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【発明の名称】 建物の換気構造
【発明者】 【氏名】山上 満子

【要約】 【課題】本発明は、床部に防蟻シートを用いる防蟻構造において、防蟻シートが垂れ下がるような不具合が発生した場合にも、床下換気を十分達成することのできる建物の換気構造を提供することにある。

【解決手段】本発明にかかる建物の換気構造は、建物の床部を構成する床パネルに、床パネル下面全面を覆う防蟻シートを貼設した建物の換気構造であって、床パネルと、この床パネルが設置される基礎との間に、防蟻シートの垂れを防止する垂れ防止部材が介在配置したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 建物の床部を構成する床パネルに、床パネル下面全面を覆う防蟻シートを貼設した建物の換気構造であって、床パネルと、この床パネルが設置される基礎との間には、防蟻シートの垂れを防止する垂れ防止部材が介在配置されていることを特徴とする建物の換気構造。
【請求項2】 複数本の柱とこれら柱を連結する上梁および下梁とによって箱形に組み立てられた建物ユニットと、この建物ユニットの床部を構成する下梁の下面全面に亘って設けられた防蟻シートとを備え、前記下梁と、この下梁が設置される基礎との間には、防蟻シートの垂れを防止する垂れ防止部材が介在配置されていることを特徴とする建物の換気構造。
【請求項3】 建物の基礎と、この基礎上に設置される床部との隙間から基礎内部の換気をする建物の換気構造であって、建物の床部下面には、防蟻シートが貼設されるとともに、建物の床部と基礎との間には、防蟻シートの垂れを防止する垂れ防止部材が介在配置されていることを特徴とする建物の換気構造。
【請求項4】 請求項1、2又は3記載の建物の換気構造において、前記垂れ防止部材は、筒状に形成されたメッシュパイプであることを特徴とする建物の換気構造。
【請求項5】 請求項1、2又は3記載の建物の換気構造において、前記垂れ防止部材は、床部と基礎との間に差し込まれ防蟻シートを上方に跳ね上げる形態のメッシュシートであることを特徴とする建物の換気構造。
【請求項6】 請求項5記載の建物の換気構造において、床部と基礎との間に差し込まれ防蟻シートを上方に跳ね上げる形態のメッシュシートは、基礎の長さ方向に沿って間隔を開けて配置されていることを特徴とする建物の換気構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の基礎と、この基礎上に設置される床部との隙間から基礎内部の換気をする建物の換気構造に関わり、特に、建物の床部下面に、防蟻シートを貼設した建物の換気構造に関する。
【0002】
【背景の技術】白蟻等の害虫から住宅等の建物を守る方法の一つとして、従来から、基礎が設けられた土壌に、薬剤を散布する方法が知られているが、この方法は、土壌汚染や薬剤の蒸発による薬効の低下などの問題がある。
【0003】このため、近年では、床の下面全体に防蟻シートを貼設する方法が採用される場合があるが、この方法によると、土壌汚染の恐れはなく、また防蟻シートには薬剤を含浸させるとともに薬剤の蒸発を抑えるために樹脂を添加しているので、前記土壌への薬剤散布の場合に比して、薬効の低下を抑えることができる利点がある。
【0004】例えば、ユニット式建物を構成する建物ユニットの下面に防蟻シートを貼設する場合では、建物ユニットの下面側に、防蟻シートを当該下面を全体的に覆うようにして配設し、当該防蟻シートの長辺側の縁部を、長辺側の下梁の長手方向に延在する防腐合板に固定するとともに、当該防蟻シートの長辺側の縁部に耐水テープを貼り付けるとともに、当該耐水テープを下梁の下面に貼り付け、さらに防蟻シートの短辺側の縁部を、短辺側の下梁の下面に当接して、当該短辺側の縁部に耐水テープを貼り付けるとともに、当該耐水テープを下梁の外側面まで立ち上げて当該当該外側面に貼り付けることで行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のような防蟻シートで建物の防蟻構造を構成する場合、建物の床を構築した後、床部下面に取付けられた防蟻シートが垂れ下がることがあった。特に、床下の換気を基礎と、床部との隙間によって行う場合には、前記防蟻シートが垂れ下がると、隙間に被って、換気が十分に行われなくなるおそれがあり、そのような問題点を解決する手段が望まれていた。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、床部に防蟻シートを用いる防蟻構造において、防蟻シートが垂れ下がるような不具合が発生した場合にも、床下換気を十分達成することのできる建物の換気構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために本発明の請求項1にかかる建物の換気構造は、建物の床部を構成する床パネルに、床パネル下面全面を覆う防蟻シートを貼設した建物の換気構造であって、床パネルと、この床パネルが設置される基礎との間に、防蟻シートの垂れを防止する垂れ防止部材が介在配置したものである。
【0008】前記防蟻シートは、例えば、薬剤を含浸させるとともに当該薬剤の蒸発を極力抑えるために樹脂を添加したものである。
【0009】このような請求項1にかかる建物の換気構造においては、建物の床を基礎上に設けると、床部は基礎上に当接し、防蟻シートは床部下面に設けられた構造となるが、このような構造において防蟻シートが垂れ下がるようなことが発生しても、垂れ防止部材が介在配置されることによって、防蟻シートが床部と基礎の間の換気部を塞ぐようなことがなくなり、床下換気を十分確保することができる。
【0010】また請求項2にかかる建物の換気構造は、複数本の柱とこれら柱を連結する上梁および下梁とによって箱形に組み立てられた建物ユニットと、この建物ユニットの床部を構成する下梁の下面全面に亘って設けられた防蟻シートとを備え、前記下梁と、この下梁が設置される基礎との間に、防蟻シートの垂れを防止する垂れ防止部材が介在配置したものである。
【0011】建物自体を箱形に組み立てられた建物ユニットとした場合、防蟻シートは建物ユニットを工場生産する場合に、工場において艤装されるが、艤装から現場までの運搬時に防蟻シートが垂れ下がるようなことがあっても、建物ユニットを基礎上に設置すれば、建物ユニットの下梁と基礎との間には、防蟻シートの垂れを防止する垂れ防止部材が介在配置されるために、ユニット建物においても、基礎と床との間の換気部が防蟻シートによって塞がれることがまったく生じなくなる。
【0012】請求項3の建物の換気構造は、建物の基礎と、この基礎上に設置される床部との隙間から基礎内部の換気をする建物の換気構造であって、建物の床部下面に、防蟻シートを貼設し、建物の床部と基礎との間に、防蟻シートの垂れを防止する垂れ防止部材を介在配置したことを特徴とするものである。
【0013】請求項3にかかる建物の換気構造の場合、建物の基礎と、この基礎上に設置される床部との隙間から基礎内部の換気をする構造であるため、防蟻シートの垂れ防止部材によるメリットが一層向上できる利点がある。
【0014】また、前記建物の換気構造において、前記垂れ防止部材は、筒状に形成されたメッシュパイプにすることが望ましい。
【0015】さらに、前記垂れ防止部材としては、床部と基礎との間に差し込まれ防蟻シートを上方に跳ね上げる形態のメッシュシートであるようにしても良い。
【0016】そしてこの場合、床部と基礎との間に差し込まれ防蟻シートを上方に跳ね上げる形態のメッシュシートは、基礎の長さ方向に沿って間隔を開けて配置することが望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態例)図1および図2は、本発明の第1実施の形態例を示すもので、図1は本例の防蟻シート付き建物ユニットの概略構成を示す斜視図、図2は、要部を示す断面図である。
【0018】図1において、符号1は、建物ユニットを示す。この建物ユニット1は、四隅に立設された4本の柱2と、これら柱2の上端部間に架設された4本の上梁3と、前記柱2の下端部間に架設された4本の下梁4を有する骨組みを備えてほぼ箱形に形成されている。
【0019】前記長辺側の上梁3,3間には複数本の天井小梁6が所定間隔で平行に架設され、長辺側の下梁4,4間には複数本の根太7が所定間隔で平行に架設されている。なお、このような骨組みには、天井面材8、床面材9、図示しない内壁、外壁等が取付けられている。
【0020】前記建物ユニット1の下面側には、図2に示すように、この下面を覆うようにして防蟻シート10が配設されており、この防蟻シート10は、帯板11などによって、建物ユニット1の下梁4に取付けられている。
【0021】また、図2において符号20は基礎で、この基礎20の上に前記建物ユニット1が設置され、建物ユニット1の下梁4と基礎20の間の隙間Gを通して、床下の換気がされるようになっている。
【0022】そして、本実施の形態では、この隙間Gの中にあって、下梁4と基礎20の間に、防蟻シート10の垂れを防止する垂れ防止部材15が介在配置されている。この垂れ防止部材15は、実施の形態では、筒状のメッシュパイプが用いられ、防蟻シート10の垂れを防止するだけでなく、基礎と床との間の隙間Gの換気を防止部材15自身によって阻害されるようなことがないよう配慮されている。
【0023】また、図2において符号21は、建物ユニット1の外壁となる外壁部材であり、実施の形態では、軽量気泡コンクリートなどによって構成されるものである。また図2において符号22は換気用に設けたメッシュパイプで、外壁部材21と基礎20との間に設けられ、小動物などが床下に侵入することがないようになっている。
【0024】このように、本例の建物の換気構造は、防蟻シート10が垂れ下がるようなことがあっても、建物ユニット1の下梁4と基礎20との間には、防蟻シート10の垂れを防止する垂れ防止部材15が介在配置されるために、基礎20と床との間の換気部Gが防蟻シート15によって塞がれることがまったく生じなくなり、床下換気を十分確保することができるものである。
(第2実施形態例)図3は本発明の建物の換気構造の第2実施形態例を示すものである。この図に示す換気構造が前記図2に示した換気構造と異なる点は、前記垂れ防止部材15が図2では筒状のメッシュパイプを使っていたものであるのに対し、本例では、床部と基礎20との間に差し込まれ防蟻シート10の垂れを防止するものとして、防蟻シート10を上方に跳ね上げる形態のメッシュシートである点にあるので、この点について説明し、他の共通部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0025】メッシュシートは、15Aは、基礎20の長さ方向に沿って間隔を開けて配置されており、シートの真ん中で半分に折れ曲がり、折れ曲がった弾性力によって、防蟻シート10を上にはね上げるようになっている。
【0026】本例の換気構造においては、メッシュシートを基礎と床部との間に差し挟むだけで、防蟻シートの垂れ防止構造を達成することができ、建物ユニット1を据え付けた後も簡単に施工ができるなどの利点がある。
【0027】なお、上記実施の形態では、建物構造として建物ユニットによる構成を示したが、本案の要旨を損なうものでなければ、他の構造(例えばパネル構造、在来構造等)にも当然適用されるものであり、垂れ防止部材15の構成等は図示例に限定されるものでないことは勿論である。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、床部に防蟻シートを用いる防蟻構造において、防蟻シートが垂れ下がるような不具合が発生した場合にも、床下換気を十分達成することのできる建物の換気構造を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000114086
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
【出願日】 平成12年2月17日(2000.2.17)
【代理人】 【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
【公開番号】 特開2001−227081(P2001−227081A)
【公開日】 平成13年8月24日(2001.8.24)
【出願番号】 特願2000−40068(P2000−40068)