| 【発明の名称】 |
手摺り |
| 【発明者】 |
【氏名】田邊 剛史
|
| 【要約】 |
【課題】使用しない際に邪魔にならないとともに、取付部材の取付幅を所望の幅に調節することができる手摺りを提供すること。
【解決手段】手摺り部材と、この手摺り部材を所望の取付面に取り付けるための一組の取付部材とを備えている手摺りにおいて、手摺り部材が取付部材に回動自在に取り付けられている。また、手摺り部材が握り部材及び補助部材からなり、これら握り部材及び補助部材のそれぞれの一端部は前記各取付部材にそれぞれ取り付けられており、握り部材の他端部が補助部材に遊嵌されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】手摺り部材と、この手摺り部材を所望の取付面に取り付けるための一組の取付部材とを備えている手摺りにおいて、手摺り部材が取付部材に回動自在に取り付けられていることを特徴とする手摺り。 【請求項2】手摺り部材と、この手摺り部材を所望の取付面に取り付けるための一組の取付部材とを備えている手摺りにおいて、手摺り部材が握り部材及び補助部材からなり、これら握り部材及び補助部材のそれぞれの一端部は前記各取付部材にそれぞれ取り付けられており、握り部材の他端部が補助部材に遊嵌されていることを特徴とする手摺り。 【請求項3】手摺り部材が取付部材に上下方向に回動自在に取り付けられているとともに、取付部材が、手摺り部材を略水平に支持する支持部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の手摺り。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、立ち上がり動作や歩行を補助するための手摺りに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の手摺り100は、図7に示すように、杆状の手摺り部材110と、この手摺り部材110を家屋の壁面など所望の取付面130に取り付けるための一組の取付部材120,120とを備えて構成されていた。 【0003】この一組の取付部材120,120が、前記手摺り部材110の両端部111,111に嵌合されるとともに取付面130にボルト140,140・・・によって取り付けられることにより、手摺り部材110は取付面130に取り付けられる。 【0004】すなわち、従来の手摺り100は、手摺り部材110が取付面130に一定の姿勢で固着されるものであり、常に取付面130から出張っている状態に取り付けられるものであった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】このため、従来の手摺り100は、例えばトイレの洋式便器或いは和式大便器の側方上部に設置され、便器からの立ち上がり動作を補助するのに使用することができるが、手摺り100を必要としない者がトイレを使用する際には却って邪魔になり、障害に感じられることが多かった。 【0006】また、廊下や階段の壁面に取り付けられた場合にも、使用しない時には通行の妨げになることが多かった。特に、大きな荷物を運ぶ際には、手摺り100の出っ張りは大きな障害に感じられるものであった。 【0007】また、手摺り100は、壁面又は壁面内にある柱や梁がある位置に取付部材120が取り付けられることにより、壁面への取り付け強度が保たれる。しかし、従来の手摺り100の取付部材120,120の取付幅Wは、手摺り部材110の長さに合わせられる画一的なものであった。 【0008】従って、家屋の壁面に取り付けられた際に、柱や梁の位置に一方の取付部材120を合わせて取り付けたとしても、他方の取付部材120の取付位置が柱や梁の位置に一致しないことが多かった。そのため、手摺り100の取り付け強度が極端に低下する結果となっていた。 【0009】手摺り100の取り付け強度が低下すると、手摺りは足腰の弱っている人など通常歩行が困難な人が使用するものであるだけに、非常に危険な状況を招くことになっていた。 【0010】そこで、本願発明は、使用しない際に邪魔にならないとともに、取付部材の取付幅を所望の幅に調節することができる手摺りを提供するものである。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1に記載の手摺りは、前記の目的を有効に達成するために、手摺り部材と、この手摺り部材を所望の取付面に取り付けるための一組の取付部材とを備えている手摺りにおいて、手摺り部材が取付部材に回動自在に取り付けられていることを特徴とする。 【0012】請求項2に記載の手摺りは、手摺り部材と、この手摺り部材を所望の取付面に取り付けるための一組の取付部材とを備えている手摺りにおいて、手摺り部材が握り部材及び補助部材からなり、これら握り部材及び補助部材のそれぞれの一端部は前記各取付部材にそれぞれ取り付けられており、握り部材の他端部が補助部材に遊嵌されていることを特徴とする。 【0013】請求項3に記載の手摺りは、請求項1又は2の構成に加えて、手摺り部材が取付部材に上下方向に回動自在に取り付けられているとともに、取付部材が、手摺り部材を略水平に支持する支持部を備えていることを特徴とする。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る手摺りの実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る手摺りの設置状態の一例を示す斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係る手摺りの使用状態を示す斜視図である。図3は、図2におけるD−D線断面図である。図4は、折り畳んだ状態を示す斜視図である。図5は、取付部材の取付幅を変更して取り付けた状態を示す斜視図である。 【0015】(実施例1)図中、符号1は、手摺りを全体的に示す。手摺り1は、図1に示すように、洋式便器Bが設置されているトイレの壁面A(取付面)に取り付けられている。具体的には、洋式便器Bの側方上部で、洋式便器Bの前方寄りの位置に取り付けられている。なお、洋式便器Bの側方上部とは、洋式便器Bから所定距離をおいたトイレの側壁の、洋式便器Bよりも高い位置、即ち、使用者が立ち上がる際に容易に掴むことができ、また手摺り1で体を支えながら伝い歩きをし易い位置を示している。 【0016】手摺り1は、図2に示すように、使用者が握って体を支えたりするための手摺り部材2と、この手摺り部材2をトイレの壁面Aに取り付けるための一組の取付部材3,3とを備えている。手摺り部材2は、アルミニウム製で、握り部材4及び補助部材5からなっている。 【0017】握り部材4は、円筒管がL字型に折り曲げられて形成されている。また、握り部材4の一端部41は、断面が矩形に形成され、壁面A及び床面Cに平行に貫通された軸孔43(図3参照)が設けられている。また、握り部材4の他端部42は、補助部材5に向けて伸びている。 【0018】補助部材5は、断面が矩形の杆状をしており、一端部51に壁面A及び床面C(図1参照)に平行方向に貫通された軸孔(図示せず)が設けられており、他端部52に握り部材4の他端部42を挿通させることができる貫通孔53が設けられている。 【0019】取付部材3は、図3に示すように、対向する一対の取付片31,32と、各取付片31,32の下端を連結する連結片33(支持部)とからなり、これら取付片31,32及び連結片33によって正面視断面がコの字型に形成されている。また、各取付片31,32は、壁面A及び床面C(図1参照)に平行方向に貫通する軸孔31a,32aを備えている。 【0020】さらに、図2に示すように、各取付片31,32及び連結片33は、壁面Aに垂直方向に、それぞれ取付孔31b、32b、33bを備えている。 【0021】また、前記握り部材4の一端部41に備えられた軸孔43に軸棒61が軸通され、この軸棒61が前記取付部材3の軸孔31a,32aに挿通されてナット62により固着されることにより、握り部材4が取付部材3に軸着されている。これによって、握り部材4は取付部材3に上下方向に回動自在に取り付けられている。 【0022】また、補助部材5にあっても、前記握り部材4と同様に、取付部材3に軸着されている。従って、補助部材5は取付部材3に上下方向に回動自在に取り付けられている。なお、図3は、握り部材4が取り付けられる取付部材3について図示しているが、補助部材5が取り付けられる取付部材3についても同様の構造をしている。 【0023】さらに、握り部材4及び補助部材5は、図2に示すように、取付部材3,3に軸着されるとともに、取付部材3の連結片33(支持部)で支持されることにより、略水平状態に支持されるようになっている。 【0024】また、図5に示すように、握り部材4の他端部42は、補助部材5の貫通孔53に遊嵌されており、握り部材4の他端部42の貫通孔53への貫通長さL1を所望の長さに調節することにより、前記一組の取付部材3,3の壁面への取付幅L2を所望の幅に調節することができるようになっている。 【0025】前記のようにして構成されている手摺り1は、取付部材3の取付孔31b、32b,33bにボルトを挿通して壁面Aに固着される。この際、図5に示すように、壁面Aの支柱(図示せず)や梁(図示せず)に一方の取付部材3をあてがい、握り部材4の他端部42の貫通孔53への貫通長さL1を調節することにより他方の取付部材3を所望の柱や梁の位置に合わせて、ボルトで各取付部材3,3を柱や梁に固着することにより、強固に手摺り1が壁面Aに取り付けられる。すなわち、各建築物、各部屋、各位置によって異なることのある柱、梁の間隔、位置に合わせて、頑丈に手摺り1を壁面Aに取り付けることができる。 【0026】そして、手摺り1は、使用時には、図2に示すように水平状態に広げる。広げられた手摺り1は、連結片33によって支持されて水平状態に保持される。このようにして水平状態に支持されている手摺り1の握り部材4及び補助部材5を使用者が掴んで立ち上がったり、又は体を支えながら伝い歩きをしたりすることができる。 【0027】また、図4に示すように、手摺り部材2は、各取付部材3,3に上下方向に回動自在に取り付けられているので、手摺り1を使用しないときには、壁面Aに沿わせるように上方に折り畳むことができる。これにより、手摺り1を必要としない者が洋式便器Bを使用する際には、手摺り1を折り畳んでおくことができる。 【0028】また、手摺り1を必要とする者であっても、洋式便器Bに座ろうとする際には手摺り1を折り畳んで座り、立ち上がる際に手摺り1を水平状態に広げて手摺り部材2を掴んで立ち上がり、伝い歩きする、ということが可能である。これによって、手摺り1を必要としないときに、手摺り1が出張って邪魔になるということがない。 【0029】さらに、手摺り1は、前記のようにトイレの壁面Aに取り付けられることに限定されるものではなく、浴室や洗面所、階段、廊下などの壁面、又はサニタリー、風呂釜の側壁などに取り付けることも可能である。従って、所望の取付位置、取付高さに手摺り1を取りつけることにより、肘掛として使用することが可能である。また、手摺り部材2にプレート材(図示せず)を載置することにより、テーブル若しくは小物置きとして使用することも可能である。 【0030】なお、手摺り1は、図2のように各取付部材3,3を水平方向に並べて取り付けるのでなく、上下方向に取り付けることにより、手摺り部材2が水平方向に回動するように、壁面Aに取り付けることもできる。これによれば、前記の場合と同様に不使用時は折り畳んでおくことができるとともに、手摺り部材2を掴みながら回動させて伝い歩きすることにより、掴み直しをすることを要せずに伝い歩きをすることができる。 【0031】(実施例2)次に、別の実施の形態に係る手摺り10について、図6に基づいて説明する。図6は、本実施の形態に係る手摺りの使用状態を示す斜視図である。なお、実施例1と同様の構成については詳しい説明を省略する。 【0032】手摺り10は、使用者が握って体を支えたりする手摺り部材120と、この手摺り部材120を壁面A(取付面)に取り付けるための取付部材130とを備えている。 【0033】手摺り部材120は、断面が円形の杆状をしており、一端部121が取付部材130に軸着されている。この手摺り部材120は、ボールスプリング式クリック機構により、壁面Aに平行位置および垂直位置の3箇所で止まるようになっている。 【0034】取付部材130は、一対の取付片131,132が対向するように配設されることによりなっている。この一対の取付片131,132で手摺り部材120の一端部121を挟み込むとともに軸着することにより、手摺り部材120が水平方向に回動自在に、壁面Aに取り付けられている。 【0035】この手摺り10によれば、手摺り部材120を握ったまま、握りかえることなく、手摺り部材120を回動させることにより、体を支えながら伝い歩きをすることができる。また、構造が簡単であるため低コストで製造することができる。 【0036】さらに、前記実施例1の手摺り1は90度の可倒領域があったのに対して、本実施例2の手摺り10は180度の可倒領域がある。このため、よりひろい領域で手摺り10を握ったままで伝い歩きすることができる。 【0037】本発明に係る手摺り1,10は、前記のような構成に限定されるものではなく、以下のような構成であってもよい。取付面は、洋式便器が設置されているトイレの壁面Aに限定されるものではなく、和式大便器が設置されたトイレの壁面であってもよく、また、浴室や廊下、階段の壁面、若しくは風呂釜の側壁などであってもよい。さらには、壁面に限定されるものでもなく、手摺り1,10が取り付けられる面であればいかなるものであっても構わない。 【0038】手摺り部材2,120は、アルミニウム製であることに限定されず、鉄製やステンレス製などその他の金属製や、合成樹脂製、木製などであっても構わない。また、手摺り1は、壁面Aに沿って長尺状に形成することができ、これによれば、廊下や階段などにおいても、必要に応じて必要なだけ伝い歩きすることができる。 【0039】また、握り部材4の一端部41は、断面が矩形でなく円形であっても構わない。補助部材5の貫通孔53は、他端部52に設けられることに限定されるものではなく、補助部材5の何れかの部分に設けられていればよい。 【0040】実施例1に係る手摺り1は、前記実施例2に係る手摺り10のように、クリック機構を備えている構成とすることができる。実施例2に係る手摺り10は、ボールスプリング式クリック機構に代えて、係合突起を備えた板バネ式のクリック機構にすることもできる。もちろんクリック機構は必ずしも設ける必要はない。さらに、クリック機構にボタン設けて、ボタンを押すと回動自在になり、ボタンを押さないと回動させることができないようにすることも可能である。 【0041】また、取付部材130の取付片132の下側に補強部材を設けて、取付部材130の壁面Aへの取り付け強度を向上させることができる。また、手摺り部材120は、前記のように一端部121側のみで支持されているのではなく、手摺り部材120を下側から支持するように補助部材を設けても良い。 【0042】 【発明の効果】本発明の請求項1に係る手摺りは、手摺り部材が取付部材に回動自在に取り付けられているので、手摺りを必要としない際には、手摺りを取付面に沿わせて折り畳んでおくことにより、余計な出っ張りがなくなり、邪魔にならなくなる。また、水平方向に回動自在となるように取り付けることにより、掴み直すことなく、手摺り部材を回動させることにより、体を支えて伝い歩きすることができる。 【0043】本発明の請求項2に係る手摺りは、握り部材が補助部材に遊嵌されているので、一組の取付部材の取付幅を所望の幅に取り付けることができ、手摺りを取付面に頑丈に取り付けることが可能である。 【0044】本発明の請求項3に係る手摺りは、前記の請求項1および2に係る手摺りの効果に加えて、手摺り部材が取付部材に上下方向に回動自在に取り付けられているとともに、取付部材が、手摺り部材を略水平に支持する支持部を備えているので、手摺り部材を水平状態に設置した状態で体重をかけて体を支えたり、手摺り部材を握って立ち上がったりすることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】500049060 【氏名又は名称】株式会社田邊金属工業所
|
| 【出願日】 |
平成12年2月1日(2000.2.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076406 【弁理士】 【氏名又は名称】杉本 勝徳 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−214590(P2001−214590A) |
| 【公開日】 |
平成13年8月10日(2001.8.10) |
| 【出願番号】 |
特願2000−24064(P2000−24064) |
|