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【発明の名称】 ユニット式建物
【発明者】 【氏名】吉田 浩二

【氏名】山上 満子

【要約】 【課題】建築現場で界壁を容易に形成することが可能なユニット式建物の提供。

【解決手段】建物ユニット21の床梁14A と、布基礎20の立ち上がり部25とを係合させて、界壁30の一部である床下界壁35を形成する。建物ユニット21の載置前に、立ち上がり部25の上面に耐火目地材42を設置しておけば、床梁14A と立ち上がり部25との間に、隙間が形成されるようになっていても、布基礎20の上に建物ユニット21を載置した後には、床梁14A と立ち上がり部25との間の隙間が塞がれ、自動的に床下界壁35が形成され、建築現場での界壁形成作業が容易となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】箱状に形成された複数の建物ユニットが組み合わされて形成されるとともに、内部空間を仕切る界壁が設けられたユニット式建物であって、当該ユニット式建物は布基礎により支持され、前記布基礎には、前記界壁に沿って延びる立ち上がり部が設けられ、前記界壁は、その一階床下部分が前記立ち上がり部を含んで形成されていることを特徴とするユニット式建物。
【請求項2】請求項1に記載のユニット式建物において、前記建物ユニットのうち、一階部分に配置される建物ユニットの床部分には、平面視で前記界壁に沿って延びる梁が設けられ、前記布基礎の前記一階床下部分は、前記立ち上がり部および前記梁を含んで形成されていることを特徴とするユニット式建物。
【請求項3】請求項2に記載のユニット式建物において、前記立ち上がり部および前記梁の間には、耐火目地材が介装されていることを特徴とするユニット式建物。
【請求項4】箱状に形成された複数の建物ユニットが組み合わされて形成されるとともに、内部空間を仕切る界壁が設けられたユニット式建物であって、前記建物ユニットには、床材としてコンクリート板が設けられ、前記コンクリート板の表面には、床下地面材が張り付けられ、前記界壁を形成する壁面材は、前記床下地面材に固定されているることを特徴とするユニット式建物。
【請求項5】請求項4に記載のユニット式建物において、前記床下地面材の表面には、前記界壁を形成する前記壁面材の裏側の下端縁に沿って延びる下地材が取り付けられていることを特徴とするユニット式建物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、箱状に形成された複数の建物ユニットが組み合わされて形成されるとともに、内部空間を仕切る界壁が設けられたユニット式建物に関する。
【0002】
【背景技術】従来より、工場で製造された建物ユニットを、建築現場で複数組み合わせて形成されるユニット式建物が利用されている。建物ユニットは、図10に示されるように、四隅の柱12の上下端をそれぞれ天井梁13および床梁14で連結した直方体状の骨組み11を有している。この骨組み11の平面形状は、長さの異なる長辺および短辺を有する長方形状とされている。これにより、天井梁13として、長さの異なる長辺天井梁13A および短辺天井梁13Bが設けられ、同様に、床梁14として、長さの異なる長辺床梁14A および短辺床梁14B が設けられている。この骨組み11の長辺方向に沿った一対の長辺床梁14A の間には、床を形成する床面材17を支持するために、複数の根太18が架け渡されている。また、骨組み11の長辺方向に沿った一対の長辺天井梁13A の間には、天井を形成する天井面材15を支持するために、複数の天井小梁16が架け渡されている。
【0003】このような床面材、天井面材および壁面材、ならびに、その他必要な設備部材が予め工場で建物ユニットの骨組みに取り付けられる。このようなユニット式建物によれば、予め建物ユニットに床面材等が取り付けられているので、建築現場において、揚重機等により建物ユニットを所定位置に配置することにより、ユニット式建物が短期間で形成されるので、建築現場における工期を大幅に短縮することができるという利点がある。
【0004】前述のようなユニット式建物においても、内部に複数の住戸が設けられた集合住宅として利用する場合がある。このような場合、互いに隣接する一方の住戸から他方の住戸への延焼を防止するために、住戸の境界部分に耐火性能を有する界壁を設けている。ここで、界壁は、四角形状の枠体に耐火面材を取り付けた界壁パネルを向かい合わせで設置することで形成されるものが一般的である(特開平8−177125号公報等参照)。このような界壁パネルは、工場で建物ユニットへの取付作業を行うことを前提として設計されている。界壁パネルを建物ユニットの床に取り付けるにあたり、界壁パネルは、釘打ち等で根太に固定されるため、平面視で必ず根太と重なる位置に配置される。また、一階建物ユニットの底面に、下方へ突出する界壁パネルを設ければ、一階床下に界壁を設けることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のようなユニット式建物では、平面視で必ず根太と重なる位置に界壁パネルを設けなければならないので、納まりの都合上、建築現場で界壁パネルの位置が変更になったりすると、界壁パネルの取付作業が著しく煩雑となる。しかも、従来の界壁パネルは、工場で取付作業を行うことを前提としており、建築現場で取り付けると、建築現場での界壁形成作業が煩雑となる。また、一階建物ユニットの底面から下方へ突出する界壁パネルにより、一階床下界壁を形成したのでは、一階床下の地面が平面でなく、界壁パネルの下端縁と地面との間に隙間が形成され、この隙間を塞ぐ煩雑な作業を行う必要があり、建築現場での形成作業が煩雑となる。以上のことから、建築現場でも容易に形成でき、位置の変更があっても、床への取付作業が容易となる界壁が要望されている。
【0006】本発明の目的は、建築現場で界壁を容易に形成することが可能なユニット式建物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、図面をも参照して説明すると、箱状に形成された複数の建物ユニット21,22が組み合わされて形成されるとともに、内部空間を仕切る界壁30が設けられたユニット式建物1であって、当該ユニット式建物1は布基礎20により支持され、前記布基礎20には、前記界壁30に沿って延びる立ち上がり部25が設けられ、前記界壁30は、その一階床下部分35が前記立ち上がり部25を含んで形成されていることを特徴とする。このような本第1発明では、布基礎20の一部として形成される立ち上がり部25の上端縁は、布基礎20を形成する際に、水平面にすることが可能なので、一階建物ユニット21の底面に、立ち上がり部25と係合する界壁部材(床梁14A 等)を設けておけば、一階建物ユニット21を布基礎20の上に載置することで、界壁30が形成されるうえ、界壁部材(床梁14A 等)と立ち上がり部25との間に大きな隙間が形成されることがなく、一階建物ユニット21を布基礎20の上に載置する前に、モルタル等の充填材を立ち上がり部の上面に塗布しておけば、界壁部材(床梁14A等)と立ち上がり部25との間の隙間が塞がれる。従って、一階建物ユニット21を布基礎20の上に載置すれば、自動的に一階床下界壁35が形成され、建築現場での界壁形成作業が容易となる。
【0008】以上において、前記建物ユニット21, 22のうち、一階部分に配置される建物ユニット21の床部分には、平面視で前記界壁30に沿って延びる梁14A が設けられ、前記布基礎20の前記一階床下部分35は、前記立ち上がり部25および前記梁14A を含んで形成されていることが好ましい。ここで、箱状に形成される建物ユニット21, 22の梁13, 14は、鋼材で形成され、布基礎20の立ち上がり部25は、鉄筋コンクリートで形成されるのが一般的であり、これらの梁13, 14および立ち上がり部25は、不燃性である場合が多いことから、前述のように、建物ユニット21の梁14A と布基礎20の立ち上がり部25とを含んで界壁30を形成すれば、建物ユニット21および布基礎20の構造を大きく変更する必要がなく、この点からも、一階床下界壁35の形成が容易となる。
【0009】また、前記立ち上がり部25および前記梁14A の間には、耐火目地材42が介装されていることが望ましい。このような耐火目地材42を採用すれば、一階建物ユニット21を布基礎20の上に載置する前に、立ち上がり部25の上面に耐火目地材42を設置することにより、一階建物ユニット21の載置後には、界壁部材(床梁14A 等)と立ち上がり部25との間の隙間が塞がれるようになるので、モルタル等の湿式充填材を採用するよりも、一層迅速に一階床下界壁35の形成が完了するようになる。
【0010】本発明の第2発明は、箱状に形成された複数の建物ユニット21, 22が組み合わされて形成されるとともに、内部空間を仕切る界壁30が設けられたユニット式建物1であって、前記建物ユニット22には、床材としてコンクリート板19が設けられ、前記コンクリート板19の表面には、床下地面材17が張り付けられ、前記界壁30を形成する壁面材32A は、前記床下地面材17に固定されているることを特徴とする。このような本第2発明では、コンクリート板19の表面に張り付けられた床下地面材17の厚さを適宜設定すれば、線状に延びる根太18と異なり、床下地面材17は、面状に広がるので、建物ユニット22の任意の平面位置に壁面材32A が固定可能となる。しかも、床下地面材17は、コンクリート板19に張り付けられて支持されるので、建物ユニット22の平面位置によらず、界壁32の設置により床が撓む等の不具合が生じることがない。これにより、界壁32の設置位置の自由度が増大するうえ、建築現場で界壁32の設置位置が変更になっても、界壁32の形成作業が煩雑とならない。
【0011】以上において、前記床下地面材17の表面には、前記界壁32を形成する前記壁面材32A の裏側の下端縁に沿って延びる下地材17A が取り付けられていることが好ましい。このような下地材17A を設ければ、壁面材32A を床に固定するにあたり、下地材17A が壁面材32A の下端縁と係合して、壁面材32A の厚さ方向の位置ズレを防止するので、壁面材32A の表面に対して斜め釘を打ち込むことで、壁面材32Aを床に固定するようにしても、その固定作業が容易に行える。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部材と同じ部材には、同一の符号を付し、その説明を省略若しくは簡略にする。図1には、本実施形態に係るユニット式建物1が示されている。このユニット式建物1は、箱状に形成された複数の建物ユニット21,22を組み合わせたものである。ユニット式建物1の布基礎20の上には、下階建物ユニットである一階建物ユニット21が複数設置されている。これらの一階建物ユニット21の上には、上階建物ユニットである二階建物ユニット22が複数設置されている。一階建物ユニット21は、図10に示した骨組み11と同様の骨組みを有するものである一方、二階建物ユニット22は、骨組み11における根太18の代わりに、後述するコンクリート板19を設けたものである。
【0013】ユニット式建物1は、内部空間を仕切る界壁30および界床40を備え、これらの界壁30および界床40に仕切られることにより、一階に二つの住戸1A, 1Bが形成され、二階に二つの住戸2A, 2Bが形成された集合住宅となっている。界壁30は、二階建物ユニット22に設けられた天井面材15の裏側から屋根23を形成する野地板24までの屋根裏に設けられる屋根裏界壁31と、建物ユニット22の居室内に設けられる居室界壁32と、二階建物ユニット22と一階建物ユニット21との間に設けられる天井裏界壁33と、建物ユニット21の居室内に設けられる居室界壁34と、一階の床下空間を仕切る床下界壁35とを含んで構成されている。このうち、界壁31〜34の各々は、当該界壁31〜34の大きさに応じた壁面材31A〜34Aを含んで形成されている。
【0014】屋根裏界壁31は、図2に示されるように、二階建物ユニット22の天井部分に設けられた小梁間下地材16A と、野地板24に固定された屋根側下地材24A との間に壁面材31A を架け渡して取り付けたものである。ここで、小梁間下地材16A は、二階建物ユニット22に設けられた複数の天井小梁16の側面間に架け渡されて固定されたものである。また、屋根裏界壁31には、天井小梁16の側面間の寸法に応じた幅寸法を有する複数の壁面材31A が設けられている。各壁面材31A の高さ寸法は、天井小梁16の下面から野地板24の下面までの寸法となっている。また、壁面材31A の裏面、および、二階建物ユニット22の天井面材15は、柔軟性を有する軟質耐火材であるロックウール40で覆われている。
【0015】居室界壁32は、建物ユニット22の天井側に設けた第1下地材15A および床側に設けた第2下地材17A の間に壁面材32A を架け渡して取り付けたものである。第1下地材15A は、天井面材15の上面に設けられた小梁間下地材16A に沿って延びた部材であり、天井面材15を間に介装した状態で小梁間下地材16A に固定されている。第2下地材17A は、壁面材32A の裏側の下端縁に沿って延びる下地材であり、かつ、天井側の第1下地材15A に沿って延びるとともに、当該第1下地材15A と同一平面位置に配置されて床面材17に固定されている。床面材17は、パーチクルボード等から形成された床下地面材であり、建物ユニット22の床部分に設けられたコンクリート板19に張り付けらている。コンクリート板19は、軽量気泡コンクリート製のものである。
【0016】ここで、コンクリート板19は、建物ユニット22の骨組みに設けられた一対の長辺床梁14A の間に架け渡されたものであり、長辺床梁14A に設けられた複数のブラケット14C を介して当該長辺床梁14A に支持されている。このコンクリート板19を採用して形成された二階の床は、耐火性能に優れた界床5となっている。また、壁面材32A の裏面は、断熱性能、遮音性能および耐火性能に優れ、かつ、柔軟性に富んだ軟質耐火材であるロックウール40で覆われている。さらに、壁面材32A の上端縁は、裏面側が凹んだ段付部32B となっており、この段付部32B には、天井面材15と壁面材32A との間の隙間を塞ぐ耐火材41が充填されている。
【0017】天井裏界壁33は、 一階階建物ユニット21の天井部分に設けられた小梁間下地材16A と、二階建物ユニット22の床を形成するコンクリート板19に設けられた床側下地材18A との間に壁面材33A を架け渡して取り付けたものである。ここで、小梁間下地材16A は、二階建物ユニット22に設けられたものと同じものである。床側下地材18A は、コンクリート板19に取り付けられた断面四角形の棒状部材であり、長辺床梁14A に設けられた複数のブラケット14C と干渉しないように、ブラケット14C の設置間隔よりも短寸に形成され、ブラケット14C の間に複数配置されている。また、壁面材31A の間に配置された床梁14A および天井梁13A は、断面コ字形の溝形鋼から形成されている。床梁14A および天井梁13A の開口内には、柔軟性を有する軟質耐火材であるロックウール40が充填されている。
【0018】居室界壁34は、二階の居室界壁32と同様の構造を有するものである。すなわち、居室界壁34は、建物ユニット21の天井側に設けた第1下地材15A および床側に設けた第2下地材17A の間に壁面材34A を架け渡して取り付けたものである。なお、床面材17は、前述したように、骨組み11の一対の長辺床梁14A の間に架け渡された複数の根太18に支持されたものである。また、壁面材34A の裏面は、断熱性能、遮音性能および耐火性能に優れ、かつ、柔軟性に富んだ軟質耐火材であるロックウール40で覆われ、床面材17の下面は、断熱性能および遮音性能に優れ、かつ、柔軟性に富んだグラスウール43で覆われている。さらに、壁面材32A の上端縁は、裏面側が凹んだ段付部32B となっており、この段付部32B には、天井面材15と壁面材32A との間の隙間を塞ぐ耐火材41が充填されている。
【0019】床下界壁35は、布基礎20の立ち上がり部25と、長辺床梁14A とを相互に接続したものである。すなわち、布基礎20には、図3に示されるように、建物ユニット21,22の長辺に沿った一対の長辺周縁部26と、建物ユニット21,22の短辺に沿った一対の短辺周縁部27とが立ち上がり部として設けられている。一対の長辺周縁部26および短辺周縁部27は、ユニット式建物1の外周縁にそれぞれ対向配置されている。また、布基礎20には、一対の長辺周縁部26の中間部分を連結する短辺中間部28と、短辺周縁部27の中間部分を連結する長辺中間部25とが立ち上がり部として設けられている。これらのうち、短辺周縁部27および短辺中間部28がユニット式建物1の重力荷重を重荷受けるようになっている。ここで、荷重負担という観点からすると、長辺中間部25は、重力荷重を受ける機能は不要となっており、通常の布基礎には設ける必要がないものである。また、長辺中間部25は、上端が平面となった鉄筋コンクリート製のものであり、その上に形成されている界壁31〜34に沿って延びている。建物ユニット21の長辺床梁14A は、平面視で界壁31〜34に沿って延びる梁であり、図2の如く、断面コ字形の溝型鋼からなり、互いの開口を反対側に向けて配置されている。立ち上がり部25と長辺床梁14A との間には、耐火目地材42が介装され、隣接する長辺床梁14A の間には、ロックウール40が充填されている。
【0020】ここにおいて、ユニット式建物1の界壁30は、上述のような界壁31〜35により、地面から屋根3まで連続して形成され、隣接する住戸1A,1B間および住戸2A,2B間の延焼を相互に防止する耐火性能が確保されるようになっている。まお、壁面材31A 〜34A および天井面材15は、いずれも二枚重ねの石膏ボードからなるものである。また、耐火材41としては、吉野石膏株式会社製の商品名「ジプタイト」が採用でき、耐火目地材42としては、ニチアス株式会社製の商品名「リトフレックス」が採用できる。
【0021】前述のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。すなわち、布基礎の立ち上がり部として、界壁31〜34に沿って延びる長辺中間部25を設け、建物ユニット21の界壁31〜34に沿って延びる長辺床梁14A と、長辺中間部25とで、界壁30の一階床下部分である床下界壁35を形成したので、一階建物ユニット21を布基礎20の上に載置することで、床下界壁35が自動的に形成されるようになり、建築現場での界壁30の形成作業を容易に行うことができる。
【0022】また、立ち上がり部である長辺中間部25と長辺床梁14A との間に耐火目地材42を介装し、一階建物ユニット21を布基礎20の上に載置する前に、長辺中間部25の上面に耐火目地材42を設置することにより、長辺中間部25と長辺床梁14A との間に隙間があっても、一階建物ユニット21の載置後には、当該隙間が耐火目地材42で塞がれるようにしたので、床下界壁35の耐火性能を何ら損なうことなく。床下界壁35を迅速に形成できる。
【0023】さらに、二階建物ユニット22に床材としてコンクリート板19を設け、このコンクリート板19の表面には、床下地面材としての床面材17を張り付け、居室界壁32を形成する壁面材32A を、床面材17に固定したので、面状に広がる床面材17の任意の位置に壁面材32A が固定可能となり、建築現場で居室界壁32の設置位置が変更になっても、居室界壁32の形成作業を容易に行うことができる。しかも、床面材17は、コンクリート板19に張り付けられて支持されるので、居室界壁32を建物ユニット22のどの平面位置に設けても、居室界壁32の重量により床面材17が撓むなどの不具合が生じることがない。
【0024】また、居室界壁32を形成する壁面材32A の裏側の下端縁に沿って延びる第2下地材17A を床面材17の表面に取り付けたので、壁面材32A を床に固定するにあたり、第2下地材17A が壁面材32A の下端縁と係合して、壁面材32A の厚さ方向の位置ズレを防止するので、壁面材32A の表面に対して斜めに釘を打ち込むことで、壁面材32A を床に固定しても、その固定作業を容易に行うことができる。
【0025】本発明は、前述の一実施形態に限定されるものではなく、次に示すような変形などをも含むものである。例えば、界壁としては、建物ユニットの境界部分に沿って設けられるものに限らず、図4および図5に示されるように、建物ユニット21,22の内部を二つに仕切る界壁50でもよい。すなわち、界壁50は、図4および図5の如く、建物ユニット21,22の長辺方向に延びるとともに、中央に配置された建物ユニット21A,22Aの内部空間を二つに仕切るものとなっている。布基礎20A は、ユニット式建物1の外周に沿った立ち上がり部である長辺周縁部26A および短辺周縁部27A 、ならびに、短辺周縁部27A の中間部分を連結する立ち上がり部である長辺中間部25A を有している。建物ユニット21A の床部分には、平面視で界壁50に沿って図示しない中間床梁が設けられている。この中間床梁と長辺中間部25A とが相互に接続されることにより、一階床下に形成される界壁50の床下界壁55が形成されている。
【0026】また、界壁としては、建物ユニットの長辺方向に延びるものに限らず、図6および図7に示されるように、建物ユニット21,22の短辺方向に延びる界壁60でもよい。すなわち、界壁60は、図6および図7の如く、建物ユニット21,22の長辺方向に延びるとともに、図中左側に配置された建物ユニット21B,22Bの内部空間を二つに仕切るものとなっている。布基礎20B は、ユニット式建物1の外周に沿った立ち上がり部である長辺周縁部26B および短辺周縁部27B 、長辺周縁部26B の中間部分を連結する立ち上がり部である短辺中間部25B ,28B を有している。建物ユニット21B の床部分には、平面視で界壁60に沿って中間床梁61が設けられている。この中間床梁61と長辺中間部25A とが相互に接続されることにより、一階床下に形成される界壁60の床下界壁65が形成されている。
【0027】さらに、界壁としては、平面視で直線上に延びるものに限らず、図8および図9に示されるように、中間部分が折れ曲がった界壁70でもよい。すなわち、界壁70は、図8および図9の如く、中央に配置された建物ユニット21A,22Aの内部空間を二つに仕切るものとなっており、建物ユニット21,22の長辺方向に延びる長辺延出部70A と、短辺方向に延びる長辺延出部70B とを備えている。これにより、界壁70の平面形状は、クランク状となっている。布基礎20C は、ユニット式建物1の外周に沿った立ち上がり部である長辺周縁部26C および短辺周縁部27C 、ならびに、短辺周縁部27C の中間部分を連結する立ち上がり部である長辺中間部25C を有している。このうち、長辺中間部25C は、界壁70に沿ったクランク状の平面形を有している。建物ユニット21C の床部分には、平面視で界壁70に沿ってクランク状に形成された、図示しない中間床梁が設けられている。この中間床梁と長辺中間部25C とが相互に接続されることにより、一階床下に形成される界壁70の床下界壁75が形成されている。
【0028】また、一階に配置され建物ユニットとしては、床下地面材が根太に支持されるものに限らず、床部分にコンクリート板が設けられた、前記実施形態における建物ユニット22と同様の構造を備えたものでもよい。
【0029】
【発明の効果】以上に述べたように、請求項1に記載の発明によれば、布基礎を形成する際に、布基礎の一部として形成される立ち上がり部の上端縁は、水平面にすることが可能なので、一階建物ユニットの底面に、立ち上がり部と係合する界壁部材を設けておけば、一階建物ユニットを布基礎の上に載置することで、界壁部材と立ち上がり部との間に大きな隙間を形成させずに、界壁を自動的に形成することができる。そして、一階建物ユニットを布基礎の上に載置する前に、モルタル等の充填材を立ち上がり部の上面に塗布しておけば、界壁部材と立ち上がり部との間の隙間は塞がれる。従って、一階建物ユニットを布基礎の上に載置すれば、自動的に一階床下界壁が形成され、建築現場での界壁形成作業を容易に行うことができる。
【0030】また、請求項2に記載の発明によれば、箱状に形成される建物ユニットの梁は、鋼材で形成され、布基礎の立ち上がり部は、鉄筋コンクリートで形成されるのが一般的であり、これらの梁および立ち上がり部は、不燃性である場合が多いことから、建物ユニットの梁と布基礎の立ち上がり部とを含んで界壁を形成すれば、建物ユニットおよび布基礎の構造を大きく変更する必要がなく、この点からも、一階床下界壁を容易に形成できる。
【0031】さらに、請求項3に記載の発明によれば、一階建物ユニットを布基礎の上に載置する前に、立ち上がり部の上面に耐火目地材を設置することにより、一階建物ユニットの載置後には、界壁部材と立ち上がり部との間の隙間が塞がれるようになるので、一階床下界壁の耐火性能を損なうことなく、一階床下界壁を迅速に形成することができる。
【0032】また、請求項4に記載の発明によれば、床下地面材は、線状に延びる根太と異なり、面状に広がるので、コンクリート板の表面に張り付けられた床下地面材の厚さを適宜設定することにより、建物ユニットの任意の平面位置に壁面材が固定可能となるうえ、床下地面材は、コンクリート板に張り付けられて支持されるので、建物ユニットの平面位置によらず、界壁の設置により床が撓むなどの不具合が生じることがなく、これにより、界壁の設置位置の自由度が増大するうえ、建築現場で界壁の設置位置が変更になっても、界壁の形成作業を容易に行うことができる。
【0033】さらに、請求項5に記載の発明によれば、壁面材を床に固定するにあたり、下地材が壁面材の下端縁と係合して、壁面材の厚さ方向の位置ズレを防止するので、壁面材の表面に対して斜め釘を打ち込むことで、壁面材を床に固定するようにしても、その固定作業を容易に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000114086
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
【出願日】 平成12年2月3日(2000.2.3)
【代理人】 【識別番号】100079083
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 實三 (外2名)
【公開番号】 特開2001−214522(P2001−214522A)
【公開日】 平成13年8月10日(2001.8.10)
【出願番号】 特願2000−26259(P2000−26259)