| 【発明の名称】 |
非構造壁のスリット材 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉松 敏行
【氏名】斎藤 一
【氏名】森田 豊
【氏名】南雲 隆司
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| 【要約】 |
【課題】スリット材を適用する非構造壁の厚みが現場毎に変化しても、僅かな手間を加えることでその変化に対応できるようにした非構造壁のスリット材を提供する。
【解決手段】腰壁などの非構造壁3と柱や梁などの構造骨組2との接合部に沿って設ける長尺の本体部1を横断面が一様な中空状に形成し、前記非構造壁3を形成するための型枠15と該型枠15内に配置される前記本体部1との間に、前記本体部1に対して着脱自在としたアタッチメント17を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 腰壁などの非構造壁と柱や梁などの構造骨組との接合部に沿って設ける長尺の本体部を横断面が一様な中空状に形成し、前記非構造壁を形成するための型枠と該型枠内に配置される前記本体部との間に、前記本体部に対して着脱自在としたアタッチメントを設けたことを特徴とする非構造壁のスリット材。 【請求項2】 前記本体部の横断面は外側に膨らんだ左右一対のアーチ状部と該アーチ状部同士を連結する上下一対の連結部とからなる中空状とすると共に、前記本体部には前記非構造壁と前記構造骨組との接合面の隙間に向かって突出する寸法調整脚部を設けて、該寸法調整脚部に前記アタッチメントを着脱自在に設けたことを特徴とする請求項1に記載の非構造壁のスリット材。 【請求項3】 前記アタッチメントは、一端に前記寸法調整脚部に取り付けられる嵌合腕を設け、該嵌合腕の他端には目地棒の位置決め片を形成したことを特徴とする請求項2に記載の非構造壁のスリット材。 【請求項4】 前記寸法調整脚部の内面には目地棒の位置決め突起を設けると共に、前記アタッチメントの嵌合腕には前記位置決め突起に係合する係合部を設けたことを特徴とする請求項2又は3に記載の非構造壁のスリット材。 【請求項5】 前記本体部の前記連結部は、その中央部を前記本体部の内方に突出させたことを特徴とする請求項1乃至4に記載の非構造壁のスリット材。 【請求項6】 前記寸法調整脚部は、向かい合った一対の突片とし、前記アタッチメントの前記嵌合腕は前記一対の突片の外側にのみ位置するようにしたことを特徴とする請求項5に記載の非構造壁のスリット材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、建物の耐震構造を構築する際に使用する、建物の非構造壁と柱や梁などの構造骨組との接合部に設けられるスリット材に関するものである。 【0002】 【従来の技術】建物の袖壁、腰壁、一般壁などの非構造壁と柱や梁などの構造骨組との接合を、両者を直接接合する剛接型とすると、地震などによる震動が建物に加わったとき、例えば非構造壁である腰壁が構造骨組である柱の脆性破壊に影響を及ぼし、建物の崩壊につながることがあった。 【0003】そこで、非構造壁の存在が柱や梁などの構造骨組に悪影響を及ぼさないようにする方法として、日本建築センターの建築物の構造規定により推奨されている、非構造壁と構造骨組との間に完全縁切り型スリットを設ける接合形式があり、実際の建物に多く採用されているところである。 【0004】この完全縁切り型スリットに関する発明については、例えば出願人の一部が先に出願した特開平11−36460号公報にて開示されたものや、特願平11−129731号明細書に記載したものがある。 【0005】前者のスリット材は、図6に示したように、本体部1の左右両側に外側に膨らんだアーチ状部を有する断面楕円形に形成し、本体部1の左右両端から構造骨組2と非構造壁3の内方にそれぞれ突出する第1の突条4と、該第1の突条4と直交する方向で構造骨組2と非構造壁3との接合面の隙間5に突出する第2の突条6とを一体に設けたもので、材質としては硬質塩化ビニールなどの合成樹脂を使用し、射出成形又は押出成形により製造されるものであった。 【0006】後者のスリット材は、図7に示したように、本体部1を左右両側に外側に膨らんだアーチ状部を有する断面楕円形に形成し、本体部1の左右両端から構造骨組2と非構造壁3の内方にそれぞれ突出する第1の突条4と、該第1の突条4と直交する方向で構造骨組2と非構造壁3との接合面の隙間5に突出する第2の突条6とを一体に設けたもので、材質としてはアルミニウムなどの軽金属を使用し、押出成形により製造されるものであった。 【0007】後者のスリット材においては、必要に応じて、建物の内側での耐火性を確保するために、建物の内側に位置する第2の突条6内にロックウールなどの難燃材7を挿着できるものであった。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところで、前者のスリット材は、本体部1の材質として硬質塩化ビニールなどの合成樹脂を使用しているため、コストが嵩み、また、打設時のコンクリートの側圧に耐えるため中空内部に緩衝部材8を挿入するようにしていたが、コンクリートの側圧を吸収しきれないこともあった。 【0009】その結果、壁のズレや変形が生じたり、本体部1が破壊して内部の緩衝部材8が露出したりして、垂直方向の施工が困難で目地の垂直度の確保が難しい場合があった。 【0010】また、前者及び後者のスリット材のいずれにあっても、非構造壁3の厚みがほぼ同じであるとして考えられたものであって、型枠の組立時に第2の突条6の内部に入れる目地棒の高さを変えることによって、非構造壁3の厚みの多少の変化に対応できるという程度のものであった。 【0011】実際の建物では、非構造壁3の厚みは様々であり、将来建設されるであろう建物の非構造壁3の厚みを予想することもできず、その都度現場に対応してその建物の非構造壁3の厚みに合わせて、工場で成形品であるスリット材の第2の突条6を切断加工して対応するしかなかった。 【0012】工場で切断加工せずに、全ての非構造壁3の厚みに対応するには、高さの違う多種類のスリット材を在庫しなければならず、工場側の在庫管理部門、出荷部門、及び現場側の受入部門の手間を考えた場合には、現実的ではないといえる。 【0013】そこで、この発明は、以上のような従来のスリット材の問題を解消するために、スリット材を適用する非構造壁の厚みが現場毎に変化しても、僅かな手間を加えることでその変化に対応できるようにした非構造壁のスリット材を提供することを課題としている。 【0014】 【課題を解決するための手段】かかる課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、腰壁などの非構造壁と柱や梁などの構造骨組との接合部に沿って設ける長尺の本体部を横断面が一様な中空状に形成し、前記非構造壁を形成するための型枠と該型枠内に配置される前記本体部との間に、前記本体部に対して着脱自在としたアタッチメントを設けたことを特徴としている。 【0015】請求項2に記載の発明は、請求項1の構成に加え、前記本体部の横断面は外側に膨らんだ左右一対のアーチ状部と該アーチ状部同士を連結する上下一対の連結部とからなる中空状とすると共に、前記本体部には前記非構造壁と前記構造骨組との接合面の隙間に向かって突出する寸法調整脚部を設けて、該寸法調整脚部に前記アタッチメントを着脱自在に設けたことを特徴としている。 【0016】請求項3に記載の発明は、請求項2の構成に加え、前記アタッチメントは、一端に前記寸法調整脚部に取り付けられる嵌合腕を設け、該嵌合腕の他端には目地棒の位置決め片を形成したことを特徴としている。 【0017】請求項4に記載の発明は、請求項2又3の構成に加え、前記寸法調整脚部の内面には目地棒の位置決め突起を設けると共に、前記アタッチメントの嵌合腕には前記位置決め突起に係合する係合部を設けたことを特徴としている。 【0018】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の構成に加え、前記本体部の前記連結部は、その中央部を前記本体部の内方に突出させたことを特徴としている。 【0019】請求項6に記載の発明は、請求項5の構成に加え、前記寸法調整脚部は、向かい合った一対の突片とし、前記アタッチメントの前記嵌合腕は前記一対の突片の外側にのみ位置するようにしたことを特徴としている。 【0020】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態について、図1乃至図5によって説明する。 【0021】[発明の実施の形態1]図1は、この発明の実施の形態1に係る非構造壁のスリット材を型枠に組み付けた状態を示す斜視図である。 【0022】スリット材9は、本体部1を硬質塩化ビニルや特に耐火性を得たい場合はフェノール樹脂などの合成樹脂を用いて射出成形又は押出成形などにより長尺の横断面が一様な中空状に形成する。 【0023】より耐火性を得たい場合や打設時の耐衝撃性を向上させたい場合には、本体部1をアルミニウムなどの軽金属を用いて押出成形などにより長尺の横断面が一様な中空状に形成する。 【0024】本体部1の横断面は、外側に膨らんだ左右一対のアーチ状部10,10と、このアーチ状部10,10同士を連結する上下一対の連結部11,11とで閉塞した中空形状を形成している。上下一対の連結部11,11は、それぞれの中央部が本体部1の内方に突出した形状としている。 【0025】実施の形態1では、この連結部11,11の形状をU字形としているが、中央部を中心にした左右対称の形状であればよく、例えば山形であってもよい。 【0026】図2は、この発明の実施の形態1に係る非構造壁のスリット材を使用して構築した建物の要部横断面図である。 【0027】アーチ状部10,10から非構造壁3と構造骨組2の内方にそれぞれ突出して非構造壁3と構造骨組2に定着する一対の突条12,12を一体に設けている。この突条12,12は、先端をさらに内側に直角に折り曲げて折曲部12aを形成して、コンクリートとの結合力を高めるようにしている。 【0028】図1に示したように、突条12,12は、非構造壁3側と構造骨組2側とに突出するものがあり、このうち一方を長く形成して、向かい合う型枠15,15同士の間隔を決めるセパレータ13に係合させる取付手段を提供するようにしている。 【0029】実施の形態1では、取付手段としてセパレータ13が貫通できる孔18を突条12の中央部に設けている。孔18は、突条12の長手方向(スリット材9の長手方向と同じ方向)に沿って所定間隔毎に設けられており、施工条件に応じて現場で適当な位置の孔18に選択的にセパレータ13を貫通して使用できるようになっている。 【0030】孔18であれば、ドリルによる孔明け加工で足りるので安価に製作できるのでコスト面では都合がよい。しかし、予め型枠15にセパレータ13が組み付けられている場合には、セパレータ13を取り外すことが必要となってしまうので、この場合には、セパレータ13に引っ掛けられる切り欠き(図示せず)を突条12に形成した取付手段を採用するとよい。 【0031】突条12,12は、連結部11,11寄りのアーチ状部10,10の上下の端部近傍に設けており、実施の形態1では4本設けているが、上下のいずれか一対のみでもよいし、複数対設けてもよい。 【0032】本体部1には、突条12,12と略直交する方向で、非構造壁3と構造骨組2との接合面の隙間13に向かって、アーチ状部10,10の上下の端部近傍から突出する寸法調整脚部14を一体に設けている。 【0033】寸法調整脚部14は、非構造壁3を形成するための型枠15と本体部1との間に位置し、向かい合う型枠同士15,15の間隔、つまり非構造壁3の厚みを決定する要素となる部材である。 【0034】つまり、必要とされる壁厚が比較的薄い場合には、寸法調整脚部14の先端にコンクリート打設完了時の目地を形成するための目地棒16を取り付けて型枠15との間隔を決め、向かい合った型枠15,15同士の距離を所定の壁厚と等しくなるようにして組み立てる。 【0035】寸法調整脚部14は、所定間隔を置いて対峙する高さの等しい一対の突片14a,14aからなり、突片14a,14aの少なくとも一方の内面には突起14bが形成されており、この突起14bは後述するアタッチメント17を使用しない場合には、目地棒16の位置決めになる当て面として作用する。 【0036】突片14a,14aは僅かに外向きに拡開しており、台形である目地棒16の断面形状に合わせ、目地棒16が抜き差しが容易な形状としている。 【0037】本体部1の寸法調整脚部14には、目地棒16の他にアタッチメント17が取り付けられるようにしている。 【0038】アタッチメント17は各種のものが考えられるが、実施の形態1では寸法調整脚部14の内面にある突起14bを利用して取り付けるようにしている。 【0039】つまり、寸法調整脚部14の突片14a,14aの傾斜に合わせて、内側へ行くほど狭くなるように向かい合う一対の嵌合腕17b,17bが、その長手方向の略中央部で両者を繋ぐ連結片17cによって一体に形成されている。 【0040】実施の形態1では、図2に示したように、連結片17cを水平な直線状に形成して目地棒16の位置決めになる位置決め片を兼ねるようにしている。 【0041】嵌合腕17bの先端には、寸法調整脚部14の内面にある突起14bと嵌合する凹部17aを外向きに形成している。 【0042】向かい合う一対の嵌合腕17b,17bの傾斜角は、寸法調整脚部14の一対の突片14a,14aの傾斜角より僅かに大きく設定することで、素材の合成樹脂又は軽金属の弾性により寸法調整脚部14にアタッチメント17を取り付けた際に、アタッチメント17がしっかりと固定されるようにしている。 【0043】次に、この発明の実施の形態1の作用について説明する。 【0044】スリット材9を非構造壁3と構造骨組2との接合部に形成した隙間13に取り付けるには、壁や柱を構成するコンクリートを打設するための型枠15を所定の寸法になるように位置決めをし、向かい合う型枠15,15同士の間にスリット材9の本体部1をセットする。 【0045】ここで、必要とされる壁厚が薄い場合には、スリット材9の本体部1の全高(本体部1の上下から突出する寸法調整脚部14の一方の端から他方の端までの寸法)に、上下の寸法調整脚部14から突出する目地棒16の突出寸法を加えた寸法が、必要とされる壁厚に等しくなるようにして型枠15を組み立ててからコンクリートを打設する。 【0046】このとき、本体部1の上下両端部の寸法調整脚部14の少なくとも一方には、向かい合う型枠同士15,15の間隔が必要とする壁厚と等しくなるように、予め高さを調整した目地棒16を挿入しておく。 【0047】これに対し、必要とされる壁厚が厚い場合には、図1に示したように、予め工場でスリット材9の上下の寸法調整脚部14,14に、それぞれ必要な寸法のアタッチメント17を取り付けておき、かつ上下のアタッチメント17,17の嵌合腕17b,17bの連結片17cの外側に所定高さの目地棒16を挿入しておく。 【0048】また、要求される壁厚が中程度の場合には、スリット材9の上下の寸法調整脚部14の一方にのみ必要な寸法のアタッチメント17を取り付けておき、一方の寸法調整脚部14と取り付けられたアタッチメント17とに所定高さの目地棒16をそれぞれ挿入しておく。 【0049】以上のような種々の組み合わせにより、出願人による試作の結果、スリット材9の全高が140mm、本体部1の上下の片側にアタッチメント17を取り付けた際のアタッチメント17の突出寸法(寸法調整脚部14外端からアタッチメント17の嵌合腕17bの外端までの寸法)を40mmとした場合で、150mmから240mmの壁厚の変化に対応できるスリット材を完成することができた。なお、このときの目地棒16の高さは、最小15mm、最大40mmであった。 【0050】そこで、この発明の実施の形態1に係る非構造壁のスリット材を型枠に組み付けてコンクリートを打設した場合には、コンクリート打設時の衝撃は、本体部1の断面楕円形のアーチ状部10,10が抵抗することとなる。 【0051】コンクリートを打設してコンクリートが硬化したら、図2に示すように型枠15と目地棒16を外す。 【0052】実施の形態1としては、本体部1、突条12及びアタッチメント17でスリット材9が構成されているが、建物の耐火性を確保したい場合は、アタッチメント17と寸法調整脚部14とで形成される空間部19又はアタッチメント17の嵌合腕17b,17bの外側にロックウールなどによる難燃材7を挿着すればよい。 【0053】さらに、必要に応じて、建物の外側で止水性と遮音性を確保したい場合は、建物の外側に位置するアタッチメント17の嵌合腕17b,17bの外側ににシール材(図示せず)を充填すればよい。 【0054】以上のようにして隙間13に挿着したスリット材9は、本体部1のアーチ状部10から突出する突条12及びその先端の折曲部12aによりコンクリートへの定着性が高まる。 【0055】そして、地震発生時の横方向の引張力に対しては、スリット材9の断面楕円形の本体部1が横方向に伸長して変形することで、地震の衝撃を吸収する。 また、これとは反対に地震発生時の横方向の圧縮力に対しては、本体部1が圧縮して変形することで、このスリット材9が地震の衝撃を吸収する。 【0056】これにより、スリット材9の存在により、非構造壁3の変形が構造骨組2へ伝達されることはない。 【0057】[発明の実施の形態2]図3は、この発明の実施の形態2に係る非構造壁のスリット材を使用して構築した建物の要部横断面図である。 【0058】実施の形態2にあっては、アタッチメント17の嵌合腕17bの本体部1側は寸法調整脚部14の外側に嵌合するようにしており、寸法調整脚部14の内面にある突起14bと係合させる構成を有していない。したがって、アタッチメント17の嵌合腕17bは、寸法調整脚部14の突片14aの外側にのみ位置ようになっている。 【0059】アタッチメント17の中央部には左右の嵌合腕17b,17bを連結する外側にU字形状の突部を向けた連結片17cが設けられており、この連結片17cの外側の嵌合腕17bの内面には位置決め片17aが設けられている。 【0060】その他の構成は、実施の形態1と同様であるため、同一の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。 【0061】以下、この発明の実施の形態2の作用について説明する。 【0062】図4は、この発明の実施の形態2に係る非構造壁のスリット材に横方向の圧縮力が作用して変形した状態を示す要部横断面図である。 【0063】スリット材9の本体部1のアーチ状部10,10が地震時の横方向の圧縮力により多少偏平形状となるが、実施の形態2にあっては、本体部1の内側に突出したU字形状の連結部11の中央部を中心としてU字形状の立ち上がり部の先端が近づくように大きく変形する。このとき、アタッチメント17の連結片17cも同様に、その中央部を中心としてU字形状の立ち上がり部の先端が近づくように大きく変形する。 【0064】仮に、連結部11の中央部を内側に山形に突出させた場合であれば、この中央部(山形の頂点部)を中心として山形の裾部が近づいて重なり合うように変形することとなる。 【0065】このように、連結部11の中央部を内側に突出させた場合であれば、左右のアーチ状部10,10が上下方向にずれることなく接近したり離れたりできるから、非構造壁3と構造骨組2との外表面がほぼ同一平面上にある状態を保ったまま地震発生時の横方向の引張力と圧縮力に抵抗できる。 【0066】したがって、スリット材9に予想もしない大きな変形が生じたとしても、非構造壁3が建物の外側又は内側にずれ落ちるおそれがなく、安全性がより高いものとなる。 【0067】また、実施の形態2にあっては、寸法調整脚部14は、向かい合った一対の突片14a,14aとし、アタッチメント17の嵌合腕17b,17bはその一対の突片14a,14aの外側にのみ位置するようにしているため、一対の突片14a,14aの内側には別個に介在する部材がないので、スリット材9に地震時の横方向の圧縮力が作用した場合に一対の突片14a,14aが重なり合った状態が最小寸法となる。 【0068】他方、日本建築センターの建築物の構造規定によれば、地震荷重に対する安全確認に係る構造計算において、大地震時の建築物の安全性を確認するための二次設計で要求される性能として、建物の各階の揺れの許容範囲(層間変位)として層間変位角が1/200以下となるようにするとの基準がある。 【0069】ここで、例えば階高を3mとすると、層間変位量は3000mm×1/200=15mmとなり、スリット材9が圧縮力により潰れた際の最小寸法が15mm以下になるように設定しなければならないことがわかる。 【0070】実施の形態2では、スリット材9に地震時の横方向の圧縮力が作用した場合には、最も変形し易い寸法調整脚部14が大きく変形して、寸法調整脚部14の一対の突片14a,14aが重なり合った寸法が最小寸法となるから、この最小寸法が許容される層間変位量以下になるようにすればよい。 【0071】つまり、実施の形態2では、実施の形態1とは異なり、寸法調整脚部14の一対の突片14a,14aの内側にはアタッチメント17の一対の嵌合腕17b,17bのような別個に介在する部材がないので、単に突片14aの厚みを許容層間変位量の1/2以下に設定するだけで設計基準を満足することになり、スリット材9の設計が容易となると共に、より小型のスリット材9を製作することができる。 【0072】その他の作用は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。 【0073】[発明の実施の形態3]図5は、この発明の実施の形態3に係る非構造壁のスリット材を使用して構築した建物の要部横断面図である。 【0074】実施の形態3では、実施の形態1と同様に、アタッチメント17は寸法調整脚部14の内面にある突起14bを利用して取り付けるようにしている。 【0075】実施の形態1と異なるのは、嵌合腕17bをその長手方向の略中央部で2つに分岐している点である。 【0076】内側に分岐した方の第1腕部材17eの先端には、寸法調整脚部14の内面にある突起14bと嵌合する凹部17aを外向きに形成している。 【0077】外側に分岐した方の第2腕部材17fの先端は、その内側がアーチ状部10の外面に接触し、その端面が突条12に突き当たるように形成されている。 【0078】向かい合う一対の嵌合腕17b,17bを繋ぐ連結片17cは、略中央部で嵌合腕17bを分岐させた関係で、実施の形態1と異なり、外側寄りの位置に設けられている。連結片17cは、水平な直線状に形成して目地棒16の位置決めになる位置決め片を兼ねるようにしている。 【0079】以下、この発明の実施の形態3の作用について説明する。 【0080】アタッチメント17をスリット材9の本体部1に取り付けた場合には、第1腕部材17dが寸法調整脚部14の内面にある突起14bにしっかりと嵌合され、第2腕部材17eの先端がアーチ状部10と突条12とで構成する隅部に収まる。 【0081】そのため、アタッチメント17の高さを大きなものとした場合であっても、アタッチメント17ががたつくことなくしっかりとスリット材9に固定される。 【0082】その他の作用は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。 【0083】 【発明の効果】以上説明してきたように、各請求項に記載された発明によれば、スリット材を適用する非構造壁の厚みが現場毎に変化しても、スリット材に予め所定高さに形成されたアタッチメントを付け替えるといった僅かな手間を加えることでその変化に対応できることとなる。 【0084】請求項2に記載の発明によれば、上記効果に加えて、寸法調整脚部、アタッチメント及びこれらに挿入する目地棒との組み合わせにより更に多くの壁厚に対応できるようになると共に、アタッチメントと寸法調整脚部で構成される空間にロックウール等の難燃材を装着することで建物の耐火性を確保することができる。 【0085】請求項3に記載の発明によれば、上記効果に加えて、嵌合腕に設けた位置決め片に目地棒の端面を当接するだけで目地棒の位置が決まるから、目的とする壁厚を形成できるように型枠を組み立てる作業が現場で簡単に行える。 【0086】請求項4に記載の発明によれば、上記効果に加えて、既存の位置決め突起にアタッチメントが係合してしっかりと本体部に固定されことになり、別個に特別な固定部材を用意する必要がないため、安価なスリット材を提供することができる。 【0087】請求項5に記載の発明によれば、上記効果に加えて、左右のアーチ状部が上下方向にずれることなく接近したり離れたりできるから、非構造壁と構造骨組との外表面がほぼ同一平面上にある状態を保ったまま地震発生時の横方向の引張力と圧縮力に抵抗できるので、スリット材に予想もしない大きな変形が生じたとしても、非構造壁が建物の外側又は内側にずれ落ちるおそれがなく、安全性がより高いものとなる。 【0088】請求項6に記載の発明によれば、上記効果に加えて、寸法調整脚部の一対の突片の内側には別個に介在する部材がないので、スリット材に地震時の横方向の圧縮力が作用した場合に寸法調整脚部の一対の突片が重なり合った状態が最小寸法となるから、この突片の厚みを設定するだけで許容層間変位量に合致したより小型のアタッチメントを製作することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001373 【氏名又は名称】鹿島建設株式会社 【識別番号】599169335 【氏名又は名称】ホリーエンジニアリング株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月9日(2000.3.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100104776 【弁理士】 【氏名又は名称】佐野 弘
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| 【公開番号】 |
特開2001−254448(P2001−254448A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月21日(2001.9.21) |
| 【出願番号】 |
特願2000−64551(P2000−64551) |
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