| 【発明の名称】 |
温湿度調整機能付き住宅 |
| 【発明者】 |
【氏名】野村 幸悦
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| 【要約】 |
【課題】冬季における暖房された屋内空間の湿度を比較的高く維持する。
【解決手段】外断熱構造を有する基礎部11と側壁部21と屋根部31とにより包囲されて屋内空間が形成され、屋内空間に複数の部屋が形成される。床下空間18からそれぞれの部屋を経由して屋根裏空間61に空気を導く第1空気流路と屋根裏空間から床下空間に屋内空気を導く第2空気流路とを有し、基礎部にヒータ17が埋設され、水又は湯の蒸気を第1空気流路に送出可能な浴槽52aが浴室52に設けられ、戸枠63aの上下の隙間のみ外気に連通するガラス戸63がはめ込まれ、屋根裏空間61から屋外に排出可能な排気口41が設けられる温湿度調整機能付き住宅である。除湿冷却した空気を送出可能なエアコン66と床下空間の空気を第1空気流路に送出可能な送風機54を設けることが好ましい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 地盤(10a)上に設けられ外断熱構造を有する基礎部(11)と前記基礎部(11)の上に外気を遮断するように設けられた側壁部(21)と前記側壁部(21)の上に屋根裏空間(61)が形成されるように設けられた屋根部(31)とにより包囲されて断熱性及び気密性を有する屋内空間が形成され、前記屋内空間に複数の部屋(56,58)及び浴室(52)が形成された住宅であって、前記屋内空間は前記基礎部(11)に包囲される床下空間(18)からそれぞれの部屋(52,56,58)を経由して前記屋根裏空間(61)に空気を導く第1空気流路と前記屋根裏空間(61)からそれぞれの部屋を経由するか或いは経由することなく前記床下空間(18)に屋内空気を導く第2空気流路とを有し、前記基礎部(11)にこの基礎部(11)を加熱可能なヒータ(17)が埋設され、前記浴室(52)の扉(52b)を開放した状態で貯えた水又は湯の気化熱による蒸気を前記第1空気流路に送出可能な浴槽(52a)が前記浴室(52)に設けられ、前記側壁部(21)に閉止状態で戸枠(63a)の上下の隙間のみ外気に連通する断熱性及び気密性を有する引き違いガラス戸(63)がはめ込まれた開口部(21a)が設けられ、前記屋根部(31)に前記第1空気流路を通過した空気を前記屋根裏空間(61)から屋外に排出可能な排気口(41)が設けられたことを特徴とする温湿度調整機能付き住宅。 【請求項2】 除湿冷却した空気を床下空間(18)に送出可能なエアコン(66)と、前記床下空間(18)の空気を第1空気流路に送出可能な送風機(54)が床下空間(18)に設けられた請求項1記載の温湿度調整機能付き住宅。 【請求項3】 側壁部(21)に外気と屋内空気がそれぞれ保有する温度及び湿度を互いに交換する全熱交換型換気扇(64)が設けられた請求項1又は2いずれか記載の温湿度調整機能付き住宅。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、主に寒冷地又は高地に設けられる住宅に関する。更に詳しくは従来の高断熱及び高気密性に加えて温度及び湿度を調整する機能を有する住宅に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、主に寒冷地や高地に適した住宅として、断熱材を多用した高気密性で高断熱性のものが種々提案されている。これらの住宅では、屋内におけるストーブ等の暖房装置により暖められた熱が屋外に放散されることを防止し、主に冬季における暖房の効率を向上させるようになっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、冬季に屋内をストーブ等の装置により暖房すると、湿度がきわめて低くなる不具合がある。即ち、寒冷地や高地における冬季の外気温が0度以下の状態では、外気の湿度が50%でも絶対湿度は少なく、このような空気を冬季に屋内で暖房するとその湿度は更に低下し室内において約20℃に暖房しているような状態ではその相対湿度は約20%程度しかない。このような乾燥空気下では、人間の喉の粘膜の炎症や風邪のウイルスの繁殖を招く不具合がある。また、ストーブ等の装置による暖房では、屋内空簡における温度分布は上に行くほど温度が高くなるが、人間の頭部は放熱機能を有しており、足は温度センサの役割を担っており、遺伝子的に冬は頭寒足熱の温度分布状態にすることが望まれる。更に、人間の快眠の条件としては室温が10〜15℃であって、湿度が50%程度であるといわれており、冬季における暖房下における湿度調節は人間の健康を保つための居住を目的とする住宅に関しては重要である。本発明の目的は、主として冬季における暖房された屋内空間の湿度を比較的高く維持することのできる温湿度調整機能付き住宅を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、図1に示すように、地盤10a上に設けられ外断熱構造を有する基礎部11とこの基礎部11の上に外気を遮断するように設けられた側壁部21とこの側壁部21の上に屋根裏空間61が形成されるように設けられた屋根部31とにより包囲されて断熱性及び気密性を有する屋内空間が形成され、屋内空間に複数の部屋56,58及び浴室52が形成された住宅である。屋内空間は基礎部11に包囲される床下空間18からそれぞれの部屋52,56,58を経由して屋根裏空間61に空気を導く第1空気流路と屋根裏空間61からそれぞれの部屋を経由するか或いは経由することなく床下空間18に屋内空気を導く第2空気流路とを有し、基礎部11にこの基礎部11を加熱可能なヒータ17が埋設され、浴室52の扉52bを開放した状態で貯えた水又は湯の気化熱による蒸気を第1空気流路に送出可能な浴槽52aが浴室52に設けられ、側壁部21に閉止状態で戸枠63aの上下の隙間のみ外気に連通する断熱性及び気密性を有する引き違いガラス戸63がはめ込まれた開口部21aが設けられ、屋根部31に第1空気流路を通過した空気を屋根裏空間61から屋外に排出可能な排気口41が設けられたことを特徴とする温湿度調整機能付き住宅である。 【0005】この請求項1に係る発明では、厳寒期にヒータ17により基礎部11を加熱して床下空間18の空気を加熱し、その空気を床下空間18から第1空気流路に送出する。これにより第1空気流路に存在する各部屋又は第1空気流路及び第2空気流路に存在する各部屋を暖房する。一方、浴室52に流入した床下空間18における空気は、浴槽52aに貯えた水又は湯の気化熱による蒸気とともに浴室の扉52bから第1空気流路に送出され、暖房された屋内空間における湿度を比較的高く維持する。また、屋内空間における通常の換気は、側壁部21の開口部21aに設けられた引き違いガラス戸63の戸枠63aの上下の隙間から行うことができ、屋根裏空間61から屋内空間における空気を排気口41から外部に排出すれば、比較的短時間に効率よく換気することもできる。 【0006】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、除湿冷却した空気を送出可能なエアコン66と、床下空間18の空気を第1空気流路に送出可能な送風機54が床下空間18に設けられた温湿度調整機能付き住宅である。この請求項2に係る発明では、夏季にエアコン66により除湿冷却した空気を床下空間18に送出させ、その空気を送風機54により床下空間18から第1空気流路に送出させることにより各部屋を冷房する。この場合、湿度が比較的高い場合には浴槽52aに蓋をするか、或いは浴室の扉52bを閉じることにより湿度の上昇を抑制する。これにより夏季の室内空間における温度及び湿度の調整が可能になる。 【0007】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、側壁部21に外気と屋内空気がそれぞれ保有する温度及び湿度を互いに交換する全熱交換型換気扇64が設けられた温湿度調整機能付き住宅である。この請求項3に係る発明では、屋内空気の温度を変化させることなく屋内空間の換気を可能にする。 【0008】 【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、本発明の住宅10は、基礎部11と、側壁部21と屋根部31により包囲されて断熱性及び気密性を有する屋内空間が形成される。図2に示すように、基礎部11は、地盤10aを所定の形状に掘削成形し、断熱材である合成樹脂発泡板12を船底形に組み立てて基礎梁13部分及び基礎スラブ14部分に鉄筋16の組み上げ及び型枠組みを行い、その後コンクリートを打設することにより作られる船底形基礎である。この基礎部11は合成樹脂発泡板12により断熱性及び気密性が確保された外断熱構造に形成される。 【0009】合成樹脂発泡板12の材料としては、例えばポリスチレン発泡体,硬質ウレタン発泡体,フェノール発泡体等が用いられ、この厚みは、地域毎の設計環境温度等から要求される断熱性能によって決められるが、通常は50mm〜100mm程度のものが使用される。基礎スラブ14上にはモルタルコンクリート19によりヒータ17が埋設される。この実施の形態におけるヒータ17は電力により加熱するシーズヒータが使用され、基礎梁13により包囲され、基礎スラブ14及び後述する一階の床材47により上下方向から挟まれる床下空間18における空気はこのヒータ17により加熱可能に構成される。なお、基礎部11が形成された後に図示しない型枠は除去され、必要に応じて基礎部11の外周部分には埋土若しくは盛土が行われる。 【0010】側壁部21は基礎部11の全周囲における基礎梁13上に設けられ、外気を遮断して基礎スラブ14上方の空間を包囲して屋内空間を形成するように設けられる。側壁部21は土台22及び柱23を有し、外壁通気層24が形成される。土台22及び柱23はいわゆる乾燥材が使用され、人体に悪い防虫防蟻・殺虫剤等の使用された木材は使用されない。土台22は基礎梁13の上面に必要に応じてパッキン22aを敷設した後固定される。柱23はその土台22上に組み上げられ、土台22及び柱23の外側全面には断熱板26が貼着される。この断熱板26と基礎部11における発泡板12との接合部分には発泡ウレタン26aにより気密処理が施され、床下空間18が外気から遮断されるように成形される。柱23の外側全面に貼着された断熱板26の外側には外壁通気層24を形成するために、厚み20mm程度の縦胴縁27が所定の間隔をあけて設けられ、この縦胴縁27に外壁材28が固定される。断熱板26と外壁材28の間の縦胴縁27により形成される空隙により外壁通気層24が形成され、その下端部は地盤10aに近い部分において開口し、後述する屋根通気層39にその上端が開口される。 【0011】図3に示すように、屋根部31は桁材32、第1及び第2タルキ33,36を有し、側壁部21の上に形成される。桁材32、第1及び第2タルキ33,36もいわゆる乾燥材が使用され、人体に悪い防虫防蟻・殺虫剤等の使用された木材は使用されない。桁材32は柱23の上端部に設けられ、第1タルキ33は桁材32の上方に適宜の支持によって所定の傾斜で組み上げられる。第1タルキ33の上には断熱ボード34が全面に貼り付けられる。側壁部21における断熱板26の上端部と断熱ボード34の接続部の外側には、気密テープ35を貼付けることによりその部分の気密性を確保した後、テープ35の室内側に形成される空間に硬質ウレタン34aを充填することによりこの接続部分における気密性及び断熱性を確保する。断熱ボード34の上方には第2タルキ36で空隙を保持して杉材等の野地板37が張られ、その上に屋根材として例えばアスファルトルーフィング38を設けることにより屋根部31が形成される。屋根部31の端面は外壁材28によって塞がれ、第2タルキ36で形成された空隙は屋根通気層39として下端部において外壁通気層24に連通される。 【0012】図4に示すように、屋根部31の最頂部には排気口41が設けられる。排気口41は野地板37及びアスファルトルーフィング38の最頂部における隙間41aと後述する断熱ボード34の最頂部における排気孔34bにより構成される。野地板37及びアスファルトルーフィング38には、この隙間41aを覆うように棟包み下地42がリッヂベンツ43を介して固定される。この実施の形態における棟包み下地42は外側がステンレス板等の板金42aにより被覆され、リッヂベンツ43はポリプロピレン材からなりハニカム状通路43aを有するものが使用される。棟包み下地42の固定は丸針44を打ちつけることにより行われる。リッヂベンツ43は、隙間41aから上昇する気流をハニカム状通路43a内に円滑に導くことができるように形成され、暴風雨時に屋根部31上を吹き上げる雨水が隙間41a内に流入することを防止するため、隙間41aの端部には板金からなる水返し45が設けられる。 【0013】このような側壁部21と屋根部31では、太陽光により外壁材28及び屋根材38が加熱され、その裏面に熱伝導して外壁通気層24及び屋根通気層39内の空気を暖めても、その空気は煙突現象によって上昇し屋根通気層24の最上位置における隙間41aから外部に連続的に排出される。このため、基礎部11と側壁部21と屋根部31により包囲されて形成された屋内空間は断熱性及び気密性が確保される。 【0014】図1に戻って、この屋内空間には床材47や天井材48及び内壁材49が張られ、更に仕切壁材51により仕切られて複数の部屋56,58及び浴室52が形成される。床材47や天井材48及び内壁材49を張る前に下端が床下空間18に開口するエアダクト53が鉛直方向に配設され、床下空間18には送風機54及び第1エアコン66が予め設けられる。送風機54はエアダクト53の下端に接続して設けられ、第2エアコン66は空気を除湿冷却してこの除湿冷却した空気を床下空間18に送出可能に構成される。その後床材47や天井材48及び内壁材49が張られ、屋内空間は更に仕切壁材51により仕切られて複数の部屋が形成される。ここで、天井材48、内壁材49及び仕切壁材51等は大気汚染物質吸収建材であるいわゆるクリーンボードが使用され、室内のホルムアルデヒト等の刺激ガスや、アンモニア等の悪臭ガスを吸収させて常に奇麗な室内空間を保つように構成される。この実施の形態では、浴室52の他、一階居間56及びこの居間56に階段57を介して移動可能な2階居室58が形成され、その他図示しないトイレ、台所等が形成される。台所に設置される煮炊き等に使用される熱源は電気式のものが使用され、ガス等のいわゆる化石燃料を使用する熱源は使用されない。 【0015】1階床材47の所定箇所には、それぞれの部屋と床下空間18を連通する暖気グリル59が設けられ、2階床材47の所定箇所には、2階居室58と一階におけるそれぞれの部屋を連通する暖気グリル59が設けられる。一方、階段57下の1階床材47には、床下空間18に屋内空気を導く比較的大型の吸入グリル60が設けられる。また、2階居室58に設けられた天井材48にも暖気グリル59が設けられ、ダクト53の上端は天井材48近傍の2階居室58に開口するように構成される。天井材48と屋根部31の断熱ボード34で包囲された屋根裏空間61と2階居室58は天井材48に設けられた暖気グリル59により連通される。屋根裏空間61を形成する屋根部31の断熱ボード34には、図4に示すように、隙間41aに対応する位置に排気口41を構成する排気孔34bが形成され、この排気孔34bには屋根裏空間61における空気を排気口41を介して屋外に排出可能な電動ファン62が設けられる。 【0016】図1に戻って、床材47や天井材48及び仕切壁材51により仕切られた屋内空間には、ヒータ17で加熱された空気が床下空間18から暖気グリル59を介して浴室52及び1階居間56に流入し、2階床材47に設けられた暖気グリル59から2階居室58に流入し、その後2階居室58の天井材48に設けられた暖気グリル59を通過して屋根裏空間61に導く第1空気流路が形成される。屋根部31に設けられた電動ファン62を駆動すると、第1空気流路を通過して屋根裏空間61に達した空気は、排気口41である排気孔34b及びアスファルトルーフィング38等の隙間41aから外部に排出されるように形成される。 【0017】一方、階段57周囲の吸入グリル60上方における上下方向に延びる空間は屋根裏空間61まで上昇した空気を床下空間18に戻す第2空気流路を形成する。即ち、屋根裏空間61まで上昇した空気は、階段上方に位置する天井材48に設けられた暖気グリル59から2階居室58に戻り、階段57周囲の空間を下方に移動して階段57下に設けられた吸入グリル60から床下空間18に戻るように構成される。なお、床下空間18に設けられた送風機54は、床下空間18における空気を吸引してダクト53の内部にその下端から送風するように構成され、その空気はダクトの上端から第1空気流路の途中である2階居室58の天井材48近傍に送出可能に構成される。 【0018】浴室52には浴槽52aが設けられ、床下空間18における空気はこの浴室52にも流入するため、この浴室の扉52bを開放した状態では、浴槽52aに貯えた水又は湯の気化熱による蒸気が扉52bから1階居間56等からなる第1空気流路に送出するように構成される。また、1階居間56における側壁部21の階段57近傍には外部に通じる開口部21aが形成され、この開口部21aには閉止状態で戸枠63aの上下の隙間のみ外気に連通する断熱性及び気密性を有する引き違いガラス戸63がはめ込まれる。更に、2階居室58の側壁部21には外気と屋内空気がそれぞれ保有する温度及び湿度を互いに交換する全熱交換型換気扇64が設けられ、この換気扇64に隣接して主に夏季における屋内空間の除湿を目的とする第2エアコン67が設けられる。 【0019】このように構成された住宅10は気密性及び断熱性に優れた完全な外断熱構造のいわゆるノンストレス住宅になり、基礎部11を蓄熱体として使用することにより屋内空間の温度調整を行うことができる。即ち、外断熱構造を有する基礎部11は床下空間18に導入された冷気若しくは暖気の顕熱を蓄熱し、外気の影響が少ない安定的な季節毎の主たる熱源として用いられる。この船底形基礎部11では、地盤10a側のコンクリート面が全て発泡板12で覆われ風雨や地盤10aの湿気に直接晒されず、また、コンクリートの全てが室内側となり、基礎部11自体が夏冬通じて比較的一定の温度条件に保たれるため、基礎部11そのものの耐久性が向上する。また、鉄筋16入りの基礎部11全体で荷重を地盤10aに伝達する構造であるため、軟弱地盤での耐震性を向上することもできる。 【0020】即ち、外気温の変動が比較的激しい春季及び秋期にあって、外気温が比較的高いときには相対的に低い基礎蓄熱部によって相対的に温度の低い床下空間の空気が第1空気流路に送出されることにより冷房効果を得、外気温が低いときには相対的に高い基礎蓄熱部によって相対的に温度の高い床下空間の空気が第1空気流路に送出されることにより暖房効果を得る。また、昼夜の温度変化が激しい場合では、外気温が比較的高い昼間には相対的に温度の低い床下空間の空気が第1空気流路に送出されることにより冷房効果を得、そして夜間になり、室温のゆるやかな低下と共にこの逆作用が働き、基礎部11がゆっくり放熱を始めて夜間における暖房効果を得るようになる。よって本発明の住宅では、たとえ外気温が急激に変動しても、熱容量の非常に大きなコンクリートを用いた基礎部11の性質を利用した蓄熱と放熱のサイクルを都合よく利用することにより、極めて変動の少ない室内空間を仕上げることができる。 【0021】厳寒期においては、ヒータ17により基礎部11を直接加熱する。基礎部11が昇温することにより、床下空間18の空気は加熱され、夜間電力を使用すれば経済的な基礎蓄熱型低温輻射暖房が可能になる。即ち、ヒータ17で間接的に加熱された空気は床下空間18から暖気グリル59を介して浴室52及び一階居間56に流入し更に2階居室58に流入して各部屋を暖める。このように下方から暖房されるため、上に行くほど温度が低い自然温度分布となり、従来各部屋に設けられていたストーブ等の暖房機器による暖房と異なり、無理な対流や送風を行うことなく頭寒足熱の温度分布状態が実現される。また、この住宅10は側壁部21及び屋根部31により高い断熱性及び気密性を有するので、その熱は全室に循環し、温度むらを生じることがなくなるほか、高効率の空調を行うことができる。また、外壁から室内壁に冷熱が伝熱することがなく、屋内に温度むらを生じないことから、結露を生じることはなく、かびやダニの発生は防止され、居住者のぜんそくやアトピー性皮膚炎等のアレルギー性病気の発生を防ぐこともできる。 【0022】一方、床下空間18における空気の一部は浴室52に流入する。空気は調和機能を有する生気体であり、おおよそ日本の気候条件ではその湿度を50%〜60%に保とうとするものである。このため、浴室の扉52bを開放した状態にすることにより、浴槽52aに貯えた水又は湯の気化熱による蒸気は扉52bから一階居間56等からなる第1空気流路にその空気とともに送出される。よって、寒冷地や高地における冬季の外気温が0度以下の状態であっても、本発明の住宅では暖房された屋内空間における湿度を比較的高く維持することができ、人間の喉の粘膜の炎症や風邪のウイルスの繁殖を抑制することができる。屋内空間における通常の換気は、側壁部21に設けられた全熱交換型換気扇64を用いて行われる。この換気扇64は、外気と屋内空気がそれぞれ保有する温度及び湿度を互いに交換する全熱交換型であるので、換気することにより屋内空間の温度が低下することを防止できる。また、換気については、側壁部21の開口部21aに設けられた引き違いガラス戸63の戸枠63aの上下の隙間からも行うことができ、戸枠63aの隙間から流入した外気はは階段57下に設けられた吸入グリル60から床下空間18に流入し、ヒータ17により暖められた後各部屋を暖房するようになる。 【0023】逆に、夏季においては、第1エアコン66により除湿冷却した空気を床下空間18に送出させる。この空気は基礎部11を冷却するとともに、床下空間18から第1空気流路に暖気グリル59を介して流入し、各部屋を冷房する。この場合、床下空間18に設けられた送風機54及び屋根部31に設けられた電動ファン62をそれぞれ駆動することが好ましい。屋内空間の温度より低い温度の床下空間18における空気は、冬季と異なり比重差により2階居室58にまで上昇することが期待できないからである。即ち、送風機54を駆動すると、ダクト53を介して床下空間18における空気は第1空気流路の途中である2階居室58の天井材48近傍に送出され屋内空間における全ての部屋を有効に冷房することができ、電動ファン62を駆動すれば煙突現象により屋根裏空間61の上部にまで上昇した比較的暑い空気はその屋根裏空間61から排気口41を介して外部に排出され、床下空間18で冷却された空気が屋内空間を上昇することを助ける。 【0024】この場合、冷熱は、内壁材49、床材47、天井材48等を通って外へ伝熱しようとするが、その熱は住宅10の外囲全周に設けた断熱板26によって伝熱が遮断され、熱の放散は防止される。一方、湿度が比較的高い場合には浴槽52aに蓋をするか、或いは浴室の扉52bを閉じ、湿度の上昇を抑制する。必要である場合には、2階居室58に設けられた第1エアコン67を駆動して夏季における屋内空間を更に除湿する。また、日中においては太陽光により外壁材28及び屋根材38が加熱されてその熱が裏面に伝導するが、室内側には外壁通気層24及び屋根通気層24が存在するので、これらの加熱された空気は全て煙突現象もしくは外気風力により無動力で上昇し、外壁通気層24の最下部に設けた開口から吸入する地盤10a近傍の空気と共に外壁通気層24、屋根通気層24を通り、屋根通気層24の最上部に設けた棟換気のハニカム状通気路を通って外部に排出されるので、その熱が室内空間に伝導することはない。 【0025】 【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、床下空間からそれぞれの部屋を経由して屋根裏空間に空気を導く第1空気流路と、その屋根裏空間から床下空間に屋内空気を導く第2空気流路とを有し、基礎部を加熱可能なヒータを埋設したので、床下空間の加熱された空気は第1空気流路に送出され、冬季における屋内空間の各部屋を有効に暖房することができる。暖房の際、浴室の扉を開放した状態で貯えた水又は湯の蒸気を第1空気流路に送出可能な浴槽を設けたので、浴室に流入した床下空間における空気は、浴槽に貯えた水又は湯の蒸気を浴室の扉から第1空気流路に送出するので、暖房された屋内空間における湿度を比較的高く維持することができる。また、側壁部に戸枠の上下の隙間のみ外気に連通する引き違いガラス戸がはめ込まれた開口部設けたので、通常の換気をこの戸枠の上下の隙間から行うことができ、屋根部に屋根裏空間から屋外に排出可能な排気口を設けたので、この排気口を開放すれば比較的短時間に効率よく換気をすることもできる。 【0026】また、外気を除湿冷却して除湿冷却した空気を第2空気流路に送出可能なエアコンを設け、その空気を第1空気流路に送出可能な送風機を設ければ、夏季に除湿冷却した空気が床下空間から第1空気流路に流入して各部屋を冷房することもできる。この場合、湿度が比較的高い場合には浴槽に蓋をするか、或いは浴室の扉を閉じることにより湿度の上昇を抑制することができ、夏季の室内空間における温度及び湿度の調整が可能になる。更に、側壁部に外気と屋内空気がそれぞれ保有する温度及び湿度を互いに交換する全熱交換型換気扇を設ければ、温度及び湿度をあまり変化させることなく屋内空間の換気を可能にすることもできる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】596153542 【氏名又は名称】株式会社ノムラハウス
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| 【出願日】 |
平成12年4月28日(2000.4.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085372 【弁理士】 【氏名又は名称】須田 正義
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| 【公開番号】 |
特開2001−311232(P2001−311232A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月9日(2001.11.9) |
| 【出願番号】 |
特願2000−129816(P2000−129816) |
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