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【発明の名称】 バルコニー用床構造体
【発明者】 【氏名】清水 貞秀

【要約】 【課題】住宅のベランダやバルコニー等のバルコニー用床構造体として施工が簡単で雨水の内部への進入を防止できるとともに、歩行時の音鳴りを防止できるバルコニー用床構造体を提供することを目的とする。

【解決手段】谷部と山部とを交互に折曲形成するとともに山部の両肩に膨出部が形成された折板状部材を、バルコニー床用架台に取り付けられた折板受け部材にシール部材を間に挟むようにして支持固定して床下地部を形成し、該床下地部の上に床化粧材を敷設する床構造体であって、前記折板受け部材は折板状部材の谷部と山部の裏面側とバルコニー床用架台との間の開口隙間を塞ぐ形状の係止部が設けられ、該係止部にシール部材を押圧するようにして前記折板状部材の膨出部が嵌め込まれていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】谷部と山部とを交互に折曲形成するとともに山部の両肩に膨出部が形成された折板状部材を、バルコニー床用架台に取り付けられた折板受け部材にシール部材を間に挟むようにして支持固定して床下地部を形成し、該床下地部の上に床化粧材を敷設する床構造体であって、前記折板受け部材は折板状部材の谷部と山部の裏面側とバルコニー床用架台との間の開口隙間を塞ぐ形状の係止部が設けられ、該係止部にシール部材を押圧するようにして前記折板状部材の膨出部が嵌め込まれていることを特徴とするバルコニー用床構造体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅のベランダやバルコニー等の床構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、住宅のバルコニーやベランダの等の床構造体としては、例えば、特開平2─282556号公報に記載されているように、山部と谷部が交互に形成された波形の折板状部材を屋根材として、タイトフレーム(支持部材)を介して屋根梁の上側に取付け固定されており、更に、屋根材上に平板状の補強材が配列され、その上に床材を載せているものが知られている。この場合、折板状部材の左右両側には、円弧状の膨出部が被嵌合部として形成されており、折板状部材はこの膨出部の内側にタイトフレームの上端部を嵌合させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平2─282556号公報に記載されているバルコニー用床構造では、屋根梁上にタイトフレームで支持された折板状部材は、折板状部材と屋根梁との間に隙間が形成されているので、折板状部材の先端部において谷部を流れて折板状部材の先端から流下する雨水が強く吹き上げられた場合には、折板状部材と屋根梁との間の隙間から内部に進入する恐れあった。
【0004】特に、折板状部材でバルコニー用床の水平な下地面を形成するので、折板状部材の先端部が庇として突設される場合、折板状部材の谷部の先端から流下する雨水が谷部裏側に沿ってバルコニー床下の内側にまで進入する恐れがあった。また、折板状部材の膨出部とタイトフレームの製作精度にバラツキが有る場合折板状部材の膨出部の内側にタイトフレームの上端部が遊びがある状態で嵌め込まるので、歩行時に音鳴りが生じるという恐れもあった。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みて、住宅のベランダやバルコニー等のバルコニー用床構造体として施工が簡単で雨水の内部への進入を防止できるとともに、歩行時の音鳴りを防止できるバルコニー用床構造体を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係わるバルコニー用床構造体(以下、「請求項1のバルコニー用床構造体」と記す)は、谷部と山部とを交互に折曲形成するとともに山部の両肩に膨出部が形成された折板状部材を、バルコニー床用架台に取り付けられた折板受け部材にシール部材を間に挟むようにして支持固定して床下地部を形成し、該床下地部の上に床化粧材を敷設する床構造体であって、前記折板受け部材は折板状部材の谷部と山部の裏面側とバルコニー床用架台との間の開口隙間を塞ぐ形状の係止部が設けられ、該係止部にシール部材を押圧するようにして前記折板状部材の膨出部が嵌め込まれていることを特徴とするものである。
【0007】上記請求項1のバルコニー用床構造体において、折板状部材は特に限定されないが金属鋼板等の平板からなる不燃材料をロールフォーミングあるいはベンダー加工により、谷部と山部とを一定ピッチで連続的に繰り返して波形に成形したものであってもよく、また繊維強化樹脂から谷部と山部を有する波形状に形成されたものであってもよい。そして山部の頂部には左右両側に突出した膨出部が折板受け部材の係止部の被嵌合部として形成されている。
【0008】折板状部材の材料としては特に限定されないが、カラー亜鉛鉄板、塩ビ樹脂被覆鋼板、ポリオレフイン樹脂被覆鋼板、ステンレス鋼板、亜鉛メッキ鋼板、溶融アルミニウム鋼板、フッ素樹脂塗装鋼板、難燃化ポリエチレン発泡層が積層された金属板、塗装ステンレス鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、溶融亜鉛アルミニウム合金メッキ鋼板、複合メッキ塗装鋼板、アクリルフイルム積層鋼板等の不燃もしくは不燃に準ずる性能を有している剛性の高い金属鋼板を挙げることができる。これらの金属鋼板の厚さは材質にもよるが、厚さ0.4〜1.5mmのものが適当である。
【0009】請求項1のバルコニー用床構造体において用いられるシール部材としては特に限定されないが、合成ゴム、天然ゴム、合成樹脂をシート状に押し出し成形してテープ状もしくは紐状に加工したものが用いられ、例えば、クロロプレンゴム系、天然ゴム系、ブチルゴム系、シリコ−ンゴム系のゴム状弾性を有するテープ状もしくは紐状体に成形されたもので、特にブチルゴムとエチレン・プロピレン・ターポリマゴム(EPDMとも称する)の共加硫物からなるゴム状弾性を有する発泡体が好ましい。このゴム系のシール部材の他、軟質ウレタン発泡体やオレフイン樹脂系発泡体も用いられる。これらゴム状弾性を有するシール部材を一定の空間に圧縮状態で充填した場合には、そのシール部材料は空間に挟んで隣接する部材の表面に密着し、水密性、気密性のシールを与えるものである。
【0010】また、折板状部材を支持してバルコニー用架台に取付け固定する折板受け部材としては、折板状部材の谷部と山部の裏面側とバルコニー床用架台との間の開口隙間を塞ぐ形状の係止部が設けられ、該係止部は谷部が嵌まり込むように一定ピッチの繰り返して連続して山谷の波形状を形成するようになっている。
【0011】請求項1のバルコニー用床構造体において用いられる床化粧材としては特に限定されないが、例えば、ユニット式の床化粧材や長尺状床板が挙げられる。ユニット式床化粧材としては、枠状の樹脂マットをベース材として木レンガを嵌め込んだりものや、縦桟と横桟から形成される透水性樹脂マットに磁器タイルを接着したものや、樹脂タイルを樹脂マットと一体に成形したものであって、樹脂マットの裏面下方に複数個の脚部および雌・雄連結部を突設し樹脂マット同士が連結できるようになっているものが好ましい。また、長尺状床板としては合成樹脂製のデッキ材、ALC板等の無機質板、木製床板等の長尺状の並設板状体が好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。図1〜図4は本発明に係わるバルコニー用床構造体の実施の形態をあらわしている。
【0013】図1に示すように、本発明のバルコニー用床構造体は、床下地上に複数枚のユニット式の床化粧材3が載置されたものである。図において、谷部21と山部22を有する折板状部材2は、バルコニー架台等の妻梁1上面にネジ5により固定される折板受け部材4に固定されることによって僅か妻梁1側に傾斜する床下地面が形成され、該床下地上に複数個のユニット床化粧材3・・・が互いに連結して敷設されている。6は弾性を有するシール部材で、折板状部材2の先端部裏側に貼付けられている。7は折板状部材2の谷部21に取付けられる固定金具7で、該固定金具7によりユニット床化粧材3が床下地面に固定されている。
【0014】図示の例では、折板状部材2は、幅方向に谷部21と山部22が一定ピッチの繰り返しで連続して波形状に形成されている。また図2〜図3に示すように、折板状部材2の谷部21の断面形状は山部22の頂部22aの左右両側に突出した膨出部23、23が設けられ、谷部21の開口上部を幅狭にしている。そして、折板状部材2の先端部付近には、谷部21と山部22の裏面側に沿ってテープ状のシール部材6が設けられている。
【0015】ユニット床化粧材3は、図2に示すように樹脂マット31に磁器タイル32を接着固定して縦横300mm、厚さ28mmの大きさに形成されている。また樹脂マット31には磁器タイル32・・・で形成された目地38の部分に複数の排水孔が設けられている。
【0016】折板受け部材4はバルコニー架台の妻梁1に取付けられる長尺状の基板41と、基板41から上方に折曲して形成される係止部42とからなる。該係止部42は、図3に示すように山部22の左右両側に突出した膨出部23、23の内側に嵌合して係止する突起部43、43が設けられており、折板状部材2の山部22を下側から嵌合支持し、谷部21が嵌まり込むように一定ピッチの繰り返して連続して山谷の波形状に切り欠きされている。その切り欠き形状は折板状部材2の谷部21と山部22の裏側を密着支持するように同じ波形状に形成されてもよいが、図3に示すように折板状部材2の谷部21が折板受け部材4の係止部42間に嵌まり易くするために折板状部材2と折板受け部材4との間には0.5〜3.0mmの波形状の間隙sを設けてもよい。
【0017】シール部材6は、材質がEPDM系のスポンジゴムからなる厚さ1.0〜10mmで幅10〜30mmのテープ状体の片面に両面粘着テープが設けられたもので、折板状部材2の谷部21と山部22の裏面側に沿って貼付けられている。
【0018】本発明のバルコニー用床構造体において折板状部材2をバルコニー架台に取付けて床下地面を形成するには、先ず、折板受け部材4をバルコニー架台の妻梁1上にビス5を用いて固定する。このようにして取付けられた折板受け部材4に対して折板状部材2の先端部が上にくるようように配置し、折板状部材2の山部22を上から押すようにして折板受け部材4の係止部42を膨出部23、23に嵌合するとともに、折板受け部材4の谷部21が係止部42、42間に嵌まり込むことになり、バルコニー架台の妻梁1と折板状部材2との間の開口隙間が塞がれる。このとき、折板状部材2の裏側に貼付けされているゴム状弾性を有するシート材6は、折板受け部材4の上縁側とで押圧して圧縮された状態となる。このようにして折板状部材2をバルコニー架台の妻梁1上に取り付けることにより床下地面が形成され、最後に、折板状部材2上に複数個のユニット床化粧材3・・・を配列することによりバルコニー用床構造が完成する。
【0019】使用中において樹脂マット31の目地およびユニット床化粧材3同士の連結の隙間から水が流下して、折板状部材の谷部を流れて折板状部材の先端から流下する雨水が強く吹き上げられても、折板受け部材とシール部材により折板状部材と屋根梁との間の隙間が完全に塞がれることになるので先端から流下する雨水が谷部裏側に沿ってバルコニー床下の内側にまで進入することはない。また、折板状部材2の膨出部23の内側に折板受け部材4の係止部42との間に遊びがあってもシール部材6を介して、係止部42に膨出部23がはめこまれることになるので、歩行時に音鳴りが防止される。
【0020】以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な形態はこの実施の形態に限られものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、例えば、実施の形態では、シール部材6を折板状部材2の裏側に両面テープで貼付けるようにしたが、ガスケット状のシール部材を用いて折板受け部材4の上端縁に沿って取付けてるようにしてもよい。
【0021】
【発明の効果】本発明のバルコニー用床構造体においては、谷部と山部とを交互に折曲形成するとともに山部の両肩に膨出部が形成された折板状部材を、バルコニー床用架台に取り付けられた折板受け部材にシール部材を間に挟むようにして支持固定して床下地部を形成し、該床下地部の上に床化粧材を敷設する床構造体であって、前記折板受け部材は折板状部材の谷部と山部の裏面側とバルコニー床用架台との間の開口隙間を塞ぐ形状の係止部が設けられ、該係止部にシール部材を押圧するようにして前記折板状部材の膨出部が嵌め込まれる構成としたので、雨水が谷部裏側に沿ってバルコニー床下の内側にまで進入するのを防止できるとともに、歩行時の音鳴りを防止でき、バルコニー床下にいても不快感を覚えない。
【出願人】 【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
【出願日】 平成12年2月3日(2000.2.3)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−214509(P2001−214509A)
【公開日】 平成13年8月10日(2001.8.10)
【出願番号】 特願2000−26654(P2000−26654)