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【発明の名称】 フラット状ソーラー外囲体におけるアース構造
【発明者】 【氏名】福原 正

【氏名】増田 順一

【氏名】中島 正実

【氏名】中島 靖之

【要約】 【課題】アースの施工を簡便且つ確実に行うことができるフラット状ソーラー外囲体を提供すること。

【解決手段】幅方向両側に嵌合側部2,2を設けたフラット状ソーラー建築用板Aと、隣接する該フラット状建築用板A,Aの対向する嵌合側部2,2に嵌合されるガッター5及びキャップ材Cと、くの字状に折曲形成された弾性部11と,該弾性部11を支持する水平板としての水平部12とを備え,且つ,鉄,鋼板その他の導電性材料からなるアースバネ部Dとからなり、該アースバネ部Dには、前記フラット状ソーラー建築用板Aの裏面に食い込むように形成された先端部6を設けてなること。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 幅方向両側に嵌合側部を設けたフラット状ソーラー建築用板と、隣接する該フラット状建築用板の対向する嵌合側部に嵌合されるガッター及びキャップ材と、くの字状に折曲形成された弾性部と,該弾性部を支持する水平板としての水平部とを備え,且つ,鉄,鋼板その他の導電性材料からなるアースバネ部とからなり、該アースバネ部には、前記フラット状ソーラー建築用板の裏面に食い込むように形成された先端部を設けてなることを特徴とするフラット状ソーラー外囲体におけるアース構造。
【請求項2】 請求項1記載において、前記アースバネ部の先端部を尖鋭な形状としたことを特徴とするフラット状ソーラー外囲体におけるアース構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アースの施工を簡便且つ確実に行うことができるフラット状ソーラー外囲体におけるアース構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より種々のタイプの金属製屋根が存在している。特に、嵌合タイプの金属製屋根としては、その断面状が山形部と谷形部とが連続する折板タイプのものや、或いは瓦棒葺きタイプのものが存在する。そして、近年、省エネルギー,環境保護等の見地からソーラー屋根が普及しはじめている。その中で、ソーラー発電部材を縦方向に長尺なる主板上に装着して構成した縦葺建築用板も屋根(又は壁)等の外囲体の施工部材として使用されることが多くなっている。
【0003】このような金属製屋根には、上記折板タイプ等の他に、フラットタイプのソーラー外囲体も存在している。該フラットタイプのソーラー外囲体は、ソーラー発電部材付きフラット状屋根板及びフラット状キャップ材により屋根表面が構成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のようにソーラー発電部材付きのフラットタイプの屋根には、ソーラー発電部材の発電によって帯電した電荷をアースするのに適当な箇所が存在せず、従来タイプでのアースの施工は複雑であった。
【0005】また、アースを施工するにしても、フラットタイプの金属製屋根に取付用のボルト等の貫通孔を幾つか穿孔する等の作業も要し、これでは取付けに手間と時間とがかかり、作業員の負担を増加させるのみならず、逆に雨水の浸入等の不都合を誘発することにもなる。そこで、特に、アースの施工を簡便且つ確実に行うことができるようなフラット状ソーラー外囲体におけるアース構造の開発が待望されていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、その発明を、幅方向両側に嵌合側部を設けたフラット状ソーラー建築用板と、隣接する該フラット状建築用板の対向する嵌合側部に嵌合されるガッター及びキャップ材と、くの字状に折曲形成された弾性部と,該弾性部を支持する水平板としての水平部とを備え,且つ,鉄,鋼板その他の導電性材料からなるアースバネ部とからなり、該アースバネ部には、前記フラット状ソーラー建築用板の裏面に食い込むように形成された先端部を設けてなるフラット状ソーラー外囲体におけるアース構造等としたことにより、屋根の施工と同時にアースの施工も確実に完了することができるようになり、極めて簡便且つ確実に施工でき、施工効率を格段と向上させ、且つ力学的強度にも充分に優れ、前記課題を解決したものである。
【0007】
【実施の形態】以下、本発明の好適な実施の一形態を図面に基づいて説明する。図1(A)は、本発明の第1の実施形態に係るフラット状ソーラー外囲体にアースバネ部を取り付けた状態の略示正面図である。まずフラット状ソーラー建築用板Aは、主板1の幅方向両側より下方に嵌合側部2,2が形成されており、該嵌合側部2,2は主板1の幅方向端部より下方に適宜に屈曲されたもので、図1,図2,図4,図6等に示すように、円弧状に形成される屈曲端縁2a,2aを備える。
【0008】次に、キャップ材Cは、図4等に示すように、金属板を適宜に屈曲して長手方向に長尺であり、頂部3の幅方向両側に嵌合脚片4,4が形成され、該嵌合脚片4,4の下端には屈曲端縁4a,4aが形成されたものである。具体的には、前記頂部3と前記嵌合脚片4,4とは金属板が適宜に屈曲されて一体的に形成されており、前記頂部3と前記嵌合脚片4,4との間は略円弧状に折り返し形成されている。そして、該嵌合脚片4,4が隣接する前記フラット状ソーラー建築用板A,Aの対向する嵌合側部2,2に嵌合し、両屈曲端縁2a,2a及び4a,4aが嵌合する構成となっている。
【0009】次に、ガッター5は、図3に示すように、長手方向に長尺又は適宜の長さを有したものであり、図4に示すように、断面U字状に形成され、底部5aの幅方向両側に立上り側部5b,5bが形成され、該両立上り側部5b,5bの上端より内方に水平状片5c,5cが形成されている。そのガッター5は、下地部9に直接固定されるか或いは固定部材7,7,・・・及び螺子,ボルト等の固着具8を介して固定される。その下地部9の構造としては、リップ溝形鋼,H形鋼或いはI形鋼等の導電性材料からなる構造材9aや、或いは該構造材9aに加えて断熱板等の下地材9bとから構成される。その下地部9が構造材9aのみから構成される場合には、前記ガッター5を溶接手段にて固着することもできる。
【0010】前記固定部材7の形状としては、図1乃至図3等に示すように、帯板を屈曲して固定板部7aの長手方向両側端部に押え部7b,7bを形成したものである。そして、その下地部9上にて平行に配置されたガッター5,5,・・・間に固定部材7,7,・・・が配置され、両押え部7b,7bがガッター5の幅方向両側の水平状片5c,5cを押さえて固定し、複数のガッター5,5,・・・を下地部9上に配置固定するものである(図2参照)。また、前記フラット状ソーラー建築用板Aの嵌合側部2,2をガッター5の幅方向両側付近にて固定する場合には、固定部材7の押さえ部7b,7bに嵌合側部2,2を嵌合するものである。
【0011】前記フラット状ソーラー建築用板Aは、主板1と塗膜10とからなる。前記主板1の表面には、ソーラー発電部材1bが装着されている。該ソーラー発電部材1bは、シート状に形成された太陽電池である。そのソーラー発電部材1bは、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)樹脂等により封入され、フッ素樹脂フィルム等のコーティング1aにて、鉄その他の導電性材料からなる鋼板1c上に装着される。その結果、前記ソーラー発電部材1bの耐久性は高められる〔図2等参照〕。前記鋼板1cの裏面は、感電防止,酸化防止のため、塗膜10にて覆われる構造としている。
【0012】次に、本願発明における前記固定板7に係止して設けられることがあるアースバネ部Dについて説明する〔図1乃至図5参照〕。該アースバネ部Dは、くの字状に折曲形成された弾性部11と,該弾性部11を支持する水平板としての水平部12とを備え,鉄,鋼板その他の導電性材料から形成される。その一端には先端部6が形成され、好ましくは該先端部6を尖鋭なる形状に形成する。即ち、前記フラット状ソーラー建築用板Aの裏面に食い込むように形成される。そして、前記アースバネ部Dは、アースとして機能させるために、好ましくは前記固定板8上に螺子等で貫通孔8aを介して係止される。但し、溶接,接着剤等による係止であっても差し支えない。
【0013】その状態で、前記主板1(フラット状ソーラー建築用板A)を下方に向かって押圧すると、前記アースバネ部Dの先鋭な先端部6が前記主板1裏面に塗布されている塗膜を突き破る〔図6(A)参照〕。その結果、該塗膜の上層にある鋼板1cに前記アースバネ部Dの先端部が突き刺さる(食い込む)ので、結果として前記フラット状ソーラー建築用板Aと前記アースバネ部Dとの導通が確保される。したがって、フラット状ソーラー建築用板Aに帯電する電荷は、アースバネ部Dを介して、導電性材料からなる前記下地部9に良好にアースされることになる。しかも、前記アースバネ部Dは弾性を有するので、常に前記フラット状ソーラー建築用板Aを下方から突き上げるような状態を保つことができる。
【0014】
【実施例】図6のように、前記主板1(フラット状ソーラー建築用板A)を下方に向かって一定条件を満たすまで押圧したときの荷重と、アースの状態とを測定した。具体的には、前記アースバネ部Dの高さ(体とフレームからフラット状ソーラー建築用板A裏面までの距離)が、40ミリメートルから32ミリメートルに圧縮されるまでの荷重を、3回にわたって測定した。
【0015】その結果、1回目の荷重は250ニュートン(25.49kgf)、2回目の荷重は250ニュートン(25.49kgf)、3回目の荷重は300ニュートン(30.59kgf)となり、平均は266ニュートン(27.12kgf)となった。ここで、アースの状態について、導通試験を抵抗値によって確認すると、荷重75ニュートン(7.65kgf)という比較的小さな荷重にて、アースが完全に行われていることが確認された。したがって、本願発明のフラット状ソーラー外囲体のアース構造によれば、屋根の施工が完了すると同時に、アースの施工までもが同時に完了することとなる。
【0016】ここで、本発明では、1枚の前記フラット状ソーラー建築用板Aに対して複数(2つ)の前記アースバネ部D,Dを開示したが(例えば、図1参照)、これに限らず、第1実施形態の別の変形例として、1枚の前記フラット状ソーラー建築用板Aに対して1つの前記アースバネ部Dを取り付ける構造としてもよい〔図1(B)参照〕。このようにしても確実にアースが行われるので良好な帯電防止効果を得ることができるからである。更に、1枚の前記フラット状ソーラー建築用板Aに対して3つ以上の前記アースバネ部D,D,…を取り付ける構造としてもよい。例えば、1枚の前記フラット状ソーラー建築用板Aの規格サイズが大きい場合等は、複数箇所からアースバネ部Dにてアースすることにより、更に良好な帯電防止効果を得ることができるからである。
【0017】
【作用】下地部9上に複数のガッター5,5,・・・を平行状態に配置固定し、該ガッター5,5,・・・間にフラット状建築用板A,A,・・・を配置し、その隣接するフラット状ソーラー建築用板A,Aの対向する嵌合側部2,2をガッター5の幅方向両側の上部箇所付近に固定する。次に、隣接するフラット状建築用板A,A間の嵌合側部2,2間にキャップ材Cを嵌合固着する。また、前記ガッター5は下地部9に固定部材7及び固着具8にて固定する(図6参照)。或いは、ガッター5は溶接手段にて行うこともある。
【0018】
【発明の効果】請求項1の発明では、幅方向両側に嵌合側部2,2を設けたフラット状ソーラー建築用板Aと、隣接する該フラット状建築用板A,Aの対向する嵌合側部2,2に嵌合されるガッター5及びキャップ材Cと、くの字状に折曲形成された弾性部11と,該弾性部11を支持する水平板としての水平部12とを備え,且つ,鉄,鋼板その他の導電性材料からなるアースバネ部Dとからなり、該アースバネ部Dには、前記フラット状ソーラー建築用板Aの裏面に食い込むように形成された先端部6を設けてなるフラット状ソーラー外囲体におけるアース構造としたことにより、第1に、屋根の施工と同時にアースの施工も確実に完了することができるようになる結果、極めて簡便且つ確実に施工できる。第2に、施工効率を格段と向上させることができる。第3に、力学的強度にも充分に優れたアース構造とすることができる。
【0019】上記効果を詳述すると、ガッター5及びキャップ材Cでの嵌合によって屋根として施工されるフラット状ソーラー建築用板Aは、ソーラー発電部1bから発生する不要な電荷を、アースバネ部Dを介して、金属その他の導電性材料で形成される下地材9に逃すことによって、アースをとることができる。
【0020】特に、そのアースバネ部Dを、くの字状に折曲形成された弾性部11と,該弾性部を支持する水平板としての水平部12とを備える構成としたことで、前記フラット状ソーラー建築用板Aを前記ガッター5及び前記キャップ材Cで嵌合するときに、前記フラット状ソーラー建築用板Aの裏面が前記アースバネ部Dの先端部6に当接する。そして、完全に嵌合させた時点(施工完了時)には、前記アースバネ部Dの先端部6が、前記フラット状ソーラー建築用板A裏面に塗布されている塗膜10を貫通して、鋼板1cに食い込む。
【0021】その結果、前記フラット状ソーラー建築用板Aの鋼板1cと,前記アースバネ部Dとが導通することになるので、金属性等の下地材9に対してアースをとることができるので、屋根の施工完了と同時にアースの施工をも確実且つ良好に完了することができ、極めて簡便且つ確実なフラット状ソーラー外囲体におけるアースの施工を行うことができるという、極めて優れた効果を有する。
【0022】更には、上述のように屋根の施工完了と同時にアースの施工をも確実且つ良好に完了することができるので、施工効率を格段と向上させることができる。また、前記アースバネ部Dは、前記フラット状ソーラー建築用板Aに向かう弾性力を有するので、屋根の施工が完了して長年経過しても、常にその先端部6が前記フラット状ソーラー建築用板Aの鋼板1cに食い込んだ状態を保つことができる。その結果、長年に渡り常にアース状態を良好に維持することができ、且つ、力学的強度にも充分に優れた状態をも維持することができるという極めて優れた利点も有する。
【0023】次に、請求項2の発明では、請求項1記載において、前記アースバネ部Dの先端部6を尖鋭な形状としたフラット状ソーラー外囲体におけるアース構造としたことで、請求項1の発明による優れた効果及び利点に加えて、先端部6を尖鋭な形状としたことで、より確実に、先端部6を前記フラット状ソーラー建築用板Aの鋼板1cに食い込ませることができる。その結果、前記フラット状ソーラー建築用板A裏面の塗膜10の塗布にムラがあって厚みの増した部分等があったとしても、確実にアースバネ部Dを介してアースをとることができるという極めて優れた利点がある。
【出願人】 【識別番号】000175973
【氏名又は名称】三晃金属工業株式会社
【出願日】 平成12年1月31日(2000.1.31)
【代理人】 【識別番号】100080090
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 邦男
【公開番号】 特開2001−214579(P2001−214579A)
【公開日】 平成13年8月10日(2001.8.10)
【出願番号】 特願2000−22798(P2000−22798)