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【発明の名称】 薄膜太陽電池ダミーモジュール
【発明者】 【氏名】西尾 仁

【要約】 【課題】屋根葺き材料として利用する場合に、発電には利用されないが、周囲の薄膜太陽電池モジュールと外観上同様であり、屋根一面に同じ美観を保つことができる、薄膜太陽電池ダミーモジュールを提供する。

【解決手段】外観上は薄膜太陽電池モジュールと同様であるが発電に利用されない薄膜太陽電池ダミーモジュール11であって、薄膜太陽電池モジュール11は、基板2と、基板2の一主面上に順次積層された第1電極層3、半導体光電変換層5、および第2電極層7を含む積層体とを備え、半導体光電変換層5は、少なくとも1つのpin型光電変換ユニット層を含み、薄膜太陽電池ダミーモジュール11は、pin型光電変換ユニット層5中の少なくともp層53またはn層51のいずれかが省略されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外観上は薄膜太陽電池モジュールと同様であるが発電に利用されない薄膜太陽電池ダミーモジュールであって、前記薄膜太陽電池モジュールは、基板と、前記基板の一主面上に順次積層された第1電極層、半導体光電変換層、および第2電極層を含む積層体とを備え、前記半導体光電変換層は、少なくとも1つのpin型光電変換ユニット層を含み、前記薄膜太陽電池ダミーモジュールは、前記pin型光電変換ユニット層中の少なくともp層またはn層のいずれかが省略された、薄膜太陽電池ダミーモジュール。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜太陽電池ダミーモジュールに関するものであり、特に、屋根葺き材料として利用する場合に、外観上は薄膜太陽電池モジュールと同様であるが発電に利用されない薄膜太陽電池ダミーモジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、住宅用薄膜太陽電池モジュールは、複数枚を屋根の上に別置きにしたり、屋根材として使用されることが多い。別置きタイプでは、屋根を葺いた上にモジュールをアレイ化したものを設置するので、美観を損ねていた。また、屋根材として利用する場合は、屋根葺き材料の代わりに太陽電池モジュールを葺くため、屋根の形状や大きさにより太陽電池モジュールを設置した以外の屋根の上、すなわち、未発電屋根面上には、通常の和瓦やスレート瓦、ガラス瓦等を置いていた。また、美観の改善を目的に、太陽電池モジュールと同様な形状をしたガラス製のものや、太陽電池モジュールと同色彩の屋根葺き材料等を使用していた。
【0003】しかしながら、上述したようなガラス製のものや同色彩に塗装したものでも、太陽光線の加減や反射等で、どうしても薄膜太陽電池モジュールとは外観が異なってしまうため、屋根全体の美観に優れなかった。そのため、外観上は薄膜太陽電池モジュールと同様であるが、発電に利用されない薄膜太陽電池ダミーモジュールが必要であった。
【0004】たとえば、特開平9−217471号公報には、太陽電池モジュールが配設されない空き領域に、ダミーパネルを配設することが開示されている。また、特開平10−131440号公報には、特殊形状の屋根において平面異形形状の補助パネルを用い、この補助パネルのすべてまたは一部をダミーパネルとすることが開示されている。さらに、特開平10−12911号公報には、三角形太陽電池モジュール内の四角形太陽電池セルが存在しない空白部にダミーセルを設置することが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述したいずれの先行技術文献にも、ダミーパネル、ダミーセルの詳細な構造や製造方法ついては、何ら開示されていない。
【0006】この発明の目的は、上述の問題点を解決し、屋根葺き材料として利用する場合に、発電には利用されないが、周囲の薄膜太陽電池モジュールと外観上同様であり、屋根一面に同じ美観を保つことができる、薄膜太陽電池ダミーモジュールを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明による薄膜太陽電池ダミーモジュールは、外観上は薄膜太陽電池モジュールと同様であるが発電に利用されない薄膜太陽電池ダミーモジュールであって、薄膜太陽電池モジュールは、基板と、基板の一主面上に順次積層された第1電極層、半導体光電変換層、および第2電極層を含む積層体とを備え、半導体光電変換層は、少なくとも1つのpin型光電変換ユニット層を含み、薄膜太陽電池ダミーモジュールは、pin型光電変換ユニット層中の少なくともp層またはn層のいずれかが省略されている。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は、一般的な薄膜太陽電池モジュールの構造を模式的に示す平面図である。
【0009】また、図2は、図1に示す薄膜太陽電池モジュール100のII−II線で示す部分断面図である。
【0010】図1および図2を参照して、この薄膜太陽電池モジュール100は、基板2と、基板2の一主面上に順次積層された第1電極層3、半導体光電変換層5、および第2電極層7を含む積層体とを備えている。半導体光電変換層5は、n型シリコン層51、i型シリコン層52、p型シリコン層53からなる1つのpin型光電変換ユニット層を含んでいる。なお、n型シリコン層51とp型シリコン層53の位置関係は、逆の場合も本願発明に含まれることは言うまでもない。
【0011】この薄膜太陽電池モジュールにおいては、第1電極層3を複数の光電変換セルに対応する複数の領域に分離するために、レーザスクライブ法により第1電極分離溝4が形成されている。また、第2電極層7および第2電極分離溝8を含むセル集積領域と、その周縁に沿った周縁領域10とを互いに電気的に分離する絶縁ラインとしての周縁分離溝9が、基板2側からレーザスクライブ法により形成されている。
【0012】図3は、本発明による薄膜太陽電池ダミーモジュールの一例の構造を模式的に示す断面図である。
【0013】図3を参照して、この薄膜太陽電池ダミーモジュール11は、図1および図2に示す一般の薄膜太陽電池モジュール100におけるpin型光電変換ユニット層5中のp型シリコン層53が省略されている。なお、他の構造については、図1および図2に示す薄膜太陽電池モジュール100と同様であるので、その説明は省略する。
【0014】このように、半導体層5Aが、n型シリコン層51とi型シリコン層52とのみから構成されているため、この薄膜太陽電池ダミーモジュール11は、発電しにくい構造となっている。
【0015】また、図1および図2に示す一般の薄膜太陽電池モジュール100において、n型シリコン層51およびp型シリコン層53の厚さは各々通常約100Åで、i型シリコン層52の厚さは通常約3000Åである。したがって、この薄膜太陽電池ダミーモジュール11のように、p型シリコン層53を省略しても、半導体層5A全体の厚さは、図2に示す薄膜太陽電池モジュール100の半導体光電変換層5の厚さとほぼ同じである。したがって、明度、彩度等が等しくなり、この薄膜太陽電池ダミーモジュール11は、外観上一般の太陽電池モジュール100と差異がない。
【0016】また、この薄膜太陽電池ダミーモジュール11は、一般の薄膜太陽電池モジュールの製造ラインを用いて、半導体層の成膜条件を少し変更するのみで製造することが可能である。
【0017】図4は、本発明による薄膜太陽電池ダミーモジュールの他の例の構造を模式的に示す断面図である。
【0018】図4を参照して、この薄膜太陽電池ダミーモジュール21は、図1および図2に示す一般の薄膜太陽電池モジュール100におけるpin型光電変換ユニット層5中のn型シリコン層51が省略されている。なお、他の構造については、図1および図2に示す薄膜太陽電池モジュール100と同様であるので、その説明は省略する。
【0019】このように、半導体層5Bが、i型シリコン層52とp型シリコン層53とのみから構成されているため、この薄膜太陽電池ダミーモジュール21は、発電しにくい構造となっている。
【0020】また、この薄膜太陽電池ダミーモジュール21のように、n型シリコン層51を省略しても、半導体層5B全体の厚さは、図2に示す薄膜太陽電池モジュール100の半導体光電変換層5の厚さとほぼ同じである。したがって、明度、彩度等が等しくなり、この薄膜太陽電池ダミーモジュール21は、外観上一般の太陽電池モジュール100と差異がない。
【0021】また、この薄膜太陽電池ダミーモジュール21は、一般の薄膜太陽電池モジュールの製造ラインを用いて、半導体層の成膜条件を少し変更するのみで製造することが可能である。
【0022】図5は、本発明による薄膜太陽電池ダミーモジュールのさらに他の例の構造を模式的に示す断面図である。
【0023】図5を参照して、この薄膜太陽電池ダミーモジュール31は、図1および図2に示す一般の薄膜太陽電池モジュール100におけるpin型光電変換ユニット層5中のn型シリコン層51およびp型シリコン層53が省略されている。なお、他の構造については、図1および図2に示す薄膜太陽電池モジュール100と同様であるので、その説明は省略する。
【0024】このように、半導体層5Cが、i型シリコン層52のみから構成されているため、この薄膜太陽電池ダミーモジュール31は、全く発電しない構造となっている。
【0025】また、この薄膜太陽電池ダミーモジュール31のように、n型シリコン層51およびp型シリコン層53を省略しても、半導体層5C全体の厚さは、図2に示す薄膜太陽電池モジュール100の半導体光電変換層5の厚さとほぼ同じである。したがって、明度、彩度等が等しくなり、この薄膜太陽電池ダミーモジュール31は、外観上一般の太陽電池モジュール100と差異がない。
【0026】また、この薄膜太陽電池ダミーモジュール31は、一般の薄膜太陽電池モジュールの製造ラインを用いて、半導体層の成膜条件を少し変更するのみで、製造することが可能である。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、太陽電池モジュールを屋根葺き材料として利用する場合、発電を必要としないが屋根葺き材料として周囲の薄膜太陽電池モジュールと同様の美観を保つことのできる、薄膜太陽電池ダミーモジュールが得られる。その結果、屋根一面に同じ美観を保つことができる。
【0028】一方、太陽電池モジュールの営業活動をする際も、誤使用による感電等の事故が発生することのない、同じ美観を持つ太陽電池モジュールのサンプルを提供することができる。
【0029】また、一般の薄膜太陽電池モジュールの製造ラインを用いて製造することができるため、安価なコストでの製造も可能である。
【出願人】 【識別番号】000000941
【氏名又は名称】鐘淵化学工業株式会社
【出願日】 平成11年7月15日(1999.7.15)
【代理人】 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎 (外2名)
【公開番号】 特開2001−27023(P2001−27023A)
【公開日】 平成13年1月30日(2001.1.30)
【出願番号】 特願平11−201312