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【発明の名称】 真空弁ユニット
【発明者】 【氏名】大塚 哲史

【要約】 【課題】真空下水管における仕切弁の取付面間長さを小さくすること。

【解決手段】真空下水管103の真空弁107が接続されている部分より真空源の側に仕切弁120を設けてなる真空弁ユニット101において、仕切弁120が、真空源の固定弁座121と、真空弁107の側の固定弁座102との間に平板状弁体123をスライド可能に挟み込んでなるもの。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 汚水タンクに連通する汚水吸込み管と真空源に連通する真空下水管との連絡部に真空弁を接続し、真空弁コントローラにより真空弁を開くことにより、汚水タンク内の汚水と空気を真空下水管に吸い込み可能としてなるとともに、真空下水管の真空弁が接続されている部分より真空源の側に仕切弁を設けてなる真空弁ユニットにおいて、仕切弁が、真空源の側の固定弁座と、真空弁の側の固定弁座との間に平板状弁体をスライド可能に挟み込んでなることを特徴とする真空弁ユニット。
【請求項2】 前記固定弁座に弁体が摺接するシール部材を設けてなる請求項1記載の真空弁ユニット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空式下水道システムに用いられて好適な真空弁ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】真空式下水道システムは、真空ステーション(真空ポンプと圧送ポンプとを備えており、真空ポンプにより末端に向けて真空圧を及ぼし汚水を集め、集めた汚水を圧送ポンプにより処理場や公共下水管渠に送液する)に真空下水管を連通し、真空下水管に印加した真空圧により末端の汚水タンクで汚水と空気とを順に吸い込み(気液分離吸引式)、汚水前方の真空圧と汚水後方の吸引空気圧との圧力差を利用し、汚水を気液混送流として搬送するシステムである。
【0003】真空式下水道システムでは、従来の自然流下式と汚水搬送形態が異なり、自然勾配に従って重力流下する汚水に後方の吸引空気の上記圧力差に基づく膨張圧送の強力な圧送力を得ることで、汚水を高速搬送するものである。また、真空式下水道システムでは、登り段差配管(リフト)を採用でき、リフト底部に溜った汚水は、通過空気の圧送力(ブロー)により重力に逆らってリフトをかけ上がり、その後も重力流下と与えられた圧送力によって搬送される。
【0004】即ち、真空式下水道システムでは、末端の家庭等に設けた真空弁ユニットに、汚水タンクの汚水を導く汚水流入管を備えるとともに、汚水タンクに連通する汚水吸込み管と真空源に連通する真空下水管との連絡部に真空弁を設けている。そして、汚水タンクに一定量の汚水がたまる度に真空弁を開き、該汚水タンク内の汚水を真空圧により吸引し、続いて汚水タンク内の空気を吸引することとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、真空弁ユニットでは、真空下水管の真空弁が接続されている部分より真空源の側に仕切弁を設けてあり、真空弁のメンテナンス等のための着脱時に、仕切弁を閉じて真空下水管の真空圧を遮断可能としている。
【0006】しかしながら、従来の仕切弁は、ゲート弁タイプのもの、又はアングル弁タイプのもののいずれであっても、真空下水管における取付面間長さが大きく、狭小な真空弁ユニットでは取付け不可能である。
【0007】本発明の課題は、真空下水管における仕切弁の取付面間長さを小さくすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明は、汚水タンクに連通する汚水吸込み管と真空源に連通する真空下水管との連絡部に真空弁を接続し、真空弁コントローラにより真空弁を開くことにより、汚水タンク内の汚水と空気を真空下水管に吸い込み可能としてなるとともに、真空下水管の真空弁が接続されている部分より真空源の側に仕切弁を設けてなる真空弁ユニットにおいて、仕切弁が、真空源の側の固定弁座と、真空弁の側の固定弁座との間に平板状弁体をスライド可能に挟み込んでなるようにしたものである。
【0009】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において更に、前記固定弁座に弁体が摺接するシール部材を設けてなるようにしたものである。
【0010】
【作用】請求項1の発明によれば下記■の作用がある。
■仕切弁は、弁体を平板状としてスライドできるようにしたから、弁座の部分と合わせても取付面間長さを小さくし、狭小な真空弁ユニットでも設置できる。
【0011】請求項2の発明によれば下記■の作用がある。
■仕切弁は、固定弁座にゴムやエラストマーからなるシール部材を設けたから、シール性を向上できる。尚、仕切弁の閉止時には、真空源側からの真空圧が弁体に作用するので、弁体は真空源の側の固定弁座に確実に密着する。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は真空弁ユニットを示す断面図、図2は仕切弁を示し、(A)は開き状態を示す断面図、(B)は閉じ状態を示す断面図、図3は仕切弁を示す分解斜視図、図4は真空式下水道システムを示す配置図である。
【0013】真空式下水道は、図4に示す如く、家庭や工場等から排出される汚水を自然流下式の汚水流入管100から真空弁ユニット101の汚水タンク102に流入せしめ、汚水タンク102に溜った汚水を真空下水管103によって真空ステーション104の集水タンク105に集め、その後圧送ポンプ106によって下水処理場等に送る。
【0014】真空弁ユニット101には、図1に示す如く、真空弁107が設置され、汚水タンク102の底部から立ち上げられた汚水吸込み管108と、真空ステーション104の真空ポンプ109に連通された真空下水管103との間の連絡部110Aを、上記真空弁107にて開閉している。この真空弁107の開閉は、真空弁コントローラ110が選択的に、真空圧ホース111を介して真空下水管103が伝える真空圧を真空弁107へ導き、或いは大気圧ホース112を介して真空弁107内へ大気圧を導入することによりそれぞれ実施される。
【0015】即ち、汚水タンク102内の汚水の上昇によって水位検知管113内の圧力が上昇し、この圧力上昇が検知ホース114を経て真空弁コントローラ110へ伝達されると、この真空弁コントローラ110内の内部スイッチ(図示せず)が作動して真空下水管103側の真空圧が真空圧ホース111を介し、真空弁コントローラ110を経て真空弁107へ導かれる。すると、この真空弁107は、バネ(不図示)のバネ力に抗して弁体(不図示)を移動させ、開弁する。
【0016】一方、汚水タンク102内の水位が下降すると、水位検知管113内の圧力が下降するので、真空弁コントローラ110内の内部スイッチが停止して、真空下水管103側から真空弁コントローラ110への真空圧が作用せず、ブリーザ管115から大気圧ホース112を介し真空弁コントローラ110を経て、真空弁107へ大気圧が導入される。すると、この真空弁107は、上記バネ力によって弁体を復動させて閉弁する。
【0017】尚、図1中の符号116は、真空下水管103側から真空弁コントローラ110へ向かってのみ真空圧を付与する逆止弁であり、符号117は汚水タンク102に空気(外気)を導く通気管である。
【0018】即ち、真空式下水道にあっては、汚水タンク102の汚水吸込み管108と真空下水管103との間の連絡部110が上述の如くにより真空弁107にて開かれると、真空下水管103に印加されている真空圧が汚水吸込み管108に及び、汚水タンク102内の汚水と空気とを順に真空下水管103の側に吸い込み、汚水前方の真空圧と汚水後方の吸引空気圧との圧力差に起因する圧送力により、汚水を気液混送流として搬送可能とするものである。
【0019】尚、真空弁107の開き時に、真空下水管103側への汚水吸引に続く空気吸引を伴い、汚水タンク102の内部圧力が低下することにより、汚水タンク102には通気管117から空気が導入されるものとなる。
【0020】以下、真空弁ユニット101において、図1に示す如く、真空下水管103の真空弁107が接続されている部分より真空ステーション104の側に設けられている仕切弁120について説明する。
【0021】仕切弁120は、図2、図3に示す如く、真空下水管103における、真空ステーション104の側の固定弁座121と、真空弁107の側の固定弁座122との間に平板状弁体123をスライド可能に挟み込んで構成される。固定弁座121、122は、真空下水管103が接続されるカップリング継手124、125を固着されている。固定弁座121、122は、それぞれ流路121A、122Aを備え、弁体123は流路123Aと遮断部123Bとを備える。これらの流路121A、122A、123Aは、真空下水管103の半内径相当の孔径をなす。
【0022】具体的には、仕切弁120は、固定弁座121と固定弁座122をボルト126により結合し、弁体123の上下の凸部127を固定弁座121(又は122)の上下のガイド溝128にスライド可能に嵌合し、弁体123に操作ノブ129を備えている。弁体123は、操作ノブ129により開閉動され、流路123Aを固定弁座121、122の流路121A、122Aに合致させる開き位置(図2(A))と、遮断部123Bを固定弁座121、122の流路121A、122Aに合致させる閉じ位置(図2(B))とに切換設定される。このとき、弁体123は、図3に示す如く、開き側ストッパ131と閉じ側ストッパ132とを備え、弁体123のスライド方向において、開き側ストッパ131が固定弁座121(又は122)の一方の端面に衝合する位置を開き位置とし、閉じ側ストッパ132が固定弁座121(又は122)の他方の端面に衝合する位置を閉じ位置とする。
【0023】尚、仕切弁120は、固定弁座121、122の流路121A、122Aの周囲にOリング装着溝121B、122Bを備え、ゴムやエラストマーからなるOリング(シール部材)121C、122CをこのOリング装着溝121B、122Bに装着し、弁体123をこれらのOリング121C、122Cに摺接する状態にてスライド可能としている。
【0024】従って、真空弁ユニット101は以下の如く使用される。
(1) 真空弁ユニット101の通常使用時には、操作ノブ129を用いた弁体123のスライドにより、弁体123を前述の開き位置に設定し、汚水や真空の導通を可能とする。
【0025】(2) 真空弁ユニット101のメンテナンス時には、操作ノブ129を用いた弁体123のスライドにより、弁体123を前述の閉じ位置に設定し、汚水や真空の導通を遮断する。
【0026】即ち、本実施形態によれば、以下の作用がある。
■仕切弁120は、弁体123を平板状としてスライドできるようにしたから、弁座121、122の部分と合わせても取付面間長さを小さくし、狭小な真空弁ユニット101でも設置できる。
【0027】■仕切弁120は、固定弁座121、122にゴムやエラストマーからなるOリング121C、122Cを設けたから、シール性を向上できる。尚、仕切弁120の閉止時には、真空源側からの真空圧が弁体123に作用するので、弁体123は真空源の側の固定弁座121(又は122)に確実に密着する。
【0028】以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、仕切弁において、弁体のスライド方向は直線方向に限らず、円弧状曲線等の曲線に沿うものであっても良い。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、真空下水管における仕切弁の取付面間長さを小さくすることができる。
【出願人】 【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
【出願日】 平成11年8月3日(1999.8.3)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−40744(P2001−40744A)
【公開日】 平成13年2月13日(2001.2.13)
【出願番号】 特願平11−220168