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【発明の名称】 グレーチング用敷板
【発明者】 【氏名】岡嶋 伸幸

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 グレーチングに裏当てされるグレーチング用敷板であって、ゴム又は樹脂等の弾性体材料で造られ、長手方向等断面形状の板状体にして、該板状体の板部の少なくとも1つの面に一般面より隆起した複数の凸部が形成され且つ該凸部をつくる板部の部分に透孔が形成されてなることを特徴とするグレーチング用敷板。
【請求項2】 前記板状体が横断面ほぼL字形であり、該板状体の一方の板部の面に一般面より隆起した複数の凸部が形成され且つ該凸部をつくる板部の部分に透孔が形成される一方、該板状体の他方の板部の面には膨出部が形成され且つ該膨出部をつくる板部の部分に貫通孔が形成され、さらに該膨出部から外方へ突出するヒレが設けられる請求項1記載のグレーチング用敷板。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、騒音防止等の目的で、金属製グレーチングに裏当てされるグレーチング用敷板に関する。
【0002】
【従来の技術】金属製グレーチングには図10の嵩上げグレーチング7や図12のU字溝用グレーチング8があり、こうしたグレーチングに対し、従来は図11,図13のようなゴム製のグレーチング用敷板91〜95を敷いて騒音の発生を抑えることがあった。図11は嵩上げ部材74の下に敷いてグレーチング7に裏当てするグレーチング用敷板91〜93で、同図(イ)はフラットのいわゆる平ゴム板91のタイプ、同図(ロ)のグレーチング用敷板はL型ゴム板92のタイプ、同図(ハ)のものはZ型ゴム板93のタイプである。また、図13はU字溝用グレーチング8のエンドアングル83に裏当てされるグレーチング用敷板94,95で、同図(イ)はL型ゴム板94、同図(ロ)はWL型ゴム板95と通称呼ばれているものである。図11〜図13中、符号71,81は主部材、符号72,82はツイストバー,符号73はエンドプレート、符号Sは側溝側壁、符号Cは溝を示す。なお、グレーチング7,8にはハッチングを省略する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来のどのグレーチング用敷板91〜95も中実のゴム板で、騒音防止に限界があった。ゴムが有する弾性特性で騒音を一定範囲内で減少させる効果があるものの、例えば、重い車両が速いスピードでグレーチング上を瞬時に通過する際は、ゴンといった鈍い特有の騒音を発していた。さらに、ゴム板に弾性特性があるといっても、中実であるため騒音,衝撃を吸収する吸収性能も一定以上の性能アップは望めなかった。
【0004】本発明は、上記問題点を解決するもので、車両がグレーチング上を通過する際の衝撃を効果的に吸収して騒音防止に大いに役立つグレーチング用敷板を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1に係る発明の要旨は、グレーチングに裏当てされるグレーチング用敷板であって、ゴム又は樹脂等の弾性体材料で造られ、長手方向等断面形状の板状体にして、該板状体の板部の少なくとも1つの面に一般面より隆起した複数の凸部が形成され且つ該凸部をつくる板部の部分に透孔が形成されてなることを特徴とするグレーチング用敷板にある。ここで、「透孔」には凸部外表面から透孔内へ切欠きを入れたものやスリットを入れたものも含む。
【0006】請求項2の発明に係るグレーチング用敷板は、請求項1で、板状体が横断面ほぼL字形であり、該板状体の一方の板部の面に一般面より隆起した複数の凸部が形成され且つ該凸部をつくる板部の部分に透孔が形成される一方、該板状体の他方の板部の面には膨出部が形成され且つ該膨出部をつくる板部の部分に貫通孔が形成され、さらに該膨出部から外方へ突出するヒレが設けられることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るグレーチング用敷板の実施形態について詳述する。
(1)実施形態1図1,図2は本発明のグレーチング用敷板(以下、単に「敷板」という。)の一形態で、図1はその部分斜視図、図2は図1の敷板をグレーチングに裏当て使用した状態の断面図を示す。
【0008】敷板Aは、板状体にして、グレーチング7に裏当てし専ら騒音防止板として役立てるものである。敷板Aは、騒音防止用として機能させるべく、ゴム,熱可塑性エラストマーなどの合成樹脂等の弾性体材料で造られる。例えば、敷板材料として軟質塩化ビニル樹脂または塩化ビニル系TPE(塩化ビニル系熱可塑性エラストマー)等が使用される。
【0009】本実施形態の敷板Aは、図10に示した嵩上げグレーチング7に適用するもので、長手方向等断面形状にして、図1のごとく帯状体になっている。そして、敷板Aの板部1の少なくとも1つの面(図1では上面側になる)に一般面1aより隆起した複数(ここでは4つ)の凸部2を形成する。各凸部2は半円状に同じ大きさで膨らむ。凸部2が一般面1aより出っ張ることで、敷板Aがグレーチングに裏当てされて車両走行時の重量がグレーチングに加わったときは、この部分に車両重量が集中することになる。具体的な凸部2の隆起分hとしては、例えば敷板Aの幅Wが約4cmで敷板Aの一般部厚みgが約3mmに対し、2mm程度である。
【0010】さらに、前記凸部2をつくる板部1の部分(凸部2の背後)には凸部形状に沿う透孔3が形成される。本敷板Aが長手方向等断面形状であることから透孔3は貫通し、この部分が空洞となる。透孔3は凸部2側の肉厚tをほぼ一定に保ちつつ該凸部2内に埋まる半円形の孔になっている。ここでの透孔3は凸部2の出っ張り部分だけに収まらず、その底面下部が敷板一般部にまで及んでいる。透孔3を大きくしてクッション性を高め、衝撃吸収し易くするためである。グレーチング7の上面側(図1では下側になる。)は、グレーチング7に裏当てする面1bで、平滑面としている。
【0011】次に前記敷板Aの使用方法について述べる。図2のごとく、敷板Aは、嵩上げ部材74の下に敷いてグレーチング7に裏当てするが、凸部2の側を側溝側壁Sの段差面S1に対向させるよう載置する。嵩上げ部材74の幅に敷板Aの幅Wがほぼ一致する。グレーチングの上から車両等の衝撃荷重が加わった時は、主に凸部2,透孔3が変形して衝撃吸収が図られる。
【0012】図3は別形態の敷板Aを示す。ここでの凸部2は一般面1aより隆起するが、その上面に平らな部分21を形成する。平らな部分21を形成することで、グレーチング7を介して伝わる車両の集中荷重を緩和する。凸部2の断面形状は矩形に近く、該凸部2形状に合わせて透孔3も矩形の形を採っている。凸部2の肉厚tをほぼ一定に保って、凸部形状に沿う透孔3を形成する。また、敷板Aの凸部2がある面とは反対の面に粘着剤Dを付けその上に離型紙Bを貼っている。側溝cにグレーチング7を載置する際は、該離型紙Bを剥し、粘着剤Dの面をグレーチング7(嵩上げ部材74)に当て、凸部2がある板部1側を下にして使用に供される。なお、図1の敷板Aにおいても必要に応じ、粘着剤D,離型紙Bを付与することができる。
【0013】(2)実施形態2本実施形態はグレーチング8に裏当てされるグレーチング用敷板Aであって、ゴム又は樹脂等の弾性体材料で造られる。敷板Aは長手方向等断面形状の板状体であるが、該板状体は図4,図5のごとくの横断面ほぼL字形になっている。横断面ほぼL字形にして、エンドアングル83をもつU字溝用グレーチング8に適用できるようにするためである。
【0014】上記敷板Aの垂直部A2に係る板部1の内側面に、騒音防止するために、図4のごとく一般面より隆起した複数(ここでは2つ)の凸部2を形成すると共に該凸部2をつくる板部1の部分すなわち凸部2の背後に透孔3を形成する。凸部2および透孔3は図1と同様の横断面半円形の形状とするが、凸部2,透孔3が2箇所しか設けられていないため、大きめに造られている。各凸部2の高さは同じとする。凸部2と透孔3間の肉厚tは適宜選定される。また、敷板Aの水平部A1に係る板部1の内側面に凹凸部11を形成し、グレーチング8の側溝側壁Sへの密着性と弾性変形による垂直方向の衝撃吸収を高めている(図5)。該凹凸部11の凸部は密着性を高めるべくその上面を平らにする。
【0015】斯る敷板Aは、図5のようにU字溝用グレーチング8のエンドアングル83に裏当てされ、凸部2を側溝側壁Sの起立面S2に当接させ、凹凸部11を側溝側壁Sの上面S3に当接させるようにして用いられる。敷板Aの垂直部A2,水平部A1の外面1cは平らにしてエンドアングル83に密着し易くする。本実施形態も、敷板Aとグレーチング8との密着性を高めるため、横断面ほぼL字形にした平らな外面1c側に粘着剤Dを付けその上に離型紙Bを貼っている。使用時に離型紙Bを剥して粘着剤Dでグレーチングに敷板Aを接着させると、敷板Aとグレーチングが一体化しより好ましくなる。他の説明は実施形態1と同様でその説明を省く。実施形態1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0016】図6は図4に代わる他形態の敷板Aで、透孔3が完全なクローズドの孔でなく、その一部に凸部外表面から透孔3内へ到達する切欠き22があるものである。斯る切欠き22のあるもの(又はスリットのあるもの)も本発明の透孔3の範囲内とする。製造のし易さからこのような透孔3になっている。また、凹凸部11は図示のごとくノコギリ状とする。
【0017】(3)実施形態3本実施形態は図7,図8ごとく嵩上げグレーチング7の嵩上げ部材74の下に敷かれる敷板Aである。図11の(ロ),(ハ)のゴム板92,93に置き代わるものとなる。グレーチングに裏当てされるグレーチング用敷板Aであって、ゴム又は樹脂等の弾性体材料で造られ、長手方向等断面形状の板状体に変りはないが、板状体の横断面形状を図示のようなほぼL字形とする。
【0018】そして、板状体の一方の板部1(水平部A1)の下面に一般面1aより隆起した複数(4つ)の凸部2を形成すると共に該凸部2をつくる板部1の部分に透孔3を形成する。凸部2及び透孔3は横断面視ほぼ半円形である。凸部2のところにはその形状に沿う透孔3が造られている。また、板状体の他方の板部1(垂直部A2)の外面側に膨出部4を形成し、且つ該膨出部4をつくる板部1に貫通孔5を形成する。膨出部4は図示のごとく垂直部A2の全体に亘って外方へ膨らむ格好になっている。該膨出部4の形状に合わせて垂直部A2(板部1)に一周り小さな貫通孔5がくり抜かれている。図7では、グレーチングが受ける縦方向と横方向の衝撃強さに対応して、凸部2と透孔3間の肉厚tと、膨出部4と貫通孔5間の肉厚jとを違えている。さらに、本実施形態は、前記膨出部4から外方へほぼ水平に突出するヒレ6を形成する。ここでのヒレ6は3本で、適宜間隔をおいて膨出部4の上部で水平に外方へ張り出す。
【0019】本敷板Aの横断面形状がL字形であっても、実施形態2と違い、嵩上げ部材74の下に敷かれる敷板Aであるので、図示のごとく垂直部A2の長さは水平部A1の長さに比べ小さい。横断面L字形敷板Aの内面1d側は平らに形成され、さらに水平部A1の上面には適宜粘着剤Dが付けられその上に離型紙Bが貼られて商品化される。本敷板Aは、例えば図8のごとくして用いられる。側溝側壁Sの段差面S1に凸部2が当たるようにし、且つヒレ6の部分が起立壁S2に押圧当接するように敷板Aを載置した後、離型紙Bを剥し、粘着剤Dのある面を嵩上げ部材74に裏当てして使用に供される。他の説明は実施形態1と同様でその説明を省く。実施形態1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0020】図9は図7の敷板Aと別形態のものである。凸部2が水平部A1の両サイドに2つ設けられている。ここでの凸部2の形状は安定性を増すように下面部分21を平らな矩形とし、また一つの凸部2を大きくしてその分、透孔3も大きくして敷板Aの弾性を高める。図9では凸部2と透孔3間の横方向肉厚t1と縦方向肉厚t2とを異にする。
【0021】(4)効果このように構成した敷板Aは、弾性体材料による衝撃吸収能力だけに依存するのでなく、該凸部2をつくる板部1の部分に透孔3を形成しているので、車両がグレーチングを通過する際に透孔3の中の空気が抜け、凸部2がたやすく潰れて車両から受ける衝撃をうまく吸収できる。車両がグレーチング上を通過する際には、車両重量が下へ押えつける押圧力だけでなくその反力が図2の矢印のごとく瞬時に発生するが、透孔3の中の空気の出入りが自在であり、しかも、敷板Aの両サイドに空気を抜くことができるので、車両通過の瞬時に反応して衝撃吸収にいかんなく威力を発揮できる。また、図5のようにエンドアングル83に裏当てした敷板Aにあっては、車両がグレーチング8を通過する際にグレーチングが横方向に力を受け、横ズレによる騒音を発し易いが、凸部2の背後に透孔3を形成しているので、弾性変形が容易になりその横方向力を難なく吸収できる。従って、車両がグレーチング8を通過する際の衝撃音すなわち騒音は発しなくなる。そして、凸部2を形成することによって、車両がグレーチング7,8上を通過する際にこの凸部2に車両荷重や横ズレ力を集中させ、前記衝撃吸収をより効率良く実施できる。勿論、弾性体材料で造られた敷板Aは車両通過後に復元して次の衝撃吸収に備える。さらに、凸部2と透孔3間の肉厚t(t1,t2)を調整設定することによって、グレーチング7,8に合った、或いはそのグレーチングが敷かれた通行車両に適合した衝撃吸収性能をもつ敷板Aとすることができる。
【0022】加えて、垂直部A2に膨出部4と貫通孔5を形成した場合には、グレーチング7に加わる前記上下方向の衝撃力の吸収だけでなく、横方向で発する衝撃力の吸収、さらにはグレーチング7のズレ止めにも機能する。ここでも、車両等が与える外部からの衝撃に対し、貫通孔5の中の空気が抜け、膨出部4が容易く潰れて車両から受ける衝撃をうまく吸収できる。そして、膨出部4から外方へ突出するヒレ6が設けられると、該ヒレ6を側溝Cの起立壁S2に密着させてセットし、車両通行時においても、グレーチング7のエンドプレート73を起立壁S2に当てないようにできるので、グレーチング7の横ズレによる騒音は発し難くなる。さらに、図8のようにヒレ6を側溝Cの起立壁S2に密着させてセットすると、ヒレ6,膨出部4を少し変形し反発力が働いており、グレーチング7の横ズレに対し、按配よくこれを阻止しようと作用することになる。かくのごとく、車両等がグレーチング7,8上を通過する際に側溝側壁Sや従来のゴム板に伝えてきた衝撃を、本敷板Aではうまく緩和,吸収して、騒音を抑えることが可能となる。
【0023】尚、本発明においては、前記実施形態に示すものに限らず、目的,用途等に応じて本発明の範囲内で種々変更できる。敷板A,板部1,凸部2,透孔3,膨出部4,貫通孔5,ヒレ6等の形状,大きさ,材質等は用途に合わせて適宜選定できる。敷板Aが裏当てされるグレーチングも実施形態のものに限られない。
【0024】
【発明の効果】以上のごとく、本発明のグレーチング用敷板は、車両がグレーチング上を通過する際の衝撃を効果的に吸収して衝撃音を消失させ、騒音防止に多大な効果を発揮する。
【出願人】 【識別番号】392035318
【氏名又は名称】岡島工業株式会社
【出願日】 平成11年6月30日(1999.6.30)
【代理人】 【識別番号】100101627
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 宜延
【公開番号】 特開2001−11929(P2001−11929A)
【公開日】 平成13年1月16日(2001.1.16)
【出願番号】 特願平11−184552