トップ :: E 固定構造物 :: E04 建築物




【発明の名称】 防音壁の防振支持構造
【発明者】 【氏名】林 秀行

【氏名】宮川 昭夫

【要約】 【課題】内部に騒音及び振動の発生源を収容する構築物8において、その構築物8から外部への騒音を防止する防音壁1の防振支持構造を、簡単な構造で、後付工事をも可能とし、且つ、防音壁1自身の二次的な騒音放射を防止して、外部に対する騒音の放散を抑制できるようにする。

【解決手段】構築物8に固定されたブラケット9に、防音壁1を形成する遮音パネル2の相対振動を許容し、且つ、その相対振動を減衰する弾性支持機構3を設け、弾性支持機構3を、弾性材4を介して遮音パネル2を2軸支持するように構成してある。遮音パネル2を支持する2軸を含む平面を、上下方向で遮音パネル2に直交する方向に配置し、遮音パネル2を支持する2軸を鉛直軸に対して対称に配置し、その2軸を含む平面を、上下方向で遮音パネル2に直交する方向に配置してあればさらによい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部に騒音及び振動の発生源を収容する構築物において、その構築物から外部への騒音を防止する防音壁の防振支持構造であって、前記構築物に固定されたブラケットに、前記防音壁を形成する遮音パネルの相対振動を許容し、且つ、その相対振動を減衰する弾性支持機構を設け、前記弾性支持機構を、弾性材を介して前記遮音パネルを2軸支持するように構成してある防音壁の防振支持構造。
【請求項2】 前記遮音パネルを支持する2軸を含む平面を、上下方向で前記遮音パネルに直交する方向に配置してある請求項1記載の防音壁の防振支持構造。
【請求項3】 前記遮音パネルを支持する2軸を、鉛直軸に対して対称に配置してある請求項1又は2に記載の防音壁の防振支持構造。
【請求項4】 前記遮音パネルを、前記弾性支持機構上に支持してある請求項1〜3の何れか1項に記載の防音壁の防振支持構造。
【請求項5】 前記遮音パネルを、その下端側で前記弾性支持機構に支持してある請求項4記載の防音壁の防振支持構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防音壁の防振支持構造に関し、詳しくは、内部に騒音及び振動の発生源を収容する構築物において、その構築物から外部への騒音を防止する防音壁の防振支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】上記従来の防音壁の防振支持構造においては、例えば図11に示すように、防音壁1は、その内面に取り付けられた取付金物10を前記構築物8の張出部8aに防振ゴムからなる防振材12を介して締結部材11を用いて止め付けてあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の防振支持構造は、工場等の構築物8の内部から若しくは外部からの騒音を遮蔽することを主たる目的としたもので、防音壁1と構築物8との間に相対振動が生じた場合に、これに対して前記構築物8と前記防音壁1との間の取付部材を破損から保護することを主たる目的とした支持構造であった。つまり、音源からの音波伝達を遮断することに主眼をおいており、図11に示したように、縦方向に、前記防音壁1を前記構築物8に1軸弾性支持するものである。前記工場等の構築物8の内部には、通常複数の騒音及び振動の発生源を収容しており、その騒音及び振動の発生源は、例えばルーツブロア、エアコンプレッサ等である。図示の構築物8は、既存の工場であり、前記騒音及び振動の発生源たるルーツブロア、エアコンプレッサ等は、床面に据え付けられていて、これら機器の基盤部と前記床面との間には防振ゴム等の防振材が介装されているだけである。
【0004】従って、前記騒音及び振動の発生源と前記構築物8の躯体との間の振動伝達を防止する対策としては不十分で、その振動発生源から前記躯体への振動の伝達はほとんど抑制されず、前記構築物8と前記防音壁1との間の弾性支持により、前記躯体から前記防音壁1に伝達される振動は幾分減衰するにしても、前記躯体の前記防音壁1の面に垂直な方向の振動が前記防音壁1に伝達され、前記構築物8の外部に対して前記騒音及び振動の発生源からの音波は遮断できても、前記防音壁1自体が前記振動発生源からの振動の伝達を受けて振動し、これが二次的な騒音源となるのである。
【0005】従って、上述のような内部に騒音及び振動の発生源を収容した構築物8においては、上記従来の防音壁の防振支持構造は十分な騒音防止対策となっていない場合があるというのが現状である。つまり、従来の防音壁の防振支持構造は、防音壁自身が騒音の二次的な発生源となることを考慮したものではないのが一般的である。
【0006】そこで、本発明の目的は、防音壁の取付構造を簡単にして、後付工事をも可能とし、且つ、防音壁自身からの二次的な騒音放射を防止して、外部に対する騒音を確実に抑制できる防音壁の防振支持構造を提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】〔本発明の特徴構成〕本発明に係る防音壁の防振支持構造の第1特徴構成は、請求項1に記載のごとく、構築物に固定されたブラケットに、防音壁を形成する遮音パネルの相対振動を許容し、且つ、その相対振動を減衰する弾性支持機構を設け、前記弾性支持機構を、弾性材を介して前記遮音パネルを2軸支持するように構成してある点にある。
【0008】本発明に係る防音壁の防振支持構造の第2特徴構成は、請求項2に記載のごとく、上記第1特徴構成において遮音パネルを支持する2軸を含む平面を、上下方向で前記遮音パネルに直交する方向に配置してある点にある。
【0009】本発明に係る防音壁の防振支持構造の第3特徴構成は、請求項3に記載のごとく、上記第1特徴構成又は第2特徴構成において遮音パネルを支持する2軸を、鉛直軸に対して対称に配置してある点にある。
【0010】本発明に係る防音壁の防振支持構造の第4特徴構成は、請求項4に記載のごとく、上記第1〜第3特徴構成において、遮音パネルを弾性支持機構上に支持してある点にある。
【0011】本発明に係る防音壁の防振支持構造の第5特徴構成は、請求項5に記載のごとく、上記第4特徴構成において、遮音パネルを、その下端側で弾性支持機構に支持してある点にある。
【0012】〔特徴構成の作用及び効果〕上記本発明に係る防音壁の防振支持構造の第1特徴構成によれば、簡単に防音壁を構造物に取り付けることができながら、前記構造物内部からの騒音を遮断し、且つ、前記構造物の振動を騒音として外部に放散ことを確実に防止できる。
【0013】つまり、上記第1特徴構成においては、遮音パネルにより、前記構造物内部からの騒音を遮断できる上に、弾性支持機構が、遮音パネルに対する2軸支持機構を内蔵しているから、取り付け構造が簡単であり、遮音パネルの後付工事も容易である。しかも、弾性材を介して2軸支持する前記弾性支持機構は、異方性が小さく、且つ、大きな振動減衰能を示し、前記構築物の振動が前記遮音パネルに伝達されることを防止することが可能になる。
【0014】従って、前記遮音パネルが振動することで、遮音パネル自身から騒音を放射することも抑制できる。殊に2軸弾性支持によれば、少なくとも前記2軸を含む面内の相対変位に対しては、支持状態の復元特性が大きく、従来必要としていた横方向の位置ずれを阻止する保持機構を必要としないから、構造物と防音壁との間の振動伝達の節点は、この2軸弾性支持による弾性支持機構のみに留めることができて、この弾性支持機構により伝達される振動を減衰するから、極めて効果的に防音壁を機能させることができるのである。
【0015】上記本発明に係る防音壁の防振支持構造の第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成の作用効果を一層高めることができる。つまり、前記弾性支持機構は、振動減衰の異方性が小さい中でも、支持軸である2軸を含む面内の振動に対しての振動吸収能が殊に高く、前記2軸を含む面を遮音パネルに直交するように配置してあるから、前記遮音パネルが、その外面の法線方向に振動することを確実に抑制でき、前記遮音パネルから騒音を放散することを確実に防止できるのである。
【0016】上記本発明に係る防音壁の防振支持構造の第3特徴構成によれば、上記第1特徴構成又は第2特徴構成の作用効果を一層確実にする。つまり、遮音パネルを支持する2軸を鉛直軸に対して対称に配置してあるから、その振動特性の異方性を殊に小さくでき、さらに振動吸収能が高くなるのである。また、防音壁を支持する支持荷重が前記弾性支持機構の弾性材に対して均等に作用することから、弾性支持材の防振性能を高めることができ、前記弾性支持機構を小型化することもできるのである。
【0017】上記本発明に係る防音壁の防振支持構造の第4特徴構成によれば、上記第1〜第3特徴構成の作用効果を奏する中で、防音壁の支持構造を簡単にできる。つまり、弾性支持機構を下受け支持機構にできて、前記弾性支持機構における弾性材自身で防音壁を支持するから、前記弾性支持機構の形成する振動系を、単純な直列の減衰振動系として簡素化でき、従って構造的にも安定し、防音壁の後付施工も容易になる。
【0018】上記本発明に係る防音壁の防振支持構造の第5特徴構成によれば、上記第4特徴構成の作用効果を奏する中で、殊に、遮音パネル自身が振動することによる騒音放射を防止する効果を高めることができる。つまり、上端側で保持するだけで遮音パネルを支持できるから、構造体からの振動伝達節点を少なくできる。しかも、下側に配置される遮音パネルを、上側に隣接配置される遮音パネルで保持できるから、前記遮音パネルを上下に連設することが容易となり、簡単に防音壁を形成することが可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る防音壁の防振支持構造の実施形態の一例ついて図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係る防振支持構造によって防音壁を取り付けた構築物の一例を示す工場外壁部の側断面図であり、図2はその弾性支持機構の一例を示す建物要部の側断面図であり、図3は防音壁の取付部における建物要部の正面図であり、図4は弾性支持機構の一例を示す側面図であり、図5は防音壁の弾性支持構造を示す要部側面図であり、図6は弾性支持構造を示す分解斜視図であり、図7は弾性支持機構の作用モデルを示す作用説明図である。尚、上記従来の技術に用いた図11における要素と同一の要素乃至同様の機能を果たす要素については、先の図11に付した符号と同一の、或いは関連する符号を付し、詳細の説明の一部を省略する。
【0020】既存の工場建物に既設の外壁の外側に、防音壁を付設した例を用いて、以下に図1を参照しながら、本発明に係る防音壁の防振支持構造につき説明する。構築物8は内部に騒音及び振動の発生源を収容するものである。図示の工場として用いられている構築物8は、鉄骨造りの既存のものであり、外壁部はスレート壁28で形成されている。前記騒音及び振動の発生源たるルーツブロア、エアコンプレッサ等の機器は、前記構築物8の3階に防振ゴムを防振材12として介装して床面に据え付けられいる。従って、前記3階の床には前記機器の振動が伝達されて、前記構築物8の躯体自身が振動する。このために、前記スレート壁28の外側に新たに防音壁1を施工したのである。
【0021】前記防音壁1は、前記構築物8に固定されたブラケット9に本発明に係る弾性支持機構3を設け、その弾性支持機構3で支持した遮音パネル2を連設して形成する。前記弾性支持機構3としては、例えば、図2に示すように、下方の基体部6と上方に配置された支持部5との間に防振ゴムからなる一対の弾性材4を介装したものが用いられる。図示の例においては、前記弾性支持機構3を、前記遮音パネル2の幅方向に一対を並べて、取付ボルト7で前記ブラケット9上に固定して、前記遮音パネル2を、夫々の弾性支持機構3に取付ボルト7で固定してある。
【0022】前記弾性支持機構3は、図3に示すように、左右対称に形成してあり、前記弾性材4は、前記基体部6に形成された一対の弾性材保持斜面6a上に取り付けられ、前記支持部5に形成された一対の弾性支持斜面5aとの間に狭持されて、前記基体部6と、前記弾性材4と、前記支持部5とは一体に形成されている(図4参照)。前記弾性材保持斜面6aは、前記弾性支持機構3の対称軸に向けて傾斜させた斜面で形成され、前記弾性支持斜面5aは、前記対称軸から離れる方向に向けて傾斜させた斜面で形成され、前記弾性材保持斜面6aと前記弾性支持斜面5aとの間に前記弾性材4を狭持固定した状態で、前記弾性材保持斜面6aと前記弾性支持斜面5aとは平行面に形成されている(図3参照)。
【0023】前記基体部6の、前記弾性材保持斜面6aの反対側は前記対称軸を法線とする平坦な取付面6bに形成してあり、前記支持部5の、前記弾性支持斜面5aの反対側も同様に前記対称軸を法線とする平坦な支持面5bに形成されている。図示の例においては、前記弾性材保持斜面6aの面間角度は100°に、前記弾性支持斜面5aの面間角度は260°に、夫々形成してある。このように構成してあるから、この弾性支持機構3においては、前記対称軸方向の荷重を前記支持面5bに受けた場合には、対称の状態において最も安定しており、横方向にずれた場合には、前記対称の状態に戻ろうとする復元特性を有している。従って、前記基体部6をブラケットに取り付け、前記支持部5で前記遮音パネル2を支持すれば、前記遮音パネル2は極めて安定して支持できる。
【0024】上記例示した弾性支持機構3の力学的モデルは、図7(イ)に示すように、対称軸と方向を共にする荷重作用軸Zに対して、方向を異にして前記荷重作用軸Zに対して傾斜した弾性支持軸Zeを2軸の力の作用軸Z1とする一対の減衰振動系X,Xで表現できる。詳細の説明は省略するが、上記一対の減衰振動系X,Xは、同図(ロ)に示すような等価モデルに置き換えて表現できる。つまり、前記一対の減衰振動系X,Xの代わりに、前記荷重作用軸Zを鉛直方向の力の作用軸Z2とする鉛直方向の減衰振動系Y1と、前記荷重作用軸Zに直交する水平方向の力の作用軸Z3を有する水平方向の減衰振動系Y2との合成振動系として表現することができる。
【0025】ここで、前記一対の弾性支持軸Ze,Ze(同図(イ)参照)の間の角度の設定条件によって、前記鉛直方向の減衰振動系Y1のバネ常数は比較的大きく、且つ、その変位に対する粘性抵抗は比較的小低くし、前記水平方向の減衰振動系Y2のバネ常数は比較的小さく、且つ、その変位に対する粘性抵抗を比較的高くすることができる。従って、防音壁1は、十分な支持力で支持しながら、側方から弾性支持することなく、その面の法線方向に伝達される振動を効果的に減衰できるのである。この振動減衰能は、前記一対の弾性支持軸Ze,Zeを共に含む面を前記防音壁1の面に直交するようにすれば、最も効果的に高めることができるのである。
【0026】尚、図1に示した工場の例においては、図4に示すように、前記ブラケット9の上面に前記弾性支持機構3の構成部材である基体部6の取付面6bに植設してある取付ボルト7を用いて取り付け、前記遮音パネル2を取り付けるための胴ぶち15に取り付けた支持部材13を、同じく前記弾性支持機構3の構成部材である支持部5の支持面5bに植設してある取付ボルト7を用いて前記支持部5に固定してある。そして、安全確保のために、前図5に示すように、記弾性支持機構3の内側で、前記ブラケット9の上面に立設したC型鋼からなる倒れ防止部材17に、締結部材11を用いて、防振ゴムからなる緩衝板材18を介装して前記支持部材13を弾性支持してある。尚、前記締結部材11の前記支持部材13側には、前記緩衝板材18のボルト挿通孔に内嵌自在なブッシュ部を備えた防振ゴムからなる緩衝スペーサ19を前記支持部材13との間にワッシャと共に介装してある。
【0027】前記支持部材13は、図6に示すように、H形鋼の両端部に鋼板を溶接して、他端部を前記倒れ防止部材17に取り付けてある(図は胴ぶち15側から見た斜視図である。)。前記支持部材13は、H形鋼からなるフレーム14に溶接して取り付け、前記フレーム14に前記遮音パネル2を取り付けるための胴ぶち15を取り付ける。前記胴ぶち15には、角鋼管を用いる。前記遮音パネル2は、前記胴ぶち15にピン16を打ち込んで止め付けられる。そして、前記遮音パネル2の隣接する端部同士は、互いに係合させて連結してある(図2参照)。
【0028】〔別実施形態〕上記実施の形態に示した形態と異なる実施の形態の一部の例について以下に説明する。
【0029】〈1〉上記実施の形態においては、工場建物に既設の外壁の外側に、防音壁を付設した例について説明したが、本発明は、工場建物のみに適用されるものではなく、内部に騒音及び振動の発生源を有する構築物であればどのような構造物であっても有効に機能するもので、構築物の種類を限定するものではない。また、内部に有する騒音及び振動の発生源は固定されたものに限らず、可動のもの、移動するもの、短期的に構築物内に搬入され、或いは、走行進入するものをも包含するものである。従って、前記構築物及び前記騒音及び振動の発生源には、例えば、立体駐車場や倉庫のように、車両が進入して、その車両が騒音及び振動の発生源となる構築物も含まれ、前記車両は前記騒音及び振動の発生源に含まれる。つまり、車両は、場内を走行するに際して床面に振動を生じさせ、その車両自体から騒音を発生するからである。また、倉庫であれば、保管材の揚重等に際して揚重機等が騒音及び振動を発生し、揚重される保管材が倉庫の床に振動をもたらすのである。
【0030】〈2〉上記実施の形態においては、構築物8として、鉄骨造りの既存のものであり、外壁部はスレート壁28で形成されている工場を例に挙げて説明したが、例えば防音壁を既に設置してある場合においても、上記〈1〉に例示した立体駐車場の場合に、車両のエンジン騒音はその防音壁で遮断されていても、場内の車両の走行に伴って、躯体に振動が生じ、この振動に伴って前記既設の防音壁が振動して、その防音壁自身が二次的な騒音発生源となっている場合もあり、こうした構築物に対しても本発明は効果的である。例えば、前記既設の防音壁の支持構造のみを、本発明に係る弾性支持構造に置き換えるだけで、十分に二次騒音発生を防止できるのである。
【0031】〈3〉上記実施の形態においては、弾性支持機構3の弾性支持軸Zeを2軸のみで構成した例について説明したが、さらに別の弾性支持軸を追加してもよい。例えば、弾性支持斜面5aを角錐の面で構成し、夫々の面に対応する弾性材保持斜面6aを設けることもできる。前記角錐としては、三角錐(弾性支持軸は3軸となる)、四角錐(弾性支持軸は4軸となる)等任意に選択可能である。
【0032】〈4〉上記実施の形態においては、弾性支持機構3の例として、基体部6の弾性材保持斜面6aと支持部5の弾性支持斜面5aとの間に弾性材4を介装して、一体に形成したものを図示して説明したが、前記弾性支持機構3は、必ずしも一体に構成されたものである必要はなく、また、前記弾性材4が弦巻バネ、板バネ等であってもよい。従って、前記基体部6に前記弾性材保持斜面6aを備えていなくてもよく、また、前記支持部5に前記弾性支持斜面5aを備えていなくてもよい。
【0033】〈5〉上記〈4〉に例示したバネ等を用いる場合においては、その弾性支持方向に、前記基体部6と前記支持部5との間で、それらの相対変位に対して粘性的な抵抗をもたらす緩衝部材20を介装してあればさらによい。前記緩衝部材20としては、例えば図8に示すような、オリフィス24を内蔵する流体抵抗を利用する緩衝機構21を設けてあってもよい。図示のものは、前記基体部6に取り付けられる外筒部22と、前記支持部5に取り付けられ、前記外筒部22に対して前記弾性支持軸Ze方向に摺動自在に気密に内嵌される内筒部23とからなり、前記内筒部23の前記外筒部22に内挿される先端部には小口を設けてオリフィス24を形成し、前記先端部が浸る深さに前記外筒部22内に緩衝流体25を満たした流体抵抗型の緩衝機構21である。
【0034】〈6〉上記実施の形態においては、弾性支持機構3を構成するのに、支持部5を基体部6の上方に位置させて、弾性支持軸Zeが、下方ほど離間するようにして弾性材4を前記基体部6と前記支持部5との間に狭持させた例について説明したが、前記基体部6の下方に前記支持部5を位置させて、前記支持部5を弾性的に前記基体部6から吊り下げるように前記弾性支持機構3を構成してあってもよい。例えば、図9に示すように、基体部6の上面に弾性材保持斜面6aを形成すると共に、その弾性材保持斜面6aに弾性材4を張り付け、その弾性材保持斜面6aにほぼ直交する貫通穴26を、前記弾性材4と前記基体部6とに形成して、前記基体部6に貫通した貫通穴26に挿通した吊下支持桿27を内嵌可能な貫通穴26を支持部5に形成し、前記支持部5を前記基体部6に弾性支持するようにしてあってもよい。
【0035】〈7〉図9に示した例においては、2軸で構成される一対の弾性支持軸Ze,Zeを、前記基体部6側から前記支持部5側にかけて次第に離間するように配置したが、このような吊下支持の場合には、例えば図10に示すように、前記一対の弾性支持軸Ze,Zeは、前記基体部6側で離間し、前記支持部5側で近接するように配置してある方が、復元性に優れたものとなる。
【0036】〈8〉上記実施の形態においては、支持部5の弾性支持斜面5aと基体部6の弾性材保持斜面6aとを平行面に形成した例について説明したが、弾性材4として防振ゴムを用いる場合に好ましい態様を示したものであって、前記弾性支持斜面5aと前記弾性材保持斜面6aとは平行に形成していなくてもよい。また、前記防振ゴムを弾性材4とした場合においても、弾性支持軸Zeの方向に荷重が作用した場合に、前記防振ゴムに対して前記弾性材保持斜面6a或いは前記弾性支持斜面5aの面に沿っての滑り力が作用するほどに面間角度が大きくならなければ差し支えない。
【出願人】 【識別番号】000244084
【氏名又は名称】明星工業株式会社
【識別番号】593204199
【氏名又は名称】有限会社幸昭
【出願日】 平成11年8月24日(1999.8.24)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2001−59287(P2001−59287A)
【公開日】 平成13年3月6日(2001.3.6)
【出願番号】 特願平11−236781