして、該揚重機械で揚重された資材等は移載装置を介して自動的に荷下ろしされるため、少なくとも揚重機械を遠隔操作する1人のオペレータ、若しくは該揚重機械を自動制御する場合には全体を監視する少なくとも1人のオペレータが居れば良く、結果的に極少人数で一連の資材等の搬送・揚重作業を遂行することができる。
【0011】このため、夜間や休日などのように一般に休業される時間帯に、資材等の揚重作業を行っておくことにより、通常の作業時間帯での揚重作業の負担を軽減することができる。従って、このように日中の作業時間帯での揚重作業が軽減されることにより、揚重機械の設置台数を削減できるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1および図2は本発明の建設資材等の自動搬送・揚重方法を達成するための自動搬送・揚重装置の一実施形態を示し、図1は同装置の全体構成を平面的に示す説明図、図2は同装置を側面から示す説明図である。
【0013】本発明の建設資材等の自動搬送・揚重方法の基本とするところは、外部から搬入された資材等12の載置場所21から自動制御される無人搬送装置15によって資材等12を取り込み、この資材等12を予め設定したストック場所22または揚重機械13への受け渡し場所17まで搬送して載置し、若しくは、該ストック場所22から該受け渡し場所17まで搬送して載置する自動搬送工程と、受け渡し場所17に載置された資材等12を、自動制御される移載装置16を介して揚重機械13に取り込み、取り込まれた資材等12を目的階まで揚重する揚重工程と、目的階に到達した資材等12を、自動制御される移載装置16を介して当該階の床面18に荷下ろしする積み下ろし工程と、を備えることにある。
【0014】即ち、図1は前記自動搬送・揚重方法を達成するための自動搬送・揚重装置10を示し、この自動搬送・揚重装置10は構築しようとする複数階を備えた建物躯体11内に設備される。該建物躯体11内には、資材等12や作業員を目的階まで垂直揚重するために、貨物リフトや人荷エレベータなどの揚重機械13(図中は便宜上1基のみを示す)が設けられており、該揚重機械13が前記自動搬送・揚重装置10の構成要素となる。ここで、前記資材等12とは、工事に必要な資材、仕上げ材、設備材料などの揚重機械13によって揚重される荷物をいう。また、図1中に示す複数の小さな矩形状部分11aは建物躯体11の柱を示している。
【0015】前記揚重機械13は構築しようとする建物躯体11内に設置され、順次構築されて行く上層階の各床面18を上下に貫通して形成される開口部14に設けられる。即ち、該揚重機械13は各開口部14を昇降する荷台13aと、この荷台13aを垂直に昇降案内するマスト13bと、各階に設けられる開閉ドア13cとを備えて構成される。
【0016】また、該自動搬送・揚重装置10には、無人搬送装置としての無人フォークリフト15と、前記揚重機械13に資材等12の荷積みおよび荷下ろしする移載装置16とが備わる。これら無人フォークリフト15、移載装置16は自動制御によって動作し、無人フォークリフト15はよく知られているように、指定した情報に基づいて予め設置した誘導線に沿って自動運転される。移載装置16は前記揚重機械13の荷台13aに設けられ、揚重機械13への受け渡し場所17に載置された資材等12を自動的に揚重機械13に積み込むとともに、該揚重機械13によって目的階に揚重した資材等12を、その階の床面18に設けた荷下ろし場所17aに自動的に荷下ろしする。
【0017】日中の作業時間帯(休業時間帯でも良い)にトラック19などによって搬入された資材等12は、有人フォークリフト20によって予め設定された載置場所21に載置される。このとき、資材等12にはそれぞれの搬送先が明確となる手段、例えば載置位置を予め決定しておくとか、バーコードなどの判別手段が付されている。
【0018】そして、前記載置場所21の資材等12は前記無人フォークリフト15によって搬送先に自動搬送される。この搬送先としては、通常はストック場所としてのラック棚22が選択され、場合によっては前記揚重機械13の受け渡し場所17が選択される。ラック棚22は図示するように複数箇所に設置され、前記無人フォークリフト15で搬送される資材等12が、例えば揚重階別にして該ラック棚22に一時的に保管される。そして、ラック棚22に保管された資材等12は、その後、無人フォークリフト15によって予め設定された順番に従って前記受け渡し場所17に自動搬送される。
【0019】前記ラック棚22または前記載置場所21から無人フォークリフト15によって受け渡し場所17に自動搬送された資材等12は、揚重機械13の開閉ドア13cが開けられた後、前記移載装置16によって該揚重機械13の荷台13aに自動的に積み込まれる。そして、資材等12を積み込んだ該揚重機械13は、オペレータの遠隔操作、または、資材等12の搬送先の情報に基づいて自動制御により目的階まで揚重することができる。そして、目的階に揚重された資材等12は、開閉ドア13cが開けられた後に移載装置16によって当該階の床面18の荷下ろし場所17aに荷下ろしされる。
【0020】つまり、本実施形態では外部から搬入されて載置場所21に載置された資材等12を、無人フォークリフト15および移載装置16を介して自動的に揚重機械13に荷積みし、この揚重機械13で揚重した資材等12を移載装置16を介して自動的に荷下ろしすることができる。このため、自動搬送・揚重装置10は少なくとも揚重機械13を遠隔操作する1人のオペレータ、若しくは該揚重機械13を自動制御する場合には全体を監視する少なくとも1人のオペレータが居れば良く、結果的に極少人数で一連の資材等12の搬送・揚重作業を遂行することができる。
【0021】従って、夜間や休日などのように一般に休業される時間帯に、上記自動搬送・揚重装置10を用いて資材等12の揚重作業を行っておくことにより、通常、日中に行われる作業時間帯での揚重作業の負担を軽減することができる。このように、作業時間帯での揚重作業が軽減されることにより、揚重機械13の設置台数を削減でき、ひいては建築コストの低減および工期の短縮を達成できるようになる。
【0022】つまり、前記揚重機械13を設置するためには、各階の床面18に開口部14を設け、かつ、本体部分の荷台13a、マスト13bおよび開閉ドア13cなどを組み立てる必要があり、また、撤去するためには本体部分の分解や開口部14の閉塞および仕上げ作業などに多大な労力および時間を要するものである。このため、揚重機械13の台数を削減した分だけこれらの作業が必要なくなり、これがコスト面および工期に反映されるものである。
【0023】ところで、本実施形態では前記自動搬送・揚重装置10を休業時間帯に稼働する場合を開示したが、勿論、日中の作業時間帯にあっても該自動搬送・揚重装置10を使って揚重作業を行うことができ、そのほとんどが自動化されていることにより大幅な省力化を図ることができる。
【0024】また、前記揚重機械13や無人フォークリフト15は1つに限ることなく、複数を同時に用いることができ、更に、移載装置16は揚重装置13に設けることなく、資材等12の荷積み階(通常は1階)および荷下ろし階(揚重目的階)にそれぞれ設けておくこともできる。また、無人搬送装置としてフォークリフトを開示したが、これに限ることなく資材等12を自身で取り込んで目的の場所に載置する機能を備えた搬送手段、例えば台車などであっても良い。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、搬入される資材等を揚重機械に積み込むにあたって自動制御される無人搬送装置を用い、該資材等をストック場所まで自動搬送して一時的に保管し、または直接に揚重機械への受け渡し場所まで自動搬送し、更には、上記ストック場所から該受け渡し場所に自動搬送することができる。そして、揚重機械の受け渡し場所に載置された資材等は、自動制御される移載装置を介して該揚重機械に取り込まれ、この取り込んだ資材等を該揚重機械によって目的階まで揚重して、自動制御される移載装置を介して当該階に荷下ろしすることができる。
【0026】従って、前記揚重機械をオペレータの遠隔操作によって、若しくは自動制御によって目的階に揚重することができるため、少なくとも揚重機械を遠隔操作する1人のオペレータ、若しくは該揚重機械を自動制御する場合には全体を監視する少なくとも1人のオペレータが居れば良く、結果的に極少人数で一連の資材等の搬送・揚重作業を遂行することができる。
【0027】このため、夜間や休日などの休業時間帯に、本発明の自動搬送・揚重装置を用いて資材等の揚重作業を行っておくことにより、通常の作業時間帯での揚重作業の負担を軽減することができ、ひいては、揚重機械の設置台数を削減できる。従って、揚重機械の台数を削減した分、該揚重機械の設置および撤去するための作業や床面の開口部を閉塞する作業および後仕上げ作業などの多大な労力を不要として、建築コストの低減および工期の短縮を達成できる。また、一連の搬送・揚重作業の大部分若しくは全部が自動化されることにより、大幅な省力化をも図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
【出願日】 平成11年12月28日(1999.12.28)
【代理人】 【識別番号】100071283
【弁理士】
【氏名又は名称】一色 健輔 (外3名)
【公開番号】 特開2001−182323(P2001−182323A)
【公開日】 平成13年7月6日(2001.7.6)
【出願番号】 特願平11−373434