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【発明の名称】 側溝用蓋挟持具および側溝用蓋脱着装置
【発明者】 【氏名】田中 貴

【要約】 【課題】製造コストの低減を図りつつ、故障しにくく、しかも各種側溝用蓋を容易に脱着可能な側溝用蓋挟持具を提供する。

【解決手段】側溝用蓋の底面縁部に係合可能な返し17を備えた挟持部13が一端側に配設され、かつ長手方向の中間部に形成された軸挿通用孔14a〜14cに軸部材15を挿通することにより軸部材15を中心として鋏状に回動自在に構成された2本のアーム11a,11bを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 側溝用蓋の底面縁部に係合可能な返しを備えた挟持部が一端側に配設され、かつ長手方向の中間部に形成された軸挿通用孔に軸部材を挿通することにより当該軸部材を中心として鋏状に回動自在に構成された2本のアームを備えていることを特徴とする側溝用蓋挟持具。
【請求項2】 前記両アームには、前記軸挿通用孔が長手方向に複数並設されていることを特徴とする請求項1記載の側溝用蓋挟持具。
【請求項3】 前記アームと前記挟持部との夾角がほぼ120°となるように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の側溝用蓋挟持具。
【請求項4】 前記返しは、前記挟持部の長手方向との夾角がほぼ80゜となるように突出形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の側溝用蓋挟持具。
【請求項5】 前記挟持部は全体として薄板状に形成され、前記返しは、前記挟持部における先端部の折曲げ、および溶接による前記挟持部への固着のいずれかで形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の側溝用蓋挟持具。
【請求項6】 前記両アームの他端側は、吊り紐または把手棒を挿通可能な挿通孔が形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の側溝用蓋挟持具。
【請求項7】 前記両アームの他端側は、その厚み方向に屈曲形成され、前記軸部材は、前記両アームを軸着することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の側溝用蓋挟持具。
【請求項8】 請求項1から7のいずれかに記載の側溝用蓋挟持具と、当該側溝用蓋挟持具によって挟持された前記側溝用蓋を上げ下げするための梃子機構とを備え、当該梃子機構は、一端に前記側溝用蓋挟持具における前記両アームの他端側に係合して釣り支えるためのフック部材が取り付けられた長尺の梃子棒と、当該梃子棒の前記一端寄りの位置に下方に向けて延設された支持脚とを備えて構成されていることを特徴とする側溝用蓋脱着装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、道路や線路などの縁に設けられている排水溝など(本明細書では、総称して「側溝」という)の上方開口部に装着されるコンクリート製の蓋を挟持して上げ下げするための側溝用蓋挟持具および側溝用蓋脱着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、市街地における道路の縁には、図10に示すように、地面GLに降り注いだ雨水などを排水するための側溝31が埋設されており、その側溝31の上方開口部には、コンクリート製の蓋32,32・・がはめ込まれている。この蓋32は、その厚みが10cm程度に形成されており、その側面には、図11に示すように、手掛け用の切欠き部33,33が形成されている。この場合、側溝31に蓋32,32・・を並べてはめ込んだ状態では、図10に示すように、雨水を側溝31内に流入させるための集水孔34が互いに隣り合う蓋32,32の切欠き部33,33によって形成される。
【0003】この種の蓋32,32・・を側溝31から取り外す際には、まず、作業者の手を集水孔34,34に挿入し易くするために、バールなどを用いて蓋32を側方に若干移動させて、蓋32,32間に隙間を生じさせる。次に、集水孔34,34に、両手を挿入し、指の先を蓋32の底面縁部に掛けつつ両側面(切欠き部33,33)を挟持しながら上方に持ち上げる。この状態で、体を移動させたり上体を捻ったりして、側溝31から取り外した蓋32を図10に示すように地面GL上の枕木SP,SP上に載置する。しかし、蓋32は、重量が25kg程度もあり、その脱着は大人でも容易ではない。そこで、力の弱い老人、女性および腰痛のある人でも蓋32を容易に脱着可能とする各種の側溝用蓋脱着装置が開発されている。
【0004】例えば、図12に示す脱着装置51は、蓋32を挟持する挟持部52と、挟持部52によって挟持した蓋32を上げ下げする梃子部53とで構成されている。挟持部52は、取付部62,62を介して梃子部53に取り付けられた平板61と、先端に返し63a,63aが形成されると共に矢印D1,D2の向きでスライド可能に平板61のスライド孔61a,61aに取り付けられた挟持板63,63と、挟持板63,63をスライドさせるアーム65a,65bからなるリンク機構64とを備えている。梃子部53は、梃子棒71a,71a,71b,71bと、梃子棒71a,71bの連結部位から下方に向けて延設された支持脚73,73とを備えている。また、梃子棒71b,71bの端部72b,72bには、回動軸66を介して挟持部52が回動自在に取り付けられている。この場合、梃子棒71bは、梃子棒71aに対してほぼ1/2の長さに形成されている。また、梃子棒71aの端部72aには、レバー74が取り付けられており、レバー74とリンク機構64におけるアーム65a,65bの留具67a,67bとの間にはワイヤ75が架け渡されている。したがって、レバー74を操作することにより、留具67a,67bが互いに近接させられ、これに伴い、アーム65a,65bの先端部同士も近接させられることにより、挟持板63,63が矢印D1,D2の向きでスライドする。
【0005】この脱着装置51を用いて側溝31から蓋32を取り外す際には、まず、支持脚73,73の下端部を支点として梃子部53を傾け、挟持部52を下動させて集水孔34,34に挟持板63,63を挿入する。次に、レバー74を操作することにより、挟持板63,63を図13に示す矢印D1,D2の向きでスライドさせる。この際には、挟持板63,63によって蓋32が挟持される。次いで、この状態で、支持脚73,73の下端部を支点として同図矢印Eの向きで梃子棒71a,71aの端部72a,72aを押し下げ、挟持部52を矢印Fの向きで上動させる。この際には、蓋32の底面縁部に挟持板63,63の返し63a,63aが係合する結果、蓋32が挟持部52と共に矢印Fの向きで上動する。これにより、図14に示すように、側溝31から蓋32が引き上げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の脱着装置51には、以下の問題点がある。すなわち、従来の脱着装置51では、レバー74を操作することにより、挟持板63,63をスライドさせ、蓋32を挟持している。したがって、挟持部52によって挟持した蓋32を側溝31から引き上げる際に、レバー74を操作している手を離すと、挟持板63,63が元の位置に戻り、蓋32が脱落してしまう。このため、蓋32の引き上げが完了するまでレバー74を操作し続けなければならず、脱着作業が煩雑化しているという問題点がある。さらに、従来の脱着装置51では、挟持板63,63のスライド許容範囲を外れる長さの蓋を挟持することができないという問題点もある。
【0007】また、従来の脱着装置51には、挟持部52の構造が非常に複雑であることに起因して、脱着装置51全体としての製造コストが高く、さらに故障が多いという問題点もある。
【0008】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、製造コストの低減を図りつつ、故障しにくく、しかも各種側溝用蓋を容易に脱着可能な側溝用蓋挟持具および側溝用蓋脱着装置を提供することを主目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく請求項1記載の側溝用蓋挟持具は、側溝用蓋の底面縁部に係合可能な返しを備えた挟持部が一端側に配設され、かつ長手方向の中間部に形成された軸挿通用孔に軸部材を挿通することにより軸部材を中心として鋏状に回動自在に構成された2本のアームを備えていることを特徴とする。
【0010】請求項2記載の側溝用蓋挟持具は、請求項1記載の側溝用蓋挟持具において、両アームには、軸挿通用孔が長手方向に複数並設されていることを特徴とする。
【0011】請求項3記載の側溝用蓋挟持具は、請求項1または2記載の側溝用蓋挟持具において、アームと挟持部との夾角がほぼ120°となるように構成されていることを特徴とする。
【0012】請求項4記載の側溝用蓋挟持具は、請求項1から3のいずれかに記載の側溝用蓋挟持具において、返しは、挟持部の長手方向との夾角がほぼ80゜となるように突出形成されていることを特徴とする。
【0013】請求項5記載の側溝用蓋挟持具は、請求項1から4のいずれかに記載の側溝用蓋挟持具において、挟持部は全体として薄板状に形成され、返しは、挟持部における先端部の折曲げ、および溶接による挟持部への固着のいずれかで形成されていることを特徴とする。
【0014】請求項6記載の側溝用蓋挟持具は、請求項1から5のいずれかに記載の側溝用蓋挟持具において、両アームの他端側は、吊り紐または把手棒を挿通可能な挿通孔が形成されていることを特徴とする。
【0015】請求項7記載の側溝用蓋挟持具は、請求項1から6のいずれかに記載の側溝用蓋挟持具において、両アームの他端側は、その厚み方向に屈曲形成され、軸部材は、両アームを軸着することを特徴とする。
【0016】請求項8記載の側溝用蓋脱着装置は、請求項1から7のいずれかに記載の側溝用蓋挟持具と、側溝用蓋挟持具によって挟持された側溝用蓋を上げ下げするための梃子機構とを備え、梃子機構は、一端に側溝用蓋挟持具における両アームの他端側に係合して釣り支えるためのフック部材が取り付けられた長尺の梃子棒と、梃子棒の一端寄りの位置に下方に向けて延設された支持脚とを備えて構成されていることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発明に係る側溝用蓋挟持具および側溝用蓋脱着装置の好適な発明の実施の形態について説明する。
【0018】最初に、脱着装置1の構成について、図1〜3を参照して説明する。
【0019】脱着装置1は、図1に示すように、挟持具2および梃子車3を備えて構成されている。挟持具2は、図2(a)に示すように、左右対称に形成されたアーム11a,11bと、アーム11a,11bを軸着するための軸部材15およびベータピン16とを備えている。アーム11a,11b(以下、区別しないときには「アーム11」という)は、厚み4mm程度の鉄板を幅3cm程度の所定形状に打ち抜いて形成され、その端部12aには、本発明における挟持部に相当する挟持板13が溶接されている。この場合、挟持板13は、厚み4mm、幅6cm程度の鉄板で形成されており、その先端部を折り曲げて返し17が形成されると共に、図3に示すように、アーム11への取り付け部位から先端までの長さL1が蓋32の厚みよりも僅かに長い11cm程度に形成されている。また、挟持板13は、アーム11に対する取付角度θ1がほぼ120°となるように溶接されている。一方、返し17は、挟持板13の長さ方向との夾角である角度θ2がほぼ80°で、かつその先端が挟持板13から5mm程度突出するように形成されている。なお、返し17は、鉄板を挟持部17の先端部に溶接して形成してもよい。
【0020】また、アーム11の端部12b寄りには、挟持具2を単独で使用する際に、吊り紐4(図4参照)または把手棒を挿通するための挿通孔18が形成されている。さらに、アーム11の端部12bは、図2(b)に示すように、分離状態のアーム11a,11bをバールとして使用可能に、先端部を厚み方向に屈曲させて形成されている。また、アーム11の長手方向における中間部には、先端部側に孔を形成した釘や金属棒などの軸部材15を挿通可能な軸挿通用孔14a〜14cが2cmの間隔で並設されている。したがって、軸挿通用孔14a〜14cのいずれかに軸部材15を挿通させることにより、異なる長さの各種側溝用蓋を挟持することができる。この場合、例えば軸挿通用孔14bは、端部12aまでの長さL2が27cm程度となる位置に形成されている。したがって、図3に示すように、両アーム11a,11bの軸挿通用孔14b,14bに軸部材15を挿通させ、両アーム11a,11bの交差角度θ3を120°程度にした状態では、両挟持板13,13が垂直で、かつ、返し17,17と軸部材15とを結ぶ直線の夾角である角度θ4がほぼ90°となるため、蓋32を効率よく挟持して引き上げることができる。また、この状態における両挟持板13,13間の長さは、蓋32における切欠き部33,33間の長さとほぼ等しくなる。一方、切欠き部33,33間の長さが両挟持板13,13間の長さよりも長い場合には、軸挿通用孔14a〜14cの組合せを変更することにより、切欠き部33,33間の長さに合致するように、両挟持板13,13間の長さを長くすることができる。
【0021】一方、梃子車3は、本発明における梃子機構に相当し、図1に示すように、端部22b,22bに把手部26が配設された長尺の梃子棒21,21と、両梃子棒21,21の端部22a,22a寄りの位置に下方に向けて延設された支持脚23,23とを備えている。また、梃子棒21,21の両端部22a,22aには、挟持具2に係合して釣り支えるためのL字形金具25,25が取り付けられている。さらに、両支持脚23,23の下端には、車輪24,24がそれぞれ取り付けられている。この場合、梃子棒21は、木材、金属、合成樹脂材料若しくはこれらが組み合わさってなる剛性を有する部材によって90cm程度の長さで形成されている。また、本実施の形態では、2本の角材(木製)が互いに約30cm隔てて平行となるように連結され、端部22aから30cm程度の位置に支持脚23が延設されている。
【0022】次に、脱着装置1の使用方法について、各図を参照して説明する。
【0023】この脱着装置1では、比較的軽い蓋32を取り外したり、梃子車3を使用するほどのスペースが無い場所で蓋32を取り外したりするときには、挟持具2と、吊り紐4または把手棒とを用いて蓋32を脱着する。具体的には、まず、蓋32,32間に泥や砂が詰まっているときには、軸部材15を必ずしも抜かなくても可能であるが、軸部材15を抜き去って互いに分離した状態のアーム11a(または11b)の端部12bを蓋32,32間に挿入して異物を掻き出す。次に、必要に応じて、この後に行う蓋32の引き上げを容易にするために、アーム11a(または11b)の端部12bを集水孔34に差し込んだ状態で端部12a側を押し下げて蓋32を緩める。次いで、軸部材15を抜いてあった場合には、両アーム11a,11bの軸挿通用孔14b,14bに軸部材15を挿通させると共に、軸部材15の孔にベータピン16を差し込む。次いで、吊り紐4の両端部を両アーム11a,11bの挿通孔18,18にそれぞれ挿通して固着する。続いて、側溝31にはめ込まれている蓋32,32・・の間の集水孔34,34に挟持板13,13を差し込む。次に、吊り紐4の中間部位を肩に掛けて図4に示す矢印Aの向きで引き上げる。この際には、図5に示すように、両アーム11a,11bの端部12b,12bが軸部材15を中心として矢印B1,B2の向きで回動する結果、端部12a,12aが矢印C1,C2の向きで回動する。これにより、挟持板13,13は蓋32に対して相対的に矢印D1,D2の向きで移動し、蓋32の切欠き部33,33の形成面を挟持する。
【0024】次いで、吊り紐4をさらに引き上げると、返し17,17が蓋32の底面縁部に係合する。この結果、蓋32は、挟持板13,13によって挟持されつつ、返し17,17に釣り支えられて、矢印Aの向きで上動する。この場合、返し17,17が蓋32の底面縁部に突き刺さるようにして当接させられるため、挟持状態における蓋32の脱落を確実に防止することができる。また、蓋32を挟持した状態において、蓋32の自重によって挟持板13,13が矢印D1,D2の向きに移動する力も生じ、返し17,17は、蓋32を確実に釣り支える。したがって、従来の脱着装置51とは異なり、蓋32を挟持する向きに力を加えることなく、引き上げ時における蓋32の脱落が確実に防止される。この後、挟持具2によって挟持した状態の蓋32を所定場所まで持ち運び、例えば枕木SP,SPの上に載置する。これにより、蓋32の取り外しが完了する。一方、蓋32の側溝31への取付けの際には、挟持具2および吊り紐4を用いて蓋32を持ち運び、挟持具2を下動させる。これにより、蓋32は自重によって側溝31に自動的にはまり込む。この状態では、蓋32が側溝31によって支えられているため、挟持板13,13による挟持が自動的に解除される。なお、蓋32が軽い場合には、1つのアーム11a(または11b)を使用して蓋32の引上げを行うこともできる。この場合、最初に、アーム11aの挿通孔18に把手棒を差し込んでおく。次いで、挟持板13の返し17を蓋32の切欠き部33の縁部に引っ掛け、その状態で、把手棒を両手で持って引き上げることにより、蓋32の切欠き部33側を引き上げることができる。
【0025】一方、比較的重い蓋32を取り外したり、梃子車3の使用スペースが確保できる場所で蓋32を取り外したりするときには、挟持具2および梃子車3を用いて蓋32を脱着する。この際には、まず、集水孔34,34に挟持具2の挟持板13,13を差し込む。次に、図6に示すように、把手部26を上方に持ち上げ、梃子車3のL字形金具25,25でアーム11a,11bの端部12b,12bを引っ掛ける。次いで、把手部26を矢印Eの向きで下方に押し下げる。この際には、梃子棒21が車輪24を支点として回動することにより、L字形金具25に引っ掛かった状態の挟持具2が矢印Fの向きで持ち上がる。この場合、アーム11a,11bの端部12b,12bが軸部材15を中心として図5に示す矢印B1,B2の向きで回動する結果、蓋32は、挟持板13,13によって挟持されつつ、返し17,17に釣り支えられて、矢印Aの向きで上動する。これにより、図7に示すように、側溝31から蓋32が取り外される。
【0026】この場合、脱着装置1では、梃子車3の支持脚23が梃子棒21の端部22a寄りに取り付けられているため、梃子の原理により、支持脚23(つまり車輪24)が支点、把手部26が力点、L字形金具25が作用点となって挟持具2に力が作用する。したがって、吊り紐4を用いて蓋32を直接持ち上げる場合と比較して、1/3程度の極めて小さい力で蓋32を持ち上げることができる。また、把手部26に体重をかけて持ち上げることができるので、力の弱い女性や腰痛のある人でも重い蓋32を容易に持ち上げることができる。この後、挟持具2を介して蓋32を吊り下げた状態で梃子車3を移動させ、例えば枕木SP,SP上に載置する。この際には、支持脚23に車輪24が取り付けられているため、持ち上げた蓋32を極めて容易に移動させることができる。一方、蓋32を側溝31に取り付ける際には、脱着装置1を移動させた後、把手部26を上方に持ち上げることにより、蓋32は、自重によって側溝31に自動的にはまり込む。
【0027】一方、例えば、図9に示すように、切欠き部37,37がテーパ状に形成された蓋36を脱着する際には、挟持板13,13の間隔を蓋32よりも少し長くするために、アーム11a,11bの軸挿通用孔14a,14aに軸部材15を挿通させる。次に、隣り合う蓋36,36の切欠き部37,37によって形成される集水孔に挟持板13,13を差し込む。次いで、梃子車3または吊り紐4を用いてアーム11a,11bを引き上げる。この際には、アーム11a,11bの端部12a,12aが図8に示す矢印C1,C2の向きで回動する。これにより、挟持板13,13が、蓋32に対して相対的に矢印D1,D2の向きで移動する。この際には、挟持板13,13の側面と両切欠き部37,37のテーパ面とが互いに突き当り、かつ返し17,17が蓋36の底面縁部に係合する結果、蓋36が確実に挟持される。この後、アーム11a,11bをさらに引き上げると、蓋36は、挟持板13,13によって挟持されつつ、返し17,17に釣り支えられて、矢印Aの向きで上動させられる。なお、挟持板13の先端部側(返し17側)を屈曲形成することにより、蓋36をさらに確実に挟持することができる。
【0028】このように、この脱着装置1では、非常に簡易な構成であるため、安価に製作することができ、しかも、蓋32,36を確実に挟持しつつ容易に上げ下げすることができる。したがって、脱着装置1を各家庭や事業所単位で配備し、側溝31の清掃時には、各人が脱着装置1を用いて蓋32,36を脱着することができる。また、アーム11a,11bを分離可能に構成したことにより、アーム11a,11bをバールとして使用することができると共に、分離状態では嵩張らないため、持ち運びや収納も容易となる。
【0029】なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されない。例えば、本発明の実施の形態では、鉄板を所定形状に打ち抜いてアーム11a,11bを形成した例について説明したが、アーム11a,11bの構造はこれに限定されず、鉄パイプや角材(木材)などを用いて形成することもできる。また、各部の長さや角度は、着脱対象の蓋の大きや形に応じて適宜変更することができる。
【0030】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の側溝用蓋挟持具によれば、軸部材を中心として鋏状に回動自在に構成された2本のアームを備えたことにより、両アームにおける挟持部の返しに加わる側溝用蓋の自重によって、側溝用蓋が両挟持部によって挟持されるため、確実かつ容易に側溝用蓋を上げ下げすることができると共に、簡易な構成であるため、製造コストの低減を図りつつ、故障が少なく、しかも、長さが異なる各種側溝用蓋を脱着可能な側溝用蓋挟持具を提供することができる。
【0031】また、請求項2記載の側溝用蓋挟持具によれば、両アームに軸挿通用孔を複数並設したことにより、側溝用蓋の長さに応じた位置の軸挿通用孔に軸部材を挿通させることで、側溝用蓋の底面縁部に返しを確実に係合させることができる結果、長さの異なる各種の側溝用蓋を上げ下げすることができる。
【0032】さらに、請求項3記載の側溝用蓋挟持具によれば、アームと挟持部との夾角がほぼ120°となるように構成したことにより、返しに加わる側溝用蓋の自重によって側溝用蓋を最も効率よく挟持することができる。
【0033】また、請求項4記載の側溝用蓋挟持具によれば、返しと挟持部の長手方向との夾角をほぼ80゜にしたことにより、返しが側溝用蓋の底面縁部に突き刺さるようにして当接させられるため、挟持状態における側溝用蓋の脱落を確実に防止することができる。
【0034】さらに、請求項5記載の側溝用蓋挟持具によれば、挟持部を全体として薄板状に形成したことにより、隣り合う側溝用蓋同士の間に挟持部を容易に差し込むことができる。また、挟持部における先端部の折曲げ、および溶接による挟持部への固着のいずれかで形成することにより、返しを容易に形成することができる。
【0035】また、請求項6記載の側溝用蓋挟持具によれば、挿通孔に挿通して結んだ吊り紐を用いることにより、両アームを両手で持って側溝用蓋を挟持するのと比較して側溝用蓋の脱着作業をさらに容易に行うことができる。また、挿通孔に把手棒を差し込むことにより、バールとして用いることもできる。
【0036】さらに、請求項7記載の側溝用蓋挟持具によれば、両アームの他端側を厚み方向に屈曲形成したことにより、両アームを使用して、例えば隣り合う側溝用蓋の間に詰まった砂や泥を掻き出したり、バールとして用いることによって側溝用蓋を移動させたりすることができる。加えて、両アームを分離することにより、収納や持ち運びが非常に容易となる。
【0037】また、請求項8記載の側溝用蓋脱着装置によれば、側溝用蓋挟持具および梃子機構を備えたことにより、梃子の原理を用いて、僅かな力で側溝用蓋を着脱することができる。
【出願人】 【識別番号】596132617
【氏名又は名称】田中 貴
【出願日】 平成11年6月23日(1999.6.23)
【代理人】 【識別番号】100104787
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 伸司
【公開番号】 特開2001−3439(P2001−3439A)
【公開日】 平成13年1月9日(2001.1.9)
【出願番号】 特願平11−176138