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【発明の名称】 側 溝
【発明者】 【氏名】大池 悦二

【要約】 【課題】歩行が安全にでき、雨水排水の効率も良く、さらに経済的な側溝を提供する。

【解決手段】側溝1の開口2を、短いグレーチング蓋35と、開口2の約数ではない長さのコンクリート蓋25により塞ぐ。短いグレーチング蓋35を採用することにより、低コストで雨水排水効率の良い側溝を実現することができる。また、短いグレーチング蓋35は簡単に取り外しできるので、その隙間から手を入れてコンクリート蓋25を外すことができる。したがって、メンテナンスおよび雨水排水の両面からコンクリート蓋の切欠きを無くすことができ、安全性の高い側溝を提供できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 開渠部と暗渠部とを有する側溝であって、前記側溝に載った、少なくとも1つのコンクリート製の蓋と、前記側溝に載った、少なくとも1つの金属製で多孔性の蓋との組み合わせにより前記開渠部の開口が塞がれており、個々の前記多孔性の蓋は、個々の前記コンクリート製の蓋より面積が小さいことを特徴とする側溝。
【請求項2】 請求項1において、前記多孔性の蓋はグレーチングであることを特徴とする側溝。
【請求項3】 請求項1において、前記多孔性の蓋は長方形であり、短辺が約300mm以下であることを特徴とする側溝。
【請求項4】 請求項1において、前記開口は長方形であり、前記多孔性の蓋と、前記コンクリート製の蓋は、前記開口の長手方向に隣接して配置され、前記多孔性の蓋の隣接方向の長さが約300mm以下であることを特徴とする側溝。
【請求項5】 請求項1において、前記開口は長方形であり、前記多孔性の蓋と、前記コンクリート製の蓋は、前記開口の長手方向に隣接して配置され、前記多孔性の蓋の隣接方向の長さは、前記コンクリート製の隣接方向の長さの半分以下であることを特徴とする側溝。
【請求項6】 請求項1において、前記開口は長方形であり、前記多孔性の蓋と、前記コンクリート製の蓋は、前記開口の長手方向に隣接して配置され、前記コンクリート製の蓋の隣接方向の長さは、前記開口の長手方向の長さの約数でないことを特徴とする側溝。
【請求項7】 請求項1において、前記開口は長方形であり、前記多孔性の蓋と、前記コンクリート製の蓋は、前記開口の長手方向に隣接して配置され、前記コンクリート製の蓋の隣接方向の長さは、前記開口の長手方向の長さを前記多孔性およびコンクリート製の蓋の総数で割った値よりも長いことを特徴とする側溝。
【請求項8】 請求項1において、前記開口は長方形であり、前記多孔性の蓋と、前記コンクリート製の蓋は、前記開口の長手方向に隣接して配置され、前記コンクリート製の蓋の隣接方向の長さが約350mmから490mmの範囲であることを特徴とする側溝。
【請求項9】 請求項1において、前記開口は長方形であり、前記多孔性の蓋と、前記コンクリート製の蓋は、前記開口の長手方向に隣接して配置され、前記コンクリート製の蓋の隣接方向の長さが約520から750mmの範囲であることを特徴とする側溝。
【請求項10】 請求項1において、前記多孔性の蓋が前記開口のほぼ中央に配置されていることを特徴とする側溝。
【請求項11】 請求項1において、前記多孔性の蓋が前記開口の反対側の縁に配置されていることを特徴とする側溝。
【請求項12】 請求項1において、前記側溝は上壁の一部が長さ約1000mmの前記開口となった自由勾配側溝用ブロックにより形成されており、前記多孔性の蓋およびコンクリート製の蓋の合計枚数が少なくとも3枚であることを特徴とする側溝。
【請求項13】 請求項1において、前記側溝は上壁の一部が長さ約1500mmの前記開口となった自由勾配側溝用ブロックにより形成されており、前記多孔性の蓋およびコンクリート製の蓋の合計枚数が少なくとも4枚であることを特徴とする側溝。
【請求項14】 請求項1において、前記開口の内面にインサートが埋設されていることを特徴とする側溝。
【請求項15】 請求項1に記載の多孔性の蓋であって、長方形で短辺が300mm以下であることを特徴とする多孔性の蓋。
【請求項16】 請求項15において、グレーチング製で、このグレーチングのクロスバーを中心に旋回し、前記コンクリート製の蓋または側溝本体から突き出た部材に係合して固定するフックを有することを特徴とする多孔性の蓋。
【請求項17】 側溝の開口に、コンクリート製の蓋に隣接して配置されるグレーチング製の蓋であって、隣接するコンクリート製の蓋に当たり、該グレーチング製の蓋とコンクリート製の蓋との間に隙間を設けるスペーサを有するグレーチング製の蓋。
【請求項18】 請求項17において、前記グレーチング製の蓋は、その表面を構成するグレーチング部と、前記コンクリート製の蓋との厚みに合わせるように前記グレーチング部を嵩上げする部材とを有し、この嵩上げする部材が前記隣接するコンクリート製の蓋の方向に延び前記スペーサとしての機能を果たすグレーチング製の蓋。
【請求項19】 請求項17において、前記グレーチング製の蓋は、その表面を構成するグレーチング部と、このグレーチング部の端部を補強する補強部材とを有し、この補強部材が前記隣接するコンクリート製の蓋の方向に延び前記スペーサとしての機能を果たすグレーチング製の蓋。
【請求項20】 請求項1に記載のコンクリート製の蓋であって、側面にインサートが埋設されていることを特徴とするコンクリート製の蓋。
【請求項21】 請求項1に記載のコンクリート製の蓋であって、切欠きがないか、または切欠きの幅が2cm以下であることを特徴とするコンクリート製の蓋。
【請求項22】 開渠部と暗渠部とを有する側溝の前記開渠部の開口に敷設する蓋配列であって、前記側溝に載った、少なくとも1つのコンクリート製の蓋と、前記側溝に載った、少なくとも1つの金属製で多孔性の蓋とが組み合わされており、個々の前記多孔性の蓋は、個々の前記コンクリート製の蓋より面積が小さいことを特徴とする側溝開口の蓋配列。
【請求項23】 請求項22において、前記多孔性の蓋はグレーチングであることを特徴とする側溝開口の蓋配列。
【請求項24】 請求項22において、前記開口は長方形であり、前記多孔性の蓋と、前記コンクリート製の蓋は、前記開口の長手方向に隣接して配置され、前記多孔性の蓋の隣接方向の長さが約300mm以下であることを特徴とする側溝開口の蓋配列。
【請求項25】 請求項22において、前記開口は長方形であり、前記多孔性の蓋と、前記コンクリート製の蓋は、前記開口の長手方向に隣接して配置され、前記コンクリート製の蓋の隣接方向の長さは、前記開口の長手方向の長さの約数でないことを特徴とする側溝開口の蓋配列。
【請求項26】 請求項22において、前記開口は長方形であり、前記多孔性の蓋と、前記コンクリート製の蓋は、前記開口の長手方向に隣接して配置され、前記コンクリート製の蓋の隣接方向の長さは、前記開口の長手方向の長さを前記多孔性およびコンクリート製の蓋の総数で割った値よりも長いことを特徴とする側溝開口の蓋配列。
【請求項27】 請求項22において、前記開口は長方形であり、前記多孔性の蓋と、前記コンクリート製の蓋は、前記開口の長手方向に隣接して配置され、前記コンクリート製の蓋の隣接方向の長さが約350mmから490mmの範囲であることを特徴とする側溝開口の蓋配列。
【請求項28】 請求項22において、前記多孔性の蓋が前記開口のほぼ中央に配置されていることを特徴とする側溝開口の蓋配列。
【請求項29】 請求項22において、前記多孔性の蓋が前記開口の両サイドに配置されていることを特徴とする側溝開口の蓋配列。
【請求項30】 請求項22において、前記開口の長さは約1000mmであり、前記多孔性の蓋およびコンクリート製の蓋の合計枚数が少なくとも3枚であることを特徴とする側溝開口の蓋配列。
【請求項31】 請求項22において、前記開口の長さは約1500mmであり、前記多孔性の蓋およびコンクリート製の蓋の合計枚数が少なくとも4枚であることを特徴とする側溝開口の蓋配列。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、雨水などを流すために施工される側溝およびその開口の蓋配列に関するものである。
【0002】
【従来の技術】道路に沿った場所など、様々な場所に雨水などを流すために側溝が施工されている。従来、側溝の多くは断面がU字型をしたコンクリート製ブロックを用いて施工されたものが多かったが、近年、上面の一部が暗渠で他の部分が開渠となり、下側が開いた自由勾配側溝用のブロックを用いて施工された側溝が多くなっている。図11に示した側溝1は複数の自由勾配側溝用ブロック10を連接して施工されたものであり、側溝1の延びた方向(流れの方向、長手方向)Xに開渠部5と暗渠部6が交互に形成され、開渠部5の開口2が断続的に地表に見えるようになっている。そして、開口2が2枚のコンクリート蓋20により塞がれている。
【0003】図12に自由勾配側溝用ブロック10を示してある。この側溝用ブロック10は、インバートコンクリート18が現場で打設されて、側溝1の底面となるように下方19が開いた逆U字型の断面の長細いコンクリート製のブロックである。この側溝用ブロック10を用いて施工した側溝1は、従来のU字溝と異なり底面に自由な高さでインバートコンクリートを現場で打設することができる。したがって、側溝の底面の勾配を自由に変えることが可能なため、それに因んだ名称で呼ばれている。
【0004】自由勾配側溝用ブロック10の上部(天場、上面)12は、長手方向Xの中央付近が上面に開口2の形成された開渠5となっており、その他の部分(開渠の両側)はコンクリート製の上面により塞がれた暗渠3となっている。したがって、このブロック10により施工された側溝1は、暗渠3と開渠5が交互に形成された開口2が断続的に表れる。開口2は流れの方向に延びた長方形であり、その長辺となる両縁には、上面12から1段凹んだ蓋受け用の縁11が設けられている。そして、側溝1を施工した後は、蓋受け用の縁11にコンクリート製の蓋20が掛かるように載せることにより開口2を塞ぐことができる。
【0005】側溝用ブロック10の標準品の長さ(長手方向、流れの方向あるいは開渠と暗渠が交互に表れる方向の長さ、以降においては特に定義しない限り同じ方向の長さを示す)L1は約2000mmであり、その開口2の長さ(長方形の開口の長手方向、長辺方向、以降においては特に定義しない限り同じ方向の長さを示す)L2は約1000mmのものが一般的に用いられている。開口2の長さL2が1500mmのブロックもあるが、最近ではそれほど多くない。道路交通法の改正により、道路構造物に対する荷重条件が以前より厳しくなったことが主な要因である。すなわち、全長L1が2000mmの自由勾配側溝用ブロック10で開口2の長さL2を1500mmとすると、残りの暗渠3のスラブ(上面のコンクリート壁)の長さは片側で250mmとなる。この寸法では、コンクリートの場合、一定の厚さのスラブに限定されると、輪荷重に対し必要な耐荷重強度を出すのが難しい。
【0006】自由勾配側溝1に用いられているコンクリート蓋20の隣接する方向の長さC1は、約500mmである。蓋20の幅(側溝1の流れ方向Xに直交する方向)は側溝用ブロック10の幅によって開口2の幅が変わるので、それに合わせて変化する。これに対し、開口2の長手方向の長さは、上述したように規格化されてり、その長さの開口2に複数(図11の場合は2枚)の蓋を隣接して設置するために隣接する方向(隣接方向、開口2の長手方向)の長さ(本明細書では、以降において蓋の長さとは隣接方向の長さを示す)は側溝1の幅に関係なく定義できる。したがって、本明細書においては、側溝1の幅方向の長さ(距離)については言及しないが、いずれの幅の側溝1あるいは開口2にも本明細書に記載している発明は適用できるものである。
【0007】したがって、コンクリート蓋20の長さC1が500mmであると、開口2の長さL2が1000mmのブロック10を採用した自由勾配側溝1では、各開口2に2枚のコンクリート蓋20が載せられる。また、開口2の長さL2が1500mmの側溝用ブロック10をもちいた側溝では、各開口2は、3枚のコンクリート蓋20で塞がれる。
【0008】側溝に用いられるコンクリート蓋の長さは500mmに限られない。開渠部が連続し、あるいは開渠部だけで形成されていると考えることができるU字溝のコンクリート蓋の長さは約600mmが主流であった。これはかつてのU字溝本体の長さが、尺貫法の影響で600mmであったからである。これに対し、近年の自由勾配側溝ブロック10の長さL1が2mになったのは、メートル法の採用と、重機の普及により大型化したのが原因と思われる。したがって、近年では、開口2の長さL1が上述したように1mあるいは1.5mなので、この寸法の開口2を塞ぐ蓋20の長さC1は500mmになっている。
【0009】もちろん、1mあるいは1.5mの長さのコンクリート蓋でも開口2を蓋できるのであるが、小型の道路側溝の蓋の長さは、350mmから750mm程度の範囲が理想的であると考えられている。コンクリート蓋の長さが350mm以下では、車から受ける荷重への対抗力が弱い。一方、コンクリート蓋の長さが750mm以上では、コンクリート製品の精度上の問題があり、蓋をしたときにがたつきが発生する可能性が高くなる。すなわち、コンクリート製品は、精密な製作は困難であり、寸法が大きいと反りも発生し易い。したがって、側溝1の開口2に長いコンクリート製の蓋20を載せると、がたつきが大きくなり騒音が発生し易い。あるいは、偏芯荷重が加わると衝撃が発生し、コンクリート蓋が割れ易いなどの問題がある。
【0010】したがって、従来の長さ600のU字溝には、約600mmのコンクリート製の蓋が採用され、自由勾配側溝1の開口2には、それぞれの長さL2が約1500mmあるいは約1000mmの約数であり、コンクリート製の蓋の長さとしても適当な約500mmの長さのコンクリート蓋が採用されている。長さ1000mmの開口に対し、250mmは約数であり、その長さの蓋を4枚設置することも可能であるが、上記のように、輪荷重に対して弱いので適当でない。また、長さ1000mmの蓋は長すぎてがたつきが問題となる。長さ1500mmの開口に対し、長さ約750mmは約数であり2枚の蓋でカバーできるが、長さ約1000mmの開口はこの蓋ではカバーできない。したがって、汎用性がない。また、長さ750mmのコンクリート蓋は手で持ち上げるには重過ぎる。このような点から現在では長さ500mmのコンクリート蓋が一般的である。
【0011】図13にコンクリート蓋20の外観を示してある。自由勾配側溝1の開口2は、図12に示すように、蓋掛け11から上に向かって、全ての面が広がるテーパーとなっている。このような開口の形状は、自由勾配側溝用ブロック10を用いた側溝1に限らず、蓋を着脱することがある側溝の開口の形状として一般的なものである。したがって、コンクリート蓋20は、この勾配に合わせて、少なくとも3面20a、20bおよび20cが上に広がっている。図13に示した蓋は、さらに、残りの一面20dも広がっているものである。したがって、蓋の長さC1が500mmとは通常もっとも長い上面20xの寸法を呼び寸法として採用している。
【0012】同様に、自由勾配側溝1の開口2の寸法L2は蓋を開閉するために一定のクリアランスが確保されるように、製作図では1510mmあるいは1010mmとしている。しかしながら、呼び寸法は1500mmおよび1000mmである。逆に、開口2の実際の長さを1500mmあるいは1000mmとして、蓋の実際の長さ497mm程度にしてクリアランスを確保しているケースもある。いずれの場合も本明細書においては、呼び寸法1500mm、1000mmおよび500mmとし、それぞれの値を以下では長さとして記載する。クリアランスなどを確保するために実際の寸法が調整されることは周知であるとして、これ以上は説明しない。また、クリアランスおよび形状、さらにはコンクリート製品を製造するための寸法調整は考慮されるものとして、以下ではすべて呼び寸法で説明を行う。さらに、約1000mmなどと記載しない場合でも、これらの寸法調整は考慮されているものとする。
【0013】図13に示すように、従来のコンクリート蓋20には、奥行き35mm以上の切欠き部21が形成されている。この切欠き部21は、道路上の雨水を側溝の中に落とす目的もあるが、蓋を開閉するための目的もあった。一般道路に最も用いられている自由勾配側溝1は、内径(内側の幅)は、300から500程度であり、これらの側溝の開口2に設置される蓋20の重量は30kg以上となる。したがって、これらの蓋を持ち上げるには、切欠き部21に手の甲も入れて持ち上げなければならない。そのため、35mm程度の寸法が確保されている。もちろん、指だけで持ち上げ可能な重さであれば、この切欠き部は小さなものとなるが、側溝用の蓋20として35mm程度が必要とされていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このように、雨水の飲み込みができ、また、手の甲が入る程度の切欠き21を蓋20に設けておくことがメンテナンスなどのために必要なのであるが、この切欠き21に歩行者がつまずいて転倒することがある。あるいは、女性の歩行者がハイヒールのかかとを落とすなどの事故も多い。そこで、本発明においては、このようなトラブルを未然に防止することも目的の1つとしている。
【0015】一方、側溝1に積極的に雨水を排出するために、コンクリートの蓋ばかりでなく多孔質の金属性、あるいは、樹脂製などのグレーチングと呼ばれる蓋が設置されることも多い。グレーチング蓋は、それだけで開口2を塞ぐ場合と、コンクリート蓋20との組み合わせで使う場合とがある。道路の横断部に用いる場合は、グレーチング蓋だけで開口2を覆う場合が多い。横断部では、繰り返し車の衝撃荷重が加わるのでコンクリート製の蓋に比べ、衝撃に強く割れ易いグレーチング蓋が良いとの理由による。一方、道路に沿った部分(縦断部)などでは、コンクリート蓋20とグレーチング蓋とを組み合わせて用いられる場合の方が多い。主な理由は、経済的なためである。
【0016】側溝1は横断部よりも縦断部の方のほうが圧倒的に長い。したがって、コンクリート蓋との組み合わせで使用するケースが多いので、上述したコンクリート蓋20の長さと合わせてもの、すなわち、長さが500mmのグレーチング蓋がもっとも多く用いられる。グレーチング蓋は、コンクリート蓋より重量が軽く、また、製造精度も高いので、500mmよりも長いものが使用されるケースもある。しかしながら、500mmより短いものはコンクリート蓋20と組み合わせできないので従来は用いられていない。
【0017】図14および図15に幾つかの組み合わせ、すなわち、開口2の従来の蓋配列の幾つかの例を示してある。図14は、長さL2が1000mmの開口2にグレーチング蓋30を設置(配列)する例である。図14(a)は、コンクリート蓋20とグレーチング蓋30を1枚づつ組み合わせて開口2に設置したものであり、各々の蓋の長さC1は500mmである。また、図14(b)は長さC1が500mmのグレーチング蓋30を2枚用いて開口2を塞いだものである。さらに、図14(c)は、長さが開口の長さL2と同じ1000mmのグレーチング蓋31を1枚用いて開口2を蓋したものである。
【0018】図15は、長さL2が1500mmの開口2にグレーチング蓋30を設置する例であり、図15(a)は、1枚のグレーチング蓋30と2枚のコンクリート蓋20により開口2をカバーしている。また、図15(b)および(c)は、2枚のグレーチング蓋30と、1枚のコンクリート蓋20により開口2をカバーする例であり、蓋の並べ方を変えた例を示してある。これらは全て長さC1が500mmのコンクリート蓋20あるいはグレーチング蓋30を並べることにより開口2を塞いでいる。
【0019】このようにグレーチング蓋30により開口2を覆うと、グレーチング蓋30を通して雨水が側溝1に排水されるので路面の排水効率を高くできる。したがって、コンクリート蓋に代わりグレーチング蓋で開口2を覆うことが望ましいが、グレーチング蓋はコンクリート蓋に比べて高価である。そして、コンクリート蓋に比べると歩きにくいという問題もある。目の間隔の小さな細目のグレーチング蓋があるが、これはさらに高価であり経済的な理由で使用が難しい。
【0020】また、グレーチング蓋は軽いといっても長さ500mmのものは隙間に手を入れて簡単に動かせるものではなく、太いフック状の鉄筋棒などが必要となる。
【0021】このように、現状の側溝はコンクリート蓋20、あるいはコンクリート蓋20およびグレーチング蓋30との組み合わせによりカバーされているが、コンクリート蓋20はコストが低く採用しやすいとは言うものの、手掛けや、雨水排水のために35mm程度の切欠き21は必要であり、女性がハイヒールを落としたり、つまずいて転倒する原因となっている。切欠き部のサイズを小さくすれば安全になるが、蓋を外す作業が困難となり、雨水の排水効率が下がる。切欠きを無くさないまでも指が入る程度に限定することが検討されたが、手の甲も入らないと重くて持ち上げできない。したがって、現状のサイズ(35mm程度)より小さな寸法とすることは難しかった。
【0022】一方、グレーチング蓋30は雨水排水には都合が良いが、価格が高いのが非常なネックであり、側溝の施工費用が大幅に増加する。
【0023】本発明は、これらの問題を解決するものであり、コンクリート蓋の切欠きを小さくするか、あるいは無くしてもコンクリート蓋を持ち上げることが可能となり、また、排水効率も充分に確保することができる側溝を提供することを目的としている。また、従来のように、グレーチングに多大な費用をかけずに排水効率の良い側溝を提供することも本発明の目的としている。
【0024】さらに、本発明は、現在、既に施工されている側溝を大幅に変更することなく、また、側溝用ブロックの設計を変えることなく、排水効率が高く、また、切欠きに躓いたりすることのない側溝を提供することを目的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】このため、本発明においては、自由勾配側溝などの開渠部に設けられた開口を、コンクリート製の蓋と、それより長さの短いグレーチング蓋の組み合わせで覆うようにしている。すなわち、本発明は、開渠部と暗渠部とを有する側溝において、側溝に載った、すなわち、側溝を構成するブロックあるいは側溝本体に載った少なくとも1つのコンクリート製の蓋と、同様に前記側溝に載った、少なくとも1つの金属製で多孔性の蓋との組み合わせにより開渠部の開口が塞がれており、個々の多孔性の蓋は、個々のコンクリート製の蓋より面積が小さいことを特徴としている。このように、短い、すなわち、面積の小さいグレーチング蓋などの多孔性の蓋を側溝本体に載せて開口を蓋する蓋配列を採用することにより、コンクリート蓋に切欠きを設けるよりも排水効率は高くなる。また、サイズの小さな多孔性の蓋であれば軽いので手でも簡単に取り外すことができる。したがって、多孔性の蓋を取り外した後にコンクリート製の蓋に手を掛けることにより、コンクリート製の蓋の切欠きが小さくても、あるいは切欠きがなくてもコンクリート製の蓋の裏側に手の甲まで入るので、持ち上げることができる。コンクリート蓋の着脱用に治具を用いる場合は、切欠きがある方が望ましいが、本発明では、手が入るほどでなくて良いので、躓いたり、ヒールが落ちることのない2cm以下にすることができる。
【0026】本発明の側溝であれば、コンクリート蓋に切欠きを設けなくても、あるいは非常に小さくしても雨水排水およびメンテナンス上の問題はない。したがって、切欠きのない、あるいは非常に小さなコンクリート蓋を採用できるので、切欠きに躓いたり、ヒールを落としてしまうようなトラブルを防止できる。
【0027】一方、多孔性の蓋の面積は非常に小さいので、軽く、コストも低い。したがって、多孔性の蓋を採用することによるグレーチング蓋などの多孔性の蓋を採用する際のコストアップを抑えることができる。また、コストアップ率が低いので、高価な細目のグレーチングを採用してもコストアップ率は少ない。したがって、非常に歩き易い状態の蓋を開口に施すことができる。多孔性の蓋は、パンチングメタルなどで形成することも可能であるが、強度などの点からはグレーチング蓋が望ましい。
【0028】このように、本発明は、グレーチングなどの多孔性の蓋の寸法をコンクリート製の蓋の寸法と同一(もちろんクリアランスなどの要因による差などは除き、呼び寸法としてであることは上述した通りである)あるいはその倍数としていた従来の蓋配列の概念とは異なる思想であり、これによってコンクリート製の蓋の切欠きの問題、グレーチング蓋を採用することによる経済的な問題をすべて解決することができる。
【0029】排水効率を上げるために小さなサイズのグレーチングを埋設したコンクリート蓋を製造するという案もある。しかしながら、このような蓋は幾つかの問題がある。例えば、金属とコンクリートの膨張率の相違からグレーチングの回りにひび割れが発生しやすい。また、グレーチングを埋設する過程が手間であり、グレーチングの目にコンクリートが入ると埋設した意味がなくなる。また、グレーチングを埋設することにより、鉄筋が遮断されしまうので、荷重に対する強度が小さくなる。また、コンクリート蓋のサイズは従来と変わらないので、これを持ち上げるために同じサイズの切欠きが必要になる。
【0030】これに対し、本願の発明は、グレーチング蓋とコンクリート蓋は別になっており、個々に側溝本体(側溝用ブロックを用いているものであれば、側溝用ブロック)に載り、開口をカバーできるものである。したがって、個別に製造され、個別に設置されるので、膨張率の差、製造の手間などの問題もなく、コンクリート蓋の強度も保持できる。また、切欠きを小さくできるという大きなメリットを備えている。
【0031】すなわち、従来の自由勾配側溝用のグレーチング蓋では長さが約500mm以下のものはなかったが、本発明においては、グレーチング蓋の長さが300mm、あるいは100mm、50mmなどの短いものにすることにより上記のような問題を解決できる。そして、グレーチング蓋の長さは、特に、300mm以下にすることが望ましい。例えば、開渠部だけで構成され、開口が連続するU字型の側溝においては、隣接する側溝用ブロックにまたがって蓋を載せることが可能なケースも多いので、適当な長さのコンクリート蓋と、それよりも短いグレーチング蓋を採用し、隙間が開かないように割り付けることも可能である。しかしながら、自由勾配側溝のように開渠部と暗渠部が交互に表れ、開口のサイズが限定されている場合は、開口がスラブ部により囲われているので割り付けが限定される。例えば、開口の長さが1000mmであれば、長さ100mmのグレーチング蓋と、長さ500mmのコンクリート蓋を組み合わせても有効な割り付けはできない。グレーチング蓋を5枚載せることにより隙間なく開口を塞ぐことができ、コンクリート蓋の切欠きを省くことができるといったメリットは得られるが、グレーチング蓋のトータル面積で経済的なメリットはほとんどなくなってしまう。500mmの長さのコンクリート蓋をもう一枚かぶせることはできないし、グレーチング蓋の枚数を減らすと隙間ができるので、危険である。
【0032】解決策の1つは、開口の長さが1600mmの自由勾配側溝を施工することである。しかしながら、開口の長さを1600mmにするには、従来の自由勾配側溝用ブロックの設計が変わってしまい、今までのブロック用の型枠を用いることは出来ない。したがって、新規の自由勾配側溝用ブロックを製造する必要があるが、自由勾配側溝用ブロックを製造する型枠は構造が複雑で高価なのでコンクリート製品メーカーにとって非常に大きな投資となる。また、今までの自由勾配側溝用ブロックなどに投資したもの(場合によっては数億円の単位になる)が無駄になる。したがって、側溝の施工費用が非常に上がってしまう。
【0033】また、仮にコストを無視して新規製作できたとしても、すでに、施工されている自由勾配側溝の開口サイズを変えることは莫大な工事費用を伴うので、施工済みの側溝に本発明を適用することができなくなってしまう。
【0034】そこで、本発明においては、従来のコンクリート蓋は長さが開口の長さの約数であったのに対し、コンクリート蓋の長さも開口の長さの約数でないものを採用するようにしている。すなわち、従来は、コンクリート蓋の寸法は、開口部寸法かその約数であり、また、グレーチング蓋の寸法は、コンクリート蓋と同じかその倍数であったが、これとは異なる設計思想を全面的に採用している。多孔性の蓋と、コンクリート製の蓋が開口を塞ぐように開口の長手方向に隣接して、すなわち、本発明の側溝および側溝開口の蓋配列においては、直線に並んで配置されている場合に、コンクリート製の蓋の長さ(隣接方向の長さ)を、開口の長さ(長手方向の長さ)の約数でないようにしている。
【0035】このように、コンクリート蓋の寸法およびその配列の設計思想を従来と変えると、コンクリート蓋の設計が新しくなるので、型枠の製造などの問題が発生することは上記と同様である。しかしながら、側溝用ブロックの型枠と比べると、蓋の型枠を新しくするコストは微々たるものである。また、施工済みの側溝にも本発明を適用することができるようになる。
【0036】このようにコンクリート製の蓋の長さの制約を外すことにより、短いグレーチング蓋と長いコンクリート蓋により開口をカバーできるので、経済的な効果も得ることができる。しかしながら、さらに考慮すべき点がある。すなわち、開口の長さが1000mmに長さ400mmのグレーチング蓋を設置すると、残りは600mmでありこれを1枚のコンクリート蓋でカバーすれば良いが、2枚のコンクリート蓋でカバーしようとすると1枚あたりの寸法は300mmとなり、輪荷重に対し十分な強度を保てなくなる。長さが600mmのコンクリート蓋を採用すれば良いが、従来の蓋よりも大きく、重くなるので、施工およびメンテナンスはやりにくい。
【0037】これに対し、グレーチング蓋の長さを300mm以下にすれば、長さ350mm以上のコンクリート蓋を2枚と、グレーチング蓋との組み合わせにより開口を塞ぐことができ、コンクリート蓋の強度も充分に高くできる。この場合、長さ1000mmの開口が従来は2枚の蓋でカバーされていたのに対し、3枚以上の蓋でカバーされることになる。トータルの枚数が増えることになるが、グレーチングの面積が減るので、経済的な効果は十分にあり、さらに、切欠きに関するトラブルを無くすことができる。
【0038】さらに、蓋の枚数が3枚以上にすることにより、コンクリート蓋のがたつきの問題も解決できる。例えば、長さ1000mmの開口に設置する蓋の枚数を2枚に限定すると、長さ100mmのグレーチング蓋に対し、長さ900mmのコンクリート蓋が必要になるが、上記にて説明したようにこのような長いコンクリート蓋は製作精度に問題があり、がたつき、われ、騒音といった問題が発生する。さらに、重量が大きすぎるという問題もある。これに対し、蓋の枚数を3枚以上にすれば、コンクリート蓋の長さを従来の500mmに達しない範囲で、強度もあり、がたつきも少なく、さらに手で持ち上げることができる範囲にすることができる。
【0039】開口の長さが1500mmの場合も同様であり、従来は3枚以下の蓋でカバーしていたのに対し、短いグレーチング蓋を含めて4枚以上の蓋を割りつけることにより、無理のない長さのコンクリート蓋と短いグレーチング蓋の組み合わせで開口をカバーすることができる。上述したように、長さが750mm以下であればコンクリート蓋の製造精度も十分であり、がたつきの少ない蓋を提供することができる。したがって、手でハンドリングできる長さのコンクリート蓋と、それより長いコンクリート蓋を、グレーチング蓋にさらに組み合わせて開口をカバーするようにしても良い。しかしながら、コンクリート蓋の製造コストを考慮すると、できる限り同じ長さのコンクリート蓋を採用することが好ましいであろう。開口に設置するコンクリート製の蓋のサイズを同じにすると、本発明においては、そのコンクリート製の蓋の長さは、開口の長さを多孔性およびコンクリート製の蓋の総数で割った値ではなく、それよりも長くなる。
【0040】グレーチングなどの多孔性の蓋のサイズは、側溝が流せる排水量を考えると、コンクリート製の蓋よりもかなり小さくても良く、コンクリート製の蓋の長さの半分以下で充分である。
【0041】グレーチング蓋とコンクリート蓋とを組み合わせる場合、グレーチング蓋が1枚であれば、開口のほぼ中央に配置することが望ましい。蓋の配置が対称になるので見た目が綺麗である。また、グレーチング蓋を取り外すことにより、両側のコンクリート蓋の下に手を入れることができるようになる。
【0042】一方、複数のグレーチング蓋が配置されるのであれば、開口の反対側の縁に配置することにより、排水効率を上げることができる。
【0043】グレーチング蓋のサイズが小さいと軽量になる反面、車が通った衝撃などにより跳ね上がりやすくなる。したがって、グレーチングのクロスバーを中心に旋回し、コンクリート製の蓋または側溝本体から突き出た部材に係合するフックを設けることが望ましい。また、開口の内面あるいはコンクリート製の蓋の側面に係合用のボルトなどを取り付けるためのインサートを埋設しておくことが望ましい。
【0044】本発明においては、多孔性の蓋であるグレーチング蓋のサイズが小さい方が経済的な効果が大きく、また、軽量となるので施工やメンテナンスは行いやすい。しかしながら、グレーチング蓋を小さくしすぎると開口率が減少するので、排水効率は悪くなる。そこで、本発明の、側溝の開口に、コンクリート製の蓋に隣接して配置されるグレーチング製の蓋においては、隣接するコンクリート製の蓋に当たり、グレーチング製の蓋とコンクリート製の蓋との間に隙間を設けるスペーサを設けることが望ましい。スペーサを独立して設けても良いが、グレーチング製の蓋の表面を構成するグレーチング部をコンクリート製の蓋との厚みに合わせるように嵩上げする部材を隣接するコンクリート製の蓋の方向に延ばしてスペーサとして機能するようにしても良い。また、表面のグレーチング部の端部を補強する補強部材を隣接するコンクリート製の蓋の方向に延ばしてスペーサとして機能するようにしても良い。
【0045】上述したように、コンクリート蓋に限らずグレーチング蓋もクリアランスが必要なので呼び寸法よりも実際のサイズは小さいか、あるいは開口の方が呼び寸法よりも大きくなっている。しかしながら、その寸法差は数mm程度であり排水用のスペースとして考えられたものではなく、また、開口率としてもほとんど寄与しない。上記の本発明のグレーチング製の蓋においては、スペーサあるいはスペーサとして機能する部材によりグレーチング蓋とコンクリート蓋、あるいは開口の縁と間にグレーチングの目と同じサイズ、すなわち、細目であれば10から15mm程度の隙間を設けるようにしている。そして、この隙間を排水用のスペースとして用い、開口率を高くできるようにしている。また、スペーサでグレーチング製の蓋とコンクリート製の蓋との間に隙間を作るようにすれば、その隙間を形成するグレーチングは不要であり、グレーチング自体の寸法を縮めることができる。したがって、グレーチングを小型、軽量化でき、さらに低コストにすることができる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1に、本発明に係る側溝1を示してある。この側溝1は、図11および図12で説明した長さL1が2000mmの自由勾配側溝用ブロック10を連接して施工されたものである。したがって、開渠部5と暗渠部3が交互に配置され、長さL2が1000mmの開口2が断続的に表れている側溝である。このような側溝1には、これから側溝用ブロック10を用いて施工する側溝、および、既に側溝用ブロックを埋設して施工された側溝も含まれる。なお、自由勾配側溝については上記にて説明したので共通する部分に同じ符号を付して以下では説明を省略する。
【0047】図1(a)に示した側溝1では、長さC3が100mmの1枚のグレーチング蓋35と、長さC2が450mmの2枚のコンクリート蓋25との組み合わせにより開口2を塞いでいる。これらの蓋は、側溝1の長手方向Xの方向にコンクリート蓋25、グレーチング蓋35、さらにコンクリート蓋25と隣接した状態で直線状に配置(配列)されている。したがって、コンクリート蓋25およびグレーチング蓋35は、各々が、図12に示したように、側溝1の本体を構成する側溝用ブロック10の開口の蓋掛け(一段下がった縁)11に載るようになっており、開口2から1つ1つの蓋25および35を独自に着脱できるようになっている。
【0048】本例の側溝1は、このように、開口2に、コンクリート蓋25のみではなく、グレーチング蓋35も設置されている。したがって、雨水はグレーチング蓋35から側溝1に飲み込まれるので、排水効率は非常に良い。また、長さが100mmのグレーチング蓋35は手で容易に外れ、外した隙間からコンクリート蓋25の裏側に手の甲まで回すことができる。したがって、コンクリート蓋25に切欠きを設けなくても蓋25を取外すことができる。本例では、冶具をかけることができるように幅15mm程度の切欠き21を設けてあるが、必ずしも必要なものではない。
【0049】したがって、図1(a)に示した本例の側溝1は、排水効率が良く、さらに、開口2を塞いでいる蓋25および35の着脱が容易な側溝である。その一方で、コンクリート蓋25には切欠きを設けなくても済む側溝である。したがって、切欠きに歩行者がつまずいたり、女性がヒールを落としたりすることはなく安全な側溝である。また、排水を促進するためにグレーチング蓋35を採用しているが、その長さは100mmなので非常に低コストでグレーチング蓋を施工することができる。したがって、経済的な負担も小さい。また、グレーチング蓋35が短く低コストで敷設できるので、グレーチング蓋35のグレードを上げることができる。すなわち、従来のグレーチングは目のサイズ(ベアリングプレートの間隔)が20数mm程度であるのに対し、目のサイズ10mm程度の細目のグレーチング蓋を採用することができ、細目のグレーチングを採用したとしても経済的には十分に効果がある。そして、グレーチング蓋35につまずいたり、女性がヒールを引っ掛けることを未然に防止できるので、さらに歩きやすく、安全な側溝を提供することができる。
【0050】本例の側溝1の大きな特徴は、このような安全で経済的であり、さらに、雨水排水効率の高い側溝を、従来とは異なった蓋の組み合わせ、あるいは配列により実現できることである。すなわち、開口2のサイズは、先に説明した従来の側溝と何ら変わるものではなく、従来の自由勾配用側溝用ブロック10を用いて施工する側溝にも適用できるものである。さらに、既に施工済みの側溝を、本発明の蓋配列を採用することにより、上述した効果を備えた側溝1に変えることができる。そのためには、開口2に設置してある従来の蓋を、本発明に係る蓋に交換するだけで良い。したがって、本発明の経済的な効果は計り知れないものがある。すなわち、本発明により、従来の側溝用ブロックおよび施工済みの側溝の資源を無駄にすることなく、歩きやすく安全で、雨水排水効率が良く、さらに、メンテナンス性も良い側溝を実現することができるのである。
【0051】このため、詳しくは既に説明しているが、側溝の開口を塞ぐ蓋に関する概念を本発明においては一新している。すなわち、蓋の長さは開口の長さの約数になっているという従来の思想から離れ、蓋の長さを開口の長さの約数でないものにしている。したがって、本発明により、従来のコンクリート蓋の資源は残念ながら残すことはできない。しかしながら、蓋の仕様を変更することに係る経済的な負荷は、側溝用ブロック自体あるいは側溝を施工しなおすことに比較すれば微々たるものである。
【0052】図1(a)に示した例では、側溝1の開口2に設置するコンクリート蓋25の長さC2を450mmにしている。もちろん、この長さC2は上記にて詳しく説明してあるが呼び長さであり、必ずしも蓋25の実際のサイズと一致するものではない。このように、開口2の長さL2の約数である長さ500mmのコンクリート蓋に代わり、長さ450mmの蓋25を採用することにより、2枚のコンクリート蓋25と、短いグレーチング蓋35により、従来と同じ長さの開口2を安全にカバーすることができる。そして、このコンクリート蓋25の長さC2は、所定の輪荷重にも十分に耐えることができるサイズであり、製造精度の点からも、がたつきなどを防止できるサイズである。また、従来の500mmのコンクリート蓋よりも若干小さいので、運搬あるいはメンテナンスにおいても問題はまったく発生しない。
【0053】さらに、グレーチング蓋35の長さC3は100mmと従来のグレーチング蓋に比べると小さいが、従来のコンクリート蓋の切欠きの面積と比較すれば開口率は非常に大きくなる。また、この程度のサイズのグレーチング蓋で、側溝1の流路としての断面積に対し数%から数10%の開口面積が得られる、したがって、現実的な排水を行う開口率としては十分過ぎるほどの値を確保することができる。そして、サイズを小さくすることにより、コストを下げることができ、軽いので施工およびメンテナンスが非常に簡単になるなどの効果が得られることは上述した通りである。もちろん、コンクリート蓋の切欠きの奥行きを2cm以下にしたり、まったく設けなくてもコンクリート蓋をはずすことができるといった効果も得られる。
【0054】図1(a)に示した配置では、長さ100mmのグレーチング蓋35が、開口2の中央に位置するように配置されている。開口2に設置されている蓋の合計が3枚と奇数になるので、グレーチング蓋35をセンターにすることにより、美観がよい。また、センターにグレーチング蓋35を配置すると、現場において、側溝の出発地点並びに最終地点もグレーチング蓋の位置がセンターとなり偏りがない。
【0055】図1(b)には、長さC3が50mmの2枚のグレーチング蓋35と、長さC2が450mmの2枚のコンクリート蓋25の合計4枚の蓋で開口2を覆っている。このように、グレーチング蓋35はさらに短くすることが可能である。通常のグレーチングの目のサイズが20数mmであることを考慮すると、グレーチング蓋の最小長さは30mm程度となるが、開口面積当たりのコストが上がるので、本例のようにグレーチング蓋の長さC3は50mm程度以上が望ましいであろう。一方、細目のグレーチング蓋を採用すると、目のサイズ(ベアリングプレートのピッチ)は12mm程度となるので、グレーチング蓋の長さC3は、ベアリングプレートが3枚構成の30mm程度が最小サイズとして適当なものになるであろう。もちろん、多孔性の蓋は、ベアリングプレートとクロスパーが直角方向に組み合わされたグレーチング蓋に限定されることはないので、それぞれの構造によって最小の長さ、および標準として用意できる長さは変わるであろう。
【0056】図1(b)に示したように、1つの開口2に複数のグレーチング蓋35を設置すると、雨水を飲み込むスペースが分散される。道路などからは必ずしも側溝に沿って水が流れるのではなく、傾きなどがあるので、たとえば道路のセンターよりやや低い方向に向かって斜めに流れる。したがって、グレーチング蓋35を分散して配置することにより雨水が開口2を通過することを極力避けることができ、短時間に排水することができる。特に、2枚のグレーチング蓋35を開口2に設置するときは、これらを開口2の両サイド、すなわち、開口2の反対側の縁に配置することが望ましい。これにより、グレーチング蓋35の間隔が開くので、雨水が開口を通過して流れてしまうのを極力防止することができる。
【0057】このように、グレーチング蓋35のサイズを短くして1つの開口に設置する枚数を増やすことにより、排水効率は向上する。また、個々のグレーチング蓋のサイズを小さくできるので、グレーチング蓋の枚数を増やすことによりコストアップはほとんどなく、コストパフォーマンスの高い側溝を施工できる。もちろん、図1(a)と同じサイズのグレーチング蓋、すなわち、長さ100mmのグレーチング蓋を両サイドに配置することも可能である。この場合は、長さC2が400mmのコンクリート蓋2枚と組み合わせることが望ましい。
【0058】また、開口2に偶数枚のグレーチング蓋35を設置する場合は、両サイドに配置することにより対称な配置となる。したがって、奇数枚数のときにグレーチング蓋を中央に配置するのと同じように美観などの良い側溝を提供できる。
【0059】図1(c)は、長さC3が50mmのグレーチング蓋35を3枚、長さC2が420mmのコンクリート蓋25を2枚の、計5枚の蓋により開口2を覆っている。このように本発明においては、開口2を覆う蓋の枚数は限定されるものではないが、蓋の枚数が多くなると、コンクリート蓋の長さが350mm以下になってしまい強度的な問題が発生する。また、グレーチング蓋の枚数を大幅に増やしたのでは、経済的な効果がなくなってしまう。したがって、長さL2が1000mmの開口2には、図1に示したような枚数でカバーすることが望ましいであろう。もちろん、グレーチング蓋のサイズおよびコンクリート蓋のサイズは、上述した本発明の範囲内で、上述した例以外にさらに適当な組み合わせが可能であり本発明が限定されるものではない。
【0060】したがって、長さL2が1000mmの開口2を備えた側溝1においては、従来は2枚の蓋で覆われていたのに対し、本発明を適用した場合は3枚以上の蓋の配列で覆うことが望ましい。たとえば、グレーチング蓋の長さが100mmの場合、従来と同様に2枚の蓋で開口2を塞ごうとすると、コンリート蓋の長さは900mmになってしまいコンクリート製品の精度を考慮するとがたつきが発生し易く、車道にかかるような領域では割れやすいなどの問題がある。また、コンクリート蓋が重過ぎて、施工およびメンテナンスの障害になる。グレーチング蓋の長さが300mmであれば、コンクリート蓋の長さは700mmで良く。精度上の問題はそれほど発生しない。したがって、このような組み合わせであれば、1枚のグレーチング蓋と、1枚のコンクリート蓋であっても良く、グレーチング蓋が従来に比べれば、軽く、低コストになるので、本願の発明の効果を得ることができる。しかしながら、コンクリート蓋が従来の500mmに比べれば長くなり、重くなる。したがって、図1に基づき説明したように、L2が1000mmの開口2においては、3枚以上の構成を採用することが望ましい。
【0061】図1に示したように、短いグレーチング蓋35と、このグレーチング蓋35によって覆われない開口2の隙間を補償するような寸法のコンクリート蓋25を開口2に並べて配置し、さらに、コンクリート蓋25の長さを上述したような適当な範囲に選ぶことにより、安全で雨水の飲み込み効率が高く、さらに経済的な側溝1を提供することができる。すなわち、コンクリート蓋25においては、従来35mm程度の深さ(幅)が必要であった切欠きの寸法を、20mm程度以下あるいは無くすことができる。図1(a)および(c)は、冶具が掛けやすいように15mm程度の切欠き21をコンクリート蓋25に設けた例であり、図1(b)は切欠きのないコンクリート蓋25をグレーチング蓋35と組み合わせて配置した例である。いずれのケースも切欠きにつまずいたり、女性がヒールを落とすことがなく、さらに、余分な切欠きがないあるいは小さいので美観の良い側溝となっている。
【0062】図2ないし図4には、長さL2が1500mmの開口2を、本発明のグレーチング蓋35およびコンクリート蓋25の組み合わせ、あるいは配列により塞いだ例を示してある。図2(a)は、長さC3が50mmのグレーチング蓋35を1枚と、長さC2が約483mmのコンクリート蓋25を3枚の合計4枚により開口2を塞いでいる。図2(a)では、グレーチング蓋35が開口2の一方の端に配置されており、このグレーチング35を外しても全てのコンクリート蓋25に手が掛かる状態にはならない。しかしながら、グレーチング蓋35に隣接するコンクリート蓋25から順番に手を入れて外していくことが可能であり、メンテナンスあるいは施工における問題はない。したがって、このような配置を採用する場合でも、切欠きの小さな、あるいは切欠きのないコンクリート蓋を用いることができる。
【0063】図2(b)は、長さC3が50mmのグレーチング蓋35を2枚と、長さC2が約466mmのコンクリート蓋25を3枚の合計5枚の蓋を開口2に設置した様子を示してある。また、図2(c)は、長さC3が50mmのグレーチング蓋35を3枚と、長さC2が450mmのコンクリート蓋25を3枚の合計6枚の蓋により開口2を塞いだ様子を示してある。さらに、図3(a)は、図2(c)と同じサイズのグレーチング蓋35と、コンクリート蓋25を、それらの配置を変えて開口2に設置した様子を示してある。また、図3(b)は、長さC3が50mmのグレーチング蓋35を4枚と、長さC2が約433mmのコンクリート蓋3枚の合計7枚の蓋により開口2を塞いだ例を示してある。
【0064】また、これらに示したコンクリート蓋25は、切欠き21の寸法が15mm程度あるいはそれ以下のものである。また、図2(c)および図3(b)には切欠きのないコンクリート蓋25を用いた例を示してある。そして、これらの側溝はいずれも図1を参照しながら説明した側溝と同様に安全であり、雨水の飲み込み効率が良く、さらに経済的な側溝となっている。
【0065】このように、本発明の範囲内において、側溝の開口の蓋のアレンジは幾つか考えることが可能であり、ユーザは施工現場の状況などを考慮して、その中から適当なものを選択することができる。また、本発明の範囲内においては、グレーチング蓋35の長さC3およびコンクリート蓋25の長さC2は自由に選択することができるが、たとえば、コンクリート蓋25の長さC2を450mmに設定すれば、そのコンクリート蓋25を長さC3が50mmのグレーチング蓋と組み合わせることにより図1(b)および図2(c)に示すように、長さL2が1000mmおよび1500mmの開口2のいずれにも設置することができる。このように、ある程度、コンクリート蓋25と、グレーチング蓋35のサイズを限定することにより、量産によりさらに経済的な効果を高めることも可能となる。
【0066】図2および図3に示した側溝1では、長さL2が1500mmの開口2を、従来では3枚の蓋により塞いでいたのに対し、グレーチング蓋35とコンクリート蓋25とを組み合わせて合計4枚以上の蓋で塞ぐ例を示しているが、従来と同じ3枚の蓋の組み合わせも可能である。図4(a)は、その例であり、長さC3が100mmのグレーチング蓋35と、長さC2が700mmのコンクリート蓋25が2枚の合計3枚の蓋を配置した例である。コンクリート蓋25の長さは製造精度はがたつきなどが発生しにくい範囲内に収まる値であるが、従来のコンクリート蓋よりも長くなる。したがって、従来に比較し、蓋の重量が増加するので、この点では、図2および図3に示した蓋の組み合わせが望ましいであろう。
【0067】一方、図4(b)は、長さC3が100mmのグレーチング蓋35が2枚と、長さC2が650mmのコンクリート蓋25が2枚の合計4枚の蓋で開口2を覆うものであるが、やはりコンクリート蓋25が長くなる。また、図4(c)は、長さC3が100mmのグレーチング蓋35が3枚と、長さC2が600mmのコンクリート蓋25が2枚の合計5枚の蓋で開口2を塞ぐものであるが、コンクリート蓋25が若干長くなる。したがって、コンクリート蓋25の長さを従来の長さ(500mm)よりも短くしようとすると、グレーチング蓋とコンクリート蓋を組み合わせて開口2を塞ぐ際に、コンクリート蓋は、従来とサイズは異なるものの枚数は従来の枚数と同じにして、サイズの短いグレーチング蓋と組み合わせることが望ましい。長さL2が1000mmの開口についても同様のことが言える。
【0068】図5に、グレーチング蓋のいくつかの例を示してある。上記にて示したグレーチング蓋35は図5(a)に示したようなものであり、主な強度部材であるベアリングプレート36aが、側溝1の本体となる側溝用ブロック10の開口2の両側の蓋受け11に載るように、長さC3と直交する方向に延ばした構成となっている。このようなグレーチング蓋35は、多くの場合、溶接によって製造されており、低コストで購入できる。鋳物で成形することも可能であるが、コストが高い。このような鉄製(鋼製)のグレーチングはコンクリートに比べて曲げ応力が極めて高いので、長さC3が短くても十分な強度を持たせることができる。さらに、クロスバー36bをベアリングプレート36aに対し直交する方向に配置して強度を高くすると共に、多孔状にして雨水を流すのに十分な開口率が確保できる。
【0069】また、グレーチング蓋35は強度が高いので、その厚みはコンクリート蓋25の厚みの半分程度で十分である。したがって、グレーチング蓋35が搭載される場所が予め決まっていれば、ブロック10の蓋受け11を浅く加工しておくことが望ましい。一方、グレーチング蓋35の載る位置が決まっていない場合、さらには、既に施工済みの側溝1に本発明を適用する場合は、コンクリート蓋25と厚みを揃える必要がある。このため、図5に示したグレーチング蓋35においては、蓋掛かり11に載る両端の部分に脚34を設けて嵩上げし、グレーチング自体は厚くしないでコンクリート蓋25と表面の位置が同じになるようにしている。以下の多孔性の蓋においても同様である。グレーチング蓋の厚み自体をコンクリート蓋の厚みにもちろん合わせても良いが、コストアップの要因になるので望ましくないであろう。
【0070】このグレーチング蓋35は、細目と称されるグレーチング蓋であっても同様の構成であり、細目の場合は、ベアリングプレート31のピッチが12mm程度と通常のグレーチングのピッチ(30mm程度)に比較し半分程度に細くなっている。したがって、このグレーチング蓋30の上をハイヒールで歩いても踵が取られることはなく、安全に歩行できる。このような細目のグレーチングは通常のグレーチングより高価であり、コンクリート蓋の数倍から10倍程度の値段になる。しかしながら、上述したように、本例の側溝1ではグレーチング蓋30の長さC3は数cmと狭くて良い。したがって、グレーチング蓋の面積は小さくなる。このため、従来のグレーチング蓋に比べて非常に低いコストで提供することができる。
【0071】図5(b)は、グレーチング蓋35の異なった例である。このグレーチング蓋35では、強度梁となるプレート37aが一本延びており、それに対し直角に複数の補助プレート37bが所定のピッチで取付けられたものである。また、図5(c)に示した多孔性の蓋39は、多孔状に加工されたパンチングメタル38を用いたものであり、上記のグレーチング蓋35と同様にコンクリート蓋25と組み合わせて設置することができる。これらに限定されないが、多孔状で金属製の蓋を採用することにより開口率が高く、強度が十分に高い蓋を得ることができる。しかしながら、コンクリート蓋と比較すると高価であることが経済的な問題となる。本発明により、長さの短い多孔性の蓋と、その多孔性の蓋によって塞げない開口の部分を補償する適当なサイズのコンクリート製の蓋とを組み合わせることにより、多孔性の蓋のメリットを経済的に活かすことができる側溝を提供できる。多孔性の蓋は、金属製に限らず、プラスチックなどのその他の高強度で買い効率の高い蓋を形成できる素材により製造されたものでも良いが、屋外に設置されるために、紫外線、雨水などに対し耐候性あるいは耐久性の高いものが必要となる。もちろん、コストの低いものが望ましい。これらを満足するものとしては現状では金属製の蓋が最も適している。
【0072】図6にグレーチング蓋35の異なった例を示してある。図6(a)に示したグレーチング蓋35は、嵩上げ用の部材34として角パイプを採用し、さらに、嵩上げ用の部材34を長さ方向、すなわち、隣接するコンクリート蓋25に当たる方向に延ばしてある。したがって、本例のグレーチング蓋35をコンクリート蓋25に挟んで配列すると、図7に示すように、嵩上げ用の部材34がコンクリート蓋25に当たって、これらの蓋の間に隙間33が形成される。嵩上げ用の部材34は、グレーチング本体35aから、グレーチングの目の幅、すなわち、ベアリングプレート36aの間隔程度、たとえば15mm程度だけ突き出るようにしてあるので、コンクリート蓋25との間の隙間33は、ほぼグレーチング蓋35の目の間隔に相当する大きさとなる。このため、グレーチング本体35aでグレーチング蓋35の長さC3をカバーする必要がなくなり、グレーチング本体35aの長さは両側の隙間33の分だけ短くすることができる。例えば、長さC3が100mmのグレーチング蓋35を、長さC4が70mmのグレーチング本体35aを用いて製造することができる。したがって、グレーチング蓋35のコストをさらに低減することができる。また、グレーチング本体35aが短くなるので、グレーチング蓋35が軽量となり、さらに手で持ちやすいグレーチング蓋を提供できる。
【0073】一方、コンクリート蓋25との間に隙間33あり、この隙間は排水用のスペースとなる。したがって、グレーチング本体の長さが100mmのグレーチング蓋と同じあるいはそれ以上の開口率を備えた蓋となり、排水効率(取水能力)は充分に維持できる。蓋と蓋との間には施工およびメンテナンス時に着脱できるようにある程度、たとえば2から3mm程度のクリアランスが必要となる。また、グレーチング蓋の製造公差、コンクリート蓋の製造公差を見込む必要があるので、数mm程度の隙間は形成される。しかしながら、これらの隙間は雨水の取り込み用として考慮されたものではなく、嵩上げ部材34の両側をスペーサとして延ばして形成されたものでもない。これに対し、本例においては、意図的に10数mm程度の隙間33を開けることによって、フラットバー(ベアリングプレート)の数を減らしグレーチング蓋を軽量、低コストにすると共に取水能力を確保している。また、隙間33の寸法は、グレーチング蓋35の目のサイズと同じ程度であるので、この隙間に歩行者た躓いたり、あるいは、女性がハイヒールの踵を落とすこともない。したがって、上述したように歩行上の安全も維持できる。
【0074】図6(b)に示したグレーチング蓋35では、嵩上げ用の部材34がグレーチング本体35aの端部を補強する部材を兼ねており、この部材34をコンクリート蓋25に接触する方向に延ばしてある。したがって、この部材34が隣接するコンクリート蓋25に当たって隙間33を形成し、図6(a)に示したグレーチング蓋と同様の効果を得ることができる。もちろん、グレーチング蓋35が開口2の両サイドに設置される場合には、側溝本体の開口2の端に部材34が当たってスペーサとしての機能を果たす。したがって、コンクリート蓋との間に限らず、側溝本体との間にもスペーサ(補強部材あるいは嵩上げ部材34)により適当な隙間33を設けることができ、より小さく低コストのグレーチング蓋35を用いて安全で排水能力が高い側溝1を実現することができる。
【0075】本発明におけるグレーチング蓋35は、上述したように短く軽量であるくことが大きなメリットである。その反面、軽いので単に側溝1の蓋受け11に載せておいたのでは車が通過する領域においては、跳ね上がる可能性がある。このため、何らかの固定手段を設けておくことが望ましい。従来の1m程度のグレーチング蓋でも跳ね上がりの問題はあるが、本例では、さらにグレーチング蓋が短く軽いので、跳ね上がりに対する対策を考慮することが望ましい。
【0076】跳ね上がりを防止する手段としては、ボルトでグレーチング蓋35を蓋受け11に固定することも考えられる。しかしながら、ボルトを採用すると、ボルトの頭をレンチなどで回す空間が必要となり、たとえば、直径16mmのボルトを採用すると30mm程度以上のスペースが要求される。しかしながら、本例のグレーチング蓋30は長さC3が短いので、ベアリングプレートの厚みなどを考慮すると、上記のようなスペースを確保することができない。また、寒冷地では冬期に塩化カルシウムを散布することがあるが、これによりボルトおよびナットが錆ついてしまい取り外しができないことも考えられる。さらには、グレーチング蓋の上を頻繁に車が通過するような場所であると、グレーチング蓋に対し上下の振動が繰り返し与えられるので、ボルトが緩んだり、あるいはネジが飛んでしまうことも考えられる。加えて、既に施工済みの側溝に対し、本発明を適用することを考えると、側溝本体にボルトを埋設することは非常に難しく、手間の係る作業になってしまう。
【0077】そこで、本例においては、フック状のロック部材を用いてグレーチング蓋35をロックするようにしている。図8にグレーチング蓋35にロック部材50を掛けて固定する様子を示してある。この例では、グレーチング蓋35のクロスバー36bに先端51がフック状になったロック部材50を旋回可能な状態にまず嵌め込み、次に、フック状の先端52を隣接するコンクリート蓋25から突き出た固定用の支持棒29に引っ掛けて係合させ、グレーチング蓋35を固定するようにしている。グレーチング蓋35から分離して製造および提供できるロック部材50は、グレーチング蓋35およびロック部材50を別々に亜鉛めっきできるなどのメリットを備えている。また、コンクリート蓋25にロックすることにより、側溝本体には加工を施す必要が一切なく、グレーチング蓋35の跳ね上がりを防止できるという大きなメリットがある。したがって、施工済みの側溝に本発明を適用する際にも有効である。
【0078】さらに詳しく説明すると、図8(a)に示すように、ロック部材50は上下方向に若干長い板状の部材であり、先端(下端)がコンクリート蓋25に取り付けられた支持棒29と係合するように水平方向が大きく開いたフック状51になっており、上方はクロスバー36bに嵌め込みできるように斜め下方が開いたフック状52となっている。もちろん、グレーチング蓋35にロック部材50を掛けるための部材を新たに設けておいても良い。固定部材50には、さらに、上端にロック部材50を取り外すときに引っ張って操作するためにレバー53が設けられている。このため、レバー53は、フック状51の開いた方向と反対側に延びている。
【0079】このようなロック部材50を、図8(b)に示したように、グレーチング蓋35のクロスバー36bにロック部材50の上方のフック52を掛ける。これにより、クロスバー36bの回りにロック部材50が自由に旋回するようになる。このロック部材50の重心は、フック状の先端51の後方側、すなわち、操作レバー53の側にある。このため、図8(c)に示すように、操作レバー53を上げた状態でグレーチング蓋35を側溝1の開口2にセットして操作レバー53を離すと、図8(d)に示すようにロック部材50はクロスバー36bの回りに自動的に旋回し、先端のフック51が固定用の支持棒29と係合する。このため、グレーチング蓋35は隣接するコンクリート蓋25に固定される。コンクリート蓋25の重量は数10から数100kgなので、グレーチング蓋35が跳ね上がるのを防止できる。また、本例のロック部材50においては、重心が先端のフック51の開いた側と反対側、すなわち、後方にある。このため、自動的に旋回する範囲が広く、支持棒29がクロスバー36bの真下に位置していないときでもロック部材50は支持棒29に引っ掛かり非常に安全である。
【0080】図8(e)に示すように、このロック部材50を取り外すときは、操作レバー53を上方に引っ張るだけで良い。操作レバーの位置を反対側にすることにより、操作レバーを押して取り外すようにすることも可能であるが、グレーチング蓋35の場合、石などがベアリングプレート36aの間、すなわち、グレーチングの目に入って操作レバーを押してしまう可能性がある。したがって、本例のように、操作レバー53を引っ張って外すようにすることにより、より安全で確実にロックすることができるグレーチング蓋を提供できる。
【0081】このように、本例においては、グレーチング蓋のクロスバーの回りに旋回するロック部材50を採用しているので、グレーチング蓋35を固定するボルトナットは不要である。したがって、ボルト、さらにボルトをまわすための冶具を装着するスペースは必要ない。このため、ベアリングプレートが2あるいは3枚程度の寸法のグレーチング蓋35、特に細目のグレーチング蓋であっても簡単に固定することができる。したがって、コンクリート蓋25に短いグレーチング蓋35を組み合わせて側溝1の開口2をカバーする本例に非常に適している。さらに、車道に用いられ、振動が繰り返し加えられてもねじ山がないのでそのねじ山が破壊されてロックが外れる心配はない。特に、本例のロック部材50は自動的にロックされる構成となっているので、多少グレーチング蓋ががたつく状態であっても跳ね上がることはない。さらに、塩化カルシウムの散布などによりロック部材あるいはグレーチング蓋にさびが発生する事態となっても、本例のロック部材は、ねじのようにさびつくと外れなくなることはない。したがって、いつでも容易に取り外し、あるいは交換が可能であり、いったん設置すると非常に安全なグレーチング蓋となっている。
【0082】上述したロック部材と支持棒を用いたグレーチング蓋の固定手段あるいは固定方法は、従来の側溝用の蓋に用いられているコンクリート蓋と同程度のサイズ、すなわち1m程度のグレーチング蓋に対しても適用できる。そして、ボルトナットを用いたときの、冬季のさび付きの問題、振動による緩みの問題などを無くすことができる。それに加えて、本例のグレーチング蓋は短いのでボルトナットを取りつけるエリアを確保できないが、上記の固定方法を採用することにより、少なくとも1つの目がある最小の長さのグレーチング蓋であっても、それを固定することができる。したがって、本発明のグレーチング蓋には最適な固定方法である。
【0083】図9に、コンクリート蓋25の例を示してある。蓋の全体的な形状は、先に図13に示したものと同様であるが、本発明のコンクリート蓋25においては、切欠きは不用か、あるいは20mm程度以下の小さなもので良い。そして、上述したようにグレーチング蓋35と隣接する面26には、そのほぼ中央にインサート28が埋設されている。このため、グレーチング蓋35をロックするための固定用の支持棒29を取り付けることができる。
【0084】図10は、コンクリート蓋の代わりに、側溝用ブロック10の開口2の側面2aにインサート28を埋設し、ロック用の支持棒29を取り付けられるようにした例を示してある。既に施工済みの側溝においてはこのようなことは難しいが、今後、プレハブされるコンクリート製の側溝用ブロック10であれば、インサートを予め埋設しておくことは可能であり、グレーチング蓋35をロックするのに有効である。
【0085】以上においては、本発明を自由勾配側溝用ブロックにより施工された側溝に基づき説明してきたが、カルバート式あるいはその他の側溝で、暗渠と開渠が表れる側溝について本発明を適用することができる。しかしながら、雨水排水などを考えたカルバート式の側溝としては自由勾配側溝が現状では最も一般的であり、本発明を用いるのに好適なものである。
【0086】また、上記でも説明しているが、実施例において図面により示した蓋の配置および寸法などは本発明の例示であり、本願の明細書全体および請求の範囲に示した内容に沿って本発明は理解されるべきである。
【0087】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明は、側溝の開口を、短いグレーチング蓋と、開口の約数ではない長さのコンクリート蓋により塞ぐようにしている。短いグレーチング蓋を採用することにより、低コストで雨水排水効率の良い側溝を実現することができる。また、短いグレーチング蓋は簡単に取り外しできるので、その隙間から手を入れてコンクリート蓋を外すことができる。したがって、メンテナンスおよび雨水排水の両面からコンクリート蓋の切欠きを無くすことができ、安全性の高い側溝を提供できる。
【0088】本発明においては、このようにコンクリート蓋の切欠きが不用あるいは小さく安全であり、グレーチング蓋を用いて雨水排水効率の高いにもかかわらず経済的な側溝を、従来とは異なった概念のサイズの蓋および、それらの蓋の配列あるいは組み合わせにより実現できるようにしている。したがって、今後施工される側溝はもちろん、既に施工済みの側溝を、上述した効果を備えた側溝に変えることができる。そのためには、開口に設置してある従来の蓋を、本発明に係る蓋に交換し、本発明に係る蓋の配列にするだけで本発明の側溝にすることができる。したがって、本発明により、従来の側溝用ブロックおよび施工済みの側溝資源を無駄にすることなく、歩きやすく安全で、雨水排水効率が良く、さらに、メンテナンス性も良い側溝を実現することができる。
【出願人】 【識別番号】592136635
【氏名又は名称】株式会社オーイケ
【出願日】 平成11年6月18日(1999.6.18)
【代理人】 【識別番号】100102934
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 彰
【公開番号】 特開2001−3440(P2001−3440A)
【公開日】 平成13年1月9日(2001.1.9)
【出願番号】 特願平11−172886