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【発明の名称】 畳表の補修方法
【発明者】 【氏名】大辻 紘

【氏名】口田 紳治

【氏名】桑田 栄司

【要約】 【課題】畳表の補修方法であって、切断された縦糸の残存する方を固定し、イグサが緩むことを防止する方法を提供する。

【解決手段】縦糸が切断された畳表を補修するための方法であって、該切断部分近傍のイグサを切除し、補修用縦糸をイグサを切除した部分を跨いでイグサの上下間隙に挿入し、その補修用縦糸に補修用イグサを織り込んでいくものにおいて、切断され残存している縦糸の先端部を、イグサの交差部を越えたところにある切断されていない縦糸に接着する方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 縦糸が切断された畳表を補修するための方法であって、該切断部分近傍のイグサを切除し、補修用縦糸をイグサを切除した部分を跨いでイグサの上下間隙に挿入し、その補修用縦糸に補修用イグサを織り込んでいくものにおいて、切断され残存している縦糸の先端部を、イグサの交差部を越えたところにある切断されていない縦糸に接着することを特徴とする畳表の補修方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、畳表の補修方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】畳は、タバコや鍋等の原因によって、イグサが焼け焦げたり、変形したりする場合がある。このような場合、勿論、表を替えれば問題はない。しかし、費用も時間もかかる。
【0003】よって、畳表の損傷が小さい場合には、従来からイグサの損傷した部分を切除し、その部分に補修用イグサ(短く切ったもの)を縦糸間に織るように挿入して補修していた。補修用イグサの先端部分を適当な箇所で縦糸の下にいれるため、ほとんど目立たず補修できる。
【0004】しかし、このような補修は縦糸が切断されず残存しているのが前提である。縦糸が残っているからこそ、そこに織り込みができるのである。縦糸も切断されているような損傷の場合、縦糸を先に設けてからでなければイグサは織り込めないのである。
【0005】縦糸を補充する方法としては、切断された縦糸を損傷を受けていない部分のイグサ間から引出し、それに補充糸とを結束し、補充糸を再度イグサ間に挿入して切断された他端と結束する方法であった。このように結束すれば縦糸の補修は完了である。そして、補修用イグサを織り込むのである。
【0006】また、切断された縦糸はそのままにして、新たな補修用縦糸を移動しないように挿入する方法もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、切断された縦糸と補修用縦糸を結束する方法は、残存しているものと新たに挿入したものを結ばなければならず、非常に手間である。補修用縦糸の最初に結束する端部はまだ容易であるが、他端の場合には相当長さに余裕を持たせて行なわなければ結束はできない。よって、結束した後、その2ヶ所で結束された縦糸は、非常にルーズでありピンと張ったものではない。
【0008】また、新たな補修用縦糸は種々の方法で固定するが、切断された縦糸はそのままにしておく方法では、当然ながら元の縦糸はルーズであり張った状態にはない。
【0009】このように縦糸がルーズになると、その結果それに織り込んだイグサが移動することとなる。イグサが移動するとそれに伴って、また縦糸が移動し相乗効果を及ぼす。また、ルーズになった縦糸が1本ならまだしも、複数本になるとイグサの並びも乱れるる場合があり、非常に醜くなる。
【0010】
【課題を解決するための手段】以上のような現状に鑑み、本発明者は鋭意研究の結果本発明方法を完成させたものであり、その特徴とするところは、縦糸が切断された畳表を補修するための方法であって、該切断部分近傍のイグサを切除し、補修用縦糸をイグサを切除した部分を跨いでイグサの上下間隙に挿入し、その補修用縦糸に補修用イグサを織り込んでいくものにおいて、切断され残存している縦糸の先端部を、イグサの交差部を越えたところにある切断されていない縦糸に接着する点にある。
【0011】本発明方法でいうイグサは、天然イグサであっても、プラスチック製や紙製等の模造イグサであってもよい。特に模造イグサの場合には、褪色が少ないため、補修時のイグサの色合わせが容易なため、補修には好適である。
【0012】切断部分近傍とは、縦糸が切断されている部分の近傍であって、補修用イグサを挿入する部分である。勿論、損傷が目立たないようにする最小部分が望ましいが、作業上の問題から大きくとっても構わない。
【0013】イグサを切除した部分を跨いでイグサの上下間隙に挿入するとは、後述する補修用縦糸を、イグサの切除部分から前後両側のイグサの上下間隙に挿入し、切除部分を跨ぐようにすることをいう。イグサの上下間隙とは、畳表は縦糸を跨いで交互に上下しているため、その上のイグサと下のイグサとの間という意味である。
【0014】補修用縦糸としては、その畳表に使用されている縦糸と同じものでも別のものでもよい。例えば、綿糸、麻糸、合成繊維、その他の糸条体でよい。更に、柔らかければ、金属線等でもよい。金属線は腐食しないものが望ましく、表面にプラスチックでカバーしたものでもよい。発明者の実験では、この補修用縦糸としても模造イグサ、特に熱可塑性樹脂のものが好適であった。補修用縦糸は、挿入したまま放置しても、それを何らかの方法で固定しても自由である。本発明は、あくまでも切断され残存している方の縦糸の処理であり、補修用縦糸の取扱いは自由である。また、補修用縦糸は1目に1本でも2本でもよい。
【0015】また、挿入した補修用縦糸に補修用イグサを織り込んでいく方法も従来通りでよい。これも本発明の要旨ではない。
【0016】切断され残存している縦糸とは、畳表の損傷によって切断されたもの、補修のために故意に切断されたもの等の残りの部分である。従って、この残りの部分に切除されていないイグサが織り込まれていることは当然である。
【0017】イグサの交差部とは、イグサが上下入れ替わる部分であり、イグサの太さ分の間隔を置いて多数存在するものである。この交差部を越えたところとは、切断され残存している縦糸と同じ目(イグサの織りの1目)の中ではないという意味である。
【0018】接着とは、前記した切断され残存している縦糸(先端部が好適)を、切断されていない縦糸に接着剤で固着することを言う。接着剤はどのようなものでもよいが、所謂瞬間接着剤が速く硬化し便利である。交差部を越えて、通常最も近い縦糸に接着するのであるが、それでも残存する縦糸を横方向に曲げて進る(表面から見えないように)ため、その分だけ縦糸が短くなることとなる。しかし、縦糸自体は切断されているが、短かくなっていない(わずかに短くなっている場合もある)ため、補修用縦糸を挿入すると重複することとなるので、縦糸がまったくない部分が生じることはない。また、少々そのような部分があっても問題はない。
【0019】交差部を越えることも接着も表面イグサの下方で行なうが、イグサの間隙を広げて行ない、作業後元に戻しておけばほとんど目立たず、簡単にできる。
【0020】本発明においては、切断され残存している縦糸をすべて接着する必要はない。必要と思われるのみを接着してもよい。また、接着する位置も交差部を迂回して戻った位置が望ましいが、それに限定するものではない。
【0021】
【発明の実施の形態】次に本発明方法を図面に示す実施の態様に基づいてより詳細に説明する。図1は、何らかの理由によって損傷したイグサを1目5段切除したところの畳表1の平面図である。1目の中の2本の縦糸2が切断されている。他の個所の縦糸3は切断されず残存している。
【0022】図2は、この切断された縦糸2を隣の残存している縦糸3(交差部4を越えた位置にある)に接着したところである。この図では、交差部4を越ない位置には切断されない縦糸はないため自動的に交差部4を越えた位置になる。図3は、イグサを省いて分かりやすくした図である。この中で、表面から見えるのは、矩形で示す切除した部分5の内部の補修用縦糸6のみである。切断された縦糸2は、交差部4を迂回して引っ張って接着しているため緩みがない。
【0023】
【発明の効果】本発明補修方法には、以下のような利点がある。
(1) 切断され残存している縦糸が緩まないため、それに織り込まれているイグサが移動したり緩んだりすることがない。
(2) 新たに挿入した補修用縦糸は、何でもよくどのような方法にも応用できる。
(3) 切断され残存している縦糸を接着するだけであり作業が簡単である。
(4) 切断され残存している縦糸を結んだり、他の処理をする手間が不要である。
【出願人】 【識別番号】500005055
【氏名又は名称】積畳メンテ株式会社
【出願日】 平成11年12月27日(1999.12.27)
【代理人】 【識別番号】100080724
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 久喜
【公開番号】 特開2001−182302(P2001−182302A)
【公開日】 平成13年7月6日(2001.7.6)
【出願番号】 特願平11−370890