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【発明の名称】 U字状側溝の型枠装置
【発明者】 【氏名】後藤 幸三

【要約】 【課題】U字状側溝の左右壁の厚さが異なるものの他、左右壁の高さや底部の厚さが異なるものでも、一つの型枠装置で製造する。

【解決手段】一対の左右側枠3A,3Bの少なくとも一方に、厚さが異なる側壁用アタッチメント12A,12Bが着脱自在に取り付けられる。側壁用アタッチメント12A,12Bは、その上下方向に分離可能で、この分離可能な各側壁用アタッチメントの表面12a,12bが面一になるように連結されるとともに、ベース部10に、高さの異なる調節部材9a,9bが交換可能に取り付けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 逆U字状の内枠と、内枠の左右に取り付けられる一対の左右側枠と、内枠の前後に取り付けられる一対の小口枠と、これら各枠の底部に配されるベース部とを備え、U字状の左右壁の幅寸法が底部から開口部まで一定なU字状側溝を逆さ姿勢で成型する型枠装置において、上記一対の左右側枠の少なくとも一方に、厚さが異なる側壁用アタッチメントが着脱自在に取り付けられるとともに、この側壁用アタッチメントは、その上下方向に分離可能で、この分離可能な各側壁用アタッチメントの表面が面一になるように連結されることを特徴とするU字状側溝の型枠装置。
【請求項2】 前記ベース部に、U字状の左右壁の高さに対応してその高さを調節する調整部材が交換可能に取り付けられることを特徴とする請求項1記載のU字状側溝の型枠装置。
【請求項3】 前記一対の左右側枠の一方に、側方に突出する土止め部が成型される土止め枠が着脱自在に取り付けられ、この土止め枠の表面と、前記分離可能な側壁用アタッチメントの一方の表面とが面一になるように連結されることを特徴とする請求項1記載のU字状側溝の型枠装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、道路等に埋設されるU字状側溝を製造するU字状側溝の型枠装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、道路等に埋設されるU字状側溝は、埋設する場所、流水量や施工費用等から種々のものが開発されている。一般的なU字状側溝としては、U字状の左右壁の幅寸法が底部から上方の開口部に向かって徐々に広幅となるものが多く製造され施工されている。また、側方に突出する土止め部(「かかと部」とも呼ばれる)を有するものも製造され施工されている。
【0003】また、図7に示すように、いずれもU字状の左右壁の幅寸法Hが高さ方向に一定なU字状側溝101も製造されるようになっている。この種のU字状側溝101においても、左右の側壁101a,101bの厚さや、底部101cの厚さ等が種々異なるものがあり、側方に突出する土止め部101dを有するものなど種々のものがある。この種のU字状側溝101は、側溝蓋Sと分離して施工でき、経済性にも優れ、図8に示すように、調整コンクリート102により水路底の勾配も自由に設定可能であるなどの利点を数多く有する。
【0004】そして、このようなU字状側溝を製造する型枠装置は、U字状の左右壁の厚さや長さが異なるような場合でも、それらに対応した型枠装置を一つ一つ作り、この型枠装置にコンクリートを打ち込み養生させてコンクリート製の各種のU字状側溝を製造している。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、U字状の左右壁の幅寸法Hが底部から上方の開口部まで一定幅のものまで、型枠装置を個別に製作することは、多大な費用がかかる問題を有していた。また、側方に突出する土止め部101dを成型する場合は、土止め枠が一体の型枠装置を個別に製作する必要があり、特に多大な費用がかかる問題を有していた。
【0006】そこで、本発明は、U字状の左右壁の幅寸法が底部から開口部まで一定のU字状側溝の左右壁の厚さが異なるものの他、左右壁の高さや底部の厚さが異なるものや土止め部を有するものでも、一つの型枠装置で製造することが可能なU字状側溝の型枠装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の側溝蓋の型枠装置は、【0008】この請求項1記載の発明によれば、厚さが異なる側壁用アタッチメントを複数用意しておき、これらを交換して上記一対の左右側枠に取り付けると、U字状の左右壁の厚さが異なるU字状側溝を成型することができる。また、上記側壁用アタッチメントは上下方向に分離可能であることから、この分離可能な側壁用アタッチメントをすべて使用するか、又は、いくつかを残して使用するなどして側壁用アタッチメントの高さを調節することができるので、U字状の左右壁の高さが異なるU字状側溝を成型することができる。
【0009】本発明の請求項2記載のU字状側溝の型枠装置は、請求項1記載の発明を前提として、前記ベース部に、U字状の左右壁の高さに対応してその高さを調節する調整部材が交換可能に取り付けられることを特徴とする。
【0010】この請求項2記載の発明によれば、分離可能な側壁用アタッチメントによりU字状の左右壁の高さを調節すると共に、この高さに対応してベース部の高さを調節部材を交換することにより調節すると、U字状の左右壁の高さが異なるU字状側溝を成型することができる。
【0011】本発明の請求項3記載のU字状側溝の型枠装置は、請求項1記載の発明を前提として、前記一対の左右側枠の一方に、側方に突出する土止め部が成型される土止め枠が着脱自在に取り付けられ、この土止め枠の表面と、前記分離可能な側壁用アタッチメントの一方の表面とが面一になるように連結されていることを特徴とする。
【0012】この請求項3記載の発明によれば、一対の左右側枠の一方に土止め枠が取り付けられることから、側方に突出する土止め部を有するU字状側溝を成型することができる。また、一対の左右側枠の一方に土止め枠を取り付けたままにして、前記分離可能な側壁用アタッチメントの高さを調節すると、側方に突出する土止め部を有しながらも、そのU字状の左右壁の高さや底部の厚さ等が異なるU字状側溝を成型することができる。
【0013】
【発明の実施の態様】以下、本発明の一実施の態様を図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)本実施の形態のU字状側溝の型枠装置は、図7に示すようなU字状の左右壁101a,101bの幅寸法Hが一定の各種のU字状側溝101を成型する装置1である。このU字状側溝101には、左右壁101a,101bの厚さが異なるもの(図7(d))、左右壁101a,101bの高さが異なるものや(図7(g))や、側方に突出する土止め部を有するもの(図7(f)(g))など種々のものがある。また、一体的に使用される側溝蓋Sは、縁石付きのもの(図7(a))や、雨水排出孔が形成されたもの等がある。
【0014】このU字状側溝の型枠装置1は、図1乃至図3に示すように、逆U字状の内枠2と、一対の左右側枠3A,3Bと、一対の小口枠4A,4Bとを少なくとも備えている。これら各枠体は、いずれも鋼板製であり、U字状側溝101を逆さ姿勢で成型する。逆さ姿勢で成型するのは、離型作業を省力化することができることと、コンクリートの打ち込み容易である等の理由による。なお、図1上は、一方の小口枠4Bは省略されている。
【0015】逆U字状の内枠2は、その片側2aは、ベース部10に固定されるが、他方の側2bは、コンクリートの離型を考慮し、内側に絞られるような構造になっている(図1中二点鎖線参照)。一対の小口枠4A,4Bと一対の左右側枠3A,3Bは、いずれも可動枠である。また、一対の小口枠4A,4Bと一対の左右側枠3A,3Bには、厚手の堰板に縦横に補強桟3a,4aが取り付けられている。本実施の形態の装置1では、上方に設けられる抜き型、すなわち、U字状側溝101の水路底面の多数の凹凸溝(図7(b)の符号101e参照)を成型する抜き型(以下、「水路底面の抜き型」という)は、図1上は省略されている。この水路底面の抜き型が設けられる装置としては、一対の左右側枠3A,3Bの一方3Bにヒンジ連結されて、片側から回転動作するものや、上方からつり下げられるものなどがあり、U字状側溝101の底部101cに所定間隔で凹凸溝101eを形成するための型抜きが所定間隔をおいて形成されているものと、底部101cに溝を形成しない平坦な底部を形成するものがある。
【0016】一対の左右側枠3A,3Bと一対の小口枠4A,4Bは、内枠2の四周を囲繞するように配設されている。一対の側枠3A,3Bは、内枠2に向かって走行する台車を介して平行移動することができ、この平行移動により型開き・型締めされる。また、一対の小口枠4A,4Bは、一対の左右側枠3A,3Bの長手方向の側縁部にヒンジ連結されて、扉状に開閉動作することができ、この扉状に開閉動作により型開きと型締めが行われる。
【0017】そして、上記一対の左右側枠3A,3Bには、各々側壁用アタッチメント12が着脱自在に取り付けられている。これらの側壁用アタッチメント12は、鋼板製のもので、一対の左右側枠3A,3Bと同じ大きさを呈するが、その長手方向の両端に薄幅の薄肉部12eが形成されている。これは、図1及び図4に示すように、U字状側溝101の側方の周縁部が厚肉に形成されていることに対応する。なお、本明細書中において、上記薄肉部12eよりも厚い中央の部分の表面を、図面中の側壁用アタッチメントの表面12a,12bとして、以下説明する。
【0018】側壁用アタッチメント12は、その上下方向に分離可能に構成されている。すなわち、本実施の形態の側壁用アタッチメント12A,12Bは、図2及び図3に示すように、一対の左右側枠3A,3Bの一方3Aの上方側に取り付けられる第1の側壁用アタッチメント12Aと下方側に取り付けられる交換可能な第2の側壁用アタッチメント12Bとからなる。ここで、第1の側壁用アタッチメント12Aの高さ寸法は420mmであり、第2の側壁用アタッチメント12Bの高さ寸法は760mmであるが、上記第1の側壁用アタッチメント12A高さ寸法は、0から420mmで設計変更可能に設定されている。すなわち、第1の側壁用アタッチメント12Aの高さ寸法が種々異なるものを複数用意しておき、この種々の第1の側壁用アタッチメント12Aを交換して、左右側壁の101a,101bの高さが異なるU字状側溝101を成型する。
【0019】このように、これら第1と第2の側壁用アタッチメント12A,12Bは分離可能であるが、この分離可能な各側壁用アタッチメント12A,12Bは、これらの各表面12a,12bが面一に連結可能に構成されている。すなわち、各側壁用アタッチメント12A,12Bは、ボルトBとナットにより一対の左右側枠3A,3Bの背面側のネジ孔3bから取り付けられ、これに対応するネジ孔3cが各側壁用アタッチメント12A,12Bにも形成されるとともに、各側壁用アタッチメント12A,12B同士も、対応する位置に形成されているネジ孔3dにネジ部材を介して連結されている。なお、上記ネジ孔3bは、第1と第2の側壁用アタッチメント12A,12Bの表面12a,12bには貫通していないので、これらの表面12a,12bに影響を与えることはない。
【0020】ベース部10には、U字状の左右の側壁部の上方側と各々接触する調節部材9a,9bが設けられている。この調節部材9a,9bは、図4に示すように、基準台9aと、この基準台9aの下に配設される調節用台9bとから構成されている。この調節台9bは、上記第1の側壁用アタッチメント12を取り外した場合に、U字状側溝101の左右壁101a,101bの高さを調節するもので、上記基準台9aを上方位置に支持するものである。(図4(b)参照)。このような構成の調節部材9a,9bは、分離可能な側壁用アタッチメント12A,12Bの種類に応じて複数用意されている。
【0021】ここで、本実施の形態の側壁用アタッチメント12A,12Bは、2分割のものであるが、本発明は、この2分割以上に分離可能なものも含まれる。また、分離可能な側壁用アタッチメント12A,12Bの上方側12Aについては、後述する第2の実施の形態の側方に突出する土止め部が成型される土止め枠15とすることも可能である。そして、これらの場合は、上記ベース部10側に交換して取り付けられる調節部材9a,9bは、これらの種類に対応して用意することとなる。
【0022】したがって、本実施の形態のU字状側溝の型枠装置1を使用して、U字状の左右壁の厚さが異なるU字状側溝101を種々製造する場合には、上記側壁用アタッチメント12を厚さの異なるものを種々製造しておく。そして、これら複数種のものをボルトB等の連結具を介して交換して取り付けて、上記枠体の中にコンクリートを打ち込み養生させると、U字状の左右壁101a,101bの高さが異なるU字状側溝101を種々製造することが可能になる。すなわち、上記側壁用アタッチメント12を一対の左右側枠3A,3Bの一方に取り付ければ、図7(a)乃至図7(d)に示すように、U字状の左右壁101a,101bの厚さが種々異なるU字状側溝を製造することができる。
【0023】また、U字状の左右壁101a,101bの長さが異なるU字状側溝を種々製造する場合には、上記第1及び第2の側壁用アタッチメント12A,12Bの高さ方向の長さが異なるものを複数種類用意しておき交換して取り付けるとともに、調節部材9a,9bにより、U字状の左右側壁のコンクリートが打ち込まれる高さを設定する。本実施の形態では、第2の側壁用アタッチメント12Bは、760mmと一定に設計され、第1の側壁用アタッチメント12Aが0から420mmの高さの異なるものを交換するようになっている。なお、ここで「0」とは、第1の側壁用アタッチメント12Aを使用しないことを言う。したがって、このような交換により、図7に示す各種の左右壁101a,101bの片側の長さや、両方の長さが異なるU字状側溝を製造することが可能となる(図7(f)(g)等参照)。
【0024】(第2の実施の形態)本実施の形態のU字状側溝の型枠装置11は、図7(f)(g)に示す土止め部(「かかと部」とも呼ばれる)付きのU字状側溝101を逆さ姿勢で成型するものである。なお、土止め部は、施工の安定性を保つために設けられるもので、通常、U字状の左右壁101a,101bの一方に設けられる。
【0025】本実施の形態の一対の左右側枠3A,3Bの一方3Aには、図5及び図6に示すように、側方に突出する土止め枠15が取り付けられている。すなわち、本実施の形態では、分離可能な第1及び第2の側壁用アタッチメント12A,12Bと、上記土止め枠15という、3部品で交換可能なアタッチメントが構成されている。土止め枠15は、両側壁15b,15bの間にコンクリートを打ち込む空間部15cが形成されたもので、一対の左右側枠3A,3Bの一方3Aの上方側にボルトにより着脱自在に取り付けられている。そして、この土止め枠15の表面15aと、分離可能な第1及び第2の側壁用アタッチメント12A,12Bの一方の面12a,12bとが面一になるように連結されている。上記ボルト止めについては、具体的に図示しないが、一つの左右側枠3A,3Bの少なくとも一方に、ボルト止めする箇所が複数設けられており、この複数箇所を選択しながら、土止め枠15の表面15aと側壁用アタッチメント12A,12Bの一方の面12a,12bとが面一になるように連結するか、又は、上述したネジ孔3b,3cとボルトBとによる連結のように連結する。
【0026】したがって、本実施の形態のU字状側溝の型枠装置11を使用して、土止め付きのU字状側溝を製造する場合には、上記土止め枠15の上下方向の長さや形状が異なるものを複数種類用意しておき、これらを交換して成型する。上記土止め枠15を一対の左右側枠3A,3Bの一方3Aに取り付けたままにしておき、第1の実施の形態で説明したように、分離可能な側壁用アタッチメント12A,12Bの上方側12Aを交換したり、取り外したりして成型しても良い。この場合は、上記調節部材9a,9bにより高さを調節する。
【0027】このように交換作業を行った後、上記枠体の中にコンクリートを打ち込み養生させると、図7(f)(g)に示す土止め付きのU字状側溝101を製造することができる。そして、土止め部101dの形状の他、土止め枠15を交換することにより、底部101cの厚みの異なるU字状側溝を一つの型枠装置で成型することができる。
【0028】ところで、側方に突出する土止め部101dを専用の土止め枠が一体の型枠装置を個別に製作して製造することは、多大な費用がかかる。しかし、本実施の形態によれば、土止め枠15を取り付けたままにして、分離可能な側壁用アタッチメント12A,12Bの上方側12Aを交換したり、取り外したりすることにより、左右壁の高さや底部の厚さが異なる土止め部付きのU字状側溝を一つの型枠装置11により安価に製造することができる。
【0029】以上、各本実施の形態では、水路底面の抜き型のないもので説明したが、水路底面の抜き型は、各型枠装置1,11の上方に吊り下げられたり、一対の左右側枠3A,3Bの一方3B等に扉状態に取り付けられるような水路底面の抜き型を使用することは、実施に応じ任意である。
【0030】
【発明の効果】本発明に係るU字状側溝の型枠装置によれば、厚さが異なる側壁用アタッチメントを複数用意して交換して一対の左右側枠に取り付けると、U字状の左右壁の厚さが異なるU字状側溝を一つの型枠装置で安価に成型することが可能となる。
【0031】また、側壁用アタッチメントを分離可能に構成して高さを調節すると共に、この高さに対応してベース部の調節部材を交換すると、U字状の左右壁の高さが異なるU字状側溝を一つの型枠装置で成型することが可能である。
【0032】さらに、一対の左右側枠の一方に土止め枠を取り付け、この土止め枠の表面と前記側壁用アタッチメントの表面とが面一になるように連結することにより、側方に突出する土止め部を有するU字状側溝を一つの型枠装置で成型することが可能である。
【0033】
【出願人】 【識別番号】595062780
【氏名又は名称】株式会社フォーテック
【出願日】 平成11年6月23日(1999.6.23)
【代理人】 【識別番号】100105809
【弁理士】
【氏名又は名称】木森 有平
【公開番号】 特開2001−3441(P2001−3441A)
【公開日】 平成13年1月9日(2001.1.9)
【出願番号】 特願平11−176568