トップ :: E 固定構造物 :: E03 上水;下水

【発明の名称】 グレーチング
【発明者】 【氏名】中尾 ▲吉▼之

【要約】 【課題】方形枠内にベアリングバー2を並設した金属製格子体のグレーチングにおいて、特段の溶着強度と溶着管理が必要なベアリングバー2群の端部と側枠部との溶着加工を無用にして、コスト低減と成形性の向上を図る。

【解決手段】ベアリングバー2の端部に鉤片6を突設すると共に、この鉤片6を入れて抜け止め係止する長円孔の鉤片7を「ベアリングバー2の並設ピッチPと同一ピッチ」で穿設した長尺帯状のインナー側板8と、このインナー側板8を中空部14に収納して覆着する長尺鞘体のアウターカバー9の組合せに成し、鉤孔7に鉤片6を係合して組合せたベアリングバー2群とインナー側板8の組合せ結合部のクリヤランスCに、アウターカバー9のフランジ部13を差し込んで覆着セットし、この3部材の組合せ結合によって溶着加工無用の側枠部5A・5Bを構成するグレーチング1が特徴である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 方形枠内にベアリングバーを並設した格子体のグレーチングにおいて、前記ベアリングバーの端部に鉤片を突設すると共に、該鉤片を入れて抜け止め係止する鉤孔を前記ベアリングバーの並設ピッチで穿設して前記並設のベアリングバーの端部に添設組合せ結合するインナー側板と、該添設組合せ状態の該インナー側板に覆着セットするアウターカバーを備え、該インナー側板と該アウターカバーによって前記ベアリングバー群の側枠部を構成する構造を特徴とするグレーチング。
【請求項2】 アウターカバーが方形断面管体の鞘体にして、該管体の一面に管体長手方向に連続して開口し、かつ、開口縁をフランジ部になす連結開口部を設けた形状から成り、前記フランジ部を、ベアリングバー群の端面と該ベアリングバー群に組合せ結合したインナー側板とのクリヤランスに圧入結合して覆着セットした構造からなる請求項1のグレーチング。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排水溝・集水溝の上部に敷設したり、工場等の通路板として敷設するのに使用する金属製格子体のグレーチングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属製格子体のグレーチング15は広く普及しており(図5参照)、敷設した上面を通過する車輛荷重等に耐える堅牢な機械的強度が必要なため、その荷重を支承する主部材となる「帯材の帯幅方向を縦にして細ピッチで並設したベアリングバー2」と、このベアリングバー2の両側端に固着したサイドプレート4と、ベアリングバー2の中間部位にベアリングバー2と直交配設した連結バー3からなる方形格子体の基本形態になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上の従来のグレーチング15は、構成部材のベアリングバー2・サイドプレート4・連結バー3を相互に溶着固定する構造のため成形加工の際の溶着箇所が極めて多く、その上、荷重支承主部材のベアリングバー2とサイドプレート4の溶着固定は特段の強度が不可欠になる。従って、それ等の溶着加工に多大の工数と時間を要してコスト高になると共に、前記の特段の溶着強度を確保するための特別の強度管理と工程管理が必要にして成形管理の煩雑性が避けられない。
【0004】本発明は、以上の従来技術の難点を解消するグレーチングを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の技術課題を解決する本発明のグレーチングは「方形枠内にベアリングバーを並設した格子体のグレーチングにおいて、前記ベアリングバーの端部に鉤片を突設すると共に、該鉤片を入れて抜け止め係止する鉤孔を前記ベアリングバーの並設ピッチで穿設して前記並設のベアリングバーの端部に添設組合せ結合するインナー側板と、該添設組合せ状態の該インナー側板に覆着セットするアウターカバーを備え、該インナー側板と該アウターカバーによって前記ベアリングバー群の側枠部を構成する構造」になっている。
【0006】即ち、本発明のグレーチングは従来構造のものにおけるベアリングバー2の両側端とサイドプレート4の溶着固定構造を、前記のインナー側板とアウターカバーとベアリングバーの3部材による組合せ結合にして、従来の溶着加工を省略可能にした構造が特徴であり、そのベアリングバーの鉤片をインナー側板の長孔・スリット溝の鉤孔に差し込み係止することによってベアリングバー群が単一のインナー側板に直交状に組合せ連結される。
【0007】そして、前記構成要件のアウターカバーは「方形管体の一面に連続する結合開口部を設け、該開口部縁のフランジ部を組合せ結合状態のベアリングバー端面とインナー側板との間のクリヤランスに圧入結合して覆着セットする鞘体形態」の態様が採択される。
【0008】
【作用】以上の構成の本発明のグレーチングは、前記のインナー側板の鉤孔にベアリングバーの鉤片を係止してベアリングバーの並設姿勢を整列保持し、そのインナー側板にアウターカバーを覆着セットするので、そのアウターカバーのインナー側板への覆着を圧入静合精度にしておくことによって、その3部材の組合せ結合がグレーチングの通常の使用状態で「がたつき・変形」発生のない一体物として機能し、グレーチングのベアリングバー支承枠部として必要にして充分な機械的強度が確保できる。
【0009】そして、その3部材の組合せによって金属製方形枠体の主要部が構成できることから、従来の特段の溶着強度と工程管理が必要な溶着加工が不要になる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を説明する。まず、本発明第一実施例のグレーチング1を示す図1〜図3参照、方形の枠内に通過車輛や歩行者の荷重を支承する「帯材の帯幅方向を縦方向にして細ピッチPで並設したベアリングバー2」を主要部になす方形格子体のグレーチングにおいて、この実施例のグレーチング1はベアリングバー2の両側端の側枠部5A・5Bが「鉤片6を有するベアリングバー2」と「鉤片6を鉤孔7に挿入係止してベアリングバー3の側端に縦方向にして沿えるインナー側板8」と「ベアリングバー2の側端にセットしたインナー側板8を中空部に収納する鞘体のアウターカバー9」の3部材の組合せ結合構造からなり、側枠部5A・5Bとベアリングバー2群の溶着固定が無用になっている。
【0011】詳しくは(図2・図3参照)、高さHのベアリングバー2の両側端には、該帯材を若干伸長させて上縁から切込みを入れたL字状の鉤片6が一体に突設されている。そして、インナー側板8はベアリングバー2の高さHに概ね等しい幅Bを有する帯材の中央部分に帯材長手方向に連続する帯状隆起部11を設けると共に、幅方向の中心部分に「該幅方向に長円をなす鉤孔7」がベアリングバー2の並設ピッチと同一のピッチPで穿設された形状を有している。
【0012】そして、このインナー側板8の鉤孔7にベアリングバー2の鉤片6を入れてベアリングバー2の側端にインナー側板8を添設セットすると、(図3(A)参照)インナー側板8の帯状隆起部11に沿ってベアリングバー2が並列配列されると共に、鉤片6と鉤孔7の係合によって抜け止めされて組合せ結合され、そのベアリングバー2の端面とインナー側板8の板面間に帯状隆起部11の高さhに当たるクリヤランスCが生ずる構造になっている。
【0013】一方、アウターカバー9はベアリングバー2の高さHに相当する長辺Wを有する長方形横断面の中空管体からなる鞘体形状にして、該長辺側の一側側板の中央部分を管体長手方向に連続し、かつ、対向する縁部を一対のフランジ部13になす連結開口部12を設けた構造を有し、このフランジ部13を「ベアリングバー2群をインナー側板8に組合せセットしたときに生ずる前記のクリヤランスC」に差し込むことによって、インナー側板8を中空部14に内包して抱着できる。
【0014】そして(図1・図3参照)、グレーチング1の長さLに相当する長さのインナー側板8とアウターカバー9を予め準備し、そのインナー側板8とベアリングバー2群を組合せ係止してセットし、その組合状態のインナー側板8とベアリングバー2端面と間のクリヤランスCにアウターカバー9のフランジ部13を「油圧シリンダーによる押圧加工」等によって圧入して、インナー側板8をアウターカバー9の中空部14に収納して覆着固定し、このインナー側板8とアウターカバー9によってベアリングバー2群の側枠部5A・5Bを「溶着加工を施さないで形成する」構造になっている。
【0015】なお、この実施例のグレーチング1は組合せ状態の「ベアリングバー2群とインナー側板8とアウターカバー9」が車輛荷重等に充分に耐えて「がたつき」を生じないように、前記のクリヤランスCとフランジ部13は圧入静合嵌合して強固にフィット結合する相対寸法が採択されている。
【0016】そして、この実施例のグレーチング1は従来構造と同様な並設姿勢のベアリングバー2の補強用連結バー3が設けられると共に、グレーチング1の前後端枠を形成する前後枠板10が対向するアウターカバー9の端部間に連結されており、この前後枠板10と側枠部5A・5Bによって方形枠部を構成している。そして、この連結バー3と前後枠板10は「点溶接の溶着手段またはビス止め手段」等によってそれぞれ固着される。
【0017】なお、この実施例のインナー側板8は下辺にフランジ状の底板16を有して、アウターカバー9に組合せたときの固定性の向上を図ると共に、鉤孔7は下方に若干狭くなるテーパー孔にして、挿入した鉤片6を下方へ押圧下げすることによって強固にフィット連結ができる態様になっている。
【0018】以上の図1実施例のグレーチング1は、ベアリングバー2の鉤片6をインナー側板8の鉤孔7に抜け止めして組合せ、その組合せ状態のインナー側板8を鞘体のアウターカバー9に圧入嵌入して固定セットした側枠部5A・5Bからなるので、その側枠部5A・5Bは機械的に強固に両端固定され、上面を通過する車輛荷重等に耐えて「がたつき」発生のおそれがなく、その上、前記3部材の組合せ固定構造であることから、従来の煩雑な溶着加工が無用にしてグレーチングの成形生産性が向上してコスト低減が促進できる。
【0019】続いて、図4を参照して本発明の他の実施例を説明する。即ち、側枠部5A・5Bが前記3部材の組合せ固定構造からなるものにおいて、図4(A)のものはベアリングバー2の鉤片6が下向きL字形に形成されると共に、この鉤片6を受け入れるインナー側板8の鉤孔7は上縁から溝状に切欠いたスロット形状になっている。この図4(A)のものは鉤孔7の上方から鉤片6を入れて組合せできるので、ベアリングバー2群とインナー側板8との組合せがし易くなる。
【0020】一方、図4(B)のものは鉤片6を「上部鉤片6Aと下部鉤片6B」からなるT字形状にすると共に、インナー側板8の鉤孔7を帯状隆起部11の全幅に亘る長大形状に成し、この長い鉤孔7にT字形の鉤片6を傾けて入れてから若干引き下げることによって、上部・下部鉤片6A・6Bのそれぞれがインナー側板8の平板部(帯状隆起部11が存在しない部分)に接合して、ベアリングバー2の端面と上部・下部鉤片6A・6B間に帯状隆起部11を挟着固定するようになっている。この図4(B)のものはインナー側板8とベアリングバー2群の組合せ姿勢が固定するので、アウターケース9の差し込み覆着作業がし易くなる。
【0021】なお、本発明のグレーチングは前記の実施例に限定されず、例えばインナー側板8を、底板16不存在の形状にしたり、或は「帯状隆起部11不存在の平板形状」にして、ベアリングバー2と組合せ、帯状隆起部11に代る別体のスペーサをインナー側板8とベアリングバー2の端面間に挿着し、前記のクリヤランスCを設定する形状等にすることがある。そして、アウターカバー9はベアリングバー2を連結したインナー側板8の上方(または上方と下方)から覆着セットして「必要に応じてビス止め・点溶着」して固定する形態にすることがある。そして、ベアリングバー2は公知のグレーチングで主流をなしているT字バーも当然使用する。
【0022】
【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明のグレーチングは、特段の溶着強度と工程管理が必要となるベアリングバー群と側枠部の溶着加工が無用になるので、グレーチングの成形性が特段に向上して成形コストの低減と成形工程の簡素化を促進する有用な効果がある。
【出願人】 【識別番号】595126082
【氏名又は名称】中尾技研工業株式会社
【出願日】 平成11年7月1日(1999.7.1)
【代理人】 【識別番号】100084526
【弁理士】
【氏名又は名称】岡 賢美
【公開番号】 特開2001−11930(P2001−11930A)
【公開日】 平成13年1月16日(2001.1.16)
【出願番号】 特願平11−187346