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【発明の名称】 農道に於ける側溝用覆工板の施工方法
【発明者】 【氏名】吉牟禮 勝人

【要約】 【課題】本発明は鉄筋配筋,型枠組立,分解撤去作業が現場で殆ど省略でき、施工の合理化が図れる側溝用覆工板の施工方法を提供することを目的とする。

【解決手段】)立体溶接鉄筋21の下部にコンクリート版22を一体に形成させたコンクリート捨て型枠付き立体トラス2に、予め立体溶接鉄筋21内部にU字筋3を引出し可能に差し込み、そのコンクリート捨て型枠付き立体トラス2の両端を、側溝1の橋台11に載置して敷設する工程と、)敷設後、コンクリート捨て型枠付き立体トラス2からU字筋3を引出す工程と、)U字筋3の折曲部の内側で且つ橋台11に、突起物4を打込んで立設させる接続工程と、)立体溶接鉄筋21にコンクリート打設し、各コンクリート捨て型枠付き立体トラス2が結合されて覆工板を形成する工程とから構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 以下の工程から成ることを特徴とする農道に於ける側溝用覆工板の施工方法。
)立体溶接鉄筋(21)の下部にコンクリート打設してコンクリート版(22)が一体に形成されせたコンクリート捨て型枠付き立体トラス(2)を用意し、且つ前記立体溶接鉄筋(21)の内部に、接続用のU字筋(3)の開口側から差し込むと共に引出し可能に成し、そのコンクリート捨て型枠付き立体トラス(2)の両端を、側溝(1)の橋台(11)に載置して敷設する工程。
)敷設後、コンクリート捨て型枠付き立体トラス(2)に差し込まれていた接続用のU字筋(3)を引出し、その折曲部(31)を前記橋台(11)の壁面に当接させるU字筋(3)の引出し工程。
)引出されたU字筋(3)の折曲部(31)の内側で且つ橋台(11)に、コンクリートアンカーやスタッドボルトなどの突起物(4)を打込んで立設させる接続工程。
)前記立体溶接鉄筋(21)にコンクリート打設し、敷設された各コンクリート捨て型枠付き立体トラス(2)が一体化されて覆工板を形成する工程。
【請求項2】 前記U字筋(3)が、立体溶接鉄筋(21)の長手方向の各鉄筋間に沿って引出し可能に差し込まれた請求項1記載の農道に於ける側溝用覆工板の施工方法。
【請求項3】 以下の工程から成ることを特徴とする農道に於ける側溝用覆工板の施工方法。
)側溝(1)の両側の橋台(11)にスタッドボルトなどの突起物(4)を所定ピッチで打込んで立設させる工程。
)立体溶接鉄筋(21)の下部にコンクリート打設してコンクリート版(22)が一体に形成されたコンクリート捨て型枠付き立体トラス(2)を用意し、そのコンクリート捨て型枠付き立体トラス(2)の両端を、前記橋台(11)に載置して敷設する工程。
)前記突起物(4)の外側に接続用の長尺な鉄筋(5)を配置すると共に該長尺な鉄筋(5)と前記立体溶接鉄筋(21)の間が、短い鉄筋(6)を用いて鉄線や溶接などで固定しながら、その短い鉄筋(6)が前記突起物(4)に接触しないことを確認する接続工程。
)前記立体溶接鉄筋(21)にコンクリート打設し、敷設された各コンクリート捨て型枠付き立体トラス(2)が一体化されて覆工板を形成する工程。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は農道に於ける側溝用覆工板の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は従来の農道に於ける側溝用覆工板の施工方法の要部を示す図である。この施工方法は、先ず側溝(1)の橋台(11)と面一になるように、型枠を設置する。この時、前記型枠は側溝(1)の内側面に接触させて位置設定すると共に前記型枠が作業中やコンクリート打設した後、重量で落下したり反ったりしないように、前記型枠と側溝(1)の底面の間に支持具を設置させて保持していた。前記型枠が設置された後、鉄筋を加工して適宜な形状に組立てると共にその鉄筋が橋台(11)面から所定高さ浮くように多数のスペーサーなどを使用して鉄筋配筋作業を終了させる。そして側溝(1)の橋台(11)より上に覆工板が形成出来るようにコンクリート打設して側溝(1)の上面が面一になるまでコンクリートを供給する。コンクリートの固化後は、先ず始めに、作業者が側溝(1)の中に入って支持具を外し、更に型枠を分解して側溝(1)内部に順次置いて行く。その後、型枠や支持具を側溝(1)から外部へ搬出させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記側溝用覆工板の施工方法は現場に於いて、型枠の組立作業や鉄筋配筋作業が行われるため、手間が掛ると共に多くの作業員が必要であった。また型枠の解体後、作業者が狭い側溝(1)の中に入って作業するため、非常に作業性が悪く、狭い側溝(1)の中に入って型枠を搬出する際は、運搬機械などが入らないのでそれらは使用出来ず、人力に頼るしかなかった。特に型枠は大きく嵩ばるため、覆工板が施工されて形成した一定長さの出入口まで人力で運び出さなければならず、大変な重労働であった。このため覆工板が長くなると、一気に形成させずに、所定長さに区切って施工しなければならない等の問題点があった。
【0004】本発明は型枠作業が省略でき、特に大変である型枠撤去が不要となって現場作業が容易で且つ施工の合理化が図れる農道に於ける側溝用覆工板の施工方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するために本発明は成されたものであり、つまり、)立体溶接鉄筋の下部にコンクリート版を一体に形成させたコンクリート捨て型枠付き立体トラスを用意すると共に立体溶接鉄筋の内部に、接続用のU字筋の開口側から引出し可能に成し、そのコンクリート捨て型枠付き立体トラスの両端を、側溝の橋台に載置して敷設する工程と、)敷設後、コンクリート捨て型枠付き立体トラスに差し込まれていた各U字筋を引出し、その折曲部を橋台の壁面に当接させるU字筋の引出し工程と、)引出された各U字筋の折曲部の内側で且つ橋台に、コンクリートアンカーやスタッドボルトなどの突起物を打込んで立設させる接続工程と、)立体溶接鉄筋にコンクリート打設し、敷設された各コンクリート捨て型枠付き立体トラスが一体化されて覆工板を形成する工程とから構成する。
【0006】又、橋台の幅が狭い側溝に覆工板が施工される場合には、)側溝の両側の橋台に突起物を所定ピッチで打込んで立設させる工程と、)立体溶接鉄筋の下部にコンクリート版が一体に形成されたコンクリート捨て型枠付き立体トラスを用意し、そのコンクリート捨て型枠付き立体トラスの両端を、橋台に載置して敷設する工程と、)突起物の外側に接続用の長尺な鉄筋を配置すると共に長尺な鉄筋と立体溶接鉄筋の間が、複数の短い鉄筋を用いて鉄線や溶接などで固定しながら、その短い鉄筋が突起物に接触しないように確認する接続工程と、)立体溶接鉄筋にコンクリート打設し、敷設された各コンクリート捨て型枠付き立体トラスが一体化されて覆工板を形成する工程とから構成する。
【0007】
【発明の実施の形態】図1、図2は本発明の実施形態を示す図であり、先ず始めに図中の番号について説明する。(1)は上方が開口され且つ上縁に段差を有した農道用のコンクリート製の側溝である。尚、橋台(11)は側溝(1)の上縁に設けた段差の下段部を指す。(2)は立体溶接鉄筋(21)の下部にコンクリート打設して所定厚さのコンクリート版(22)を一体に形成させたコンクリート捨て型枠付き立体トラスであり、これは工場で仕上げたものを現場に持ち込む。尚この時、コンクリート構造物で必要な鉄筋からの厚さ分、つまり、底面から下方の鉄筋までの距離を3cm以上確保しておく。又、前記コンクリート捨て型枠付き立体トラス(2)は本発明者が提案した特願平11−169099号の構造のものを利用すれば良い。(3)はコンクリート鉄筋をU字状に折曲した接続用のU字筋であり、該U字筋(3)は予め工場に於いて、立体溶接鉄筋(21)の長手方向の各鉄筋間に沿って引出し可能に差し込んでおく。この時、U字筋(3)の折曲部(31)が外側に来るようにセットすると共にU字筋(3)の開口側を若干縮めて弾性を持たせた状態でセットしておくと良い。(4)はコンクリートアンカーやスタッドボルトなどの突起物であり、該突起物(4)はU字筋(3)の折曲部(31)の内側で且つ橋台(11)に打込んで立設させて使用する。
【0008】次に本実施形態の農道に於ける側溝用覆工板の施工方法について説明する。予め工場でU字筋(3)を立体溶接鉄筋(21)の長手方向の各鉄筋間へ引出し可能に差し込んでおく。先ず始めに、)U字筋(3)を差し込んだコンクリート捨て型枠付き立体トラス(2)の両端を、側溝(1)の橋台(11)に載置して敷設する。次に全ての敷設作業が完了後、コンクリート捨て型枠付き立体トラス(2)に差し込まれていたU字筋(3)を引出し、その折曲部(31)を橋台(11)の壁面に当接させる)U字筋(3)の引出し工程を行う。そして、U字筋(3)の折曲部(31)の内側で且つ橋台(11)に、コンクリートアンカーやスタッドボルトなどの突起物(4)を打込んで立設させる )接続工程が行われる。この時、図2のように突起物(4)はU字筋(3)と固定されていない状態である。次に立体溶接鉄筋(21)にコンクリート打設することにより、敷設された各コンクリート捨て型枠付き立体トラス(2)が一体化されて)覆工板を形成する工程が終了するのである。前記突起物(4)はU字筋(3)及び立体溶接鉄筋(21)と離れているが、コンクリートを介在して、コンクリート捨て型枠付き立体トラス(2)は、側溝(1)の橋台(11)に固定した突起物(4)と立体溶接鉄筋(21)が一体化され、側溝(1)の上部に覆工板が強固に形成される。従って、強固に形成された覆工板は農道としての役割が果たせるものとなるのである。
【0009】図3は本発明の別実施形態を示す図であり、これは狭い橋台(11)を有した従来よく使用された側溝(1)に対応可能な覆工板の施工方法である。先ず始めに図中の番号について説明する。(1)は上方が開口され且つ上縁に橋台(11)を有した農道用のコンクリート製の側溝であり、この側溝(1)は橋台(11)の幅が狭いが、前記実施形態と同一のものを用いても良い。尚、前記実施形態に於いて、橋台(11)の幅が狭い側溝(1)を用いると、U字筋(3)の折曲部(31)と突起物(4)が接触或いは該突起物(4)が折曲部(31)の内側に入らない場合が発生する。(2)は前記実施形態と同一のコンクリート捨て型枠付き立体トラス(2)を用いる。(3)のU字筋は用いない。(4)はスタッドボルトなどの突起物である。(5)は突起物(4)の外側に配置した接続用の長尺な鉄筋であり、該長尺な鉄筋(5)は束だてによって浮いた状態で配置されている。(6)は長尺な鉄筋(5)と立体溶接鉄筋(21)に一端ずつを鉄線や溶接などで固定させて連結した短い鉄筋であり、これは所定間隔に固定すると共に突起物(4)に接触しないように確認して配置する。
【0010】次に別実施形態の農道に於ける側溝用覆工板の施工方法について説明する。先ず始めに)側溝(1)両側の幅の狭い橋台(11)にスタッドボルトなどの突起物(4)を所定ピッチで打込んで突起物(4)が立設される工程を行う。尚、この工程は後述する設置工程の後に行っても良く、或いは長尺な鉄筋(5)を鉄線や溶接などで連結した後に行っても良い。)立体溶接鉄筋(21)の下部にコンクリート打設してコンクリート版(22)が一体に形成されたコンクリート捨て型枠付き立体トラス(2)を用意し、そのコンクリート捨て型枠付き立体トラス(2)の両端を、前記橋台(11)に載置して敷設する工程を行う。次に)前記突起物(4)の外側に接続用の長尺な鉄筋(5)を配置すると共に該長尺な鉄筋(5)と前記立体溶接鉄筋(21)の間が、複数の短い鉄筋(6)を用いて鉄線や溶接などで固定しながら、前記突起物(4)に接触しないように確認する接続工程が終了する。そして)前記立体溶接鉄筋(21)にコンクリート打設し、敷設された各コンクリート捨て型枠付き立体トラス(2)が一体化されて覆工板を形成する工程を行う。このため、コンクリートの固化後は、従来の如き支持具を外したり、型枠を分解して側溝(1)から型枠や支持具を搬出させたりする作業は不要となるのである。
【0011】
【発明の効果】本発明はこのように構成させたことにより、下記に記載する効果を有する。
【0012】請求項1のように)立体溶接鉄筋(21)の下部にコンクリート版(22)を一体に形成させたコンクリート捨て型枠付き立体トラス(2)を用意すると共に前記立体溶接鉄筋(21)の内部にU字筋(3)を引出し可能に予め差し込み、そのコンクリート捨て型枠付き立体トラス(2)の両端を、側溝(1)の橋台(11)に載置して敷設する工程と、)敷設後、コンクリート捨て型枠付き立体トラス(2)に差し込まれていたU字筋(3)を引出し、その折曲部(31)を橋台(11)の壁面に当接させるU字筋(3)の引出し工程と、)引出されたU字筋(3)に突起物(4)を接触させないように立設する接続工程と、)立体溶接鉄筋(21)にコンクリート打設して各コンクリート捨て型枠付き立体トラス(2)が一体化されて覆工板を形成する工程とから成る施工方法とすることにより、現場に於いて、型枠の組立作業や鉄筋配筋作業が不要となるため、手間が省けると共に少ない作業員で作業が行え、施工の合理化が図れ、工期の短縮やコストダウンが可能となる。また型枠の解体撤去が不要となるため、従来の如き作業者が狭い側溝(1)の中に入って作業する必要がなく且つその狭い側溝(1)の中で大きく嵩ばる型枠を所定長さの出口まで人力で運び出さなくても良くなったので、力仕事に不向きな臨時の女性作業員でも作業が行えるものとなった。また覆工板が長くなる場合であっても、従来の如く所定長さに区切って施工しなくても良くなるので、一度で施工を完了させることができ、作業効率が飛躍的に向上する。
【0013】請求項2のようにU字筋(3)を立体溶接鉄筋(21)の長手方向の各鉄筋間に沿って引出し可能に差し込むことにより、コンクリート捨て型枠付き立体トラス(2)同士の結合や側溝(1)との結合が、U字筋(3)の折曲部(31)内側に突起物(4)を打込んでコンクリート打設させるだけの簡単な作業となる。又、現場に於いては殆ど手直しや修理が不要となり、従来の工法と比較して短工期で且つ省労力できると共にコスト削減も可能である。
【0014】請求項3に示すように)側溝(1)の両側の橋台(11)に突起物(4)を所定ピッチで打込んで立設させる工程と、)立体溶接鉄筋(21)の下部にコンクリート版(22)が一体に形成されたコンクリート捨て型枠付き立体トラス(2)の両端を、橋台(11)に載置して敷設する工程と、)突起物(4)の外側に接続用の長尺な鉄筋(5)を配置すると共にその長尺な鉄筋(5)と立体溶接鉄筋(21)と固定する接続工程と、)立体溶接鉄筋(21)にコンクリート打設し、敷設された各コンクリート捨て型枠付き立体トラス(2)が一体化されて覆工板を形成する工程とから成る施工方法とすることにより、請求項1と略同一の効果を得ることが出来る。特に、幅の狭い橋台(11)を有した側溝(1)に覆工板を施工する場合、突起物(4)に触らずに施工が可能である。またコンクリート捨て型枠付き立体トラス(2)の立体溶接鉄筋(21)にU字筋(3)を差し込むことがなくなるため、運搬時の重量がより減少できるものとなる。
【出願人】 【識別番号】394008215
【氏名又は名称】近藤鋼材株式会社
【出願日】 平成11年7月15日(1999.7.15)
【代理人】 【識別番号】100083633
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏
【公開番号】 特開2001−26975(P2001−26975A)
【公開日】 平成13年1月30日(2001.1.30)
【出願番号】 特願平11−201347