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【発明の名称】 側溝および側溝用ブロック
【発明者】 【氏名】大池 悦二

【要約】 【課題】側溝に対し雨水を呑み込む十分な開口面積が確保でき、さらに、歩行者の障害とならない蓋を持った側溝を提供する。

【解決手段】側溝1の開口3にコンクリート蓋20と、このコンクリート蓋よりも短い寸法のグレーチング蓋のような多孔性の蓋30とを長手方向に並べて設置し、さらに、これらのコンクリート蓋20とグレーチング蓋30の寸法を側溝1を構成する側溝用ブロック10の単位で割り付ける。雨水などを多孔性の蓋30から側溝1の内にスムーズに排出させることができると共にコンクリート蓋の面積を増やすことができるので、経済的で歩きやすい蓋でカバーされた側溝を実現できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上方の少なくとも1部が開口となった側溝用ブロックが連接され、その開口の少なくとも一部が着脱可能な複数の蓋により覆わされた側溝であって、前記側溝用ブロックの少なくとも1つの開口がコンクリート製の蓋と多孔性の蓋の組み合わせで覆われており、前記多孔性の蓋の側溝の長手方向の寸法は前記コンクリート製の蓋よりも短く、さらに、前記コンクリート製の蓋および多孔性の蓋を組み合わせた寸法は前記側溝用ブロック単位で割り付けられていることを特徴とする側溝。
【請求項2】 請求項1において、前記多孔性の蓋はグレーチング蓋であることを特徴とする側溝。
【請求項3】 請求項1において、前記多孔性の蓋の側溝の長手方向の寸法は約10cm以下であることを特徴とする側溝。
【請求項4】 請求項1において、前記多孔性の蓋は前記コンクリート製の蓋に隣接して配置されていることを特徴とする側溝。
【請求項5】 請求項1において、前記コンクリート製の蓋は、切欠きがないか、または切欠きの幅が15mm程度以下であることを特徴とする側溝。
【請求項6】 請求項1において、前記側溝用ブロックの蓋受け用の縁は、前記コンクリート製の蓋を設置する第1の部分と、この第1の部分より浅く、前記多孔性の蓋を設置する第2の部分とを備えていることを特徴とする側溝。
【請求項7】 請求項1において、前記多孔性の蓋を前記コンクリート製の蓋または前記側溝用ブロックに係合して固定する固定手段を備えていることを特徴とする側溝。
【請求項8】 請求項7において、前記多孔性の蓋はグレーチングであり、前記固定手段は前記グレーチングのクロスバーの回りに旋回可能なフック状の部材と、前記コンクリート製の蓋または前記側溝用ブロックから前記フック状の部材と係合するように突き出た支持棒とを備えていることを特徴とする側溝。
【請求項9】 請求項8において、前記フック状の部材は、フック状の先端の後方側に重心があり、このフック状の先端を後方に旋回する解除用のレバーを備えていることを特徴とする側溝。
【請求項10】 請求項1ないし9のいずれかにおいて、前記側溝はU字型側溝または自由勾配側溝であることを特徴とする側溝。
【請求項11】 複数のブロックを長手方向に並べて側溝を施工する側溝用ブロックであって、上方の少なくとも1部が開口となり、その開口に蓋を設置するための蓋受け用の縁を有し、この蓋受け用の縁は、コンクリート製の蓋を設置する第1の部分と、この第1の部分より浅い、多孔性の蓋を設置する第2の部分とを備えていることを特徴とする側溝用ブロック。
【請求項12】 請求項11において、前記側溝用ブロックはU字型側溝または自由勾配側溝用のブロックであることを特徴とする側溝用ブロック。
【請求項13】 複数のブロックを長手方向に並べて側溝を施工する側溝用ブロックであって、上方の1部が開口となり、その開口の側面に長手方向に支持棒を装着できるようにインサートが埋設されている側溝用ブロック。
【請求項14】 上方の少なくとも1部が開口となった側溝用ブロックが連接された側溝に設置される多孔性の蓋であって、組み合わせて設置されるコンクリート製の蓋よりも側溝の長手方向の寸法が短く、そのコンクリート製の蓋と組み合わせた状態で前記側溝用ブロック単位で割り付け可能な多孔性の蓋。
【請求項15】 上方の少なくとも1部が開口となった側溝用ブロックが連接された側溝に設置される多孔性の蓋であって、側溝の長手方向の寸法が約10cm以下であることを特徴とする多孔性の蓋。
【請求項16】 請求項14または15において、グレーチング蓋であることを特徴とする多孔性の蓋。
【請求項17】 請求項14または15において、前記コンクリート製の蓋または前記側溝用ブロックに係合して固定する固定手段を備えていることを特徴とする多孔性の蓋。
【請求項18】 請求項17において、前記多孔性の蓋はグレーチングであり、前記固定手段は前記グレーチングのクロスバーの回りに旋回可能なフック状の部材を備えていることを特徴とする多孔性の蓋。
【請求項19】 請求項18において、前記フック状の部材は、フック状の先端の後方側に重心があり、このフック状の先端を後方に旋回する解除用のレバーを備えていることを特徴とする多孔性の蓋。
【請求項20】 上方の少なくとも1部が開口となった側溝用ブロックが連接された側溝に設置されるコンクリート製の蓋であって、前記側溝の長手方向の寸法が、前記側溝用ブロックの長手方向の寸法の約数より短いことを特徴とするコンクリート製の蓋。
【請求項21】 上方の少なくとも1部が開口となった側溝用ブロックが連接された側溝に設置されるコンクリート製の蓋であって、組み合わせて設置される多孔性の蓋よりも側溝の長手方向の寸法が長く、その多孔性の蓋と合わせて前記側溝用ブロック単位で割り付け可能なコンクリート製の蓋。
【請求項22】 請求項20または21において、前記側溝の長手方向に支持棒を装着できるようにインサートが埋設されていることを特徴とするコンクリート製の蓋。
【請求項23】 請求項20または21において、切欠きがないか、または切欠きの幅が15mm程度以下であることを特徴とするコンクリート製の蓋。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、雨水を流すために路肩などに設置される側溝に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、雨水などを流すために施工される側溝は、断面がU字型のブロックあるいは自由勾配側溝と呼ばれる底面が開いた断面が逆U字型のブロックが連接して長手方向に並べて施工されているものがほとんどである。そして、これらの側溝の上方(天場)は、蓋なしで開放されているものもあるが、ほとんどのもの、特に歩道、あるいはその近傍に敷設されているものは安全のために蓋が設置されている。
【0003】側溝の蓋には、強度およびコストの点からコンクリート製の蓋が多く用いられている。雨水を側溝に流し込むには、蓋に適当な開口が必要である。コンクリートの蓋は経済的ではあるが、小さな孔を開けることは製造工程上、それほど容易なことではなく、また、多数の孔を開けると強度を維持する点で問題がある。このため、蓋の周囲(端部)に幅40mm程度、長さ100mm程度の切欠きを1つまたは複数設けられている。この切欠きは、道路からの雨水を飲み込むのに必要であるのと同時に、蓋を着脱するための蓋掛りとなる。したがって、現在の側溝用の蓋では必須のものとなっている。
【0004】また、雨水を回収するために、部分的にコンクリート蓋をグレーチング蓋に置き換えることも行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような切欠きが設けられた蓋に関し、いくつかの問題が指摘されている。1つは、コンクリート製の蓋の切欠きに女性がハイヒールのかかとを落としたり、杖を突いている歩行者が杖の先を引っかけるなどして転倒する可能性があることである。この問題は、グレーチング蓋においても指摘されており、グレーチングの目にハイヒールの踵が挟まって歩きにくく、場合によってはハイヒールが脱げてしまうこともありうる。
【0006】この問題は、コンクリート製の蓋の切欠きの幅を狭くすることにより解決できるが、蓋の着脱ができずメンテナンスなどが行いにくい。また、雨水を回収するのに十分な開口面積を確保できないといった問題もある。
【0007】グレーチング蓋においては、目の幅(ベアリングバーの間隔)が10mm程度と狭い細目のグレーチング蓋を採用することにより、歩き難さは多少残るがハイヒールの踵を落とすような問題は防止できる。しかしながら、グレーチング蓋はコストが高く、細目のグレーチング蓋はさらに高価なので、経済的な問題が発生する。
【0008】また、コンクリート製の蓋がずれて、切欠きの部分の開口が広がってしまうという問題もある。これは、U字型の側溝で多く発生するが、車が側溝の上でブレーキをかけたときに側溝の蓋がずれてしまい、ある場所では、蓋同士の隙間が大きくなる。さらに、蓋の端には切欠きがあるので大きな隙間が空いてしまうことがある。側溝の開口に隙間なく蓋を設置できれば良いが、実際には、側溝用ブロック同士を接続するためにモルタルを注入する目地の寸法、あるいは蓋を着脱するためのクリアランスがあるので、蓋同士が密着することはない。したがって、蓋が一方にずれていきやすい交差点や坂道などでは、大きな隙間が発生する可能性があり、危険な状況になることがある。
【0009】そこで、本発明においては、これらの問題に鑑み、安全に歩行でき、また、低コストで施工できると共に、さらに、雨水を飲み込むのに十分な開口面積を確保することができる蓋を備えた側溝を提供することを目的としている。また、そのような側溝に適した側溝用ブロックおよび蓋も提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため、本発明においては、コンクリート製の蓋に加え、コンクリート製の蓋よりも側溝の長手方向の長さが短いグレーチング蓋とで側溝の開口をカバーするようにしており、さらに、これらコンクリート製の蓋と多孔性の蓋の組み合わせを側溝用ブロックの長さ単位で割りつけるようにしている。すなわち、本発明の、上方の少なくとも1部が開口となった側溝用ブロックが連接され、その開口の少なくとも一部が着脱可能な複数の蓋により覆わされた側溝においては、側溝用ブロックの少なくとも1つの開口がコンクリート製の蓋と多孔性の蓋の組み合わせで覆われており、多孔性の蓋の側溝の長手方向の寸法はコンクリート製の蓋よりも短く、さらに、このコンクリート製の蓋および多孔性の蓋の組み合わせが側溝用ブロック単位で割り付けられていることを特徴としている。
【0011】従来、側溝用の蓋は、均等な長さのものが側溝用ブロック単位で割り付けられている。したがって、1mの長さの側溝用ブロックが用いられている場合は、1mあるいは50cmといった側溝用ブロックの長さの約数に相当する長さの蓋が採用されている。実際には、クリアランスを設け、マイナス公差で製造するために約数の厳密な値よりも1から数mm程度短いが、その設計思想は約数である。というのは、側溝用ブロックの長さの約数に相当する長さの蓋でないと、隣接する側溝用ブロックにわたり蓋が設置されることになる。このため、直線部であっても端部で蓋と側溝の寸法が一致しなくなり蓋をしないか、あるいはいずれかを切断して調整する必要がある。さらに、曲線を構成するために側溝用ブロック毎に角度が変わるような配置であると蓋が側溝に載らなくなり、蓋ができなくなる。また、施工時に側溝用ブロックに微少なレベル差があったり、施工後に不等沈下などによって微少なレベル差が発生すると蓋ががたつくなどの不具合が発生する可能性がある。
【0012】さらに、コンクリート蓋の場合、側溝の長手方向の寸法(長さ)が短くなると、蓋にかかる輪荷重を支持するための荷重条件が厳しくなり、長さが30cm程度以下になると蓋を厚くする必要がある。したがって、側溝用ブロックの設計が変わり、流路の断面積を確保するためには掘削条件も変わってしまう。このため、設計基準が変わり、側溝用ブロックを製造する型枠が変わるなど影響が非常に大きい。したがって、通常、40cm以下の長さのコンクリート蓋が採用されることはない。一方、長さが1m以上になると蓋受けに当たる部分の公差が大きくなりやすいのでがたつきを抑えることが難しくなる。
【0013】したがって、従来のコンクリート蓋の長さは40cmから1m程度の範囲で側溝用ブロックの長さの約数に当たる寸法になる。グレーチング蓋もコンクリート蓋と組み合わせて用いられるために、その長さはコンクリート蓋と同じになる。このため、グレーチング蓋を歩行に影響の少ない細目のものに変えるとグレーチング蓋のコストが非常に高くなり、細目のグレーチング蓋が良いことは解っていても経済上の問題から採用することは非常に難しい。
【0014】これに対し、本発明においては、上記のような従来の蓋の長さに対する考え方を根本的に変え、グレーチング蓋の長さをコンクリート蓋の長さよりも短くし、さらに、コンクリート蓋およびグレーチング蓋を組み合わせた寸法を側溝用ブロック単位で割り付けできるようにしている。この考え方で長さを設定すると、コンクリート蓋の長さは、側溝用ブロックの長さの約数にならない。しかしながら、コンクリート蓋とグレーチング蓋とを適当に組み合わせることにより、側溝用ブロック単位で蓋を設定できる。すなわち、コンクリート蓋とグレーチング蓋の組み合わせで1つの側溝用ブロックの開口を過不足なくカバーすることができる。したがって、隣接する側溝用ブロックに蓋がまたがって設置される事態は発生せず、上述したような問題は発生しない。すなわち、蓋の長さが過不足にならず、曲線部分であっても蓋を設置でき、また、蓋のがたつきなども発生しにくい。
【0015】さらに、本発明によれば、グレーチング蓋の長さをコンクリート蓋の長さよりも短くできる。したがって、グレーチング蓋のコストを大幅に低減できる。このため、細目のグレーチング蓋、あるいは其れに限らず、歩行に支障の少ないデザインの多孔性の蓋を採用しても経済的な負荷は少なくて済む。さらに、側溝に流し込む雨水の量を考慮しても、側溝の流路面積を考えればコンクリート蓋と同じ面積の多孔性の蓋は開口面積が過剰であり、コンクリート蓋よりも短い長さで十分な開口面積を確保できる。また、多孔性の蓋の面積が削減されると、歩行者への影響もさらに少なくなる。さらに、多孔性の蓋の長さが短くできるので、コンクリート以外の強度の高い部材を用いることが可能となり、たとえば、グレーチング蓋もそうであるが強度の面から長さを限定する必要がなくなる。これらの条件を考えると、多孔性の蓋の長さは約10cm以下にすることができる。
【0016】さらに、短い多孔性の蓋を各側溝用ブロック単位で1つまたは2つ以上分散して配置することができるので、雨水を飲み込む口が多くなる。また、多孔性の蓋を多く配置しても1つ1つは短いので経済的な負担は少ない。したがって、低コストで雨水の回収効率が高く、水溜りの発生する可能性も少ない側溝を施工することができる。
【0017】一方、多孔性の蓋の長さを短くしても、コンクリート蓋の長さを短くする必要はなく、多孔性の蓋の長さを加味して側溝用ブロックの単位長さをカバーでき、側溝用ブロックの設計変更を伴わない寸法に設定できる。したがって、側溝用ブロックの設計基準を変更したり、施工方法を変える必要はない。コンクリート蓋の長さは、従来のものと変える必要が生ずるが、全てを変える必要はなく、従来の側溝用ブロックの長さの約数に相当する長さのコンクリート蓋と組み合わせて蓋を施工することも可能である。もちろん、長さの異なるコンクリート蓋を組み合わせて施工するよりは、同じ長さのコンクリート蓋を用いる方が施工が容易で間違えがなく、さらに汎用性の点でも望ましい。コンクリート製の蓋の長さは、従来の割り付けから大きく変えることは好ましくなく、側溝の長さの約数(側溝の長さ自体も含む)よりも1cm程度は短く、しかしながら、10cm程度以上は短くないような寸法を選択することが望ましい。そして、上述したように強度を考慮すると長さ40cm程度以下は有用ではなく、一方、長さが1mを超えると重量が大きすぎる。したがって、40cmから1mの範囲で、上記の条件を満たすコンクリート蓋が本発明に適している。
【0018】さらに、多孔性の蓋は、孔の部分を利用することにより着脱が容易にできる。したがって、多孔性の蓋をコンクリート製の蓋に隣接して配置することにより、多孔性の蓋を外すとコンクリート蓋に手が入る。このため、切欠きを設けなくてもコンクリート蓋の着脱を簡単に行うことができる。したがって、切欠きのないコンクリート蓋で側溝の開口をカバーできる。あるいは、コンクリート蓋を着脱するときに治具あるいは重機を使用することを考えると多少の切欠きがあることが望ましいが、この場合でも、多孔性の蓋を外して設置できるので、切欠きは最小限の幅、たとえば15mm程度以下にすることができる。このため、上述したコンクリート蓋の切欠きにヒールの踵を落とすような問題も解決される。また、切欠きが不要になればコンクリート蓋のコストはさらに下げることができる。
【0019】コンクリート蓋が強度的に厚くなるのに対し、グレーチング蓋は強度が高いので薄くすることができる。パンチングメタルなどの他の多孔性の蓋においても同様である。もちろん、多孔性の蓋の端部をコンクリート蓋と同じ厚みに加工しておくことも可能であるが、側溝用ブロックの蓋受け用の縁に、コンクリート製の蓋を設置する第1の部分と、この第1の部分より浅く、多孔性の蓋を設置する第2の部分とを設けることも可能となる。このようにすると、第2の部分がコンクリート蓋のストッパとなる。したがって、坂道や交差点においてコンクリート蓋をスライドさせるような力が働いてもコンクリート蓋は移動しない。このため、蓋が偏って隙間があくことがなく、どこでも安全な側溝を提供することができる。
【0020】このように本発明によれば、グレーチング蓋などの多孔性の蓋の長さをコンクリート蓋よりも短くすることができる。したがって、多孔性の蓋が軽量になるので動かしやすい反面、タイヤなどによる跳ね上げが起こりやすい可能性がある。したがって、多孔性の蓋をコンクリート製の蓋または側溝用ブロックに係合して固定する固定手段を備けることが望ましい。
【0021】多孔性の蓋がグレーチングであれば、固定手段としてグレーチングのクロスバーの回りに旋回可能なフック状の部材と、コンクリート製の蓋または側溝用ブロックからフック状の部材と係合するように突き出た支持棒とを備えた機構を採用できる。フック状の部材が、フック状の先端の後方側に重心があれば自動的にグレーチング蓋がロックされるので非常に安全である。また、このフック状の先端を後方に旋回する解除用のレバーを設けておけば、メンテナンスなどのときに固定手段を外しやすい。
【0022】このようなフック状の部材と組み合わされる支持棒は、側溝用ブロックまたはコンクリート蓋にインサートを埋設しておくことにより簡単に取りつけできる。
【0023】このような本発明は、上面の少なくとも1部が開口となった側溝であれば適用できる。したがって、U字型側溝または自由勾配側溝に適用できる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1(a)に、本発明にかかる側溝1が施工された状態を上方から見た様子示してある。また、図1(b)に、側溝1の長手方向に沿った断面図を示してある。本例の側溝1は、歩道あるいは車道に沿って多く設けられているものであり、図2に示すような側溝用ブロック10が長手方向に連接して施工される。そして、本例の側溝1は、その上方(天場)2に設けられた開口3がコンクリート製の蓋(コンクリート蓋)20と、このコンクリート蓋20と側溝1の長手方向Lに並べて配置されたグレーチング製の蓋(グレーチング蓋)30によって塞がれている。このため、車道あるいは歩道などから路面の傾斜に沿って側溝1の側に流れた雨水8は、分散して配置されたグレーチング蓋30を通って側溝1に排水される。
【0025】本例の側溝用ブロック10は断面がU字型であり、上方2が開口3となっている。1つの側溝用ブロック10の長さL1は2mであり、各々の側溝用ブロック10の開口3は4枚のコンクリート蓋20と2枚のグレーチング蓋30との組み合わせでカバーされている。各々のコンクリート蓋20の長さ(側溝の長手方向の寸法)L2は478mmであり、各々のグレーチング蓋30の長さL3は40mmである。したがって、4枚のコンクリート蓋20および2枚のグレーチング蓋30の合計長LTは、1992mmとなり、1つの側溝用ブロック10の長さL1に対応した長さとなる。蓋の合計長LTが側溝用ブロック10の長さL1より8mm程度短いが、蓋が確実に側溝用ブロック10に収まるように個々のコンクリート蓋20の長さL2が前後1mm程度のマイナス公差を見込んで設計および製造されているためである。
【0026】従来の側溝であれば、側溝用ブロック10の長さL1の約数である長さ500mm(施工に必要な隙間あるいはマイナス公差を考慮すると498mm)のコンクリート蓋4枚あるいは長さ500mmのグレーチング蓋を含めた組み合わせで側溝が蓋されている。あるいは、長さ1000mm(隙間を考慮すると998mm)のコンクリート蓋2枚あるいは同じ長さのグレーチング蓋との組み合わせで蓋されている。
【0027】これに対し、本例の側溝1においては、コンクリート蓋20の長さL2が、側溝用ブロック10の長さL1の約数よりも小さな480mm(隙間を考慮して478mm)で設計されている。このため、長さ40mmのグレーチング蓋30をコンクリート蓋20と組み合わせて設置することができ、このような組み合わせにしても側溝用ブロック10の単位で蓋の割り付けができる。したがって、隣接する側溝用ブロックにわたり蓋が置かれることがなく、末端部分で長さ調整を行う必要はない。また、蓋のがたつきも少なく、曲がりの部分を施工したときでも全ての側溝に蓋を設置することができる。
【0028】このような本例の側溝1では、開口2が主にコンクリート蓋20によってカバーされ、コンクリート蓋20に挟まれて短いグレーチング蓋30が配置されている。したがって、コンクリート蓋20の面積が広いので歩き易く、グレーチングの目にハイヒールの踵が取られてハイヒールが脱げたりあるいは転んだりすることが少ない。一方、所定の間隔でグレーチング蓋30が分散配置されているので、雨水を排水するのに十分な開口面積を確保でき、さらに排水効率も高い。また、短いグレーチング蓋30で雨水を排水するように開口2を蓋できるので、グレーチングの面積が狭くて済み、施工コストを下げることができる。
【0029】さらに、グレーチングの面積を狭くできるので、グレーチング蓋30に、図3(a)に示すようなベアリングプレート31のピッチが12mm程度と、一般のグレーチングよりピッチが半分程度で、高価な細目のグレーチングを用いてもそれほどのコストアップにはならない。したがって、この細目のグレーチング蓋30を用いることにより、グレーチング蓋30の部分でもハイヒールの踵が取られることがなくなる。このため、側溝の開口2を、排水能力を十分に確保可能な状態で、歩行者に安全であり、さらに経済的に蓋することができる。
【0030】また、グレーチング蓋30を取り外すと、コンクリート蓋20の側方にスペースができる。したがって、このスペースに手あるいは治具を入れてコンクリート蓋20を着脱することができるので、コンクリート蓋30の切欠きを非常に小さくするか、あるいはなくすことができる。重機あるいは道具を用いてコンクリート蓋30を着脱するときは微少な切欠きを設けておくことが望ましいが、この場合でも、幅は15mm程度あるいはそれ以下で良く、このような幅であれば、ハイヒールの踵が落ちたり、足が掛かるようなこともない。このため、歩道に表れるコンクリート蓋の切欠きにより足を取られたり、ハイヒールの踵を引っかけたり、さらには杖を落としてしまうようなことはない。このように、本例の側溝1は、歩道に施工した場合であっても歩行者がわずらわしく感じるようなことはなく、さらに歩行の安全を確保できる。さらに、グレーチング蓋30とコンクリート蓋20を順番に着脱することによる蓋の着脱も容易であり、メンテナンスも容易な側溝である。
【0031】さらに、図1(b)に示した断面図から判るように、グレーチング蓋30はコンクリート蓋20よりも薄い。側溝の幅によるが、たとえば開口の幅が30cmの側溝用のコンクリート蓋20の厚みは95mm程度であり、これに対し、グレーチング蓋30の厚みは50mm程度である。このため、側溝用ブロック10の蓋受け11には、コンクリート蓋20を受ける部分11aに対しグレーチング蓋30を受ける部分11bが浅くなっており、この浅くなった部分11bを形成するために蓋受け11には上方に突き出た段差12が形成されている。この段差12の長手方向の寸法は、グレーチング蓋30の長さに相当し、本例では40mm程度である。したがって、コンクリート蓋20はこの段差12に側面が当たり、段差12がストッパとなるので、前後(長手方向)の動きが制限され、動かない。このため、側溝1が車道に配置され、コンクリート蓋20の上でブレーキがかけられたタイヤによりコンクリート蓋20に対し長手方向Lに移動する力が働いても蓋は移動しない。したがって、複数の蓋が一方によってしまい、個々の蓋の隙間が合算されて大きな隙間が形成されてしまうような事態を防止できる。このように、本例の側溝1は、車道あるいは車道と歩道が兼用となる場所に設置された場合でも、非常に安全な側溝となっている。
【0032】図2に示した側溝用ブロック10を中心に、さらに詳しく本実施の形態を説明する。図2は、U字型の側溝用ブロック10の概略構成を平面(a)、側面(b)、長手方向の断面(c)および幅方向の断面(d)を用いて示してある。本例の側溝用ブロック10は、上方(天場)2に開いた開口3に蓋を設置するために側溝用ブロック10の両側に長手方向に延び、上面2aから1段凹んだ蓋受け用の縁11が設けられている。これら蓋受け用の縁11には、左右の端13から全長L1の1/4の位置にグレーチング蓋を載せるための段差12が形成され、その部分11bがその他の部分11bに対し浅くなっている。また、側溝用ブロック10の両端13には隣接するブロックとの間の隙間をモルタルで埋められるように目地用の凹み14が設けられている。
【0033】地面を掘削して本例の側溝用ブロック10を長手方向に並べて配置することにより図1に示した側溝を施工できる。そして、蓋受け11の深い部分11aにコンクリート蓋20を載せ、浅い部分11bにグレーチング蓋30を載せることにより側溝1の開口3をコンクリート蓋20とグレーチング蓋30との組み合わせによりカバーすることができる。
【0034】図3に、グレーチング蓋30のいくつかの例を示してある。図1に示したグレーチング蓋は図3(a)に示したようなものであり、主な強度部材であるベアリングプレート31が側溝用ブロック10の両側の蓋受け11に乗るように、長手方向Lと直交する方向に延ばした構成となっている。したがって、長さL3が短くても十分な強度を持たせることができる。さらに、クロスバー32をベアリングプレート31に対し直交する方向に配置して強度を高くすると共に、多孔状にして雨水を流すのに十分な開口率が確保できるようにしている。
【0035】このグレーチング蓋30は細目と称されるグレーチングであり、ベアリングプレート31のピッチが12mm程度と通常のグレーチングのピッチ(30mm程度)に比較し半分程度に細くなっている。したがって、このグレーチング蓋30の上をハイヒールで歩いても踵が取られることはなく、安全に歩行できる。このような細目のグレーチングは通常のグレーチングより高価であり、コンクリート蓋の数倍から10倍程度の値段になる。しかしながら、上述したように、本例の側溝1ではグレーチング蓋30の長さL3は数cmと狭くて良く、雨水を排水する量を考慮して最大でも10cm程度以下でよい。したがって、グレーチング蓋の面積は小さくなる。このため、従来の数十cmあるいはそれ以上の長さのグレーチング蓋に比べて非常に低いコストで提供することができる。
【0036】図3(b)は、グレーチング蓋30の異なった例である。このグレーチング蓋30では、強度梁となるプレート33が長手方向Lと直交する方向に一本延びており、それに対し長手方向に延びた複数の補助プレート34が所定のピッチで取付けられたものである。また、図3(c)に示した蓋36は、多孔状に加工されたパンチングメタル37を用いたものであり、上記のグレーチング蓋30と同様にコンクリート蓋20と組み合わせて設置することができる。このような多孔状の蓋30あるいは36は、いずれも開口率が高いので水捌けが良く、強度も十分に高い。しかしながら、コンクリート蓋と比較すると高価である。さらに、見た目に歩きにくく、細目を用いて実質的には歩行上の安全に問題はないが、躓く可能性を完全になくすことは難しい。これに対し、本発明の側溝1では、このような多孔性の蓋30あるいは36の長さを短くし、コンクリート蓋の間に挟むことにより面積を小さくし歩行の障害とならないようにすると共に、上述したように経済性を高めている。また、多孔性の蓋30あるいは36を側溝の長手方向に分散配置することになるので、取水効率も高くなる。
【0037】本例では、長さL3が40mm程度のグレーチング蓋30を、これより長いコンクリート蓋20と組み合わせて開口3をカバーしているが、グレーチング蓋30の長さはこれに限定されない。最も雨量の多いような地域であっても、施工される側溝の流路の断面積を考慮するとコンクリート蓋の長さと同じ長さ、たとえば、50cm、60cmあるいは1mといった長さグレーチング蓋は過剰設備である。グレーチング蓋30が分散配置されていることを考慮するとグレーチング蓋30の長さは10cm程度以下で十分な排水能力が得られる。さらに、側溝に排水する排水量や、分散して配置するグレーチング蓋の数量によりグレーチング蓋30の長さL3は自由に調整することができる。最小はグレーチング蓋30の構造に依存するが2cm程度から10cm程度の範囲で適当な長さのグレーチングあるいは他の多孔性の蓋を選択できる。
【0038】側溝用ブロック10の長さL1が決まっているので、コンクリート蓋20の長さL2は、グレーチング蓋30の長さL3に依存して決まる。その長さの範囲は上述したように40cmから100cm程度がのぞましい。そして、複数枚のコンクリート蓋20をグレーチング蓋30と組み合わせて1つの側溝用ブロック10の開口をカバーする場合は、それらのコンクリート蓋20の少なくとも1つの蓋の長さは側溝用ブロック10の長さの約数とは異なったものとなる。側溝用ブロック10の長さL1は、現在、重機を用いて施工されるので、1m以上、2m程度のものが多くなっている。したがって、従来のコンクリート蓋の長さは、この長さL1の約数、すなわち、50cmまたは1mである。本発明におけるコンクリート蓋の長さL2は、約数よりもグレーチング蓋30の長さを考慮して1cm以上短いコンクリート蓋が望ましい。したがって、コンクリート蓋の長さL1は、40数cm、たとえば48cm、または90数cmなどが考えられる。これらの寸法にクリアランスなどを考慮して実際の寸法が決定されることは上述した通りである。
【0039】もちろん、本例に示してあるように、全てのコンクリート蓋20の長さを同じにすれば見栄えも良く、施工も容易である。しかしながら、従来の標準的な寸法のコンクリート蓋と組み合わせて用いることにより、従来のコンクリート蓋の資源を有効活用することができる。
【0040】すなわち、本例では、蓋受け11がグレーチング蓋30を考慮した設計になっているが、蓋受け11を加工する代わりにグレーチング蓋30をコンクリート蓋20と同じ厚みにしたり、適当な構造物を蓋受け11に現場で取りつけることにより、既に施工されている側溝の蓋に本発明を適用することができる。その際、全てのコンクリート蓋を新しい寸法のものに入れ変えることは経済的な負担が大きい。これに対し、従来のコンクリート蓋も使用できるような蓋の割り付けにすることにより、経済的な負担を低減することができる。
【0041】グレーチング蓋30とコンクリート蓋20の長さの設計方針はいくつか考えられる。その1つは、グレーチング蓋30の長さを一定にして、それに対して適当な長さ、すなわち、側溝用ブロック10の長さL1に見合った長さのコンクリート蓋を製造し提供することである。このような方法であれば、短いとは言いながら比較的高価なグレーチング蓋の種類を増やすことなく、量産しコストを下げるうことができる。これとは逆に、予めコンクリート蓋20の長さを側溝用ブロック10の長さによって決めておき、これに対応して適当な長さのグレーチング蓋を製造して提供することも可能である。コンクリート蓋の寸法を変えると、製造用の型枠の変更を伴うこともあり、こちらの設計思想のほうがコストセーブになることもある。いずれのケースでも、従来のようにコンクリート蓋と同じ種類の数だけグレーチング蓋を用意する必要はなく、この点でも本発明を適用することにより蓋に係る費用を低減することができる。
【0042】このようなコンクリート蓋とグレーチング蓋を組み合わせると、グレーチング蓋30は多孔性であるので治具を用いて簡単に外すことができる。また、寸法も短いので軽く、外し易い。従って、図1に示したグレーチング蓋30を外すと、コンクリート蓋30の側方にスペースができ、手あるいは治具が入る。このため、コンクリート蓋20も簡単に外すことができる。これらの蓋20および30を開口3に装着するときも同様である。従来、コンクリート蓋20には、手あるいは治具が入るように少なくとも40mm程度、あるいは、少なくとも30mm程度以上の切欠きが両側に設けられていたが、本例の側溝1では、コンクリート蓋20を着脱するときにそのような切り欠きは不要である。したがって、図4に示すように、方形で切欠きのないコンクリート蓋20を製造し装着できる。このため、切欠きにヒールの踵を落としたり、躓いたり、さらには杖を落としてしまうようなトラブルは防止できる。また、コンクリート蓋20の形状が単純になるので、製造も簡単であり、コストも下がる。
【0043】吊具を引っかけるために切欠きを設けることが望ましいケースもあるが、この場合でも切欠きの寸法は15mm程度以下、さらに望ましくは12mm程度以下、すなわち、10mm前後で十分である。もちろん、切欠きのないコンクリート蓋の方が景観上もきれいなので望ましい。
【0044】本例のコンクリート蓋20は、図4および図5に示すように、方形の板状であり、その4方の側面は、一方の面21を除いてほぼ垂直な面で構成されている。1つの面21は、側溝1の開口3に搭載したときにグレーチング蓋30と面する部分であり、グレーチング蓋30を支持する蓋受け11の段部12に接触する面でもある。図2に示したように、蓋受け11の段部12は、製造時の脱型を考慮して上方が狭いテーパー状に加工されている。コンクリート蓋20の側面21は段部12と合致する角度で形成されており、開口3にコンクリート蓋20を載せると段部12が側面21に当たりがたつきなくコンクリート蓋20を設置することができる。そして、上述したように、段部12がストッパとなるので、タイヤなどによりコンクリート蓋20をずらす方向に力が働いても動かない。
【0045】さらに、グレーチング蓋30に対峙する面21には、そのほぼ中央にインサート25が埋設されている。このため、グレーチング蓋30をロックするための固定用の支持棒29を取り付けることができる。本例のグレーチング蓋30は、上述したように長さが短く重量もそれほどない。したがって、単に側溝1の蓋受け11に載せておいたのでは車が通過したときに跳ね上がる可能性がある。このため、何らかの固定手段を設けておくことが望ましい。従来の1m程度のグレーチング蓋でも跳ね上がりの問題はあるが、本例では、さらにグレーチング蓋が短く軽いので、跳ね上がりに対する対策を考慮することが望ましい。
【0046】跳ね上がりを防止する手段としては、ボルトでグレーチング蓋30を蓋受け11に固定することも考えられる。しかしながら、ボルトを採用すると、ボルトの頭をレンチなどで回す空間が必要となり、たとえば、直径16mmのボルトを採用すると30mm程度以上のスペースが要求される。しかしながら、本例のグレーチング蓋30は長さL3が40mm程度なので、ベアリングプレートの厚みなどを考慮すると、上記のようなスペースを確保することができない。また、寒冷地では冬期に塩化カルシウムを散布することがあるが、これによりボルトおよびナットが錆ついてしまい取り外しができないことも考えられる。さらには、グレーチング蓋の上を頻繁に車が通過するような場所であると、グレーチング蓋に対し上下の振動が繰り返し与えられるので、ボルトが緩んだり、あるいはネジが飛んでしまうことも考えられる。
【0047】そこで、本例においては、フック状のロック部材を用いてグレーチング蓋30をロックするようにしている。図6にグレーチング蓋30にロック部材50を掛けて固定する様子を示してある。この例では、グレーチング蓋30のクロスバー32に先端51がフック状になったロック部材50を旋回可能な状態にまず嵌め込み、次に、フック状の先端52を隣接するコンクリート蓋20から突き出た固定用の支持棒29に引っ掛けて係合させ、グレーチング蓋30を固定するようにしている。グレーチング蓋30から分離して製造および提供できるロック部材50は、グレーチング蓋30およびロック部材50を別々に亜鉛めっきできるなどのメリットを備えている。
【0048】さらに詳しく説明すると、図6(a)に示すように、ロック部材50は上下方向に若干長い板状の部材であり、先端(下端)が支持29と係合するように水平方向が大きく開いたフック状51になっており、上方はクロスバー32に嵌め込みできるように斜め下方が開いたフック状52となっている。もちろん、グレーチング蓋30にロック部材50を掛けるための部材を新たに設けておいても良い。固定部材50には、さらに、上端にロック部材50を取り外すときに引っ張って操作するためにレバー53が設けられている。このため、レバー53は、フック状51の開いた方向と反対側に延びている。
【0049】このようなロック部材50を、図6(b)に示したように、グレーチング蓋30のクロスバー32にロック部材50の上方のフック52を掛ける。これにより、クロスバー32の回りにロック部材50が自由に旋回するようになる。このロック部材50の重心は、フック状の先端51の後方側、すなわち、操作レバー53の側にある。このため、図6(c)に示すように、操作レバー53を上げた状態でグレーチング蓋30を側溝1の開口3にセットして操作レバー53を離すと、図6(d)に示すようにロック部材50はクロスバー32の回りに自動的に旋回し、先端のフック51が固定用の支持棒29と係合する。このため、グレーチング蓋30はコンクリート蓋20に固定される。コンクリート蓋20の重量は数10から数100kgなので、グレーチング蓋30が跳ね上がるのを防止できる。また、本例のロック部材50においては、重心が先端のフック51の開いた側と反対側、すなわち、後方にある。このため、自動的に旋回する範囲が広く、支持棒29がクロスバー32の真下に位置していないときでもロック部材50は支持棒29に引っ掛かり非常に安全である。
【0050】図6(e)に示すように、このロック部材50を取り外すときは、操作レバー53を上方に引っ張るだけで良い。操作レバーの位置を反対側にすることにより、操作レバーを押して取り外すようにすることも可能であるが、グレーチング蓋30の場合、石などがベアリングプレート31の間、すなわち、グレーチングの目に入って操作レバーを押してしまう可能性がある。したがって、本例のように、操作レバー53を引っ張って外すようにすることにより、より安全で確実にロックすることができるグレーチング蓋を提供できる。
【0051】このように、本例においては、グレーチング蓋のクロスバーの回りに旋回するロック部材50を採用しているので、グレーチング蓋30を固定するボルトナットは不要である。したがって、ボルト、さらにボルトをまわすための冶具を装着するスペースは必要ない。このため、ベアリングプレートが2あるいは3枚程度の寸法のグレーチング蓋30、特に細目のグレーチング蓋であっても簡単に固定することができる。したがって、コンクリート蓋20に短いグレーチング蓋30を組み合わせて側溝1の開口3をカバーする本例に非常に適している。さらに、車道に用いられ、振動が繰り返し加えられてもねじ山がないのでそのねじ山が破壊されてロックが外れる心配はない。特に、本例のロック部材50は自動的にロックされる構成となっているので、多少グレーチング蓋ががたつく状態であっても跳ね上がることはない。さらに、塩化カルシウムの散布などによりロック部材あるいはグレーチング蓋にさびが発生する事態となっても、本例のロック部材は、ねじのようにさびつくと外れなくなることはない。したがって、いつでも容易に取り外し、あるいは交換が可能であり、いったん設置すると非常に安全なグレーチング蓋となっている。
【0052】上述したロック部材と支持棒を用いたグレーチング蓋の固定手段あるいは固定方法は、従来の側溝用の蓋に用いられているコンクリート蓋と同程度のサイズ、すなわち1m程度のグレーチング蓋に対しても適用できる。そして、ボルトナットを用いたときの、冬季のさび付きの問題、振動による緩みの問題などを無くすことができる。それに加えて、本例のグレーチング蓋は短いのでボルトナットを取りつけるエリアを確保できないが、上記の固定方法を採用することにより、少なくとも1つの目がある最小の長さのグレーチング蓋であっても、それを固定することができる。したがって、本発明のグレーチング蓋には最適な固定方法である。
【0053】以上では、U字型の側溝1を例に本発明を説明しているが、もちろん、U字型に限らず、側溝の開口をカバーする蓋全般に本発明を適用することができる。図7には、上方(天場)2の一部が開口3となった自由勾配側溝15に対し、本発明により蓋を設置した様子を示してある。自由勾配側溝15を構成する側溝用ブロック16は、図8に示してあるように、インバートコンクリート18が現場で打設されて底面となるように下方19が開いた逆U字型の断面の長細いコンクリート製のブロックである。上部(天場)2の長手方向Lの中央付近には、開口3が設けられており、その両側に、天場2から1段凹んだ蓋受け用の縁11が設けられている。そして、蓋受け用の縁11は、上記のU字型の側溝用ブロックと同様にコンクリート蓋20を搭載するための深い部分11aと、グレーチング蓋30を搭載するための浅い部分11bとが形成されている。すなわち、蓋受け11に段差12が設けられている。
【0054】本例では、開口3の中央に浅い部分11bが形成されており、図7に示すように2枚のコンクリート蓋20に挟まれて短い寸法のグレーチング蓋30が載るようになっている。本例においてもグレーチング蓋30の面積が狭く、コンクリート蓋20の占める面積が広くなっている。このため、側溝の上は歩きやすい。また、数cm程度の長さのグレーチング蓋30で雨水などを飲み込むには十分な開口面積を確保できる。したがって、本例の側溝15も、歩きやすく、また、雨水の排水能力は十分に確保でき、さらに、グレーチング蓋30の面積が小さいので経済的な側溝である。
【0055】グレーチング蓋とコンクリート蓋の配置は自由であり、浅い部分11bを開口3の一方の端あるいは両端に設け、開口3の中央にコンクリート蓋20が載せられ、その一方あるいは両側にグレーチング蓋30が載せられるようにしてももちろん良い。いずれのケースでも、コンクリート蓋20の長さL2よりも短い長さL3のグレーチング蓋30が組み合わされており、これらのコンクリート蓋20およびグレーチング蓋30が各々の側溝用ブロック16の単位、本例では開口3の長さに収まるように割り付けられている。したがって、本例でもコンクリート蓋20の長さL2は、開口3の長さL1の約数にはなっていない。もちろん、長さL2を短くすることにより、開口3の長さL1の約数に相当するコンクリート蓋を採用することも可能であるが、上述したように、コンクリート蓋の強度が問題となるし、また、経済的には不利になる。したがって、コンクリート蓋20の長さL2は、35cm以上で、開口3(側溝用ブロック16の全長ではなく)の長さの約数の1cm以上短い範囲内となる。もちろん、この寸法にクリアランスなどを考慮した寸法が実際の寸法となる。
【0056】また、図7に示したケースでも、コンクリート蓋20には切欠きを設けなくても良くなる。すなわち、グレーチング蓋30をコンクリート蓋20よりも先に取り外せば、コンクリート蓋を取り外すためのスペースを確保できる。また、グレーチング蓋30の固定も、上記にて説明した方法で行うことができ、グレーチング蓋を簡単に手間なく、そして、安全に取りつけることができる。図7に示した例では、グレーチング蓋30がコンクリート蓋20に挟まれているので、いずれか一方のコンクリート蓋20に支持棒29を取り付けるためのインサート25を埋設しておくことが望ましい。もちろん、両方のコンクリート蓋20にインサート25を埋設しておき、それぞれとロック部材50によりグレーチング蓋30を固定するようにしても良い。グレーチング蓋30が開口3の端に配置されるケースでは、コンクリート蓋20にインサート25を埋設しておいても良いが、側溝用ブロック16の本体に開口3の側に突き出るように支持棒29を取り付けるインサート25を埋設しておいても良い。このようにすると、グレーチング蓋30を側溝用ブロック本体に固定できるので、さらに安全である。
【0057】もちろん、側溝の種類は上記に限定されない。自由勾配側溝用のブロックに土留め用の擁壁が設けられたもの、U字型側溝の底に浸透用の孔が開いているものなど多種多様な側溝に対し、それらの側溝の開口をカバーする蓋およびその配置に対し本発明を適用できる。そして、各々の側溝用ブロックの蓋受け部分の構造に本発明を適用することができる。もちろん、グレーチング蓋あるいは他の多孔性の蓋の厚みをコンクリート蓋と同じに設計することにより、側溝用ブロックのデザインはなにも変えずに本発明を適用することができる。しかしながら、上記にても説明したようにコンクリート蓋のずれを防止するという利点を得るためには蓋受けの構造を変えることが望ましい。蓋受けの構造は、上述したようにコンクリート製のブロック自体の構造を変えて対応しても良く、あるいは、従来の側溝用ブロックの蓋受けの部分に、金属製の嵩上げ用の部材を埋めこんだり、あとから接着あるいはホールインアンカーなどの方法により取りつけるようにして対応することも可能である。
【0058】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明においては、側溝に、コンクリート蓋と、このコンクリート蓋よりも短い寸法でグレーチング蓋のような多孔性の蓋とを長手方向に並べて配置する。これにより、雨水などを多孔性の蓋から側溝内にスムーズに排出すると共に、コンクリート蓋の面積を増やし歩行者がその上を歩きやすい側溝を実現している。さらに、コンクリート蓋の面積が多く、多孔性の蓋の面積を減らせるので経済的な側溝を提供できる。
【0059】そして、本発明においては、このように長さの異なるコンクリート蓋とグレーチング蓋を組み合わせた長さを、側溝を構築する側溝用ブロックの単位で割り付けるようにしている。したがって、複数の側溝用ブロックにわたりコンクリート蓋あるいはグレーチング蓋が設置されることはない。このため、端部で側溝と蓋の寸法が合わなくなることはなく、直線部分にかぎらず、曲線部分であっても上記のコンクリート蓋と短いグレーチング蓋との組み合わせで側溝をカバーすることができる。
【0060】また、グレーチング蓋の固定用のロック部材を設けたり、グレーチング蓋の蓋受けをコンクリート蓋のずれ止めに使用できるなど、本発明の側溝により、従来、側溝に関し検討されていたいくつかの課題を解決することができる。そして、歩行者が安全に通行でき、また、車も安全に走行でき、さらに安価な側溝を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】592136635
【氏名又は名称】株式会社オーイケ
【出願日】 平成12年4月19日(2000.4.19)
【代理人】 【識別番号】100102934
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 彰
【公開番号】 特開2001−3438(P2001−3438A)
【公開日】 平成13年1月9日(2001.1.9)
【出願番号】 特願2000−117627(P2000−117627)