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【発明の名称】 排水桝を用いた屋内の床下配管とその施工方法
【発明者】 【氏名】松村 秀幸

【要約】 【課題】建物の屋内の床下配管において、安価で容易に施工が行えるような床下配管と、その施工方法を提供する。

【解決手段】屋内の生活空間の床下に配される排水配管において、排水配管を、排水桝(1)と、排水桝(1)の排出口(5)に連結される排水主管(7)と、排水桝(1)の排水口(6)と排水機器(D)を連結する排水枝管(8)と、から構成する。また、上記排水枝管(8)を可撓管から構成する。また、上記可撓管を、軟質樹脂から成る内面を滑らかとした内管(8a)と、硬質樹脂から成る保護管(8b)と、から構成する。また、排水桝(1)に、吸気弁(9)を備えて構成する。また、上記排水桝を用いた屋内の床下配管の施工方法として、上記排水枝管(8)を、予め工場等で適宜な長さに切断加工し、これを排水桝(1)の排水口(5)に接続し、その後施工現場に搬入し配管施工する方法を採用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 屋内の生活空間の床下に配される排水配管において、内部を点検する点検口(4)、排水を排出する排出口(5)、排水が流入する排水口(6)、を設けた桝本体(2)と、該桝本体(2)の点検口(4)を密閉する桝蓋(3)と、から構成される排水桝(1)と、排水桝(1)の排出口(5)に連結され、排水を屋外側に排出するための排水主管(7)と、該排水桝(1)の排水口(6)と排水機器(D)を連結する排水枝管(8)と、から構成したことを特徴とする、排水桝を用いた屋内の床下配管。
【請求項2】 上記排水枝管(8)を、可撓管から構成したことを特徴とする、上記請求項1に記載の排水桝を用いた屋内の床下配管。
【請求項3】 上記排水枝管(8)に用いる可撓管を、軟質樹脂から成る内面を滑らかとした内管(8a)と、硬質樹脂から成る、断面を任意の形状とした板状片を内管の周囲にスパイラル状に巻装すると共に、内管に接触する部分を内管に融着した保護管(8b)と、から構成したことを特徴とする請求項2に記載の排水桝を用いた屋内の床下配管。
【請求項4】 上記排水桝を用いた屋内の床下配管において、排水桝(1)に、外気を吸引し、且つ排水桝内の空気を排出しない吸気弁(9)を備えて構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の排水桝を用いた屋内の床下配管。
【請求項5】 上記請求項2乃至請求項4のいずれか一つに記載の、排水桝を用いた屋内の床下配管の施工方法であって、上記排水枝管(8)を、予め工場等で適宜な長さに切断加工し、これを排水桝(1)の排水口(6)に接続し、その後施工現場に搬入し配管施工することを特徴とする、排水桝を用いた屋内の床下配管の施工方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は集合住宅などの建物の、屋内等に配される流し、洗面台、浴槽、洗濯機等の排水機器の排水を、屋外に排出するために、屋内の床下に施工される床下配管とその施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、一戸建て住宅やマンション等の集合住宅等では、流し、洗面台、浴槽、洗濯機等の利用によって排水が発生する各種の機器(以下「排水機器」と呼ぶ)が設置・利用されている。これら排水機器からの排水を、屋外に排出して処理するために、家屋等の生活空間の床面(以下、単に「床面」という)と、スラブ面と呼ばれるコンクリート面との間の床下空間に、パイプ管等の配管部材と、それらを支える支持部材からなる床下配管が施工されてきた。
【0003】以下に従来行われてきた床下配管とその施工方法を、図面を参照しつつ説明する。
【0004】図13及び図14に示した従来例は、硬質塩ビ材からなるパイプ管、チーズ管、ソケット管またエルボ管等の各種配管部材と、耐火処理を施した耐火管と、その他の部材として、排水枝管を任意の位置と高さに固定する支持部材(図示せず)と、から構成されて成る。
【0005】上記のような部材から構成される床下配管は、たとえば以下のようなマンション等の集合住宅の床下空間に施工される。配管される床下空間は、底面としてスラブ面と呼ばれるコンクリート面と、上下階を貫くようにして、屋外側(たとえば下水道など)に排水を行う為の縦排水管とが配置されている。更に、給排水管の配管や、家庭用電源の配線作業等が終了した後に、スラブ面の上方に床面が配置され、更に床面上に、排水を床下空間側に排出するための、床下配管との接続を行う導出部を備えた流し、洗面台、浴槽、洗濯機等の排水機器が設置されると共に、床面に該排水機器と床下空間の排水配管とを接続するための開口が設けられる。但し、ユニットバスのように、部分的に配管の施工よりも先に床面が配置される場合もある。また、この従来例においては、縦排水管から一定の距離を、火災時において、上下方向に延焼が拡がるのを防ぐための防火区画として設定し、この防火区画内においては配置される配管部材等に耐火処理を施すことを義務づけている。
【0006】以下に従来例の床下配管の施工方法の一例を、図面を参照しつつ説明する。図13及び図14に示したような従来例の床下配管を施工する場合、まず床下配管の施工予定図を参考に、スラブ面上に墨出しを行う。この墨出し等に合わせて、縦排水管に耐火管を、防火区画を越える位置まで延出させて接続し、該耐火管に比較的大径のパイプ管(以後「排水主管」と呼ぶ)を接続し、更に該排水主管の端部に適宜チーズ管、ソケット管を接続する。次に、スラブ面上の墨出しに合わせ、該チーズ管、ソケット管から、排水機器の導出部までの施工を行う(このチーズ管、ソケット管から、排水機器の導出部までの配管部分を以後「排水枝管」と呼ぶ)。該排水枝管は、支持部材を用いて、適切な位置に、排水の為の勾配が得られるように高さを調節し、また配管中の曲がり箇所についてはエルボ管等を用いて適宜方向に曲がりを発生させつつパイプ管を固定し、排水枝管の端部が、床面の開口の直下位置となるように施工を行う。但し、ユニットバス等、床下配管の施工前に床面が配置されている箇所については、この段階で排水機器の導出部と排水枝管との接続を行う。更に、給排水管の施工と家庭用電源の配線等が終了してから、排水機器と床下配管とを接続するための開口を設けた床面を配置し、更に床面上に導出部を備えた各種排水機器を設置する。その後、排水機器の導出部を、床面の開口を介して排水枝管の端部に接続し、床下配管の施工が完了する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記したような従来の床下配管とその施工方法には、次に挙げるような問題があった。1.排水機器からの排水には厨芥類等のゴミが含まれる場合がほとんどである。このゴミを含んだ排水を、緩やかな勾配をつけた配管で自然排水するため、配管内でゴミが止まって堆積してしまうことがあり、給水管に比べて排水管は管詰まりが発生しやすい。ところが、上記したような床下配管では、管詰まりの位置を確認したり、また管詰まりの原因物を取り除くといった作業が困難である。2.排水主管から各排水機器に排水管を延出するために、通常排水主管には、図15にあるような状態に複数個のチーズ管とソケット管を接続する。ところが、このような状態で排水を行うと、排水が流れる際に、配管内の空気、特に排水があった排水枝管の下流側のチーズ管に接続されている排水枝管内の空気が、集中的に強く引き込まれて負圧が発生する。通常各排水機器には、排水流路中に排水を溜めて(以後、この排水流路中に溜めた排水を「封水」と呼ぶ)、臭気等が下水から屋内に進入することを防止する、排水トラップと呼ばれる排水装置が備えられている場合が多いが、この排水トラップの封水が、上記した排水時に生じる負圧によって引き込まれ、防臭機能を果たすのに必要な水量が失われて、破封と呼ばれる状態になり、防臭機能を喪失する場合がある。3.パイプ管やエルボ部材を用いての施工作業には、排水を行うための勾配を考慮した上で、床下配管の詳細な位置決め、パイプ管を正確な長さで切断する、また管と管との継目部分から漏水しないように加工する、といった高度な作業が要求される。このため、施工作業の作業者にはある程度の技術が要求され、また技術の習得者であっても、作業の繁雑さから作業に相当の時間が必要となる。結果、施工に多くの日数が必要となり、また技術料的なものも含め、その分人権費等が高額となってしまい、安価に住宅等が提供できない一因となっている。4.パイプ管等の配管部材は、軟質ビニル管等の軟質材を使うと、配管がたるんで排水の為の勾配が取れなくなり、また蛇腹管等では蛇腹部分にゴミが引っかかって管詰まりが発生し、排水ができなくなるなどの問題があるため、鉄材や硬質塩ビ材など、硬質で可撓性のない素材が用いられる場合がほとんどである。ところが、上記したように、鉄材や硬質塩ビ材など硬質の素材を用いて、下水管側から配管部材を延出するように配管してゆくと、配管の長さが数mあるため、配管の端部と排水機器に接続する為の予定の位置とが、どうしても数cm〜十数cm程度芯ズレを生じてしまう。従来、このような場合においては、施工時にこの芯ズレを解消するために、配管に無理な応力を加えたり、パイプ管の材質が硬質塩ビ材等であれば、パイプ管等を加熱して熱変形させて配管を施工していた。このため、配管の強度が悪くなって品質が低下したり、また管と管の継目部分等から漏水が生じたりする場合があった。5.エルボ管を用いて配管の方向を変更する場合、エルボ管部分の曲がりの半径はあまり大きくないため、エルボ管部分で排水がエルボ管の内壁と衝突し、排水の流れの勢いが減退する上、エルボ管の配管の内面には、その両端にパイプ管とエルボ管との継目の段差があり、この勢いの減退と段差とによってゴミが溜まり、これが原因となって管詰まりが生じやすい。本発明は上記したような問題を解決するために発明されたものであって、建物の屋内の床下配管において、品質を下げることなく、且つ安価で容易に施工が行えるような床下配管と、その施工方法を提供するものである。
【0008】
【問題を解決するための手段】請求項1に記載の床下配管は、屋内の生活空間の床下に配される排水配管において、内部を点検する点検口(4)、排水を排出する排出口(5)、排水が流入する排水口(6)、を設けた桝本体(2)と、該桝本体(2)の点検口(4)を密閉する桝蓋(3)と、から構成される排水桝(1)と、排水桝(1)の排出口(5)に連結され、排水を屋外側に排出するための排水主管(7)と、該排水桝(1)の排水口(6)と排水機器(D)を連結する排水枝管(8)と、から構成したことを特徴とする、排水桝を用いた屋内の床下配管である。
【0009】請求項2に記載の床下配管は、上記排水枝管(8)を、可撓管から構成したことを特徴とする、上記記載の排水桝を用いた屋内の床下配管である。
【0010】請求項3に記載の床下配管は、上記排水枝管(8)を可撓管とした床下配管において、可撓管を、軟質樹脂から成る内面を滑らかとした内管(8a)と、硬質樹脂から成る、断面を任意の形状とした板状片を内管の周囲にスパイラル状に巻装すると共に、内管に接触する部分を内管に融着した保護管(8b)と、から構成したことを特徴とする排水桝を用いた屋内の床下配管である。
【0011】請求項4に記載の排水配管は、上記床下配管において、排水桝(1)に、外気を吸引し、且つ排水桝(1)内の空気を排出しない吸気弁(9)を備えて構成したことを特徴とする排水桝を用いた屋内の床下配管である。
【0012】請求項5に記載の床下配管の施工法は、上記可撓管を用いた床下配管の施工法において、上記排水枝管(8)を、予め工場等で適宜な長さに切断加工し、これを排水桝(1)の排水口(6)に接続し、その後施工現場に搬入し、配管施工することを特徴とする、排水桝を用いた屋内の床下配管の施工方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の第一実施例による床下配管とその施工方法を、図面を参照しつつ説明する。図1乃至図3に示した、本発明の第一実施例は、以下に記載した排水桝(1)、パイプ管等の配管部材(P)、その他の部材から構成されてなる。
【0014】排水桝(1)は、図4及び図5に示したように、上方に開口した点検口(4)を備えると共に、側面に、排水を排出する排出口(5)と、排水が流入する複数の排水口(6)と、を設けた桝本体(2)と、該桝本体(2)の点検口(4)を密閉する桝蓋(3)と、から構成してなる。
【0015】また配管部材(P)は、硬質の塩ビ材を採用した排水主管(7)、耐火管(10)、パイプ管(P)、エルボ管(P)、チーズ管(P)、またソケット管(P)等から構成してなる。
【0016】また本発明の第一実施例は、その他の部材として、配管部材(P)を任意の位置と高さに固定する支持部材(図示せず)を用いてなる。
【0017】上記のような部材から構成される床下配管は、たとえば以下のようなマンション等の集合住宅の床下空間に施工される。床下空間は、底面としてスラブ面と呼ばれるコンクリート面と、上方に、予め適宜な位置に設けられた点検用の点検窓及び該点検窓を覆う窓蓋(図示せず、設置位置のみ点線(W)で表示)を設けた床面とが配置され、更に床面上には流し、洗面台、浴槽、洗濯機等の排水機器(D)が設置されると共に、床面に該排水機器(D)と床下配管とを接続するための開口が設けられている。更に屋外の下水道等に排水を行う為の縦排水管(H)が上下階を貫くようにして配置されており、またこの縦排水管(H)から半径1mの範囲が防火区画として設定されている。
【0018】以下に本発明の第一実施例による床下配管の施工方法を、図面を参照しつつ説明する。図1乃至図3に示した本発明の第一実施例の床下配管を施工する場合、まず床下配管の施工予定図を参考に、スラブ面上に配管の墨出しを行う。それに合わせて、縦排水管(H)に、耐火管(10)を防火区画を越える位置まで延出させて接続し、該耐火管(10)に排水主管(7)を接続し、更に該排水主管(7)の端部に上記排水桝(1)の排出口(5)を接続する。次に、該排水桝(1)の排水口(6)から排水機器(D)の導出部までの、排水枝管(8)部分の施工を行う。この排水枝管(8)の施工は、支持部材を用いて、適切な位置に、排水の為の勾配が得られるように高さを調節し、また配管中の曲がり箇所についてはエルボ管(P)等を用いて適宜方向に曲がりを発生させつつパイプ管(P)を固定してゆく。上記のようにして、排水桝(1)の排水口(6)から導出した排水枝管(8)の端部が、床面の開口の直下位置となるように施工を行う。但し、ユニットバス等、床下配管の施工に先行して床面が配置されている箇所についてはこの段階で排水機器(D)の導出部と排水枝管(8)との接続を行う。更に、給排水管の施工と家庭用電源の配線等が終了してから、排水機器(D)と床下配管とを接続するための開口を設けた床面を配置し、更に床面上に導出部を備えた各排水機器(D)を設置する。その後、排水機器(D)の導出部を、床面の開口を介して排水枝管(8)の端部に接続し、床下配管の施工が完了する。
【0019】次に本発明の第二実施例を、図面を参照しつつ説明する。本発明の第二実施例は、以下に記載した、排水桝(1)、排水主管(7)、可撓管、耐火管(10)、縦排水管(H)、その他の部材から構成されてなる。
【0020】排水桝(1)は、図9及び図10に示したように、上方に開口した点検口(4)を備えると共に、側面に、排水を排出する排出口(5)と、排水が流入する複数の排水口(6)と、を設けた桝本体(2)と、該桝本体(2)の点検口(4)を密閉する桝蓋(3)と、該桝蓋(3)に設けられた、外気を吸引し、且つ排水桝内の空気を排出しない吸気弁(9)と、から構成してなる。該吸気弁(9)の構造は様々であるが、本実施例ではその一例として、図10に示したように、弁座(9b)を備えた吸気弁本体(9a)と、該吸気弁本体(9a)内の気圧の変化に対応して上下し、吸気弁本体(9a)内が負圧の際は弁座(9b)を開口し、加圧の際は弁座(9b)に当接して弁座(9b)を閉口する弁体(9c)を備えた構造の吸気弁(9)を採用して成る。
【0021】可撓管は、図11及び図12に示したように、軟質樹脂(軟質塩ビ材等が好適である)から成る内面を滑らかとした内管(8a)と、硬質樹脂(硬質塩ビ材等が好適である)から成る、断面を略S字状とした板状片を内管の周囲にスパイラル状に巻装すると共に、内管に接触する部分を内管に融着した保護管(8b)と、から構成してなる。
【0022】また本発明の第二実施例は、その他の部材として、排水枝管(8)を任意の位置と高さに固定する支持部材(図示せず)を用いてなる。
【0023】更に本発明の第二実施例においては、【0021】に記載した可撓管は排水桝(1)の排水口(6)から排水機器(D)の導出部までを接続する排水枝管(8)として採用されており、配管の施工予定図及び施工現場での採寸によって配管に必要な長さが測定され、予め工場にて該必要寸法に多少の余裕を設けた適宜寸法に切断され、排水桝(1)の排水口(6)に接着等の方法で接続されて、更に接続部分の水密性を確認する試験が行われた上で、工場から施工現場に搬入されている。
【0024】上記のように構成した床下配管は、上記【0017】にある、第一実施例と同様のマンション等の集合住宅の床下空間に施工される。
【0025】以下に本発明の第二実施例による床下配管の施工方法を、図面を参照しつつ説明する。図6乃至図8に示した本発明の第二実施例の床下配管を施工する場合、まず配管の施工予定図を参考に、スラブ面上に配管の墨出しを行い、それに合わせて、縦排水管(H)に、耐火管(10)を防火区画を越える位置まで延出させて接続し、該耐火管(10)に排水主管(7)を接続し、更に該排水主管(7)の端部に上記排水桝(1)の排出口(5)を接続する。次に、予め排水桝(1)に接続されている、排水枝管(8)である可撓管を、支持部材を用いて、適切な位置に、排水の為の勾配が得られるように高さを調節しつつ配置・固定してゆく。この際、排水枝管(8)が可撓管であるため、配管中の曲がり箇所については排水枝管(8)を曲げることで容易に対応できる上、特にその曲がりの半径を、図8にあるように、排水枝管(8)の長さを有効に使うことで、エルボ管に比べて遙かに大径の曲がり形状とすることができる。また、上記【0004】乃至【0006】に記載したような従来例の排水枝管(8)の施工のように、切断・接続・位置決め・その他の、技術と時間が必要とされるような工程がほとんど無くなったため、技術を習得している者はもちろんのこと、特に技術を習得していない者でも短時間で施工を行うことができる。このようにして、排水枝管(8)の端部が床面の開口の直下位置となるように配置を行い、また余分な長さ部分については現場にて切断し、排水枝管(8)の施工を完了する。但し、ユニットバス等、床下配管の施工に先行して床面が配置されている箇所についてはこの段階で排水機器(D)の導出部と排水枝管(8)との接続を行う。更に、給排水管の施工と家庭用電源の配線等が終了してから、排水機器(D)と床下配管とを接続するための開口を設けた床面を配置し、更に床面上に導出部を備えた各排水機器(D)を設置する。その後、排水機器(D)の導出部を、床面の開口を介して排水枝管(8)の端部に接続し、床下配管の施工が完了する。
【0026】また、上記第二実施例にある、排水枝管(8)に採用している可撓管は、【0021】に記載したように、軟質塩ビ材等から成る、内面を滑らかとした内管(8a)を備えるため、蛇腹管のように内面の凹凸にゴミが詰まることがない。更に、硬質塩ビ材等から成る、内管(8a)の周囲にスパイラル状に巻装した保護管(8b)を備えるため、ビニル管等を用いた場合のように配管がたるんで排水の為の勾配が取れなくなる、といった問題も生じない。
【0027】本発明の実施例は上記のようであるが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で構成を変更することが可能である。たとえば、上記実施例においては施工場所をマンション等、上下階のある集合住宅の床下空間としているが、一戸建て住宅等の床下空間に本発明の床下配管を施工しても構わない。
【0028】また、上記第二実施例においては排水桝(1)と排水枝管(8)の可撓管との接続を予め工場内で行っているが、工場内で適宜寸法の切断のみを行い、排水桝(1)と可撓管との接続を施工現場で行うようにしても構わない。
【0029】また、上記第二実施例においては排水桝(1)と排水枝管(8)の可撓管との接続を予め工場内で行っているが、工場内で適宜寸法の切断のみを行い、排水桝(1)と可撓管との接続を施工現場で行うようにしても構わない。
【0030】また、上記第一及び第二実施例においては排水主管(7)と縦排水管(H)との間に、耐火管(10)を接続しているが、防火区画等の設定がなければ、排水主管(7)と縦排水管(H)とを直接接続しても構わない。
【0031】
【効果】本発明による屋内等の床下配管設備は上記のように構成され、また施工が行われる。このため第一実施例のように床下配管に排水桝とパイプ管等が用いられる場合は次の1.及び2.に記載したような、また第二実施例のように床下配管に排水桝と可撓管等が用いられる場合は次の1.乃至11.に記載したような、優れた効果を奏する。
1.世帯単位で点検口等を用意しているため、床下配管に管詰まり等が発生した場合に、桝蓋等を外して、排水桝の点検口から管詰まりの位置を確認し、また管詰まりの原因物を取り除くといった作業を極めて容易にできる。
2.排水桝を利用することで、図5に示したように、排水主管に対して、排水枝管を並列状態で配置することができ、どの排水枝管から排水が行われても、下流側となる排水枝管が存在しないようにできる。また、排水桝は、通常の配管部材、たとえばエルボ管、チーズ管、あるいは三方管等の分岐管といったパイプ管等と比べて、その内容積が遙かに大きいため、排水桝が配管中において一種の空気だまりとして作用する。これによって、a.排水時に生じる負圧の引き込みが、各排水枝管に均等に分散して、特定の排水枝管に強い負圧が作用しない。
b.排水桝が空気だまりとして作用し、引き込みの負圧の変化を和らげるという理由のため、空気の引き込みが極めて弱くなり、排水機器に備えられた排水トラップに破封が発生することがほとんど起こらなくなる。
3.図14に示した従来例の排水配管のように、排水枝管にエルボ管を使った場合と比べて、図8に示した第二実施例のように、可撓管を採用することで、排水枝管の曲がり半径を大径とすることができ、排水の流れが極めてスムーズになる。このため、排水性能が向上すると共に、ゴミ等が押し流され易くなり、管詰まりも減少する。また排水性能が向上すると、排水の勢いが良くなることで排水時の空気の引き込みも強くなり、排水機器に備えられた排水トラップが破封し易くなるが、本発明は排水桝を採用しているため、上記2.に記載した理由から、排水性能の向上と共に破封の発生をも減少させることができる。この点で、本発明による排水桝を用いた床下配管は、排水枝管に可撓管を採用した場合に特に好適な方法であるといえる。
4.従来の床下配管において、管詰まりが生じやすかったのは、内面に段差が発生する継目部分と、曲がりの角となる部分に排水中のゴミが引っかかり管を閉塞するエルボ管の部分であるが、本発明において、排水枝管に可撓管を採用した場合、a.切断・接続を行う箇所がほとんどないことから継目部分が存在しないb.排水枝管の曲がり角度を、エルボ管を用いた場合よりも遙かに大きく取ることで、角となる部分が無くなるという理由のため、従来例の排水枝管のような管詰まりの発生をほとんど防止できる。
5.従来の床下配管においては、パイプ管とエルボ管等との接続箇所から漏水が発生することがあるが、本発明において、排水枝管に可撓管を採用した場合、切断・接続を行う箇所がほとんどないことから、従来例の排水枝管のような漏水の発生を防止することができる。
6.本発明において、排水枝管に可撓管を採用した場合、施工時に排水機器の導出部と排水枝管との間で芯ズレが発生しても、排水枝管の可撓性を利用して、部材に無理を加えることなく芯ズレを補正することができる。
7.本発明において、排水枝管に可撓管を採用した場合、施工中に必要に応じて任意の位置で曲がり部を形成することができる。これによって、従来例のような、床下配管の詳細な位置決め、またパイプ管を正確な長さで切り出すといった高度な技術と、またそれらを行う為に必要だった技術また作業時間とが不要となった。これによって従来例に比べて人権費等を大幅に下げることができ、また工期も大幅に短縮できるようになった。
8.本発明において、排水枝管に可撓管を採用した場合、従来であれば、排水配管を施工するために、パイプ管をはじめとしてエルボ部材、チーズ部材等を複数用意しなければならなかったが、排水桝と可撓管の採用によって、これらの部材点数が減少しているため、その分施工費を引き下げることができる。
9.排水枝管に、請求項3の可撓管を採用した場合、軟質樹脂から成る、内面を滑らかとした内管を備えるため、蛇腹管のように内面の凹凸にゴミが詰まることがない。更に、硬質樹脂から成る、内管の周囲にスパイラル状に巻装した保護管を備えるため、ビニル管等を用いた場合のように配管がたるんで排水の為の勾配が取れなくなったり、また管の壁面が変形して閉塞する、といった問題も生じない。
10.排水桝に、請求項4にある吸気弁を採用した場合、排水を行うことで空気の引き込みが発生しても、該吸気弁によって、排水桝の中に排水によって引き込まれた分の空気が供給されるため、負圧が発生せず破封が発生しない。その一方で、該吸気弁は屋外側(たとえば下水管)からの異臭等の逆流を防ぐため、屋内に異臭が侵入することがない。
11.施工現場で水密性の試験を行うためには、■.試験機材の用意、■.試験機材の搬入、■.試験の実施、■.試験機材の片づけ、といったステップを踏まねば成らず、簡単な試験を行うにも多大な困難が伴い、また試験の精度もあまり高いものとすることができない。これに対して、請求項5による本発明においては、工場内で製造と共に試験を行うようにしたため、予め工場内に設置されている試験機材を使って、■及び■のステップを省略し、また■のステップでは施工現場で行うより精度の高い試験を行うことができるため、極めて信頼性の高い商品を容易に提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000157212
【氏名又は名称】丸一株式会社
【出願日】 平成11年7月28日(1999.7.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−40745(P2001−40745A)
【公開日】 平成13年2月13日(2001.2.13)
【出願番号】 特願平11−247847